邪神たちの生きる世界   作:紅鎌 神邪

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第88話 世界に誘った者たち

ドラ「ここです。」

 

神司「ここは…!」

 

着いた場所は百鬼夜行の本部だった。

ボロボロだがまだ建ててあるのは嬉しい。

静かに中へ歩いていくドラ。何もなく十分ぐらいで本部中心にたどり着いた。

そこには成長した零愛と和服と黒いマフラーのような生地を着けたシロもいた。

 

シロ「兄上、お帰りなさいませ。」

 

ドラ「ただいま。」

 

零愛「あれ?貴女は…」

 

神司「ドラ…」

 

正直怖い。女二人は、俺に向けて殺気を出している。

 

ドラ「お前ら止めろ。こいつは俺がいつか殺す標的だ。殺さ(そうし)ないと今は危ないからな。」

 

神司「なっ…!?」

 

ドラ「安心しろ、いつの間にか終わっている。」

 

通り魔ってそういうことか…。

 

ドラ「ほら着いてこい、主のところへ行くぞ。」

 

神司「ッ…!」

 

シロと零愛の殺気は怖かったがそれよりも遥かにドラの静かな殺気の方が恐ろしかった。

怯えながらもドラについて行った。

 

ドラ「すみませんでしたぁ!!」

 

神司「!!?」

 

急に謝るので驚きを隠せない。

 

神司「どうしたの!?」

 

いつの間にかドラの殺気が消えていた。

 

ドラ「でかい態度を神司様に向けて、しかも殺気まで出してしまい本当にすみませんでした!」

 

神司「それなら大丈夫だよ。まあ、殺気を出された時は結構怖かったけどね。」

 

ドラ「すみません!」

 

神司「大丈夫だって。…で、主って未来の俺のことか?」

 

ドラ「そうです…神司様、主には気をつけて下さい!」

 

神司「そんなに危ないのか?」

 

ドラ「簡単に言えば、今の神司様と主の性格は間反対です。」

 

なるほど…つまり、今の俺は戦闘はあまり好まないが主は戦闘狂、俺は自分で言うのも何だが優しいに対して優しさの欠片も無いと。主は暴虐なのだろうか…。

ドラに案内されて主の部屋に向かった。歩いて二分で部屋の扉に着いた。そして一度深く深呼吸して気合いを入れてから中に入った。

 

神司「お邪魔しまーす…。」

 

椅子に座っている主らしき人物がいた。

 

主「…貴様、誰だ。」

 

神司「うっ…!」

 

主が口を開くと先ほどのドラよりも静かすぎる殺気を感じた。

 

主「何度も言わせんな。貴様は誰だ。」

 

神司「じっ、自分は…稀神…神司…です…。」

 

主「ほう…遂に来た訳か。過去の神司よ!」

 

やっと顔を見せたかと思えば、神ノが着けているように黒いマスクを着けて口を隠している、あと長い黒髪で右の顔を隠している。しかし分かることが一つ。

未来の俺は誰も信じない様な顔をし、今にも『死にたそうな表情』が分かる。

 

神司「……」

 

主「どうした?過去の神司よ。」

 

神司「何もない。」

 

主「そうか…まっ、この世界の生活は厳しいだろうが頑張れよ。」

 

神司「はっ?」

 

ちょっと待て。ここから帰れないと言うのか。

 

神司「ここでの生活?俺は帰れないのか?」

 

主「そうだが?俺も…すまん一人にさせてくれ。」

 

主はそう言ってから部屋を出ていった。

 

ドラ「神司様…」

 

神司「ドラか…なぁ、何がきっかけ神ノが暴走したんだ?」

 

ドラ「きっかけ…あの時は…はっ!」

 

神司「何か思い出したか!?」

 

ドラ「…原因は不明ですが、七つの大罪の内、憤怒さんと傲慢さんが死闘を行っていました。」

 

