やはりこの世界はラノベの世界だろう。   作:マッキーガイア

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こんにちはこんばんはマッキーです。
今回は八幡のキャラクターを掴むべく。書いてみてる試しみたいなもんです。まぁ続くんですけど。
あ、でもたかが暇つぶしに小説なんで暇つぶしにどうぞ。


1話、やはり小説だろうか。

2年F組 比企谷八幡

 

 この歳になってこの学校に入って、思ったことがある。

 

まるで誰かに組まされたような不幸の連続。黒歴史の無限製造、頭は少しは良くてもその中にある一部分が足りてない現状、それでも残ってる謎の幸福感。

……正直自分は狂ってでもいるのかと思った。が、どうやら原因はそれじゃないらしい。

最近謎の視線を感じるようになった。それも一人じゃない数千、いや数万と言う人の視線を……

自分で言うのもなんだがボッチにはそう言った視線を感じるような何かがあると思う。いくつもの視線を感じてきたガッカリしたような視線ワクワクしたような視線すこし自棄になっているような視線。

 これらの視線を俺は知っていた。というかいつも俺が発していた視線だった。単刀直入に言うと

 

 

 

 それはライトノベルを小説を読んでいるかのような視線だった

 

 

 

次の展開にワクワクし次の展開にがっかりする。そして少し自棄になる。それはまるで俺の人生を追っている。

そして俺は気が付いた。〝そうか俺は小説の登場人物だったのかと″

 

つまりこの視線を当ててる奴らは俺の不幸にワクワクし、俺の幸運にがっかりする。

そして俺の不幸は違う世界の誰かがわざわざ考えてわざわざ書きつつっている。物語の登場人物である俺にとってはとてつもない迷惑な行為そのものなのにそれを飯の種として書きつつっている。

 

本当に迷惑な。多分この物語の主人公はあのサッカー部の葉山かそこら辺だろう。

 

俺じゃないのかって?二次創作でもあり得ない。

とりあえず今これを書いている見知らぬ小説家よ。

 

砕け散れ。

 

 

☆☆☆

 

 

 

「砕け散るのはお前だ。」

 

 

 

職員室の一角で煙草を吸いながら淡とそう平塚先生に吐き捨てられた。俺はこの間課題だった作文を提出したのだがその件でお呼び出しを食らったのだった。すると平塚先生は苦い顔をしながら作文をまた読み直す。小さい声で句読点だの段落開けだの声が漏れている。気にせず書き過ぎたか。

 

「なぁ比企谷?私が授業で出した課題は何だったか?」

 

軽く作文を目に通して困ったように平塚先生は言った。

 

「はぁ、高校生活を振り返ってという作文でしたが…」

 

俺はその問いに髪を掻きながら言う。ああ、よく考えたら一年の振り返りしてねえやと心の中で毒づいた。

 

「それで何故こんな厨二染みた作文が出来上がるのかね?」

 

「いや、その、なんかノリに乗ってたら出来上がっちゃったみたいな?」

 

「にしては色々駄目だししていかなくてはならない点がい・く・つ・もあるんだがね。まぁいいツッコミどころどころか問題しかないがね。」

 

そう言うと平塚先生は咥えていた煙草を灰皿に擦り付けた。煙草の火は消え灰皿には灰しか残らない。

 

「その、なんだね。君は目が腐ってるな。」

 

「え、なんですか?いきなり罵倒ですか?泣きますよ?」

 

「真面目に聞け」

 

先生に小突かれる。

 

「それで君は友達は居るかね?」

 

「どこからどこまでの範囲が友達ですかね?あ、いつも不幸を笑ってくれるお友達は沢山いますよ?画面の向こうに」

 

「アニメの話じゃ……ああ、君が言っていた()()の話か。いやそれは友達に入らんだろ…」

 

平塚先生に残念な人を見る目で俺を見ている。うん、もう慣れた。

 

「はぁ、もういい、君と話をすると疲れる。着いてきたまえ」

 

そう言うと先生は指をちょちょいと持っていき。職員室を出る。

仕方がなく俺はそれに着いて行くことにした。ここでにげたら何言われるかわかんないしな。

渋々暫く付いて行くとネームタグが何もない部屋を前にして平塚先生は俺に一言言う

 

「ここだ。とりあえず入りたまえ」

 

ガラッと扉を開けると

 

 

 

「平塚先生、入るときはノックをお願いしたはずですが。」

 

 

 

たった一人ポツンと椅子に座って本を読んでいる少女が居た。

 

「ノックをしてもお前は返事をした試しがないじゃないか」

 

「それは返事をする間も無く先生が入ってくるんですよ。」

 

彼女を俺は知っていた。

 

国際教養化J組。女子が九割を占めるそのクラスは偏差値も高く派手なクラスとして知られている。その中で異彩を放っているのが″雪ノ下雪乃″学内じゃ誰もが知っている有名人だ。

 

「それでそのぬぽーとした人は?」

 

彼女は俺をチラッと見る。「うぬっ?」と気の抜けた返事をしてしまう

なんだろうか気まずい。

 

 

「彼は入部希望者だ」

 

 

そうそう俺は入部希望者だからもっといたわれ…

 

「って!!聞いてないですよそんなの!!」

 

「今言ったからな。さぁ自己紹介を」

 

あっけらかんとした口調でそう放つと雪ノ下の視線が俺を貫く

 

「に、二年F組比企谷八幡です。なんでだよ…」

 

「異論反論抗議質問は一切受け付けん」

 

と、脅しのように俺に向かって言う。怖いっす平塚先生ぇ

 

「と、このように彼は腐った眼と同時に根性も腐ってる。ということでこの部で彼の孤独体質を公正させる。これが私の依頼だ」

 

平塚先生は雪ノ下に向かってそう言った。

すると雪ノ下は手元のしおりを本に挟み言った。

 

「お断りします。そこの男の下心に満ちた下卑た目を見てると身の危険を感じます。」

 

断じて見ていない。そんな慎ましやかな胸を…いやほんとだよ?

