理由は学年末テストと最後の演奏会があるんですわ。
お詫びに挿絵2枚使用しますね。
起床しポストを確認しに行く。現在朝の5時。この時間帯はまだみんな起きてこない。寺子屋は7時半からなのでまだ余裕がある。ポストには文々。新聞とは別に手紙が入っていることに気づく。そこには『師匠へ』と一言綴ってある。
俺のことを師匠と呼ぶ人は一人だけだ。八雲 紫である。その手紙の内容には、新しい神社を外の世界から妖怪の山に移送したから挨拶しに行ってみてほしいとの事だった。
その神社の名は、『守矢神社』と言うらしい。
「
『もりや』と言えば、ある人を思い出す。初めて地球に着いた時にお世話になった浅谷 諏訪子改め、
「まぁ、今日の予定は特に無いし行ってみろってことだろ?紫のことだ、何か理由はあるだろうな。」
「どこへ行くの…?」
声がした後ろを振り向くと、そこには寝起きで目を擦っている零愛が立っていた。白色のパーカーをパジャマ代わりに着ながら起きてきたようだ。ちなみに、俺らは全員パーカーを私服にも外着にも使う。俺とサグメがパーカー好きなので遺伝的なことがあるのかもしれない。
もう身長的には外の世界で言う中学生より少し高いぐらいだ。そんな娘の頭を撫でて朝の挨拶を交わす。
「おはよう零愛。新しく神社ができたらしいんだ。紫の誘いでね、今日行ってみようかと思ったんだけど⋯」
「それなら私も行く!」
行くか?と聞く前に零愛が元気よく答える。まぁ、別に着いてきてもいいだろう。サグメと苅亜と姉ちゃんが起きてきたら声を掛けてみよう。その間は零愛と何をしながら暇をつぶそうか。そういえば、大会から結構時間経ってるよな…
「零愛、みんな起きてくるまで時間あるし手合わせしてみるか?」
「うーん…今はいいや」
「むむむ…」
少し考えた後に首を横に振り断られた。まだ寝起きで流石に身体が追いつけないというわけだろう。
朝一番に手合わせしようと子どもに聞く親なんて俺ぐらいだろうな。どんな親だよと心の中で苦笑する。ではどうやって暇をつぶすのか。なぁに、朝のルーティンをこなすだけだ。と言ってもただ、朝ご飯を作るだけだ。本当に家族人数分の朝メシを作るだけ。ちょうど零愛が起きていることだし注文を聞いてみることにしよう。
「そだ零愛、朝メシは何がいい?」
「そうだねー⋯朝だしパンとか!」
「おっけぃ。」
パンね。確か紫が外の世界から新しく調達したパンが冷蔵庫にいくつかあったはずだ。
冷蔵庫を開け中を漁ると2種類のパンがあった。それは食パン、フランスパンである。
「料理するからどうせなら自由度がある食パンの方がいいだろう。」
食パンを
「⋯⋯焼くだけでいいかな?」
炒り卵と焼いたハムを乗せたトーストを考えていたのだが、物足りなくないかと頭によぎった。いや、意外とそのままでいいのかもしれない。朝は重くない方が1日を動きやすい。ならこのままで良いだろうという結論にしよう。
トースターを使いパンを焼く。トースターもまた紫が外の世界からくれた物だ。パンを焼くのにもってこいとのことだ。これほど楽に焼ける代物は無いだろう。
数分でチンッと音が鳴り蓋を開けて確認するといい感じに焼けていた。
「よし、あとは卵とハム焼くか。」
フライパンを用意し、ハムを下地にして上に卵を割る。炒り卵はやめて簡易的な目玉焼きにしよう。両面をしっかりと焼いてから先程のパンに乗せて塩コショウをかければ完成だ。
皿を2枚用意し、そこにパンを全部乗せて居間に持っていくと姉ちゃんが起きて来ていた。
「やぁ弟よ、おはよう。」
「おはよう姉ちゃん。」
