~博麗神社 境内~
神司「──こういうことなんだ。」
霊夢「でもねぇ、異変じゃないし…。」
神司「そこを何とか!」
博麗神社の境内で霊夢を呼び出して零愛救出に手伝ってもらうべく手を合わせて願う。
?「いや、これは異変じゃなくて事件ですよね。」
神司「 ! 」
声がした方向を見ると地霊殿の主の古明地 さとりが立っていた。
霊夢「さとり…!?」
神司「さとり…」
さとり「異変ならともかく、零愛ちゃんが誘拐されたのなら私も参加します。」
霊夢「『も』って!まるで私も入っているみたいじゃない!」
さとり「貴女とは言ってません。ただ、紅魔館の皆のことを言っただけですよ?」
霊夢「えぇ…?」
さとりの顔がニヤけて霊夢を見てクスクスと笑う。
霊夢「何よ。」
さとり「いえ、博麗の巫女は異変じゃないと動けないのですね。つまり、友人の願いでも無理だと。」
霊夢「いいえ、まだその話を断ってはいないわ。」
霊夢は俺の方に向くと、真剣な顔つきになって答えた。
霊夢「神司、私も参戦──」
霊夢が言い終わる直前に大きな物音と共に少女が落ちてきて砂ぼこりが起こる。
霊夢「まさか…」
神司「うん、そのまさかだろうな。」
さとり「えぇ。」
砂ぼこりが止むと箒が転がってきた。俺ら三人はため息をつく。
少女「いてて…」
神司「大丈夫か?魔理沙。」
俺は魔理沙に手を差しのべる。すると魔理沙は俺の手を掴んで立ち上がった。
魔理沙「ありがとうだぜ、神司。」
そう、箒に乗って空に飛ぶのはだいたい魔女である。その中でもよく幻想郷を箒に乗っている少女といえば、霧雨 魔理沙、ただ一人だ。
霊夢「それにしてもどうしたの。」
魔理沙「そうだ!霊夢!変な奴らが人里に現れて暴れているんだよ!」
三人「えっ!?」
魔理沙と共に急いで人里へ向かう。
着いた俺らが見た光景は体が刃の様な奴や人形で両手に筒を付けた奴らだった。
神司「おいおい…!奴らはまさか…!」
魔理沙「神司分かるのか!?アイツらの正体!」
神司「アイツらは異形だ。なぜ急に現れたのか分からないけど、兎に角、魔理沙には通じるだろう、アイツらは魔神だ。」
魔理沙「魔神だと!?」
霊夢「何よ、魔神って。」
魔理沙「魔神っていうのは悪魔が世界を変えるために造ったっていう殺人専用革命兵器だ。」
やっぱりな。魔理沙は魔法使いだから魔神の知識もあったのか。あと悪魔の事も。
神司「あと、
魔理沙「ってことは私は不要じゃないか!」
さとり「私もですね…。(あの異形というのは、暴走した怠惰さんに似てますね。)」
霊夢「魔神、だっけ。アイツらに霊力は効くの?」
神司「えっとそれは…」
?「それなら俺が教えてやるよ。」
異形について全然知らない俺を助けてくれたのは怠惰だった。しかし、いつもの魔法使いみたいな姿ではなくちゃんとした私服の様な格好になっていた。
神司「怠d──」
怠惰が俺の口を塞ぎ自分の口に人差し指を当てる。
怠惰「
霊夢「貴方のせいなの?」
怠惰「いや、研究中に魔神ら逃げ出して自分の分身を作りまくっているんだ。」(大嘘)
魔理沙「そういや、さっき『それなら俺が教えてやるよ』って…」
怠惰「ああ、アイツら魔神は先ほどコイツが言った通り物理攻撃、つまり通常攻撃のみということだ。ちなみに博麗の巫女さんの通常攻撃に霊力を使うのなら効く。しかし霊力弾なら効かないだろう。ちなみに武器に何かしらの力を纏わせるのは有りだからな。」
霊夢「なるほど。」
怠惰「そしてコイツら魔神は身体の中心にある核を壊さなければならないそうじゃないと幾ら身体を切断したりしてもすぐに再生してしまう。」
流石にこの話を一番よく知っているのは怠惰だけだろう。
しかし、俺と霊夢、もしかしたら怠惰の三人しか通常攻撃が使えない。魔理沙とさとりは魔術と妖術なので戦えない。
怠惰「そうだ王、零愛ちゃんが居て監禁されている場所を確認したぞ。」
神司「それは本当か!?」
怠惰「本当だ。あと、紅魔館に魔神の襲撃、敵の本拠地を守っている異形を発見しました。」
神司「そうか、フェルは今からどうするんだ。」
怠惰「俺は今から紅魔館に参戦してくる。この場には強欲のマモンを置いておく。」
