邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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HappyHalloween!
……って!?11月!?もう遅かったね!ごめん!


第129話 第七回戦

嫉妬「それじゃあ、始めるよ!第七回戦目をね!」

 

今回の試合は我が娘だ。しかし相手の正体は不明のアベル。聞いたこともない名前だからこそ、注意深く観戦しよう。後の対戦相手になるかもしれないからでもある。

 

嫉妬「さて!まずは…邪神世界の主人公の娘にして何でも切り裂く程度の能力と悪魔の羽根を持つ心優しき悪魔!稀神兄妹の妹の方、稀神 零愛ッ!」

 

苅亜「頑張れよ~!零愛~!」

 

シロ「知らない奴なんて切り刻んでしまえー!」

 

いや、殺しちゃったらダメなんだよなぁ。

呑気な話や応援をしていると恐ろしく大きな殺気がこの場を包んだ。

 

嫉妬「つ、続きましては…!人とは言えぬこの殺気。コイツは一体、人間なのか…!?誰も知る筈のない謎多き人物!アベル・サタナキア!」

 

何なんだ…!コイツは本当に…!

黒い髪に右目は青色、左目が赤色の背中には長刀をかけている。

零愛の前まで歩いて来ると自分よりも小さい零愛を見下ろした。

 

アベル「……」

 

零愛「…誰かに洗脳されているの…?」

 

アベル「……俺が?ンな訳ねーよ。ただただ今回はこういう設定(……)なんだよ。」

 

零愛「こういう設定…?」

 

強欲「お取り込み中のところスマナイが、試合を始めるぞ…あとアベルとやら、殺しは禁止だ。」

 

強欲の始めがなしで既に手刀を零愛の首もとに当てていた。

するとアベルはへらへらと笑いだし、両手を上に挙げた。

 

アベル「冗談冗談、分かってるって殺し厳禁だってね…♪」

 

零愛(気づかなかった…)

 

ほんと、強欲さんが言わなかったら私、死んでたかも。

 

強欲「そんじゃあ、殺し無しの七試合を、よーい……始めッ!」

 

零愛「先手必──あぶっ!?」

 

先手必勝だと言って短刀二本を逆さ持ちして駆け出した零愛だったが、アベルに顔面を掴まれて地面に叩き付けた。

 

零愛「うぐぅっ!!」

 

アベル「邪炎『ソウルフレア』。」

 

零愛「うぶぅぅう!!!?」

 

神司「っ──!!」

 

顔面を掴んでまま黒炎を放った。それを直視してしまった俺は怒りが溢れ出してしまって観客席から下りようとすると、姉ちゃんが俺の腕を掴んだ。

 

神司「離せ、姉ちゃん。」

 

星花「ごめん…今は無理……」

 

神司「何でだよ!」

 

星花「……強欲が言ってたじゃん、『殺しは禁止』だって…」

 

俺はハッと我に返ってから強欲の方を見ると、紅葉姫を持ち構えていた。いつでも零愛を助けに入れるようにと。

 

零愛「うぅ…零式『蒼柳』!」

 

アベル「っ!」

 

アベルを蹴り飛ばしてから綺麗な蒼が渦巻きを巻いてアベルを切り裂く。

 

零愛「血は止まらないからね。」

 

アベル「あっそぉ、ならさァ、俺が出血死する前にテメェを倒しゃあ勝ちなんだなぁ?」

 

邪気が増す。背中にかけている長刀を抜刀すると、長い黒刀だった。

 

アベル「晃雅宗(こうがそう)。しっかりと受けろよ~、零愛!」

 

零愛「ッ!」

 

ニヤニヤと笑いながら長い刃を零愛に向けて振り回す。

何とかして短刀を×のようにして攻撃を受け止める。

 

アベル「ははっ、受け止めるかァ!第一人格『邪神斬り』ィ!」

 

零愛「ッ!」

 

神司「なっ!?」

 

クロム「はっ!なるほどな!」

 

アベルの晃雅宗から邪炎が立ち上ぼり威力を上げた。零愛は無理だと察知し横に一先ず逃げた。

それにしてもだ。アベルが使用したスペルカードは〝人格技〟だ。昔、クロムが言っていた。人格技を使う奴は一人しか知らないと…。

 

神司「アイツ…!神ノか!?」

 

夢『彼奴が神ノ邪神というお主の師なのか?』

 

神司「あぁ…」

 

夢『しかし、聞いたのとは全然、性格が違うが…さらには、お主の記憶の顔が一致せぬ。』

 

神司「そうなんだよ、だから俺も驚いているんだ。」

 

