昼休みも終わり、今は5限目だ。ちなみに数学の授業である。数学はもう捨て科目だからどうでもいいんだよなぁ……寝ようかしらん。
しかしなぜあの時若宮は俺に声掛けたのだろう? 話してみたかったって言っても彼女は外見もどちらかといえば可愛い部類に入るだろうし、どちらかといえばリア充側の人間だと思う。何がとは言わないがそこまで大きいとは言えないけどね。何考えてんだ俺。てか明日あそこに来そうだよなぁ……雨は夜に降って、明日の朝には晴れるみたいだし……
☆
くだらないことを考えながらウトウトしてたらいつの間にか放課後になっていた。部活あるから準備してさて行くかという時に声掛けられた。今日よく声かけれるな俺。しかもご丁寧に肩を軽く叩いてきた。
「ねぇねぇ、一緒に帰らない?」
は? いやだから距離の縮め方エグくない? まだ昼休みで初めて会話したぐらいなのにもう一緒に帰っちゃうの? 誰かといないとダメならお友達と帰れよ。てか部活あるし。
「え、いや、部活あるし」
「え? 部活入ってたの!? へぇー何部なの?」
「奉仕部。とにかく部活あるから無理だわ」
「奉仕部かー、名前は聞いたことあるね」
「さいですか。まあ一緒に帰るの無理だからお友達と帰れじゃあな」
「えぇ……そんな拒絶しなくてもいいじゃん……あ、じゃあ待ってようか?」
「は? いやいや部活だから最終下校時間まで残るぞ? 暗くなるしさっさと帰った帰った」
「図書室で勉強して待ってるよ。それにうちは門限厳しくないし。」
ねぇ話し聞いてた? 門限云々じゃなくてあんた女子だから夜道だと危ないでしょ? だから早く帰りなって話。それに俺チャリ通だし。
とりあえず「遅れそうだからそろそろ行くわ」と一言言って去った。
◇
改めてまして、若宮楓奏です。私は2年F組のごく普通の高校生です。友達はいるけど基本的に一人でいることが多い以外は普通だと思う……うん。
なぜあの時彼に声をかけたのかというと、本当になんとなくだった。彼はいつも一人で時々戸塚くんと少し話してるぐらいだからどんな人なんだろと、ちょっと興味があったというのもある。
もっともあんまり良くない噂は聞いたことあるけど、今日話してみた感じだと少なくともそんな酷いことをするような人には感じとれない。酷いことはたまに言うけど……やっぱり噂は噂でしかないなと思った。
☆
今日は特に依頼もなく、いつも通り紅茶を飲み、読書していた。俺の安息の地はここだけになるのか……一応図書室行ってやるか。真っ直ぐ帰ってもなんか罪悪感あるし。いなかったら帰ればいいし。
「そろそろ終わりにしましょうか」
「あぁ」
めんどくさいけど図書室行くか……
「ちょっと図書室で用があるから先に行ってていいか?」
「えぇ、構わないわ」
「そ。じゃまた」
「えぇ、また明日」
☆
やっと図書室着いた。電気は付いてるからいるか。奉仕部は特別棟の一角だからまあまあ離れてるんだよなぁ。この学校のマップ端からマップ端まで移動したと過言ではない。だが俺はここで「鍵がかかってる! 開かない!」とか言ってこれ以上マップ移動できない無能な勇者(?)ではない。あれってなんなんだろうな。ほとんどはガタイのいい仲間が突進したら壊れそうなドアなのにな。あ、器物破損か。まぁ人んちで家財を漁ってる時点で気にしたら負けじゃね感。
「うーす……」
「すー……すー……」
本当にいたわ。国語の勉強してたら寝落ちしたのかこいつ。無闇に肩とか叩いて起こしたらまずいな。ぼっちは原則としてこちらからは干渉はしない。あくまでも受動体なのだ。あと相手は女子だ。無闇にボディータッチしたら「は? 何気安く触ってくるの? キモ」となるのが目に見えてる。
寝てるし、起こすのも可哀想だし帰るか。俺も早く帰れるし、若宮は俺なんかに声かけれなくて済む。win-winな関係だ。あ、でもどのみち見回りの教師に起こされるか。はぁ…
「おーい起きろ」
「むにゃむにゃ……」
「下校時間だぞ起きろ」
「んー……? へっ!? ひ、比企谷くん!?」
「うおっ……急にデカい声出すなよ」
「いつから居たの!?」
「え、あ、今来たところだが……そしたらお前は寝てた」
「あれ……私は無意識に寝てしまったのか……」
「そうみたいだな」
「あ、ごめん……今準備したら行くから扉の所で待ってて」
「お、おう」
☆
「ごめんね。私のわがままで一緒に帰ろって言ったのに起こしてもらうなんて……」
「いや、気にしてない」
学校から離れ、駅へ向かう大通りを自転車を押しながら隣にいる若宮と歩いてる最中だ。彼女は電車通学なので駅まで歩いている。女子と歩くとは新鮮な風景だな。
「そういえば自転車通学だけどもしかしてこの辺に住んでいるの?」
「え、いやどちらかといえば総武線の方だが」
「え!? 私も総武線沿いなんだー。何駅なの?」
「幕張本郷だな」
「え……同じ……」
「嘘だろおい……」
衝撃な事実を知った2人は路上に立ち止まってしまった。
「えっと、中学校はどこだったの?」
「だ、第六中」
「私は高速道路の近くにある方だったよ?」
「すると駅の方か……たぶん通学エリアがギリギリ違ってたんだな」
「失礼かもだけど家って……」
「広い公園の近くだが……」
「私はセブンを左に行ったところ……」
((え、めっちゃ近いじゃん))
「え、あっとじゃあ幕張本郷でまた落ち合わない? 電車とバス使うからたぶん自転車とあまり時間変わらないかもしれないし……」
「そうだな……」
もしかしたらお互いの勘違いかもしれない。近くに広い公園あって高速道路沿いにある中学校。全国で探せばこの条件なんて腐るほどあるはずだ。それこそこの一帯もだ。あくまでも確かめるだけだ。決して女子と帰りたいとかそういうのではない。
頑張って書きました。その2もすぐ出す予定です。