ベストプレイス   作:自由人❀

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お昼休みと+何かのお話です。たぶん。それではどぞ。


じぇいけいのランチタイム

JK、基本的には女子高生の略ではあるが俺は日本の高校生。

よって俺もJK、ジャパニーズ高校生だ。そして労働を強いられている会社員の方々もJKだ。ジャパニーズ会社員。

みんなJKなのだ。よっておっさんがSNSでのプロフィール欄に美少女アイコンにし、「JK」と滑り込ませても日本の会社員であればセーフだ。Q.E.D

…誰の弁護してんの?俺。こんなこと言ってたら世界終わるわ。ただでさえ闇深い社会だ。より一層ダークネスになってまうやろ。そしたら生きて行けへん。なんか関西弁になったけど、エセ関西弁って怒られないよな…?

振替休日が終わり、今は火曜日。気だるいのなんとか押し殺して4限まで授業受けたところだ。

さーていつもの買ってベストプレイス行くか。いつも通り、平常運転大事。いつも通りということは心にストレス与えない、よって心身共に健康に保つことが出来る。

マッ缶は?あれはガソリンみたいなもんだからセーフ。

購買へ向かう最中1件のメールが入った。

 

『今日のお昼、手ぶらでいつもの場所に行ってて(´ω`)』

 

…は?飯食うなと?俺が飯食わないところを見ながら飯食うんすか?やだ若宮さんったらドS!でも餓死はやーよ。

 

『なんで?俺買わないと飯ないんだけど』

 

思ったことそのまま返した。俺は間違っていない。

 

『大丈夫大丈夫(´ω`)あとトマトが苦手なんだっけ?』

 

え?トマト苦手ってこいつに言ったっけ?あ、メールで言ったわ。まあそこまで言うなら…

 

『そうだな。で、手ぶらでいいんだよな』

 

『うん!お願いしまーす(´∀`*)』

 

 

 

 

言われた通り手ぶらで来た。本当に大丈夫かしら。さんざん手ぶらで来いと言われたのに別になんもなくて、おめーの飯、ねぇーから!!とかなったら全力でいなげの浜に飛び込む。そして横須賀目指して泳いで東京湾を横断する。が、海ほたるに着く前にもれなく力尽きて東京湾のど真ん中に水死体が1つ増える。BADENDだった。

もし横須賀着いたら24時間TVでドキュメンタリー枠で流せる。「男子高校生が泳いで東京湾横断」的な。でもきっかけが絶望的にダサい。うんやめよ。腹減ったな…ちょうどそう思った時、声かけられた。

 

「ごめんね。待たせちゃって」

「おう。このままお前来なかったら全力でいなげの浜行って東京湾横断目指すわ」

 

「そんなひどいことしないよ…え?東京湾横断?水泳部でも無理だよ!?」

 

「ばっかお前ものの例えだよ…」

 

あえて東京湾横断を拾ってツッコミ入れたところ、八幡的にポイントちょー高い。いや、天然説も微レ存。

 

「遅くなっちゃったしさっそく食べよっか…はい」

 

「え?」

 

「今度作って来るねって言ったじゃん…」

 

「え、いやアレ本気だと思ってなかった。…いいのかこれ?」

 

「うん!1人も2人も作る手間変わらないし。ちょっと頑張ったからご賞味あれ!」

手作り弁当。多くの男子、いやこれは全世界の男の夢である。一生小町かかーちゃんの弁当だろうなと思ったがまさかの現役JKからの手作り弁当。我、感極まる。

 

「開けていいか?」

 

「どぞどぞ。召し上がってくださいな」

 

若宮から渡された弁当箱は2段式で、開けると下の段はごま塩がふりかけられたご飯である。上の段はおかずだ。豚のしょうが焼きに、茹でたいんげん、薄揚げの煮物、卵焼きが時計回りに並んでる。え、普通にすげぇ(語彙)

 

「…いただきます。」

1口目はしょうが焼きを食べた。

 

「うめぇ…」

 

「よかった…しょうが焼きは昨日の残り物だけど、それじゃ物足りないからいろいろ足したんだ」

 