嫉妬「あの人格技って…!」

 

強欲「あぁ、間違いなく神ノ邪神だ。」

 

実況席からマイクが強欲と嫉妬の声を拾い、観客席に流される。

すると神ノを知っている観客たちがざわつき始めた。

この場には幻想郷の住人の他に悪魔が色々と観に来ている。

あの神ノの性格と殺気が漏れている姿は夢の言う通り記憶と一致しない。だが一つあるとすれば、月での戦闘だ。その時の神ノは現在の神ノと似ている。

 

アベル「よく逃げれたなぁ。」

 

零愛「どうせ、今のままだと押し負けるから。」

 

アベル「ざっくり行けばなァ。」

 

アベルは戦闘体制を解くと自己紹介と一つ宣言を放った。

 

アベル「俺は神ノ邪神!昔の名前がアベル・サタナキアだからそう名乗った。分かっていると思うが、俺は戦い好きだ。だから…零愛が子どもだろうと本気で倒す!」

 

観客席から歓声と拍手が喝采し始めた。

何だ、この喝采は。まるで零愛が悪役で正義の神ノ邪神が悪役を成敗する場所なのか…?ここは。

神ノに対して怒りを覚える。いつもはアイツのノリだが、今回ばかりは違う。こんなクズが正義だと?肩書きも大概にしろ。

 

神司「ふざけるな…!」

 

声を発すると、周りの観客たちが俺のことを睨み始めた。

「無視していこう」と思っていた。だが、この会話で怒りが頂点に達した。

 

悪魔「それにしても、殴ったり蹴ったり斬ったりとしてるが全然死なないな、あの雑魚ガキ悪魔。」

 

悪魔「あんな甘えん坊のガキンチョなんて神ノ邪神様なら、いとも簡単に殺せるだろ?」

 

悪魔「遊んでんのさ、ただの肉片になるまで。」

 

悪魔「なるほど~、片羽根のダメ天人とただの器の悪魔モドキとのハーフは肉片がピッタリだもんなぁ!」

 

神司「黙れ、クズ共が。」

 

悪魔「あ゛あ゛?」

 

サグメ「神司…!」

 

星花「神司?」

 

慌てるサグメと俺を止める姉ちゃん。今は本当に止めないでほしい。

三人ほどの悪魔たちの会話に邪魔するように入った。

我が娘の悪口には何とか耐えれたが、関係の無い妻の名前が出てきた。まだ、俺の悪口なら良い。でも俺以外の家族の悪口が出たならもう許せない。完璧に堪忍袋の緒が切れた。

 

悪魔「何ですか~?甘ちゃん悪魔モドキの神司ちゃ~ん?」

 

悪魔「俺ら何か悪いことしたかなぁ?」

 

神司「……外に出ろ…消し炭にしてやるから。」

 

悪魔「あれ?喧嘩?甘ちゃんがそんなに怒ってんの?ダサいね~。」

 

今発言した悪魔は俺の俺の胸ぐらを掴んで脅しを始めた。現在の体は縮んでいるので簡単に浮いてしまう。

 

悪魔「テメェ、気持ち悪いんだよ。邪神王様の器のくせによ。」

 

神司「……」

 

悪魔「何だぁ?その目は。」

 

上から目線を落として悪魔を睨む。

そのいざこざを静かに眺める二人が座っていながら話し始めた。

 

エル「懐かしいな、あの光景。」

 

ミカ「どうする?止める?」

 

エル「……いや、あの昔、力無き少年がどこまで成長したか見てみたい。」

 

ミカ「はいはい、ヤバそうになったら私は止めるからね。」

 

エル「勝手にしろ、だけどお前の出る巻くは無いだろうがな。」

 

エルはニマニマと笑いながら試合の方に集中するのを再開した。ミカは一度深呼吸してから一旦落ち着き、神司たちの方を向いた。

 

神司「……俺の娘の初試合なんだ。ゆっくりと応援させてくれ。」

 

悪魔「こっちも神ノ邪神様の戦い方を目に収めたいんだよ!」

 

神司「…要は応援する相手は違うが、目的は同じなんだな。」

 

悪魔「ッ!?」

 

俺は零愛を応援していて、あっちの悪魔は神ノを応援している。どちらも応援を邪魔されたくないという傲慢さが原因だった訳だ。

悪魔たちは一度考えて話し合うと納得したらしく、俺に握手を求めた。

 

悪魔「すまない、確かに我々は言いすぎた。」

 

神司「俺もキレてごめん。」

 

悪魔「いや、娘の初試合なのだろう?キレるのもしょうがないさ。」

 

