初めましての人もそうでない人もよろしくお願い致します。
さて、バンドリで一番好きな羽沢つぐみちゃんをヒロインに作品を作りました!!
リアルでもつぐみは俺の妹と言っている私の妄想を文章化しただけなので、拙い文章になると思いますがどうかよろしくお願いします!
主人公のプロフィールは下記通りです。
羽沢 氷瀧(ひたき)
誕生日:10月24日
血液型:A型
身長:170cm
年齢:18歳
髪型:茶髪に金メッシュ。襟足長めで結んでる
好きな食べ物:ケーキなどのスイーツ
嫌いな食べ物:辛いもの
特技:お菓子作り、女の子を喜ばせる事、通訳(英語とフランス語はペラペラ)、折り紙
趣味:お菓子研究、香水集め、絵を描く事、美術鑑賞
苦手な事:英語以外の勉強、ホラー映画観賞
では、早速本編です!!
「Allo」
「氷瀧か?俺だ。父さんだ」
「なんだ親父か」
彼の名前は羽沢 氷瀧(はざわ ひたき)。
羽沢家の長男であり、パティシエを目指してフランスに留学中である。
「そっちでの生活は慣れたか?」
「師匠の技もだいぶ盗ませて貰った。資金さえ集まればそろそろ店を持とうと思ってる」
「そうかそれは良かった。お前が"俺はパティシエになる!"って書き残しを置いていなくなった時はホントに心配したもんだ」
彼の父親がそう言うのも仕方ない。
フランス留学中と言うと聞こえはいいが、偶然と奇跡が重なって今の氷瀧が成り立っていると言っても過言では無い。
さかのぼる事4年前、当日中学三年生だった氷瀧は無謀な計画を立てていた。
氷瀧は幼少期よりお菓子作りに没頭し、羽沢珈琲店の跡取りとして周囲から有力視されていた。
しかし氷瀧のお菓子作りへの情熱は両親の想像を遥かに超え、ゆくゆくは海外に出たいと言う思いに駆られていた。
そんな思いがピークに達した中学三年生の頃、氷瀧の尊敬する世界一のパティシエと名高い、セドリック・エルメが来日すると言う情報を聞き付け、氷瀧は羽沢家を出てセドリックに弟子にしてくれと三日三晩滞在しているホテルの前で土下座で頼み続け、セドリックが折れる形で弟子になりそのままフランスについて行ってしまったのだ。
しかし当日中学三年生の氷瀧は全くお金が無く住む所も無かった為、子供のいないセドリック夫妻に家族同然の扱いを受けて今に至るのである。
そんな彼の動向を知らず羽沢家では氷瀧の失踪に大騒ぎとなり、警察を巻き込み捜索願いを出して探したが見つからず、羽沢家の両親が事の顛末を知ったのは失踪から半年が過ぎてからだった。
「それで今日は何の用事?親父が可愛いつぐみにならともかく、頭がおかしい俺にわざわざ状況確認の為だけに電話なんて掛けて来ないだろ?」
「あぁ、実はお前に相談したいことがあってな?」
「ついに母さんに愛想尽かされてフラれたのか?先に言っておくが俺は母さんに付いて行くぞ」
「フラれて無いわ!!それより悲しい事を言うんじゃない!!」
「失礼、噛みました」
「違う、わざとだ」
「噛みま○ね」
「やっぱりわざとだ!?」
「さてお約束のやり取りはこの辺にしようか」
「何が嬉しくて吸血鬼の少年とその彼女のやり取りを息子とせねばならんのだ……」
「それで?俺への相談って?」
「単刀直入に言う、日本に帰って来てくれないか?」
「理由を聞かせろ」
「先日つぐみが倒れた」
「!!?」
「お前はしばらく会っていないから知らないだろうが、つぐみは今幼なじみの子達とバンドを組んでいる。ガルジャムと言う大きなイベントに参加することになって、練習と生徒会、店の手伝いの両立に無理をしてしまってな。結果的にイベントは上手く行ったが今回の事でつぐみに無理をさせている事に気がついてな」
「店はつぐみがいないと回らない程忙しいのか?」
「最近は学生さんのお客様が増えてな。バイトを一人雇っているんだが、その子も別のバンド活動とお仕事に忙しくてバイトに出れない日も多い。その分をつぐみにカバーして貰っていたわけだ」
「なるほどな。責任感が強いつぐみならきっとどれも手を抜かないだろうな」
「だからせめてお前がいてくれればつぐみの負担は軽減できると思う。今すぐじゃなくてもいい、しばらく考えてくれないか?」