ボサボサの髪をしながらボーッとしている姉ちゃん。髪がボサついてるぞ、というとまだ表情筋が寝起きで動いていないのだろうな、「にゃはは」と笑ってそのままボーッとしていた。結局また俺かサグメのどっちかで整えるんだろうなと思いつつ、テーブルの上に持ってきた皿を置く。この時点でまだ起きてきていないのは、サグメと苅亜だ。
現時刻は6時から5分前。二人はいつも6時頃に起きてくるのでもう少しすれば起きてくるだろう。
そう考えていると二人が一緒に眠そうに目を擦りながら起きてきて居間に着いた。
「おはよう神司。」
「父さん、おはよう。」
「あぁ、おはようさん2人とも。」
「お〜、今日はパンなのか。」
「リクエストは零愛だ。」
「いぇすいぇす。」
パンに気づいた二人が席に着いていく。零愛が相槌のように頷いて席に着いた。未だボサついている姉ちゃんも座っているということで、みんな揃った事だし朝飯をいただくことにしよう。俺も席に着きみんなで手を合わせる。
『いただきます!』
稀神家の朝はいつもこんな感じに緩く始まる。
◆
「やっほ、久しぶりだな。諏訪子。」
「!?」
懐かしい声を聞いて外を出ると、空から急に降りてくる旧友に気づいた。一番最初に駆けつけてきたのは俺が呼び出した諏訪子だ。
俺が地に足を着くとガバッと俺に抱きついてきた。被っていた大きめの帽子が地面に落ちる勢いで抱きついてくる。顔を上げると、泣きながらも笑顔だった。
「おかえり!神司!」
「⋯っ!あぁ、ただいま。」
顔を上げると鮮やかな笑顔を見せる諏訪子に俺は優しく頭を撫でてやる。守矢神社に着いてきた零愛が嫉妬しているような目で俺を見てることに気づいたのでもう片方の手で撫でてやった。
2人を撫でていると神社の奥から身長の高い女性が出てきて挨拶を交わした。
「やぁ神司、久方ぶりだな。」
「おぉ、神奈子...元気してたか?」
「勿論だとも⋯⋯その子は?」
「俺の娘だ、名は零愛。ほら零愛、挨拶して。」
「稀神 零愛です⋯!よろしくお願いします⋯!」
初めて会う二人に少し緊張しながら自己紹介していく零愛。どうやら意外に引っ込み思案らしい。いつもの元気で明るい性格とは違う新たな一面を見れて嬉しく感じる。
「零愛というのか、こちらこそよろしく頼むよ。」
「今日はあんたたちの顔を見に行くついでにこの子の顔を見せに来たんだよ。あともう1人息子がいてな、そっちは苅亜ってんだ。男の子ということもあって今日は着いて来なくてな。」
苦笑しながら苅亜のことを神奈子に説明していく。それからサグメとマレット兄妹のこと、姉ちゃんのことなどなどを話していく。
零愛も含めながら昔のことを雑談していく。思い出に浸りながら歩いていき神社内をお邪魔させてもらった。話していると直ぐに客間に着く。すると、神奈子が思い出したように話し始めた。
「そうだそうだ、神司に紹介したい子がいてな。早苗〜来なさい。」
「は、はい...! 神奈子様...!」
お盆にお茶を四つ乗せて出てきたのは、緑髪のロングヘアーで巫女服を着たカエルの髪留めを付けた女性が恥ずかしそうに現れた。
「ど、どうも...私は
「稀神 神司だ。この神社には数百年前に居候させてもらっていた者だ。」
懐かしい。俺がこの神社に住んでいた頃は、鈴鹿が巫女していたな...鈴鹿は人間だ。だからもう何百年も前に生涯を後にしただろう。その鈴鹿とこの早苗はどこか面影がある。
すると諏訪子が早苗に俺の紹介をし始めた。
「あの鈴鹿の代の時にやってきた人さ、話したことがあるだろ?」
「えっ!?あの神話クラスの時代の人!?御先祖様がお世話になりました!!」
勢いよく頭を下げる早苗。そんな神格みたいじゃないのだけどな。一応、何億と生きているほぼおじいちゃんみたいな歳だろうけど。光年は伊達じゃないからな、あの時は。諏訪子がこの地球に着いてから一番に俺を見つけた人だ。正確には神だが。