悪魔「さて、仲直りできたついでに名前だけでも話すかな。俺はシェムハザ。シェムと呼んでくれ。」

 

悪魔「僕はオセ。」

 

悪魔「我はバルバトス。」

 

シェム「よろしくな!」

 

神司「…あぁ、よろしく。」

 

シェムと優しく握手を交わした。

さて、こんなに簡単に親しくなれるものなのか。少し様子見だ。

シェムと握手を交わしている中、実況(嫉妬)の衝撃な声が聞こえた。

 

嫉妬「ま、まさかの…!?零愛の胸に、晃雅宗が貫通したー!!?」

 

神司「はぁ!?」

 

サグメ「れいあー!!」

 

星花「嘘でしょ…!」

 

シェムの手を振り払ってからすぐに観客席の前まで走って出る。

 

神司「なあ……嘘だろ…」

 

俺が見た光景は、神ノが零愛の背中に手を付けていて、邪気が纏った晃雅宗を胸を貫通させられて血を吐き続ける我が娘の姿だった。

 

神司「強欲!動けよ!」

 

構えていた強欲はあまりのショックで立ち尽くしていた。

 

神司「あんの役立たず!」

 

零愛を助けに下に飛び下りようとすると、神ノが零愛を俺の方に投げた。

 

神司「はぁ!?」

 

ちょうどキャッチできる場所に投げられたので優しくキャッチする。

零愛の服は血だらけだが傷は治りかけていた。っていうよりも掠り傷程度で零愛の血ではなかった。

 

神司「……まさか…?」

 

神ノ「…たくっ。レヴィ、場外だぞ。」

 

神ノが嫉妬に言うが嫉妬は神ノを睨んで何も話さない。

 

神ノ「レヴィアターン!零愛は場外だぞー?」

 

嫉妬「うるさいな!第七回戦目の勝者はアベル・サタナキア改め、神ノ邪神の勝利!!」

 

いやいや言っている気がするが神ノの勝利だ。

 

 

 

神ノ「痛て~…」

 

暴食「カッコつけて零愛ちゃんの脇の間入るように自分の腕を貫通させる人が言えるセリフじゃないですよ、全く。」

 

医務室のベッドに横たわり暴食に左腕を包帯で巻かれている最中の神ノ邪神。

あの試合で強欲は重症は有りだと言っていたので、神ノ邪神は、大勢の観客の前でまるで、零愛を刺し殺したと思わせておいて、本当は自分自身の腕を刺すという騙すショーを成功させたのだ。しかし代償はデカイ。

 

神ノ「だって面白そうじゃん!邪気いっばい出した戦闘狂が敵を殺したと思ったら、生きてました~、ってなったら『神ノ邪神も慈悲あるんだな』ってなって好評になるでしょ!?」

 

神司「──の割には批判の声も聞こえますが?アベルさん?」

 

医務室のドアの前に持たれ掛かる神司。

やっぱりここに居た。零愛の傷は浅いからな、神ノはどこかしら大怪我しているだろうからな。

 

神司「何が面白そうだ。見ている側は悲しくなるんだよ、特に家族がな。」

 

神ノ「……そう、か。確かにあれはやり過ぎた。しかも家族の前で…さらには女の子の顔を弱火とはいえ、邪炎で焼いてしまった。零愛ちゃんに言っといて──」

 

神司「お前自身が直接零愛に謝れ。」

 

人任せにする気かこの邪神は。

 

神ノ「……分かった、ホントにごめんな神司も。」

 

神司「はよ腕治せよ、準決勝で戦うんだから。」

 

神ノ「!分かったよ、ぜってー勝つからな。」

 

神司「また後でな。」

 

神ノに手を振って家族が待つ外に向かった。

たくっ、あの邪神には困ったモンだ。




エル「な?ミカの出る巻くなかっただろ?」

ミカ「神司くんが自分で解決したからね。」

エル「そっ、成長するんだよ、あの小僧もな。」

ミカ「さて、神ノ様と暴食くんは本編に出演しているから後書きは私らで閉めるよ。」

エル「次回やっと初戦のラスト、第八回戦で彼女の出番だ。」

ミカ「読者のみんなー!応援ヨロシクねー!」

エル「そんじゃまぁ、今回はここまでな。」

ミカ「また次回で会おうねー。」






オセ…種族 悪魔
テンションが高く、人を貶すのがのが好き。

バルバトス…種族 堕天使
肝が据わっており頑固。人は皆、友達だと思っている。

シェムハザ…種族 堕天使
性格は軽い。人間は使える道具としか思っていないらしいが、神司のことはどう思っているかは知らない。
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