ドラの話を聞くたびに幸喜と思うことが無い。あと、話をずっと聞いているが奇妙なことが一つ。

何故、話の元凶の全てをこのドラ・マレットは知っているのか。

確かに俺はこの災厄の時代に来てから一日も経っていない。しかしこのドラ・マレットが怪しく見える…。

 

ならば、こちらが仕掛けるまで。

 

神司「なぁ、ドラ。」

 

ドラ「はい?」

 

神司「悪魔みたいな異形ってのは魔神のことだろ?それならば、元々魔神の神ノが魔神にとり憑いたなら暴走するはずがないだろ?」

 

ドラ「…主は神ノさんが魔神だと知ってないのに何故、貴方は知っているのですか?」

 

神司「知らないよ?俺は神ノが魔神だということは一度も知らない。そんじゃあさ、最初に神ノが魔神だと言ったのはなぜ?」

 

ドラ「それは、悪魔みたいな異形が…。」

 

神司「怠惰に貸してもらった、魔神辞典、ルール17. 『魔神作成時の中に悪魔のような失敗作 は一度もいない。』、ルール19.『決して失敗作は異形である。羽根が生えていても、天使や悪魔のようなのは生えない。』というのは、だな。」

 

ドラ「……」

 

神司「決まりだな。誰か知らんが現れろ!ドラに化ける悪魔め!!」

 

すると、ドラはクククッと笑うと、

 

ドラ?「チッ、早すぎる、あまりにも早すぎる。それにしても邪神王の気配が感じないなぁ~♪」

 

そう言うと、化けの皮が剥がれたドラは知っている姿になった。

 

神司「お前は…!夜行か!」

 

そう昔、百鬼夜行が乗っとりかけた時に俺と邪神王が倒した筈の夜行だった。

 

神司「何で生きてんだよ。確か、ベリアルにトドメを指されたんじゃ…。」

 

夜行「バーカ、ベリアル様は俺を殺してねぇよ。ベリアル様と喧嘩したのは――」

 

そこで夜行は重要なところで口止めされたのか聞こえなかった。しかも夜行は誰かにより石化してしまった。

 

神司「夜行!一体誰が…!」

 

?「あら、恨むなら夜行じゃない?」

 

神司「お前…誰だ。」

 

今まで見てきたのが幻覚のように煙となり、俺の後ろに目を一枚の布で隠した蛇のような女性と大きな体つきの男性が立っていた。

男性は悪魔よりも堕天使だろうが、蛇のような女性に関しては悪魔でも天使でもないように見える。

 

神司「お前らは…?」

 

すると男性の方から口を開いた。

 

男性「どうも、お初に御目見えに掛かります。私は魔将 ガープでございます。そしてこちらが──」

 

女性「石蛇目(ストーン・アイ)のメデューサです。どうぞお見知りおきを。」

 

神司「なるほど、メデューサさんが文字通り、石蛇目で夜行を石化させたと。」

 

メデューサ「ええ、そうよ。ただ、夜行はガープさんの名を言いそうだったから口止めしただけ。私の石蛇目は相手の心までも石化させる。時機に夜行の体は崩れ壊れてただの石になる…ああ、想像しただけで興奮する…♡」

 

神司「…気持ち悪ぃ。」

 

メデューサ「あ”あ”?聞き間違いかしら?今、気持ち悪いと言ったのかしら?」

 

凄い形相でこちらを睨むメデューサ。それを見て俺に呆れるガープ。

メデューサから殺意を感じる。これは戦闘が始まりそうだ…。

 

メデューサ「ねぇ!ガープ?!どうせ殺すのだから、このクズの後始末は私がしていい?!」

 

ガープ「良いですよ。始末するのは大事ですから…。」

 

奇妙な笑みで俺を見るガープ。

俺がメデューサに勝てたとしよう、確実に次来るのはあのガープだ。しかも戦闘禁止だ。早く逃げなければ…。

 




神ノ「見つけたぞ!」

エル「それは…なっ!?」

ミカ「ええ!?」

暴食「嘘でしょ…!」

Illusion township(幻想郷)
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