邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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第一回「邪神たちの生きる世界」杯 オリジナルキャラクタートーナメント戦
第124話 第一回戦


~天界の闘技場 《エターナル・ザ・コロシアム》~

 

強欲「レディース&ジェントルマン!それではこれから『第一回《邪神たちの生きる世界》杯 オリジナルキャラクタートーナメント戦』を開催します!」

 

周りにいる観客たちの歓声が聞こえる。

真ん中には、正方形のフィールドがあってそこから円を描いて観客席がある。

強欲の言った通り、邪神たちの生きる世界のオリジナルキャラクターの大会だ。参加者はその中から神ノ(アイツ) が選んだ八人の人たちだ。その中に勿論、俺も参加することになっている。

 

嫉妬「さてっと、それじゃあ早速始めて行こう――というか、まずはトーナメント戦という訳で私が二つずつくじを引いて対戦相手を決めてしまいたいと思いま~す。」

 

そう言いながら取り出される青い箱、その中から対戦相手が決まるのか。

嫉妬が最初の二つの白いボールを引き抜いた。

 

嫉妬「ほら、読んで。」

 

強欲「何で俺なんだよ。まぁ、読むけど…」

 

渡されたボールの名前を確認してから叫ぶ。

 

強欲「第一回戦はッ!紅風 亜無 VS 稀神 苅亜ッ!」

 

神司「おお、初戦から苅亜か。」

 

苅亜「勝って今回も父さんを負かしてやる。」

 

神司「おいおい、いつお前が俺に勝った?」

 

苅亜「異変のときに、ね…♪」

 

神司「あれは勝ったとは言えないだろ…奇襲だったし。」

 

と苅亜や家族の皆と雑談しながらくじ引きが終わるのを待っていた。

すると強欲が一人、聞き慣れない名前を叫んだ。

 

強欲「第七回戦はッ!稀神 零愛 VS アベル=サタナキア~!!」

 

〝アベル=サタナキア〟…一体どんな奴なのか…さらには、我が娘の相手だ。零愛にはなんとかして頑張ってもらうしかない。

さて、くじ引きが全て終わった。トーナメント表はこういう感じで八人全員のくじが引かれていた。

 

┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓

亜 苅 タ ク 暴 怠 光 エ

無 亜 ル ロ 食 惰 矢 ル

    ウ ム

    ィ 

┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓

シ 星 神 ド 零 ア 黒 ミ

ロ 花 司 ラ 愛 べ フ カ

          ル ラ

 

 

俺は第六戦目だ。さらに相手はドラだ。相手が俺の従者だろうと容赦するつもりはない。

まさかのミカエルの二人も参戦しているとは。紅魔館からは三人が参戦している。第三回戦では、暴食 VS 怠惰という七つの大罪対決がある。これは見所だ。

 

嫉妬「それじゃあ全て引き終わったことだし、ルール説明と行きましょうか。強欲、よろしく。」

 

強欲「全部俺に任すよな。えーっと、まずは…生死について。重症までは有りだ。しかし、殺害は禁止とする。死なない限り何でも有りだからな。」

 

嫉妬「次はフィールドだね。このフィールドから落ちたら即失格。落ちたらね。」

 

強欲「スペルカードの使用数に制限はないからな。」

 

嫉妬「それじゃ……始めようよ!」

 

強欲「そうだな。んじゃ第一回戦を始めるから参加者は準備してくれ!」

 

強欲の呼び掛けにより、苅亜と亜無が同時に立ち上がる。

 

神司「苅亜、張りきって行けよ!」

 

苅亜「勿論!」

 

レミィ「亜無、勝ちに行きなさい。」

 

亜無「任してください、絶対に勝ちます…!」

 

二人は観客席から跳んでフィールド上に着地した。

 

嫉妬「さて今回の実況はこの私、七つの大罪 嫉妬のレヴィアタンとッ!」

 

強欲「同じく七つの大罪 強欲のマモンが解説を務めるゼ、よろしくなぁ!」

 

会場から盛大な拍手が二人に向けて起こる。会場の皆が一弾となった瞬間だった。

 

嫉妬「さて、今回のファーストマッチを飾るのは、紅魔館に居候をし、相手の思想を覆す、ダウトマスター!紅風 亜~無ッ!!」

 

強欲「対する相手は!」

 

嫉妬「記憶操作はお手の物、格闘技も得意とする稀神家長男であり神司子供の一人!稀神~、苅亜ァ~!!」

 

強欲「両者、準備はよろしいか?」

 

亜無「勿論!」

 

苅亜「問題ない。」

 

強欲「では…始めッ!」

 

強欲の両手を上に挙げて開始の合図をする。そのタイミングで両者は距離をとった。

 

苅亜「哀夏『苦痛のスピリット』!」

 

苅亜が咆哮を放つとまずは亜無を怯ませた。その瞬間に敵の方に駆け出して腹にドロップキックを喰らわせた。それで亜無は衝撃のあまり、倒れてしまった

 

嫉妬「ダウン!まさかの試合開始から30秒の出来事!苅亜の咆哮があまりにも効果抜群なのかー!?」

 

