ベストプレイス   作:自由人❀

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前回の続きです。それではどうぞ。


いろいろ遠いようで近かった。その2

 あれから一旦駅で別れて俺は自転車を跨り、彼女はホームへ上がって行った。

 一応彼女の移動時間から計算しておよそ30分後に幕張本郷駅前でもう一度落ち合うことにした。ちなみに一旦別れる直前、一応メアド交換した。え? LINEはないの? うるせぇぼっちには要らねぇアプリだよ。とりあえず落ち合うのに連絡できるようにした方がいいだろうとかそういうのだ。

 なるべく信号に捕まらないように裏道を駆使しつつ、河川敷を無駄なくペースを考えてペダルを回した。この時期特有の北風が憎い。しかし何台か抜かれたけどスポーツ自転車? ロードバイクだっけか? めっちゃスイスイ抜いて行く。

 俺もお小遣い貯めて買おうかしら。風の噂では7kg以下のものもあるらしい……

 

 

 

 ☆

 

 

 

 河川敷通って、国道を走り出す。時間が時間だからところどころ渋滞してるなぁ……まあ国道のこの区間は広々としてて自転車はスムーズに走れるけどね。

 最近ネットで見たけど本八幡から幕張までが片側1車線でよく渋滞するらしい。へぇー……(無関心)

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ~~ご乗車ありがとうございました。幕張本郷駅前、終点です

 

 

 

 終点のアナウンス流れたから降りる。夕方だから渋滞して遅くなるかなと思ったけど、思ったよりスムーズで大方時間通りに着いた。

 待ち合わせ場所に着いてスマホを取り出したらメール1件入ってた。比企谷くんからだった。

『あと少しで着く』ととても簡潔な1文だった。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「うっす」

「あ、比企谷くんおつかれー。スポドリ飲む?」

 こっちは電車やバスで楽に移動したからなんか申し訳ないなと思って自販機でスポーツドリンク買っておいた。

「あ、あぁサンキュ」

「うめぇ……」

「ママチャリだと大変だよねー……よく毎日通って行けるもんだよ」

「満員電車とか乗りたくねぇしな……」

「毎朝嫌になっちゃうよね」

「男の俺だと痴漢冤罪に遭うかもしれないからな、目も腐ってるし」

「たはは……」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 学校からの道のりと同じように比企谷くんは自転車を押しながら私の左隣を歩いている。男子と歩くのあまりないからすごく新鮮な気分。

 たわいのない話をしてたら件のセブンに着いた。

「私、セブンを左に行ったところだから」

「マジで家近いのな……」

「ね……こんなに近かったのにここらでは全然会ったことないよね」

「ほんとな……」

「……今日楽しかった。お昼休みで少しお話して、こうして帰り道でお話できて楽しかった。明日もお昼休みお邪魔していい?」

「お、おう……」

 あ、また指で右頬を掻きながらそっぽを向いた。彼の照れるときの癖かな。

「じゃあまた明日?」

「うん! また明日!」

 

 

 

 ☆◇

 

 

 

「ふぅ……」

 うんシャワー浴びて気分爽快。え? ナニに勘違いしてた君ちょっと汚れてるわよ? 

 自室に戻り、寝る支度をし今日のこと考える。やはり1番の疑問はリア充のような若宮が俺に話しかけたことだよな……ひなたの若宮に影のような俺ってどう考えても結びつかない遠い存在だよな。太陽と地面はとてつもなく遠いしくっつくことなんてありえない。くっついたら地球終了のお知らせ。

 でも実際家はお互い近く、教室の席も2つ隣ぐらいしか離れてない。そう考えると実はお互い遠い存在のようで実は近かったのではと結論づけた。

「ま、明日あいつあそこ来るだろうしいろいろ聞いてみるか」

 と、誰にも聞こえるわけのない独り言を声にしたらスマホの通知きた。

『今日はいろいろありがとね。わがまま言って一緒に帰ってくれたりして。

 ほんとに楽しかった。それではおやすみなさい(˘ω˘ )』

 割と強引なわりには結構謙虚なのな……そういうの嫌いではない。

 無視するのも良くないなと思い

『おやすみ』

 と、2秒未満で入力できるめっちゃ簡潔な文を送り返した。




結構ダラダラ書いてるんじゃないかなと自分は思ってるのですがいかがでしょうか?ご意見あったら良ければ言ってください。
それではまた。

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