邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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前回の第一幕にテーマを付けるなら、「想い出」ですかね。
そして、今回から第二幕です。上記のようなテーマを付けるなら...「次世代」と仮に付けておきましょうか。

(今回のAI生成の挿絵はないです。)


第149話 二人の気持ち

 父さんと母さんが幻想郷から姿を消して1週間と4日が過ぎようとしていた。自警団の大人たちに相談すると、失踪事件や蒸発したんだろと口々に言ってまともに話を聞いてくれなかった。クロムさんと星花さんの意見もあり、二人は何かしらの事件に巻き込まれたという結論に至った。最後に紅魔館(あの場)で二人を見たのは紅魔館ファミリーの他に星花さんだけだ。話を聞くと、二人が喧嘩した後に外へ出てったきり帰ってきていないとの事だった。あの二人のことだ。何か無ければそこまで遠くに行く訳が無い。零愛よりも二人といる時期は少ないが、それだけは確信できる両親だ。だとすると、本当に何かしらの事件に巻き込まれたと考えていいだろう。

 今家には、俺と零愛の二人だけだ。父さん母さん探しはクロムさんや星花さん含めた幻想郷の知人たちが捜索してる。俺らも手伝うと言ったのだが、なぜか星花さんに家で大人しくしてろと言われ置いて行かれた。

 

「......零愛。」

 

「なーに?」

 

「父さんは兎も角、母さんが無断で出てくなんて事って有り得ると思うか?」

 

「無いでしょ。」

 

「だろうな。」

 

 即答だった。そりゃそうだろう。母さんが一人でどっかに行くことなんて少ない。しかも1週間以上も家を空けるなんてことは今までになかった。俺と零愛の意見は一致している。みんなが俺らを置いていくのなら俺らが自ら動けばいい。俺は目星がいくつか付いている。思ったが即行動だ。零愛に提案をする。

 

「なぁ零愛。」

 

「なぁ〜に?」

 

「今日のやること決まったぞ。」

 

「奇遇だね。私もちょうど決まったところだよ。」

 

「「()たちで二人を探し出そう()。」」

 

 さすがは我が妹だけある。双子の考えは変わらないんだろうな。そうと決まればどこへ行くがだが…まずは()()()だろう。というか、そこへ行かなければ始まらないだろうな。

 俺たちは各準備をしてから家を出た。多分、星花さんにすごい迷惑がかかるだろうが、俺らも稀神家の一族だ。そう簡単に俺らが止められてたまるか。

 

 

 

 

 

 

 ──と、張り切って家を出たのは良いが、家を出てから5分後に星花さんとばったり会うとは思わなかった。

 

((何で!?))

 

「お二人さん。な〜んで家から出てるのかな~?」

 

 予想だにしなかった。こんなにも簡単に俺らの計画がおじゃんになるとは。とりあえず説得を試みよう。そうだ、きっと星花さんなら分かってくれるはずだ。

 

「星花さん、俺らh─」

 

「ちょちょちょちょっとおでで出かけにね?!かか買いたい武器とかあってねぇーっ!ねっ!お兄ちゃん?!」

 

 俺が説得を試みようと口を開いた瞬間に零愛がすごい勢いでしかも、超焦りすぎて噛みまくりで星花さんにバレバレの嘘をついていく。

 俺の口は拳が一つ入るぐらいにあんぐりしていた。もう溜め息とかそういうレベルじゃない。呆れたに近いような、ふざけんなという怒りというか…我が妹はこんなにも馬鹿だったのだろうかと冷笑してしまった。それに最後俺に振るな!?なんで俺がお前の武器の買い出しを手伝うことになってるんだ!?そんでもって焦りすぎだろ!嘘を初めて言う人なのかな!?あんたそれでも誘拐事件の時に母さんを騙してたじゃないか!

 もうこれじゃ星花さんに要らない心配が追加されてしまったじゃないか……そうか、だから大人しく家で待ってろって言ったのか。あれは俺らに言ったことじゃなくて、特に()()()言っていたのか。そして、俺はそのストッパー役ってことね。今はっきりと理解した。

 星花さんが呆れながら苦笑し、俺と零愛の頭を撫でながら優しく話しかける。

 

「良い?私も着いていくから一緒に家に──」

 

「「嫌です。」」

 

「......何か理由があるんだね?」

 

「ありますよ。もちろん。」

 

「苅亜と目的が一致したの。私らもお父さんとお母さんを探すって。」

 

「ふーん...で?その目的とは?」

 

「母さんが勝手に居なくなることは絶対に有り得ない。断言できる。俺らにできることは少なからず、母さんと父さんを連れ戻すことが目的なんだ!」

 