苅亜は倒れた亜無の横でガッツポーズをとる。

ただし、油断も束の間。亜無がゆっくりと立ち上がる。

 

嫉妬「おっとー!亜無のダウンは取り消しだぁ!」

 

亜無「……」

 

苅亜「ハッ!効いてるな?」

 

亜無「…なぁ、苅亜はこの場にいるのか…?」

 

嫉妬「え?いますよ?」

 

亜無「そう、か…」

 

立ち上がったのはいいが、いまいち亜無は状況を掴めていない様子だ。

苅亜の位置も分からずうろうろしている。

サグメと我が息子の観戦をしていると光矢が俺に呼び掛けて来た

 

光矢「よっ、苅亜くん結構いい感じじゃねーか。」

 

神司「あぁ、だけど…」

 

光矢「この勝負は亜無が勝つってか?」

 

神司「……そうだ。」

 

サグメ「ええ!?何で!」

 

神司「見え見えだよ、だって苅亜は能力の使用数は一回で継続中なのに対して、亜無はまだ一度も能力を使用していない。」

 

光矢「だが、亜無の方も不利な状況だ。何が起きたのか分からないが確実に苅亜くんは亜無に何かしたな。」

 

苅亜「次行くゼ!怒冬『非力な断末魔』!」

 

苅亜が亜無を触ると宙に高く飛んでいった。

 

亜無(ッ!イテェし、何も見えない(・・・・)し…何か対処を早くしないと──そうだ。)

 

飛ばされながらも身体を動かせてスペカ宣言した。

 

亜無「紅無『Disapear:Lie:Scarlet』ッ!!」

 

嫉妬「亜無の頭から白いケモミミに背中からは悪魔のような羽根を生やした!」

 

光矢「へー、なるほどな。」

 

神司「ケモミミを生やして聴力を頼るか。そうなると──」

 

星花「視覚を失いつつあるね。」

 

嫉妬の実況を聞かなくても、俺らの自己判断で対戦を観戦している。

後々、強欲の解説しているを大して聞かない気がする。

 

強欲「どうやら反撃する様子だ。」

 

亜無「紅剣『紅風嘘無剣』!妖刃『無限の紅い刃』!」

 

紅風嘘無剣を何もない空間から創りだしてから横一文字に振ると、紅い妖気が刃の形をして苅亜の方に飛んでいった。

苅亜が避けていると、亜無大きな太刀が降ってきた。

 

苅亜「おわぁっ!?」

 

亜無「手応えなしか。」

 

苅亜「見えてるのか?」

 

亜無「正直言って真っ暗で光さえ見えない。だから、聴力に頼ることにした。」

 

ケモミミをぴくぴくと動かせる。

 

苅亜「なら、終わりにするか。喜秋『嫌悪な懺悔』。」

 

亜無「あっ、そっ。星符『ストライクメテオ』。」

 

苅亜の手首から指先まで長く黒い(クロー)で亜無に掛かるが、亜無の降らせた隕石に足止めされた。

合計五つ降ってくる隕石は一つ一つが大きいため、降り終わる頃にはフィールドがポロポロになっていた。

一度砂煙で見えなくなったが、瓦礫の上に二人は立っていた。

 

嫉妬「マジでかよ…」

 

強欲「二人の意地だな、これは。」

 

神司「ギリギリだな…」

 

光矢「これで続けるのか。」

 

嫉妬「足場は瓦礫の上ですが大丈夫なのですか?」

 

強欲「だ、誰が何と言おうがこれはフィールド上だ。」

 

言い切ったぞ、あの堕天使。それじゃあ二人のどちらかが落ちるまで決着がつかないのではないか。

そう考えていると、苅亜が先に動いた。

 

苅亜「楽春『狂神卍鬼(きょうじんばんき)』!」

 

一度駆け出すと亜無のいる瓦礫のところまで一瞬に近づいた。

スピード強化のスペカと言ったところだろう。

 

亜無「嘘符『紅き竜魔陣』。」

 

苅亜「ちょっ─!」

 

神司「あっ。」

 

皆「え!」

 

まさかの亜無は自分が乗っている瓦礫をまるごとシールドで守り、苅亜を場外にさせた。

 

嫉妬「じょ、場外です!第一回戦の勝者は紅風 亜無で~す!」

 

レミィ「ナイスよ~!!亜無~!!」

 

客席の皆が沈黙になっている中、紅魔館の当主だけが喜んで叫んでいた。




神ノ「どんぱちしてんな~。」

暴食「あれ?亜無くんの様子が…」

ミカ「あわわっ!フィールドがぁ!!」

エル「もっと静かに観戦しろよ…」

神ノ「あれ?エルは何やら不満な様子ですな♪」

エル「黙れ、早く闘わせろ。」

神ノ「はいはい、頑張りますよ。」

エル「そんじゃあ、今回はここまでだな。」

神ノ「次回はトーナメント表通りに進んで行くぜ。それじゃあ─」

エル「じゃあな。」

暴食・ミカ「「え?」」

神ノ「あっ、苅亜くん場外負けだ。」

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