エクスカリバー編、終了!
◆◆◆
「コカビエル…!」
イッセーだ!
サーゼクス様が学園の上空で ふんぞり返っている堕天使を見て、一言呟いた。
あれが、今回の騒ぎの大元のコカビエル…
ゴアオッ!
「「「「「???!!」」」」」
…って、コカビエルも俺達が自分に気付いたのに気付いたのか、凶悪な笑みを此方に向けたと思えば、超巨大な光の槍を校舎に…いや、この会議室を狙って投げてきた!
ドッガァアアアアアアッ!!
「…皆様、大丈夫ですか?」
「お、お陰様で…」
しかし これは、グレイフィア様が素早く前に出てきて
尤も、会議室は滅茶苦茶なりましたが…
「と、兎に角 皆、外に出るよっ!★」
生徒会長さん…ソーナ様の お姉さんにして魔王の御1人であるセラフォルー様の言葉に従い、俺達は翼を広げ、破壊された壁から
「「こ…校舎が…」」
そして、外から校舎を見た部長とソーナ様が呆然。
さっきの攻撃で、会議室処か、校舎が滅っ茶苦茶になってますけどぉっ?!
「コカビエル! 一体、何の心算だ!?」
「グリゴリ幹部の貴方が、魔王である私達に攻撃を仕掛けたとなると、只では済まないわよ?!」
サーゼクス様とセラフォルー様が、コカビエルと同じ高さまで飛翔して、悪人面の堕天使に問い掛ける。
「ふん!只では済まない…上等ではないか!」
しかしコカビエルは、寧ろ それを望むかの言い振りだ。
「天界所属の教会を襲い、エクスカリバーを強奪!
これでも天界引き籠りのミカエル共が、大した動きを見せないのは、ある程度は読めていた。
予想通り、雑魚を追手として向かわせただけだ。
だが魔王の妹達が住む この町で騒ぎを起こすとなれば、サーゼクス!そしてセラフォルー!
計画通りとは、正しく この事だな!
後は貴様等が言う通り、魔王相手に手を出したとならば、少なくとも
そうすれば もう、後には退けん!
アザゼルもシェムハザも、重い腰を上げざるを得ないだろう!」
「キミは、本当に戦争を望んでいるの?」
「ああ、そうだとも!
戦争だ!最後には天界も巻き込んで、三竦みの争いを再開させるんだよ!」
あの魔王様2人相手に、堕天使幹部は臆する事無く、力強く言い切った。
「ちぃっ…狂ってやがるぜ…!」
俺の隣で、ライザー様も凄く嫌そうな顔で吐き捨てる。
「僕とセラフォルーで、コカビエルを相手にする!
グレイフィア! 君は学園の敷地内に結界を!」
「はっ!」
「リアスとソーナさん、その眷属の諸君とライザー君は、彼女のアシストを、頼む!」
「「「「「「はい!」」」」」」
そしてサーゼクス様も衝突は避けられないと判断したのか、俺達に指示を。
「行くぞ、リアス!皆!!」
「ええ!」「行きましょう!」
ライザー様の掛け声で、今から始まるであろう、凄まじい戦闘の余波で町が破壊されない様に、地上に降りて、グレイフィア様が張る防御結界の維持のアシストだ。
確かに俺達は戦闘に参加した処で、足手まといにしかならないだろう。
それは、十分に理解している。
それでも…それなら それなりに、今の俺でも出来る事をやるだけだ!
だから魔王様! その戦争狂のフルボッコ、よろしく お願いしますよ!
≫≫≫
◆◆◆
「ひゃっはろ~い!
イッセーきゅん、おっ久~♪
元気に ちてまちたか~?www」
「て、テメーっ!クソ神父!!?」
ライザー・フェニックスだ。
校庭に降り立ち、グレイフィア様と共に防護結界を張ろうとした時、其処にはコカビエルの手下なのだろう、2人の人間が居た。
聖職者の衣を着た白髪の少年と、頭が少し寂しい老人だ。
どうやら少年の方は、兵藤君と顔見知りらしいが、間違っても友達って訳じゃあなさそうだ。
兵藤君、敵意全開だ。
そして この少年が腰に携えてる3本と、背負っている1本の剣…
僅かに感じさせる不快感からして、どうやら あれが件の、教会から強奪したと云うエクスカリバー(笑)らしいな。
てゆーか、背中の
「バルパー・ガリレィ…!!」
そして木場君は、老人の方を見て、また昨日みたいな憎悪剥き出しな表情に。
「グレイフィア様。あの人間達は、兵藤君と木場君に任せましょう。」
どうやら 其々に因縁が有るみたいだし、放置してると結界を張る邪魔に入るのは、目に見えているからな。
「…そうですね。
兵藤さん、木場さん、頼めますか?」
「「任せて下さい!」」
グレイフィア様も それを察したのか、あの2人は この2人に任せる事に。
そして、
「はぁ………………………っ!!」
パァアッ…
グレイフィア様が学園全体を覆う様な、巨大なドーム型の防護結界を展開させた。
「さぁ、私達も!」
「「「「「はい!」」」」」
そして俺達も、其れに自らの魔力を流し、強度を高めていく。
ドッガァアアアアアアッ!!
