ベストプレイス   作:自由人❀

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土曜日の昼下がりのお話です。それではどぞ。


じぇいけいたちのお茶会

 サイゼリヤ。千葉県民のオアシス。これは豆知識だけど記念すべきサイゼリヤ1号店は千葉県の市川市の八幡にあるんだ。最寄り駅は地下鉄新宿線と総武線の本八幡駅か京成線の八幡駅付近にあるよ。記念館として残されてるからよかったら行ってみてね! 

 でも本社は埼玉県なんだよね。ぐぬぬ……

 どうでもいい知識を披露したどうも若宮楓奏です。今の時間は土曜日の昼下がりでかの仲良しコンビの2人を待っている。遅めの昼ごはんで、ドリアとピザを頬張って今は烏龍茶で食休みしている。

 そもそもなぜ土曜日の昼下がりにサイゼにいるのかといいと、あのショートで少しボサボサのくせっ毛か特徴なアホの子の提案でお茶会しない? みたいなこと言ったから今に至る。

 ちなみにもう1人のセミロングで黒髪の子は修学旅行のとき全然合わなかったしいいんじゃない? と少し乗り気だったためお茶会することになった。

 しかしお茶会ってカフェとか喫茶店でやるもんじゃないの? サイゼでいいの? 

 むしろ財布に優しくて、さらに千葉県民のオアシスだしいいんだけどね♪ 

 でもドリンクバーにマックスコフィーほしかった……

「あ、いたいた」

「よっす楓奏!」

「やっほーぃ」

 今日はこの3人で楽しいお茶会が繰り広げられる。さてどんな会話が始まるのだろうか、楽しみです。

「2人ともお昼は食べたの?」

「うん。昨日の晩ごはんのカレー多く作りすぎちゃったから、夏鈴を呼んでうちで食べた。楓奏ちゃん呼んでもよかったけどうちまで少し遠いよね」

 この2人は幼馴染同士で千葉の中心の方に住んでいる。千葉モノレールの沿線らしいです。

「たしか千葉公園の方でしょ?全然自転車で行けるよ」

「え? そんな近かった?」

「家から10キロちょっとぐらいだから30分ぐらいで行けるね」

「……毎回思うけど楓奏の距離感覚おかしいよな」

「10キロはまあまああると思うよ……?」

 あーあるあるだよね。自転車乗りと乗ってない人の感覚の違い。ちなみに私は片道50キロから本番。100キロから正念場と思っている。え? おかしい? ふつーだよふつー。10キロなんて生活圏でスーパー行って買い物するような感覚。

「それに30分ぐらいって速くね?バカな私でも分かるぜ?」

「んー原付ぐらいかそれより少し速いって言えば伝わるかな?」

「いやはえーよ!」

「自転車が原付より速い……うーん」

「まぁ、家から半径10キロぐらいは生活圏だと思ってる。うん……たぶん」

「すごいわね……」

「すげぇなほんと……」

 それから最近あった中間テストの話や、女子会特有の恋バナをしたり話は尽きない。ちなみに美笹は少し気になっている人いるみたい。あらやだ若いのいいわねー

 井戸端会議してるおばちゃんかとセルフツッコミしたら話の矛先向けられた。

「楓奏ちゃんはどうなの?」

「え?どうって……そういう人はいないよ」

「またまたー、なんだっけ?ひ、ひきなんとかくん」

「比企谷よ比企谷くん。で、どうなの?」

 結構攻めてくるなぁ……どうって言われても以前とあまり変わらず話し相手だし、強いていうなら同じ趣味を持とうとしているぐらいかな? 特にす、好きとかそういう感情は持っていない。はず。

「あーでも、少し前の話なんだけど私って自転車が趣味じゃない?」

「「うん、うん!」」

「その、なに……比企谷くんもハマっちゃったみたいで、それで自転車買ったから同じ趣味持とうとしているってところかな……」

「それめっちゃいい線じゃね?」

「来てるよね?!」

「そ、そんなんじゃないよー」

 いい線……なのかな?確かに理解されにくい趣味なのに共通の趣味持ち始めているしね。っていい線も何もそういう感情持ってないってばー!! 

