邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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第82話 心の迷い

神司「んっ…」

 

今居る場所は、地霊堂の寝室。そこで俺は起きた。

サグメが俺の腕を抱きしめて寝ているので動けない。

 

神司「…二度寝するか。」

 

横になって娘の顔を見ようかと思って零愛を探してみた。

 

神司「あっ。」

 

零愛は俺が思っている方の逆に居た。今の寝ている順番は、左から俺→サグメ→零愛だった。

少し起きて片方の手で零愛を抱いて横にごろんとなった。零愛の顔がしっかり見える。これならぐっすり眠れるとチラッと襖の方が目に入った。そこには誰かが歩いている姿が目に入った。

 

神司「あれは…」

 

怠惰だ、あの姿は怠惰だった。一体こんな朝早くにどこへ行くのだろうか…

俺は、ゆっくりとサグメから腕を取ると、零愛を抱いたままこの部屋を出た。

 

怠惰「古明地…」

 

さとり「あら、怠惰さん。お早うございます。」

 

怠惰が向かった先はさとりの部屋だった。さとりは作業していて徹夜していてまだ起きていた。

 

怠惰「あぁ、お早う。」

 

さとり「それにしても朝早くからどうしたのですか?」

 

怠惰「あぁ~…みんなには心配させたからな…あと『最後の段階』の魔法陣が残ってるしな。古明地は、俺の心が読めるから今からする事は分かってるんだろ。」

 

さとり「はい、本当にするのですね?」

 

怠惰「俺は『怠惰』のベルフェゴール。俺は『怠惰』なはずなのに、この事だけには真剣だ。だからそういう事だ…楽して人を蘇らせる。まさに怠惰らしいだろ?本当は…誰にも言わずに出ていくつもりだったが…さとりには色々と助けてもらったからな…えーっと…魔術書は…」

 

神司「コレだろ?」

 

影からずっとこの話を聞いていた…何か俺の姉に…いや、これは考えないでおこう。

俺は悪魔図鑑と言われている本を取り出して見せた。

 

怠惰「王…その本だ。でも何で王が…」

 

さとり「あぁ、それなら…」

 

神司「さとりから貰った。」

 

怠惰「返して…」

 

神司「返さねぇよ?」

 

怠惰「何でだ…?」

 

神司「…お前、俺らには黙って勝手に出ていくつもりだろ。許さんぞ、そんなこと…」

 

怠惰「それは、王の…」

 

神司「俺の何だ、俺のお姉さんだろ。死者蘇生するために、四種類の魂か…もし失敗したらどう責任をとるつもりだったんだ?なぁ、怠惰。」

 

怠惰「失敗はしない。」

 

神司「それならここから全ての責任はお前に押し付けてもいいんだな!?」

 

怠惰「どんな責任…」

 

神司「お前に殺された魂の友人さ…殺した理由はわかったが、許されはしないだろうな…!ぬらりでは百鬼夜行のみんなが許さない、晴明では、晴明の弟子の領耶、式神とタルウィが許さない…そういう者たちが来るがその責任を全てお前が取ってくれるんだよな…?」

 

怠惰「壁があるならぶっ壊す。」

 

神司「それじゃあ…ダメなんだよ怠惰…」

 

俺は下に膝をついてしまった。そういうことを言いたいんじゃない。

 

怠惰「話は終わったか?魔術書は返してもらうぞ。」

 

なぜか涙が出てるし…怠惰は俺から魔術書を奪うとそのままこの部屋から出ていってしまった。

アイツにとっての俺は、『王から命令を出して動く』。それだけなのだろう…

 

さとり「神司さん…零愛ちゃんが…」

 

神司「あっ…大丈夫か?ありがとう、さとり。」

 

零愛は心配そうに俺を見ていた。

 

零愛「おとーしゃ…」

 

神司「 !! 聞いたか…?さとり。」

 

さとり「えぇ!聞きました!私…!サグメさんを起こして来ます!!」

 

驚きが隠せない。二日前ははいはいした零愛が今喋ったんだ!!

走ってサグメとさとりが来てくれた。

 

サグメ「零愛喋ったたの?!」

 

一個「た」が多いがびっくりし過ぎているんだろう。

 

神司「うん!喋ったよ!!零愛、もう一回喋ってみて?」

 

零愛「あーしゃ!おとーしゃ!」

 

サグメ「呼んだよ!私のことお母さんって!」

 

神司「あぁ、そうだよ!お父さんだよ!零愛!」

 

嬉しいという気持ちがいっぱいだった。

こんな時に怠惰も居れば…

 

 

 

怠惰「……」

 

許しか…俺は自分のために動いただけだ…

 

『それなら神司のお姉さんを蘇させるのは何でなんだ?』

 

怠惰「この声は…!邪神王か…」

 

邪王『そうだ、質問に答えろ怠惰。』

 

何でか…本当になんでなのだろうか…

 

邪王『それは神司を思う気持ちだろう。お前さんは死なないが生き物だ。感情が無いことはない。神司のことを王と思うならしっかり考えな。今からするべき事は何かをな。』

 

怠惰「……」

 

邪王『まだお前さんには迷いがある。それなら少し助言する。今したいことは何だ?その目標を見つけて動け。』

 

怠惰「……」

 

邪王『それじゃあ、俺はそれだけを言いにきた。また会おうか♪』

 

と言って邪神王は怠惰の中から出ていった。

そして怠惰は立ち尽くし歩くことを迷った。今すべきこと…

そんなときに一人の女性が降りてきた。それは…

 

タル「怠惰だね、晴明の恨みを晴らしに来たよ…!!」

 

王の言う通りだった。晴明を殺してその式神のタルウィが来てしまった。

ここからどうすれば良いのか…

 




神ノ「あっ、そういや今回は邪神王だった。」

邪王「はぁ…あの小僧もな…」

神ノ「怠惰くんかい?」

邪王「あぁそうだ。助言はしてやった。今は多分神司の方は大丈夫だろうしな。」

神ノ「そういや君が怠惰の方に言ってる間に零愛ちゃんが初めて神司くんとサグメちゃんのことをお父さんとお母さんって喋ってたよ。」

邪王「えっ…!?聞きたかったよ~…」

神ノ「邪神王にもそういうの興味あるんだ。」

邪王「当たり前だろ?初めて喋ってたんだろう?あぁ~!聞きたかった!!くそっ!これも怠惰のせいだ!」

神ノ「んじゃ、それでは今回はここまでできれば次回を今日中にかな。次回は暴食くんだからね♪それじゃあまた次回にね♪」
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