…………………………………。
上空では、既に魔王様とコカビエルが、派手に戦り合っている。
…って、攻撃の ぶつかり合いで、いきなり結界に罅が入ったぞ?!
お~い、兵藤君と木場君~!
そっちは さっさと終わらせて、早く こっちの手伝いに来てくれよ~?
≫≫≫
「ドラゴニック・ファントム!!」
バギィッ!
「ぎゃぴーっ!?」
俺の心の呟きが聞こえたのか、兵藤君は戦闘開始早々にドラゴンの鎧を纏い、強化された左ストレートを少年神父に ぶちかました。
昨日 彼が編み出したばかりの、魔力と龍氣を帯びた拳で殴り付ける新必殺技だ。
昨日は女相手だったから一応は遠慮したのか、腹へのパンチだったが、今回は普通に顔面への打ち込みだ。
しかも魔力や龍氣は、顔面だけでなく、体全体に浴びせられた。
そして この一撃で、少年神父は吹っ飛ばされ、彼の聖剣…両手に持っていた2本、腰と背中の各1本、合計4本の聖剣全てが粉々に砕け散る。
あれは また、"核"とやらも破壊されているな。
「嘘…だろ…?
伝説のエェックスキャァリヴァ~♪…ちゃんだ、ぜ…?
てゆーかイッセーきゅん…この前と比べて、パワーアップ、し過…ぎ…」
「へっ!これが、
ガタッ…
そして喋ってる途中で、崩れ落ちる少年神父。
勝負有りだ。
兵藤君、昨日の戦闘と云い、何気にワンパン〇ンだな。
「馬鹿な…分離しているとは云え、伝説に在るエクスカリバーを簡単に砕いただと?!」
そして それを見て狼狽える、木場君と対峙している高僧風な老人。
昨日のエクソシストも そうだったが、
『知らない』って、本当に幸せだぜ。
「どうしたのライザー?
貴方、何だか凄く、『ウゼェーっ!』って顔をしてるわよ?」
…気にしないでくれ。
斬!
「グギャァァアッ!?」
木場君も、老人の方を魔剣で斬り捨てた。
まぁ あっちは戦闘専門じゃない様だったし、当然の結果だ。
そして木場君は足下、地面に落ちていた…最初に話してる最中、老人が懐から取り出し投げ捨てた水晶の欠片?の様な物を拾い取ると、その場で蹲る。
パァアッ!
その瞬間、木場君の体が、眩い光に包まれた。
いや、木場君の体が、光を放っているのか?
「…………………………。」
そして光が収まり、木場君が立ち上がる。
その顔は、先程迄の憎悪の感情が消えた、憑き物が取れた様な、スッキリとした表情だ。
何が有ったかは、本人しか知らない、知る必要の無い事だろうが、兎に角 色々と吹っ切れたみたいだな。
≫≫
「「お待たせしました!」」
そして木場君兵藤君も、結界組に合流。
悪名高いニ天龍の一角である兵藤君と、先程の光のイベントで、パワーアップを果たした?木場君が加わった事で、結界の強度は更に増した。
「…よし!」
ボォオッ!
「な…?!」
それを確認したのか、サーゼクス様が、超強力な滅びの魔弾をコカビエル目掛けて撃ち放つ。
これは躱され、魔弾は障壁に激突するが、今度は罅割れする事無く、持ち堪えている。
あの魔弾…先程以上の破壊力なのに、びくとも しないなんて…
兵藤君と木場君が加わっただけで、こんなにも変わってくるのか?
「逃がさないぞ☆!」
ビュビュオォッ!
「ぬおっ!?」
そしてセラフォルー様も、今まで以上に威力が有りそうな氷柱のミサイルを、コカビエルに乱射。
「元々コカビエル如き、魔王様が2人も揃えば、大した脅威には成り得ません。
但し、それでもコカビエルを斃す力となると、周囲の被害を考えるなら、それなりに強力な結界が必要でした。」
此処でグレイフィア様が、説明ポジションに。
「…(略)…恐らく今回の騒動、グリゴリは関係無く、コカビエルの独断なのでしょう。
その証拠に、彼の下に居たのは、あの人間2人だけ。」
成る程。確かに言われてみれば、魔王様を巻き込むのを前提にした やらかしにしては、グリゴリの堕天使兵が1人も居ないのは、可笑し過ぎる。
「…(略)…ですから、私達も今後の対策を話し合おうとした時、まだ此方も兵の準備をしていない時に、コカビエルが現れたのは、ある意味 幸いでした。」
同意ですね。
実際 今夜のタイミングで、多くの軍勢を引き連られていたら、かなりヤバかった筈。
そもそも1人で、魔王様2人を相手にする心算だったのか?
