PhoeniX-DxD   作:挫梛道

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Here We Go!
 


コカビエル襲来

 

「ぐ…はっ…? ば、馬鹿な…?!」

 

◆◆◆

イッセーだぜ!

くだらない やり取りが理由となって始まった、教会の遣いとの戦闘。

俺の相手は、ゼノヴィアとかいう女の子。

美少女だったり、教会支給の戦闘服がボディライン丸分かりでエロっぽかりするのは認めてやるが、アーシアを断罪とか言って殺そうとした時点で、そんなのは もはや、俺にとって どうでも良い。

その罪、マ〇コ・デ〇ッ〇スさんの体重より重いんだよ。

そして結果から云えば、俺の大圧勝。

ライザー様のアドバイス通りに、直ぐ禁手(バランス・ブレイク)

そして これまたライザー様の予想通り、何のフェイントも無いゼノヴィアの脳天狙いの大振りを右腕でガード。

これもライザー様の言った通り、ドラゴンの鎧が強力なのか、相手の聖剣がショボいのか、ダメージも不快感も無い。

そして がら空きとなった土手っ腹に、思いっきり左のボディブローをお見舞してやったぜ!

しかも これは、只のパンチじゃない。

魔力とドラゴンの(オーラ)を融合させたエネルギー…これを合宿中に編み出した、俺流"ドラゴン波"として飛び道具にするのでなく、左拳に纏わせた儘での一撃だ!

よし。これは"ドラゴニック・ファントム"と、命名しよう。

兎に角この新必殺技1発で、ゼノヴィアは戦闘不能に。

 

「ナイスだ、兵藤君。」

「凄いわ、イッセー!」

「当然っス!」

部長とライザー様の言葉に、俺はサムズアップで応える。

そりゃ、誰が俺を鍛えてくれたと思っているんですか?

リアス部長の下僕としても、俺に教えを施してくださったライザー様の為にも、下手な真似は出来ませんよ!

…で、木場とイリナは、どうなっているかな?

 

◆◆◆

リアス・グレモリーよ。

向こうの不尊傲慢な態度が原因で始まった、この模擬戦。

先ずはイッセーが、相手を瞬殺。

本当に凄いわよ、イッセー!

悪魔に転生したばかりの4月の時とは、比べ物にならない位、強くなってるわ!

 

「イッセーさん…!♡」

ほら、アーシアも眼を爛々と輝かせているわよ~?(笑)

 

 

ひゅん…!

 

「こ、このォッ!」

「……………。」

そして、祐斗。

教会から()()の使い手が訪れた時から、学園内の彼のファンの子達には見せられない顔をしていたけど、ライザーのアドバイスで、今は落ち着いているみたいね。

あのエクソシストが操る、新体操のリボンの様な薄く長い聖剣の刃。

その変則的な太刀筋を、完全に見切っているわ。

その刃を祐斗は最小限の動きで躱し、届く事は無い。

余裕を見せる祐斗に対して、相手は焦っているのが丸分かり。

次第に攻撃が大きくなり、尚更、祐斗には当たらない。

 

斬!!

 

「え?…ぅ、嘘…?!」

そして、遂に祐斗が動いた。

騎士(ナイト)ならではの超スピードで一瞬で間合いを詰めると、手にした魔剣で聖剣の束に埋められている、緋色の水晶の様なパーツをピンポイントで破壊!

どうやら それがエクスカリバーの"核"だったらしく、蛇の様に蠢いていた刃は だらりと地に落ち、動かなくなった。

相手が女の子だったから、その身を斬らなかった?

…違うわよね。

あの子は最初から、()()()()()()()()()()()()()()()()…只、それだけよ。

 

ビシッ!

 

「…まだ、続けるかい?」

「……?!」

そして武器を喪い、呆然としているイッセーの幼馴染みの顔前に切っ先を向けての問い質し。

勝負、有ったわね。

 

「2分45秒か…。流石は木場君だな。」

 

≫≫≫

あの後、更に一悶着が。

祐斗が破壊した聖剣の水晶だけど、アレが本当にエクスカリバーの"核"だったらしく、紫藤イリナが所持していた擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)は、二度と再生不可だとか。

その事で、責任とか賠償とか言われてきたけど、そんなの知らないわよ。

 

「事の起こりは、全て貴女達に在るわ。

文句が有るなら、()を通じてからに、して欲しいわね。」

「全くだな。

天界の お宝(笑)を破壊したとなると、俺達下っ端だけの話し合いで終わらせて良い話じゃない。

責任とか賠償とかを持ち出す話なら、尚更だな。」

「「…………っ!」」

ライザーと一緒に言い返すと、この2人は何も言なくなった。

そりゃ、そーよ。

最初にアーシアを斬ろうなんて、切っ掛けを作ったのは其方側。

先に戦闘(ケンカ)を吹っ掛けてきたのも、其方側。

殺されてないだけ感謝して貰わないと、割に合わないわよ。

…って貴女達これ、上に どーゆー風に報告、説明するのかしら?

自分達に都合が悪い部分は隠さず、全部 正直に…って、全部 其方が悪いのよね。(笑)

兎も角、此方は これから忙しいの。

超大物(コカビエル)が この町に潜んでるとなると、情けない話だけど今の私には、どうする事も出来ない。

直ぐに お兄様…魔王様に報告して、指示を仰がないと。

勿論、共同で町の管理をしているソーナにも報せるべきよね。

やるべき事、出来る事は、全て やっていかないと。

だから貴女達、もう、用事は終わってるんでしょ?