「趣味が同じになろうとしてるだけでそういうんじゃないよ……」

「でも同じ趣味なら共有もしやすい。すなわち……」

「これは、キてる……!」

「ちゃうわ! ええ加減にせえ!」

 あ、関西弁になっちゃった。エセ関西弁とか言って怒らないでね? 生まれも育ちも千葉なんです。でもイントネーションは頑張ったよ? ってエセやんけ。

「はーい」と言って静かになった2人。恋バナに花が咲くのはやはり女子の性なのかな? かなりの盛り上がりを見せたお茶会。しかし思わぬ来客が……

 

 

 ◇

 

 

 今日は爽やかな秋晴れ。だが日に日に肌寒く感じるような気がする。

 土曜日なのに珍しく外に出てイオンモールへ赴いた。理由は簡単、読む本無くなってきたからだ。何かいいものないのかと本屋巡りしてた。

 気になった2冊を購入し、おやつの時間に近い昼食のラーメン食べてモール内を散策中。

 ふと目に付いたのはサイゼ。ラーメン食べたし食休みに行くのもありだな。

 しかし満腹なので誠に遺憾であるがドリアは食べれん。

 ドリンクバーだけ注文して読書に洒落込むとするか。幸い、時間は15時近いため客足が減ってきたてところだ。

 ウエイターに席の案内され、その席に向かってたら……

「ん?」

 なんか見覚えのあるアホ毛とあまり見ない女子2人がいた。これは多分女子会の最中だなうん。てかそこのアホ毛?メニュー表で顔隠してるだろうけど、上から見るとアホ毛出てますわよ?やっぱり天然なの? 

「えっと、比企谷くんだよね?」

「あ、あぁ……えっとどちらさんでしょうか?」

「同じ学年のB組の戸田美笹だよ。こっちは蕨夏鈴」

「えっへん」

「はぁ……でこいつは」

「あーえっとちょっと注文しようとしてるんじゃないかなーと」

「さいですか……なんか邪魔になったみたいだから俺は帰るわ」

「あー!よかったらなんだけど、よかったらだよ? 相席する?」

「は? いや相席つってもあんたら女子会? かなにかやってんだろ? そこに男子の俺がいてどうすんの」

「まぁ女子会というかお茶会だけどね」

 いや大して変わらねぇよ。まあイオンモールだし探せばカフェぐらいあるからそこにいいか。とりあえず気まずいから出よう。

「あんまし変わらねぇだろ。んじゃ」

「帰ろうとするのはやっ!この人!えっと比企谷くんだっけ?なんかよく楓奏と関わるようになっていたから少し気になったいたんだよー。少しでいいからお話しないかい?」

「なんか最後ナンパみたいになってね?」

 断ると面倒くさそうだなー……まあ断らなくとも面倒くさそうだけれども。いつまでも突っ立てるのも店の邪魔だしな……どうすっか。

 とりあえずテキトーに話してあしらえばいいか。

「じゃあちょっとだけなら」

「やった!ささ、楓奏の隣へどうぞ! っていつまでメニュー表見てんのよ!」

「ふぁ!?あ、えっとやっほー比企谷くん……」

「さっきから何してんのお前」

「ち、注文しようかなーって」

 その割にはフリーズしていたがな。さてはOSのアップデートしてないなオメー。まぁとりあえずデザートとドリンクバー頼むか。

 

 

 ☆

 

 

「改めてまして戸田美笹です」

「蕨夏鈴でーす」

「比企谷八幡だ……って俺はここに居ていいのかよ……」

「総武高同士だし平気だよ。それにしても八幡って珍しい名前だね」

「あぁよく言われるわ」

「エイトマンじゃん」

「ちげーよバカ」

 なんとなくこの子の雰囲気がアホの子っぽい気がしたが当たりだったわ。言われたことあるけどそうそう言われないわ。

「バカって言った!ひどい!バカって言う方がバカなんだよ!」

 ほう。これはガハマさん寄りですね。戸部、そしてガハマさんに次ぐこの蕨?が総武高に受かるという七不思議が追加されましたね。自慢じゃないがそこそこ偏差値あったはずだ。進学校だし。こいつはよく知らないからなんとも言えんが、戸部とガハマさんどうやって受かったんだ……? 