だから昔は大社だったがこの守矢神社は、俺の起点でもあり、幻想郷の始まりそのものだ。
頭を下げたままでいる早苗に優しく接する。
「頭上げな、別にそんな偉くもないし。」
「そうだよ!ちょっと私を鍛えてくれただけだしねっ!」
「あー、そういえばそうだったな。戦闘経験0の諏訪子なんて懐かしすぎだろ。」
「弱かったなー、あの時の諏訪子は。」
「うるさいなぁーでも今じゃ私の方が強いけどね。」
まなi... ゲフンゲフン、まだ育ち盛り(?)の胸を張って、神奈子よりも強いと言い張る。
そういえばあの時、勝者は分かったがどうやって神奈子が勝ったのか見れなかったな。全部は
諏訪子が放ったセリフに神奈子は頷き同意する。
「それは認める。」
「マジ!?今じゃ諏訪子の方が上なのか!?」
「えへへ、流石でしょ♪」
「なぁそれ、肉弾戦の話だよな。一戦しないか?」
朝では零愛、昼では諏訪子に手合わせを挑むとなると、戦闘好きな神ノとクロムの性格が移ってしまっているな。 どうにか直したいものだ。しかし、諏訪子は横に首を振り俺の頼りを断った。
「いやいややめておくよ。そこまで戦闘は好まないん だ。」
「ならしゃーないか。」
あの時は、唯一神を決めるだけの試合だった。無駄な戦闘を避けたいのだろう。流石の俺でも嫌々戦わせる程、堕ちてはいない。
それにしてもどうしても拳をぶつけたいのか、俺はどうなってしまったのだろうか。これもあれも戦闘戦闘の毎日が多かったからだろう。鍛錬は積んでおかなければまたあの命儚の時のようなことになっても俺が守れるようになるんだと気が張っているのかもしれない。
昔のことで盛りあがっている二柱と一人が長々と話していると早苗が口を挟んだ。
「あ、あの!」
「どうした?早苗。」
「お昼にしませんか⋯?///」
早苗の顔は赤くなりながら恥ずかしそうに尋ねてきた。みんなが時計を見ると昼の1時を回っていた。どうやら相当昔のことに花を咲かせていたらしい。零愛を見ると空腹と暇が混ざり、俺の膝の上でスヤスヤと寝ていた。
「おっと、結構話し込んでたな。」
「だな、神司と零愛は食べていくか?」
「せっかくの招待だが今日は断らせてもらうわ。妻が暇を持て余してるんでな。」
「そうか、なら道中気をつけてくれな。」
「またいつでも来てください!」
「次はさっき話してた家族も連れてきなよ〜、今度はみんなで昼ごはんでも食べようよっ!」
「あぁ、また遊びに来るわ!」
三人が見送ってくれる中俺は零愛をおんぶしながら
積もる話も話せた。久しぶりすぎて二柱とも仲良さそうで楽しそうでなによりだ。
俺の家は妖怪の山付近だ。零愛と苅亜の遊び場にちょうどいいかもしれない。
「前書き通り、皆さんには申し訳ないと思ってる。」
「まぁ、1、2週間ぐらいでしょ?」
「いぇすいぇす。」
「⋯それ零愛ちゃんもしてたけど流行ってるんですか?」
「いや?ただの俺のノリ。」
「何をツッコめばいいのやら⋯」┐(´-д-`)┌
「さてと、皆さん、お詫びの挿絵2枚見て貰えたかな?」
「零愛ちゃんと諏訪子さんの挿絵ですよね?」
「そそ、可愛くできたからね〜とりま見せたくてさっ。」
「まだ平和回続きますよね?」
「おうよ、あと1、2話かな?多分その後に章タイトルのような本編を開始していくよ。この『縁の歯車』は序章だからね、いつもの殺伐とした雰囲気に持ってくつもり。」
「ちなみに、神ノ様のX(旧Twitter)にて小説の考えが度々投稿されますのでそちらも読んでくれるとより面白くなると思いますよ。」
「宣伝ありがとう、暴食。」
「いやいやそれほどでも〜ある!」
「んじゃ少々更新頻度が低くなりますが今後とも『邪神たちの生きる世界』をよろしくお願いします。」
「それじゃあまたねっ!」