だったら さっさと帰りなさい。

私も すべき事は全て終わらせて早く帰って、ライザーとイチャイチャしたいのよ!

げらあうと、はりーあっぷっ!

 

≫≫≫

▼▼▼

◆◆◆

「な、何なのよ…これは?」

「お兄様?」

…私、ライザー・フェニックス様の女王(クィーン)のユーベルーナです。

お昼過ぎ、昨日から駒王町に出向いていた朝帰りライザー様に改めて、本日分の仕事をして貰おうと、ライザー様の お部屋を訪ねてみれば、其処には誰も居らず。

その代わりに机の上に、『ちょっと また駒王町に行ってくる。お仕事よろしく♡』と書かれた紙が1枚。

これにはレイヴェル様共々に唖然です。

詳しくは聞かされてないですが、リアス様が住まう駒王町にて、近い内に かなり大きな厄介事(イベント)が起きるとは申されておりましたが、それを『心配だから』とか口実に、またまたリアス様に会いに行きますか?

 

「ふっ、俺が居なくても、大丈夫だろ?」

「ライザー・フェニックスには、有能な下僕が居るじゃないか。」

「まあ、そーゆー事だ!」

「「??!」」

そんな風に思っている私に、後ろから話し掛けてくる声が。

()()()、ライザー様?…と思い、レイヴェル様と振り向いてみれば、

「「「♪タッタラーッ!♪www」」」

「「……………………。」」

其処には どや顔で【ドッキリ成功!】と書かれたプラカードを持った、DIO、ラダマンティス、そして白い謎生き物が。

そうですか。貴方達は、ライザー様が地上に向かわれるのを知っていて、止めなかった訳ですね。

 

「紛らわしいのよ!」

「巫山戯ないで、くださいます?!」

 

ちゅっどぉ~~~~っん!!!!

 

「「「ギャアーッス!?」」」

何を言っているのですか、此奴等は!?

有能な下僕って、何時も何時も何時も何時も!

逃亡したライザー様の仕事の肩代わりしてるのは、私とミリアルドとカールでしょうが!

この大馬鹿者共に、合体爆焔魔法を炸裂させた私達は、絶対に悪くありません。

そしてライザー様?

帰ってきたら、OHANASHIですよ?

 

▼▼▼

◆◆◆

やあ。昨日 正式に、オカ研の外様部員とさせて貰った、ライザー・フェニックスだ。

そんな俺は今、駒王学園の旧校舎部室…ではなく、本校舎の大会議室に来ている。

その顔触れは、リアス率いるオカ研部員の皆さん。

ソーナ・シトリー君と その眷属である、生徒会役員の皆さん。

そして…

「…さて、皆、よく集まってくれたね。」

「お疲れ様です。」

「おっ疲れ様~☆」

4大魔王様の内の御二方、サーゼクス・ルシファー様と、セラフォルー・レヴィアタン様。

更にはサーゼクス様の女王(クィーン)の、グレイフィア・ルキフグス様だ。

リアスの兄上、つまりは俺にとって義兄殿と、その奥方。

そしてソーナ君の姉君とも云ふ。

昨日の教会からのエクスカリバー(笑)使いの情報…コカビエルが駒王町に潜伏を報せた結果、この シスコン 妹想いな魔王様2人が、自ら現場に やって来られたのだ。

そして今から、コカビエル対策会議。

偶々 学園内に居た俺も、一応は事情を知っているからとの理由で、参加させて貰っている。

 

≫≫≫

「兎に角、情報が少な過ぎる。

エクスカリバーを奪ったコカビエルが、何故、駒王町にやって来たのか?

一体 何を、企んでいるのか?

現在の潜伏先を含めて、それが全く、解らない。」

頭を悩ませるサーゼクス様。

 

「あの…」

「はい、ソーたん!☆」

此処でソーナ君が、何か思い当たる事が有るのか挙手。

セラフォルー様が指名した。

 

「…その呼び方は止めて下さい。

コカビエルが何を企んでいるか…は分かりませんが、この町を選んだのは、もしかしたら私とリアスが居るから…かも知れません。」

「「「「「!!!!?」」」」」

このソーナ君の発言に、何かを察したのか、俺を含む何人かの顔付きが変わった。

 

「そうか…!

コカビエルは、グリゴリでも名うての武闘派!

そんな危険人物がリーアたんやソーナさんが居る駒王町に来たとなれば、シスコンで有名な僕やセラフォルーが この地へと繰り出すのは、容易に予想出来る!」

「つまりコカビエルは、魔王様2人を誘き寄せる為に…って、まさかコカビエルは、停戦状態の三竦みの争いを、この町を起点にして再び起こす心算なのか?」

「教会襲撃後、態々 次の目的地を告げたのも…あの2人が私の元に訪れ、コカビエルの事を知らせたのも、そして それを知った私が魔王様に その事を報告したのも…

全て、コカビエルの計算尽くだったとでも云う訳なの?!」

「…そして、見事に釣られたみたいですね。」

「「「「「「「??!」」」」」」」

グレイフィア様の言葉と同時、周囲の空気が何とも表現し難い違和感に包まれた。

尋常でない その魔力と存在感…

 

「そそそ、外を!?」

ソーナ君の下僕の少年が、ややテンパりながら、窓の外、空を指差す。

 

「「「「「「「!!!?」」」」」」」

その上空には、5対10枚の黒い翼を広げた…俺が言うのもアレだが、凄く悪人顔な男が浮遊静止していた。

 

「コカビエル…!!」

 




 
すいません…
次回こそ、聖剣編、終わらせます…
 

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