「残り物にしても美味いわ。ありがとな若宮」

 

「え?あ、ううん。比企谷くんの口に合ってよかったよ」

 

「あぁマジで美味い。本当に美味いと語彙失うのはマジだったんだな」

 

「そんなに言われると照れるなぁ…」

 

夢中に卵焼きや煮物などをつまみつつ、しょうが焼きとごま塩ご飯をかっこんでた。

なんだろうな。雪ノ下の料理と比べると庶民的なおいしさがある。雪ノ下の料理も美味いがレベルが高すぎるおいしさなんだよな…いや、比べるのは2人に失礼だな。とにかく美味い。

 

 

 

 

 

 

「はぁ…美味かった。ごちそうさま」

 

「お粗末さまでした。煮物とか口に合ってた?」

 

「見ての通りだ。めちゃくちゃ美味かった」

 

「よかった…比企谷くんが良ければだけど時々私が弁当作って来よっか?」

 

「いや、悪いからその時になったら材料費ぐらいは出す」

 

「ううん。いいの。私の自己満足みたいなものだから。それでも気が引けるならマッ缶一本でいいよ♪」

 

「それでいいなら…分かった。頼むわ」

 

「おまかせあれ!…はい。食後はこれでしょ?」

 

「マジかよ…いただきます」

 

「あぁうめぇ…こりゃ死んでも悔いはねぇわ。マジでありがとな若宮」

 

「ふふっ大袈裟だなぁ…それだけ言われたら作る方も嬉しいよ」

 

「俺は思ったことそのまま言っただけだ」

 

美味い弁当もあり、マッ缶も用意されている。これは専業主夫に必要なスキルだな。精進せねば。

 

 

 

 

たわいのない談笑をし、昼休みを終えた。今日の昼飯が幸腹すぎてよく寝れそうだ。いや寝れねぇ。5限は現国だ。寝たら放課後平塚先生にシバかれちゃう。ふぁ…寝みぃ

 

「比企谷、眠そうだな」

 

「多分寝不足っすね…ふぁ…」

 

「そうか。しっかり寝るんだぞ。あ、今じゃないからな?」

 

「分かってますよ…」

 

睡眠と格闘してなんとか5限が終わり、次の6限の数学で睡眠を委ねた。ほんでもって放課後。

修学旅行のあの1件から行くの気まずいんだよなぁ…行きたくねぇ。と思ったらメールの通知が…今日結構メール来るな。なになに…

 

『ゆきのん用事あるみたいだから今日は部活お休みだってさ⸜( ˙▿˙ )⸝』

 

正直今あまり行きたい気分ではなかったから助かる。ほら、疲れてたら仕事捗らなくなっちゃうじゃん?そういうの。

まぁほとんど紅茶飲んで読書なんですけれども。

だから「分かった」と返信して帰路についた。

 

 

 

 

今日の部活はなくなってしまった。暇になったからどうしようかしらん。

久しぶりに本屋行って本でも買うか。

我が愛車のママチャリを跨り、稲毛海岸駅前のマリンピアへ向かった。

本屋に着いたものの、どの本にしようか全く考えてない。…そういえばロードバイク買ったんだよな。親父マジで感謝。

とりあえずそれ関連の雑誌見てみるか。整備関連からサイクリングに関するものなどいろいろある。

立ち読みしてから20分ほど経ち、横目に見覚えのあるアホ毛いた気がした。

まぁ、アホ毛がある人って案外いるしな、小町とか小町とか若宮とか。

20分とそれなりに立ち読みしてしまったから雑誌を棚に戻し、ラノベコーナーへ向かった。そしたら…

 

「うおっと」

 

「あ、えっとすみません…って比企谷くん?」

 

「お、おう」

 

「奇遇だね。奉仕部どうしたの?」

 

「あぁ、なんか雪ノ下が用事で休みになった」

 

「へー。本を買いに来たって感じ?」

 

ねぇ、聞いといて興味なさげはちょっと来るものは来るよ?正直暇になったからぷらっと来ただけだと伝えた。

 

「そうなんだ。私はなんかいいラノベないかなーってふらっと来たんだ」

 