「そういえば比企谷くんってなんでここのサイゼに来たの?」

「いや、ここに来る前にラーメン食ってぶらついてたらサイゼあってな、食休みいいなと思って来たんだよ。で、案内された席の途中でお前らがいた」

「ねぇねぇその袋はなんなの?」

「あ?あぁ本だよ」

「見てみていい?」

「構わんが」と言って袋を渡した。

「なにこれ難しそう……」

「あ、この本知ってる。意外な展開盛りだくさんだから面白いよ」

「へぇーそいつは気になるな」

「え?美笹も本読んでたっけ?」

「たまにはね。楓奏は文学あんまり読まないんだっけ」

「うん。基本ラノベで、たまにしか読まないかな」

「わ、私だけ本読んでない……!」

「別にいいんじゃねぇの。ここにいた3人がたまたま本を読むってだけの話だ。あ、お前に分かりやすく言うと本読めば=頭いいってわけじゃないからな」

「そうだよ夏鈴ちゃん。人それぞれなんだから」

「なんかバカにされた気がする!私だって国語は学年25位以内だし!」

「ほう。俺は3位だけど質問ある?」

「な……!」

「精進したまへ~」

「わーん!美笹、この人いじめてくる~」

「人聞きわりぃなおい。まあちょっとからかいすぎたわ。すまん」

 

 

 ☆

 

 

 結局お茶会に参加したまんまだった。まあなんというか案外楽しかった。戸田と蕨の夫婦漫才?が面白かった。さすが付き合いが長いといったところか。漫才コンビ組んでいいまである。

 若宮もちょいちょい話に乗りながら面白おかしく笑っていた。そしてすっかり日が落ち夜になっていた。海浜幕張駅で解散し、今は若宮と帰路についている。

「楽しかったね。夏鈴ちゃんと美笹の雪合戦の話面白かったー」

「あれお前ほとんどツボってたけど大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫。それに結局比企谷くんもあのまま居たけど大丈夫だった?」

「まぁな。それに案外悪くなかったしな」

「あの2人やっぱ漫才コンビ組める気がするよね」

 同意だ、と言おうとしたら着信が来た。小町からか? ふと画面を見たら固定電話の番号が表示されてた。若宮に一言断わって電話に出た

「はい、もしもし」

『比企谷さんの番号でよろしかったでしょうか?』

 なんか聞いたことはある女性の声だ。誰だっけな。とりあえずはい、と答えた。

『自転車出来たわよ』

 あ、思い出した。体育祭に修学旅行に色々ありすぎて忘れてたわ。

 自転車屋の店長の名古木さんからの電話だった。要件は購入した自転車が組み上がったの報告といつ受け取る? という内容だ。

『明日でもいいわよ』

「ちょっと待ってもらっていいすか?」

『はいはい』

 電話の内容をそっくりそのまま若宮に伝えた。ほら、一応納車したら走ろうぜ! みたいなこと言われた記憶あるからな……

「明日大丈夫だよ!」

「そうか。ちょっと待ってな」

「大丈夫なので明日でお願いします」

『わかった。お店開いてる時間ならいつでもいいわよ』

「分かりました。では失礼します」と言って電話を切った。

 本当に色々ありすぎて忘れかけてた。まあ、電話で思い出したおかげで少し楽しみになってきた俺がいる。

「じゃ、明日何時に行く?」

「そうだな。14時とか昼過ぎぐらいに自転車屋でいいか?」

「いいよ!じゃ現地集合ね!」

「あぁ」

「じゃ私こっちだから。また明日!」

 いつものセブンの交差点で別れた。そういえば若宮があれだけ笑い転げたの初めて見たな。正直に言うと笑顔が可愛かった。って何言ってんだ俺。

 とりあえず自販機でマッ缶を買って飲みながら家に向かった。




今回はとだわらコンビと楓奏たんと八幡くんを絡ませてみました。
次回はまた中の人の趣味モードが発動されるかもなのでご留意を。
それでは。
とだわらコンビの雪合戦の話、気が向いたら番外編で書こうと思います。

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