それではどぞ。
時間は経ち、今日は土曜日だ。件の約束をしてから2日経ったところか。
あのあとセブンで若宮と別れて、家に着いて小町と飯食ってたら小町に質問攻めされた。
「うっひょーぉ! ついにお兄ちゃんにも春が……!」って言われた始末。ちげぇよ今は秋真っ只中だよ。てかそういう仲じゃないっての。
ちなみに今度紹介してよと言われたがテキトーに流しといた。なんか今紹介したらいろいろめんどくさそうだもん。
飯食ったあと風呂入ってメールで土曜日のこと決めてた。内容はこちら。
『今度の土曜日、ウチにきてよ(´ω`)』
『そうだな。何時頃がいい?』
『12時ごろがいいかな』
『そうか。セブンで落ち合うか?』
『そうだね(*´∀`)細かいことは明日のお昼休みに決めない?』
『そうだな。じゃおやすみ』
『うん。おやすみなさい(˘ω˘ )』
といった具合だ。そして今は土曜日の朝である。休みってサイコー。トーストをかじりながらテレビを眺める。そしてマグカップに移して温めたマッ缶。うーん実に優雅な朝。毎日こんな感じだったらいいな……
☆
昼の12時。本日も快晴で気持ちいい秋晴れだ。普段だったら家にこもるか本屋行くんだが人と待ち合わせるとは俺もだいぶ変わったな。(3日目)
ちなみに昼飯は抜いて来いとメールで言われた。解せぬ。
「比企谷くんやっほー!」
「よう」
どうでもいいんだが若宮はしっかり「比企谷」と読んでくれるから間違えることないので非常に助かる。中学のとき隣の女子が話しかけられたの勘違いしてそうだよなーと、話に乗ってしまうことがあった。うっ頭が。なので名前呼んでからの会話は非常にありがたい。
「それじゃ行こっか」
「あぁ」
セブンから北西へ歩いて2,3分のところに若宮家があった。一般的な一軒家てところか。しかし本当に家近いな。ここまで歩いて7分ぐらいだぞ?
「本当に家近いんだな」
「あそこのセブンまでどれぐらいだったの?」
「かかっても4分ぐらいだな」
「本当に近いね」
何故昼を抜いてこいと言われたかと言うと若宮が直々に手料理を振る舞ってくれたからだ。メニューは生ハムパスタと野菜サラダだった。めっちゃくちゃオサレやん。ちなみにお味は小町とタメを張れるレベル。
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした。口に合ってた?」
「あぁ、美味かったぞ。マッ缶あればなおよしだがな」
「ふふっ、そう言うと思って持ってきたよ」
「おおマジか」
はぁ……妾は幸せなのじゃぁ……
「そういえば妹いないのか?」
「京楓は朝から塾に行ったよ。今年受験生だしね」
「へぇーおいくつ?」
「中三だよ」
「うちんとこと同じじゃねえか」
「小町ちゃんだっけ? 同い年だったんだー。ちなみに総武高?」
「そうだな。そっちは?」
「うちの京楓も総武受ける予定だよ」
なんと若宮の妹さんは小町と同い年だった。さらに受験する学校も同じという。とんでもねぇ偶然てのもあるもんだな。
☆
「……さてロードバイクに乗りたいんだっけ」
「そうだな。しかしいいのか? 高価なものだし不安だろ?」
「大丈夫。比企谷くんは私の趣味を分かろうとしているんだよね? だったら歓迎だよ!」
「あぁ、ありがとな」
「とりあえず私の部屋に来てよ」
もしかして! そういう! なわけないだろ落ち着け俺。
「こっちが勉強部屋と寝室。隣が自転車の部屋」
おお……自転車は1台だけだが雰囲気は一昨日の自転車屋と同じ感じだ。部屋の真ん中に自転車があり、入って右側は多数の工具が壁に掛けてる。
自転車は専用のスタンドで立っており、その下にはマットが敷いてある。
「すげぇな……いくら掛かってんだこれ」
「ほとんどお父さんの趣味から持ってきたものだからそうだね……自転車除いて工具でも10万掛かったかどうか……」
「」
「お父さんも自転車乗ってたんだけど、仕事忙しくなったから引退して私だけが乗ってるんだ。それでもお父さんたまに出かけるときに乗るけどね」
「……すまん俺の頭のOSが古すぎてフリーズしたようだ」
「?」
☆
「これが私の自転車」
電気付いてない部屋から見るのと違って日に当たると美しく見える。色は赤と白がメインで、アーチを描くような曲線になっている。イメージは羽田空港の赤いアレ。そんなレベルで曲線を描いている。話に聞くとイタリアのメーカーだそうだ。うーんオサレ。ちなみに若宮パパはメーカーは違うけど同じイタリアのものだそうだ。
「ペラペラ説明しても分からないだろうから、論より証拠。乗ってみてよ」
「あぁ」
言われた通り跨ってみたがハンドル周りがスッキリしててごちゃごちゃしてる(?)。なるほどわからん。
「あ、変速機もイタリア製で、日本のとちょっと違うんだ。右手の親指レバーを押すとギアが上がって、ブレーキの手前のレバーを押し込むとギア下がるんだ。とりあえず左手は気にしなくていいよ」
「お、おう」
変速の仕方を丁寧に教えてくれたからあとはペダル回すのみ。
フワッ……
(!!??)
なんだこれ!? ひと踏みがめちゃくちゃ軽い!? 本当に自転車か!?
ギア上げるには右手の親指だっけか
ガチャッ、ガコン!
!!?? 足が重くなった。ギアあがったのか!?
☆
「どうだった?」と若宮はニヤニヤしながら聞いてきた
「やばいなこれ」と俺は語彙力低下してた。
「欲しいか、欲しくないって言ったら?」
「普通に欲しいな。楽しい」
「ほんと!? やった!」
「でも買うとしたらちょっと親と相談だな」
「あーだよね……値段が値段だもんね」
「でもまぁ楽しかった。ありがとな若宮」
「ううん! まさかこうして乗り方とか教えるとは思わなかったよ! 私も楽しかった!」
「そうか」
☆
家に帰ったあと、ちょうど親父帰ってきてたからちょっとこの話をしてみた。
結論から言うと、OKはもらった。その代わりバイトをして少しずつ返せとのこと。あと学業も疎かにしないことが条件だ。
こうしてお金はどうにかなった。が、バイト探さねぇとな。
『よう』
『あ、比企谷くんこんばんわ(´ω`) どうかしたの?』
『一応自転車は買えそうだから今度また自転車屋に連れてってくれないか』
『ほんと!? やったね(´∀`*)明日とかどう?』
『大丈夫だ。すまんが頼むわ』
『ううん(´ω`)じゃあ明日の14時とかにあそこのセブンでいい?』
『大丈夫だ。サンキュな。おやすみ』
『おやすみなさーい(˘ω˘ )』
俺自身が1番驚いてる。まさか自転車にハマるとは思わなかった。アニメも自転車を題材にしたものもチラホラあったから少しは興味あったが乗ってみて一気にハマるとは思わなかった。自転車屋で決める前に乗っといて正解だったな。
◇
比企谷くんがあんなにハマるとは思わなかった。いろいろと高いし理解されにくい趣味なのにわかってくれて、さらに理解しようとしてくれた。それだけでも嬉しかった。たったの4日間でこんなに濃密な出来事ばかりですごく充実してる。明日が楽しみだな……
その4、明日までお待ちください。(白目)
趣味を持ち出すとめちゃくちゃつらつら書いてしまう…
短く終わらす予定なのでどうかよろしくお願いします。
それでは。