「時間なんていらない、答えはもう決まっている」
「そこを何とか頼む!」
「あぁ、日本に帰るよ」
「え?」
「ホントは店の手伝いは俺の仕事だ。俺がワガママ言って出て行ったせいでつぐみに負担を掛けてしまった。今度はつぐみがやりたい事を俺が応援したいと思うんだ」
「自分の店を持つという夢はいいのか?」
「それは捨てないよ。ただ店の手伝いをしながらでもケーキは作れるし、つぐみが高校を卒業してからボツボツスタートしても遅くは無い。そもそもスタートは奇跡が重なって誰よりも早いんだから、少しくらい立ち止まってもいいさ。ただし、お世話になった師匠にも相談させてくれ」
「分かった。では日本で待っている。ある程度の給料は用意しているから、そこは心配しないでくれ」
「分かった。それじゃあ日本でまた会おう」
それから氷瀧はセドリックに事情を説明し、日本に帰る承諾を貰った。
セドリック夫妻は涙を流して寂しがったが、氷瀧のパティシエは辞めないという言葉を信じ送り出してくれた。
それから身の周りの片付けなどもあり、帰国するのは一月程経ってからになった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「相変わらず日本は蒸し暑いな」
約四年ぶりに日本の地に足を着けた氷瀧は少しだけ湿度の高さに嫌気がさしながらも、どこか懐かしい気持ちになり帰路を急いだ。
羽沢珈琲店の前に立つと氷瀧は久しぶりの家族との対面ということもあり緊張のあまり、入口の前で立ち尽くしていた。
「久しぶりの実家だからな。緊張するな。…………よし!」
扉を開くと嗅ぎなれたコーヒーの匂いが鼻を通り抜けた。
「落ち着くな……。店のインテリアも何も変わって無いや」
入口から店内を見渡すと奥のテーブルに大きくなった妹とその幼なじみ達を捉えた。
「あ、お客さん来たみたいだから。案内してくるね?」
(つぐみがこっちに来た。俺だって気づくかな?もう忘れちゃったかな?)
案内に来たつぐみと氷瀧の視線が交わる。
氷瀧はつぐみに微笑んだ。
その瞬間、つぐみは手に持っていたおぼんとメニューを落としてその場に凍り付いた。
「つぐ~?」
「ひ……たき、お兄ちゃ……ん?」
「ただいま、つぐみ」
再び氷瀧が微笑むとつぐみは氷瀧の胸に飛び込んだ。
その鋭いタックルに氷瀧はむせた。
「ごふっ!ゲホゲホ!!いきなり何すんだよ。最近の日本ではこんな挨拶が流行ってるのか?」
「それはこっちのセリフだよ!!いきなりいなくなったと思ったらどれだけ探しても見つからなくて、やっと見つかったと思ったらフランスにいて、何年も帰ってこないんだよ!?私達がどれだけ心配したと思ってるの!?…………うぅ、うぇぇぇぇんー!」
「つ、つぐみ!?」
つぐみが声を上げて泣き始めた。
氷瀧は驚きのあまりオロオロし始めた。
少し落ち着いてから氷瀧はつぐみを優しい抱き締めた。
「心配掛けてゴメンな。ほら、チョコレートあげるから泣き止んでくれ?な?」
つぐみは小さい頃から泣き虫で、泣いたら兄がいつもお菓子をくれたのを思い出した。
「うぅ……ホントにお兄ちゃんだー!!」
つぐみは泣き止むどころか更に声を上げて泣き始めた。
「お兄ちゃん?まさか!!」
つぐみの言葉と泣き声を聞いて蘭が二人の基へ走ってきた。
「ホントに氷瀧君なの?」
「おぉ、蘭か?久しぶり」
氷瀧が微笑むと蘭は一瞬で顔を真っ赤にした。
「うん、久しぶり……//」
「あぁ~蘭が顔を真っ赤にしてる~」
「モカうるさい!!」
「うぅ、蘭が怖い……。あぁ!!ホントにひーくんだ~」
モカが氷瀧の右腕に抱きつき、氷瀧の匂いを嗅ぐ。
「あぁ……ひーくんの甘い匂いだぁ。いい匂い~♪」
「ちょっ!?モカ!?」
右腕の柔らかい感触に氷瀧は少し顔を赤らめた。
「あぁ!モカばっかりズルい!」
モカに続いてひまりが左腕に抱きついた。
氷瀧は両手に花状態である。
羨ましい。
「はぁ、暖かい//」
「ひ、ひまりか!?」
(で、デカイ!!最後に会った時はまだまだ子供だったのに!)