 

「安心したまえ。この男の自己保身とリスクリターンの計算の速さは身の余るほどだ。断じて捕まるような事はせんさ」

 

「いや、常識的な判断ができると言って欲しいんですが…」

 

「そうですか。まぁ先生からの依頼は無下にできませんし……承りました。」

 

雪ノ下はそう答える。聞いてないうえに納得?

 

「ふ、そうか。じゃああとは頼んだぞ雪ノ下~」

 

満足そうに帰っていく平塚先生。おいおいおいこの女子と二人きりにしろと?まずいそれはまずいぞ。

 

彼女をみると自分の持っている本にそんなに夢中になれるもんかと思うほどに集中しているようだ。

うん、キマズッ。

一言で俺の心の中を表すならただいまカオスな状況が続いてる。女子と二人きりとかまずなったことが無い。妹以外。

 

「あなたそこでいつまでも立ってないで座ったら?」

 

「え、は、はい。すいません」

 

見つけた椅子を引きずり出し腰を掛ける。

 

「そういえばここは何部なんだ?」

 

一言俺は彼女に説いた。すると面倒くさそうに俺を見る。

 

「あなた平塚先生に聞いてないの?」

 

「残念ながら?」

 

「はぁ、いいわ。じゃあ質問ここは何部でしょう」

 

問題形式だと?そんなにメジャーな部活なのかよ。ここは

 

「文芸部?」

 

そう答えると彼女は目をそらす。

 

「へぇ、その心は?」

 

「ん~、お前が本しか読んでいないから?」

 

「残念、ここは奉仕部よ。困っている人に救いの手を差し伸べる……それがここの部活内容よ。」

 

どこがメジャーなんだろうか。がっつりオリジナル部活じゃねーかとそう言いそうになった自分を褒め称えたい。いや詳しくは恥ずか死にたい。

 

 

「歓迎するわ。ようこそ奉仕部へ」ゴゴ…

 

 

いや、歓迎する気全くない目で言われましても…逆に俺が身の危険を感じるんだがそれは?威圧がすっごいの

 

「頼まれた以上責任は果たすわ。貴方の問題を解決してあげる」

 

こんのアマぁ、

 

「別に俺に問題はない、むしろ更生させてもらんで結構だ。俺はな眼を除けば顔はまあまあ整ってる方なんだよ。友達や彼女がいないことを除けば基本高スペックなんだ!」

 

「はぁ、そんな事を自信満々に言えるなんておかしな人もはや気持ち悪いわ」

 

「うるせっ!お前こそ変な女じゃねーか!こんな辺境みたいな部活に一人とか」

 

「別になりたくてなってる訳じゃないわ。貴方と同じ強制よ」

 

「あ、それはすまん心中お察しします。」

 

その時の雪ノ下は死んだ魚の様な眼をしていた。いまだけおそろだねー、嬉しくねぇ。

 

「でも私が見た所によると。貴方がひとりぼっちなのってその腐った根性や捻くれた感性が原因みたいね」

 

「うぐっ」

 

なんだか胸に刺さる。

 

「さて、これで人との会話シュミレーションは終了ね?」

 

「はぁ?」

 

「私の様な美少女と話が出来るのなら少しは更生したんじゃないかしら?」

 

やばい、これ以上は読者を喜ばせるだけだ。話を打ち切らねば。

 

「俺は会話をしない訳じゃない無駄な話をしないだけだ以上はい話は終わり」

 

「まだ話は……」

 

ガラッとドアが開く音が聞こえる。

平塚先生が入ってきた様だ。あぁ、あの様子だと聞いてたなさっきの話。

 

「おぉ、雪ノ下。比企谷の更生に手こずっている様だな。」

 

「本人が問題を自覚してないのが原因です」

 

「いや、そもそも俺は変わる必要はない」

 

「貴方のそれは逃げでしょう?」

 

「変わるってのも現場からの逃げだろ。どうして今の自分を過去の自分も肯定してやれ無いんだ」

 

 

 

「それじゃあ、悩みは解決しないし誰も救われないじゃない、」

 

 

 

一瞬悪寒がした。

目の前の彼女が異常に見えたのだ。逃げない、逃がさない。本気で取り返しがつかなく見えた。彼女は誰かを救わなくてはならないみたいなそんな思想が、彼女は自分自身に逃げ場を作っていない。心も体もいつも切羽詰まってる。

 

「そんなんじゃ、いつか狂うぞ」

 

小さい声で俺は言った。

 


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