「どこにいるか分からないのにかい?」

 

「そんなの...やってみなくちゃ分からないじゃない...!」

 

「そりゃね。」

 

「......もし俺らだけで動けないって言うのなら、星花さんやクロムさんの協力をさせてください。俺らの戦力を舐めてる訳じゃないでしょ。」

 

「そうだよ...!私たちを捜索隊に入れて欲しい!」

 

 俺と零愛の力の証明。どんなことが起きているんだろうと、この理由で星花さんを納得させるしかない。他に理由なんてないし、変に誤魔化すよりも説得させやすい内容だろう。

 零愛の言葉を聞いて星花さんは自身の頭を掻きながら難しく考える。どうやら俺らを巻き込みたくないという考えと助けて欲しいという考えが競っている感じだった。そして、星花さんが出した結論は──

 

「うーん.........そうだよねぇ......じゃあさ苅亜、零愛...1つ約束してくれるかな?」

 

「二人を探しに行けるならどんな事でも。」

 

「だね。」

 

「...分かった。じゃあ夕方までには帰ってくるように。それ以降は大人の私やみんなに任せること。いいね?」

 

「「っ!」」

 

 それは予想外な結果だった。どんな無理難題が来るかと思ったが、()()()の帰宅時間を再確認させられただけだった。

 

「何で許してくれたんですか...!」

 

 疑問が浮かぶ。最初の方は俺らに探すことさえ許してくれなかったのに今になって急に捜索許可が出たのには何かしら理由があるはず。なのに星花さんは少し悩んでから条件付きとはいえ、普段と変わらないことを条件にして許可を出した。その理由を聞かないと俺は納得ができない。

 星花さんに問うといつもの優しい笑顔で俺らの頭を撫でながら返答してくれた。

 

「そうだねぇ。神司だったら私が強く言ってから動くみたいな自分から行かずに日和ってしまうんだけどね。でも、君たちは違った。自ら動いてさ、しかも私を説得してまで助けたい人がいるとなると。まぁ、神司も人を頼るようになってくれたら私たちも喜んで協力するんだけど、()()()()()だからねぇ...ってゆーことでね、君たちは神司のように勝手に行動しても私のことを説得してくれたんだ。二人の成長を感じれたし、そこが素直に嬉しかったかな。子供の意見を大人は取り入れるべきだしね。てな感じで了承を出したってなわけ。」

 

「...なんか、恥ずかしくなってくるね...//」

 

「行動許可が出たんだ...!何としてでも父さんと母さんを探し出してやる。」

 

 頬を軽く掻きながら照れ笑いする零愛に対して、苅亜は楽しみと決意がみなぎっているような表情になっていた。

 俺らの父さんと母さんは絶対に生きている。確証は無いが、二人が簡単に負けるようならば幻想郷はほぼ間違いなく地獄と化しているだろうからな。前の誘拐事件の後みたいに異形の魔人や吸血竜(ヴァンパイアドラゴン)が人里に現れるなんてことがあってたまるか。元凶は違うとはいえ、俺が関わってることには間違いない。そんな罪滅しとなるとは思えないが、二人を無事に探し出して今までの平和な時間を取り戻す。俺に出来ることはそれ以外にないのだから。

 

「絶対に見つけてやる...!誰よりも早く、父さんと母さんを探し出してやる...!」

 

「私を忘れないでよね、苅亜?」

 

「あぁ、もちろん二人でな!」

 

 そう言って二人は笑顔でハイタッチをする。そんな兄妹仲の良い二人を見て微笑む星花。そして、二人が最初に向かう場所は、今回の事件の元凶の脱獄を許してしまったレミリアの元改め、紅魔館に赴くのであった。




星花は、神司が大好きなんですよ。そりゃあ大事な大事な弟ですから。弟が大切にしてるものは姉である星花にとっても大切なものになるんですよね。だからこそ、サグメのことも大好きだし、その二人の息子娘である苅亜と零愛のことを愛しているんですよ。生き返ったからには、今度こそ家族たちを命を懸けてでも守ってやると決意しています。
なのに、サグメは居なくなるし、神司も失踪した。稀神家に唯一残った頼れる存在はというと、星花一人になってしまった。星花にできることはといえば、紅魔館の時に()()()()()()()()()()()()()()()償いになります。だから二人の捜索隊を作り仕切っているのは彼女なんです。

主人公とヒロインの次に病んでしまうのは、彼女なのかもしれませんね。真面目で頑張り屋な程、鬱になりやすいものですから。今の彼女によく当てはまります。
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