左腕からのとても大きく柔らかい感触に顔を赤らめていると、目の前の蘭とガッツリ目が合った。
蘭は頬を膨らませて拗ねている。
「スケベ」
「あは……あはは」
「氷瀧にぃ!久しぶりじゃねーか!」
「ははっ、巴は相変わらず元気だな。でもみんな三年前と変わっていてビックリしたよ。バンドも始めたんだって?しかも地元じゃ結構有名なんだろ?」
「モカちゃん天才美少女だからね~」
「モカはすぐそうやって調子にのるんだから!」
「有名かどうかはどうでもいいよ。私達はいつも通り演奏できればそれでいいし」
「蘭ってばそればっか~。ねぇねぇ、そんな事より……」
「ん?」
「私達の中で誰が一番可愛い~?」
「「「!!?」」」
各々が臨戦態勢に入った。
そうつぐみを除く4人は氷瀧に惚れていた。
幼なじみ達の周りで唯一の男の子。
その上、小さい頃から女の子を喜ばせることに天性の才能を持っていた氷瀧に必然的に4人の心は奪われていた。
モカのこの質問は現時点で誰が一番上なのかを決める、いわば一次審査のような物だった。
4人の瞳には火花が散っていた。
「誰か?そりゃ……」
氷瀧は自分の胸で泣いている妹を指差した。
「つぐみだろ」
「「「「!!!」」」」
そう4人は忘れていた。
この男の大きな欠点は大の妹好き。
つまりシスコンである!!
シスコンである!!!
※大事な事なので二回言った。
「「「「ハァ……」」」」
4人は大きなため息をついた。
「もういいや~。それよりひーくん。何かお菓子持ってないの?」
「モカは昔からお菓子を催促するよな 笑。帰国する前に作ったクッキーがあるんだ」
氷瀧はキャリーバッグからクッキーを取り出し、お皿に乗せた。
「ベルガモットのクッキーだ。俺も好きで良く作るんだ」
「わーい!モカちゃんが毒見するね~。はむっ!こ、これは美味しい過ぎるよ~!!」
「あー!モカばっかりズルい!!私だって氷瀧君のクッキー食べたいんだから!」
「ひーちゃん、これ以上食べるとまた太るよ?」
「それは言わないで~!!」
「蘭、モカが全部食べて終わないうちに私達も食べよう」
「そうだね」
そんな4人の光景を嬉しそうに氷瀧は見ていた。
「そんなにみんなクッキーが好きなんだな。さて、俺は余ったクッキーを挨拶がてらご近所さんに配って来るか……」
氷瀧が立ち上がり、その場から去ろうとすると氷瀧の腰に誰かが抱きつき、氷瀧を制止した。
「ん?」
「お兄ちゃん、今日はもうどこにも行っちゃダメ」
涙で瞳を潤ませながら見上げてくる妹のあまりの可愛さに、氷瀧はその名の通りその場に凍り付き一歩も動けなくなってしまった。
いかがでしょうか?
これから少しずつ書いていけたらなと思っております。
次回を気長にお待ちください。
もう二作品、バンドリの小説を書いておりますのでそちらも是非!!
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それではまた次回!ほなっ!(^^)ノシ