「ラノベ読むのな」

 

「うん!こう見えてそれなりにアニメ観たりラノベ読むよ。比企谷くんおすすめのある?」

 

「そうだな…するとこれはどうだ?」

 

若宮がラノベ読むとか意外だなと思いつつ、俺が気に入っていた異世界もののラノベを勧めてみた

 

「異世界ものかー。実は読んだことないんだよね。いつも日常系?を読んでるだよね」

 

「そうか。じゃあこれはやめとくか」

 

若宮はあくまでも現代の日本を舞台として、比較的に現実な世界が好きと言っていた。なので異世界ものは少し勧めにくいところがある。

 

「あ、いやせっかく勧めてくれたんだし少し読むよ!食わず嫌いはなんかやだしね。決して嫌いとかそういうのではないよ?」

 

それから若宮は見本誌を読み始めた。さて、俺もなんかいいのないか探してみよう。

15分ほど経った。そろそろ見本誌読み終えるところだろうと思いさっきの場所に戻った。

 

「これ面白いね!今まで異世界もの読んだことないからその反動かな?逆に引き込まれたよ」

 

「それはよかったわ」

 

「じゃあレジ通してくるね」

 

「おう」

 

俺も特に欲しいものなかったしそろそろ出るか。いきなり帰ったら罪悪感あるし本屋の前で待つか。解散するか否かそれから決めればいい。

 

「おまたせー。あ、そういえば比企谷くんは時間とか大丈夫なの?なんか引き止めちゃった感否めないし…」

 

「いや、大丈夫だ」

 

「それはよかった…。あの、よかったら少しカフェ寄らない?小腹が空いちゃった…」

 

「…まぁ、そんぐらいなら」

 

「やった!」

 

そんでもって今はサンマルク稲毛海岸店にいる。若宮はチョコクロとアメリカン。俺はアメリカンだけ注文して先に席で待っていた。

今日はガムシロップもミルクもない。純粋なブラックコーヒーだ。え?どうしたらしくないって?そういう気分なのだよ。

 

「待たせちゃってごめんね。先にコーヒー飲んでてもいいのに」

 

「…猫舌なんだよ」

 

「あ、そうなの?じゃいただきまーす」と言ってチョコクロを食べ始めた。小腹が空いていたのか幸せそうに食べてやがる。

 

「ん…比企谷くんも少し食べる?」

 

「いや、いい。俺は腹減ってない」

 

「そう?」

 

そう言って若宮はチョコクロを平らげた。そしてアメリカンを口につけ余韻に浸っていた。ここであの妙にリアルな夢ををふと思い出していた。

 

「ふぅ…やっぱチョコクロとアメリカンは最強の組み合わせだよー…ん?どしたの?」

 

「あぁ、少し考えごとしてた」

 

あの夢はあまりにもリアルすぎるから疑問点が多い。最大の疑問は小学生の時点で1度関わりを持っていたのか、という点だ。

夢に知人が出てくるのはおかしくはない。ただ若宮が幼いころから同じ地域に住んでいたのであれば有り得る話ではある。

だが夢だ。都合よく夢の中での立ち位置が決まっただけであって、事実である可能性は限りなく低い。考えても無駄だと思考をやめた。

 

「なんか難しい顔していたけど大丈夫?相談乗るよ?」

 

「いや、大丈夫だ。相変わらずしょーもないこと考えてただけだ」

 

「えぇ…心配して損した…」

 

「ははそりゃどうも」

 

 

 

 

ラノベやアニメの話で盛り上がりすっかり話し込んだしまった。もう日も落ち、街灯がつき夜になっていた。

 

「すっかり話し込んで暗くなったね。ごめんね、カフェまで付き合わせて」

 

「いや大丈夫だ。お前は駅だろ?行ってていいぞ」

 

「分かった。じゃまた明日ね!」

 

「あぁじゃあな」

 

俺は自転車で跨り帰路についた。やはり何かモヤモヤする。今度の昼休みであいつが来たら聞いてみるか。




少し読みやすい(?)ように改行を少し多めに使い、スペースは思いっきり減らしました。
それではまた。

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