神司「今幻想郷に居るのか強欲が?」
怠惰「ああ、強欲は幻想郷で鍛冶屋してる。ついさっき話して来たからすぐ駆けつけてくれるだろう。」
まさかの強欲が幻想郷に居るとは。
神司「了解。」
怠惰「あっそうだ、今回の異変は博麗の巫女や他の人には対処できない。なので戦力はできだけ上げておいた。それに王にとっての大きな存在からの伝言だ。『もう十分体は休んだだろう。だから俺が到着時に憑依する。』と。」
神司「りょーかい。」
なるほど。『憑依する』、つまり奴が戦力になるということか。
神司「霊夢!」
霊夢「何?」
神司「俺は今から零愛救出に向かう。」
霊夢「ちょっ、それなら私一人で戦えって言うの!?」
怠惰「それなら安心しろ。今から俺の友人が駆けつけてくれるだろう。」
霊夢「その友人は大丈夫なのね?」
怠惰「フッ、俺の友人は剣術のスペシャリストだ。」
霊夢「なら安心ね。」
安心なのかよ。
神司「それじゃあ耐えてくれよ!」
霊夢「神司の方も零愛ちゃん絶対に救出しなさいよ!」
神司「当たり前だ!」
怠惰に場所を聞いてから一度すぐに我が家に向かった。
すると我が家の玄関前には異形が数体いた。しかし現在の我が家は壁がほぼ無い。そして家族たちは怪我を負っている。
すぐに邪楼剣を構えて核に貫通させて一体倒した。
神司「大丈夫か!?」
すると家の中から中からサグメが出てきた。
サグメ「神司!」
サグメが走って俺に向かっていたがサグメの後ろに刃の異形が飛び掛かって来ていた。
神司「後ろ!サグメ!」
ドラ「『雷速』!」
ドラが『雷速』を使って異形の核を雷炎で潰す。
ドラ「大丈夫ですか?」
サグメ「ありがとう、ドラくん。」
神司「ありがとう、ドラ。」
ドラ「いえいえ。しかし神司様。」
神司「ああ、物理攻撃しか効かない異形がなぜこんなに。」
しかもどんどん増えていっている。コイツらはまともに戦える奴らじゃない。丸ごと倒そうとしても魔法を使うことになるし(効かない)、一体一体倒してもどんどん増えていく。今こうして考えている間にも増えている。きりがない。
神司「くそっ……って、おいおいおい!」
俺は一体何を今まで勘違いしていたんだ。異形、つまり魔神の倒し方は『核を潰すこと』つまり、魔法攻撃でも核を潰すことができるのなら。
神司「実行しようか。」
俺は周りに刀を九百九十九本設置した。
俺の推測があっていれば……
神司「神剣『千本刃』。」
一体一体の核に的確に刃を貫通させる。すると異形たちは残り一人を残して消えた。
神司「トドメだ!」
最後の異形に邪楼剣で核を切り飛ばす。
すると最後一体も消えていった。
俺の戦略勝ちだ、まさか出来るとは思わなかったが何事を挑戦なんだと学んだ。
◆
急げ、早く稀神の家に向かわないと!
アドラ「はぁ……はぁ……」
後ろから異様な気配がする。もしかすると、アイツが送り込んだ仲間なのか…。
アドラ「はぁ……鬱陶しいな…。」
ホントに急がないと零愛を渡す前に追いつかれる。
するとやっとのことに稀神の家が見えた。
アドラ「見つけた…!うっ…!?」
電気のようなビリビリ感と甘い香りを嗅がされた。
唐突に理解した。敵に追いつかれたのだと。
悪魔「コイツ、一応幹部の一人なんだよな。」
異形「ラシイヨナ、デモコイツカワイイヨナ…♪」
悪魔「主からの命令はアドラエルを捕らえるだけだから気絶させたんだ。そうだな、簡単に捕まって時間も余ったし一発ヤりますか。」
異形「ソレモソウダナ、俺ノ触手ガ暴レルゼ!」
?「五月蝿い、しかも少女に性的行為か?まさかと思うが零愛を誘拐したのはお前らか?」
悪魔「ケッ、その声は神司かよ。」
異形「気ヅカナイノカ?コイツガ持ッテイル籠ニ入ッテイルノガ例ノ零愛チャンダ。」
俺は少女が持っている籠を見つけて中身を見ると可愛く寝ているがボロボロに怪我をしている零愛の姿があった。
ボロボロの姿を見た瞬間怒りが溢れ出してきた。
悪魔と異形が俺に不意討ちを掛けてきたが瞬間に邪楼剣を抜いてバラバラに切り刻んだ。
俺は零愛が起きないように籠を持って少女を担いで家に戻った。