魔王様の実力、低く見積もり過ぎだぞ。
「チィッ!」
ドドドォッ!!
「「「「「「「!!?」」」」」」」
そんな風に話していたら、コカビエルは魔王様達だけでなく、
魔王様2人相手に次第に圧されてきたので、注意を
「「「「「「きゃあっ?!」」」」」」
上空から光の槍が、シャワーの如く降り注ぐ。
これを見たソーナ君の下僕さん達が、思わず悲鳴を上げるが、
「ふん!」
ぼしゅっ!
しかし それは、俺が頭上に炎の障壁を張り、凌いでみせた。
如何に堕天使幹部の攻撃と云えど、こんな"質より量"な攻撃なら、俺でも防げる。
そして結果から言えば、この攻撃はコカビエルからすれば、痛恨の選択ミスだった。
ボォオッ!!
「…がっ??!」
俺の
被弾した部分は完全に抉られ、喪われている。
「…あんな甘い攻撃で、下に居る皆をどうにか出来るとでも、思っていたのかい?」
「全くだね☆!」
「ぐぅう…サ、サーゼクスゥウ!!」
サーゼクス様は この俺が…とは言わないが、
あの攻撃は、サーゼクス様セラフォルー様の隙を誘うので無く、逆にコカビエル自身の隙を作ってしまったに、他ならない。
ボッボォオッォオッ!!
「さぁ、終わりに させて貰うよ。」
そして今度は、体全体を消し飛ばさんとばかりな、超特大…例え素人でも凄まじい威力と解る、滅びの魔弾を撃ち放った!
やっぱりサーゼクス様は凄いよ!
流石はリーアたんの お兄さん!!
…どん!
そして これが、コカビエルに直撃!
「がァああぁッ?!!」
…しかし これはコカビエルも僅かに体を躱し、完全消滅だけは免れる。
但し、右の肩口から斜めに、下半身は消されており、正直な話、全て消し飛ばされた方が楽だったと思わせる無惨さだ。
ズドッ…
そして右側の5枚の翼を失い、飛行不能…いや、行動不能となった堕天使幹部は、地に堕ちた。
…スタッ
「…生きて、いるかい?」
「サ、サァ~ゼクスゥ~ゥウっ!!」
それでも流石は、聖書にも名前を記している堕天使だ。
あれだけの負傷でも死んでおらず、地上に降りたサーゼクス様を睨み付ける。
因みに身体を消し飛ばされて出来た傷口は、セラフォルー様が"凍らせて"止血している。
「心配しなくても、止めは刺さないよ。」
「アザゼルちゃんにも色々と、聞いたりしないと いけないしね♪★」
そう言いながらコカビエルに詰め寄る、2人の魔王様。
定石だが、堕天使サイドとの交渉材料にする心算だろう。
「くっ…巫山戯るな、サーゼクス!
さっさと殺せ!」
そして それを好しとしない、コカビエルだが…
「「「オッサンの『くっ殺』なんて、誰得だよ…?…………………!!?」」」
それを見て、独り言の心算でボソッと吐いた呟きが、見事にハモる。
「「「っえーい!」」」
パァン!
これには思わず苦笑の後、兵藤君、そしてソーナ君の
「「「「「「「(¬_¬)……………………」」」」」」」
そんな俺達に、女性陣が凍てつく様なジト目を浴びせているが、そんなの無視無視(笑)。
「…お取り込み中に すまないが、少し、良いかな?」
「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」
そんな中、上空から話し掛けてくる声が。
皆が声の出所に目を向けてみると、其処には兵藤君とは色違いな造型の鎧を着ている人物が、光る翼を広げて宙に浮いていた。
「…イッセー先輩の、2Pカラー?」
白音君、違うと思うぞ。
あの白い鎧…もしかしなくても、
スタッ…
「ふぅ…
本当は、もっと早く、姿を見せたかったのだけどね。
結界が少しばかり、強力過ぎたよ。」
校庭に降り立ち、白龍皇が苦笑混じりに話し出す。
「率直に言おう。
コカビエルの身柄、俺に寄越してくれないか?」
そして弩ストレートに、魔王様にコカビエルの引き渡しを要求してきた。
≫≫≫
「…まさか、白龍皇が堕天使サイドに属していたとは、ね。」
「本当、びっくりだよ☆」
要約すれば、この白龍皇は、今は堕天使組織グリゴリに籍を置いているらしく、今回は堕天使総督の指示で、好き勝手に暴走したコカビエルの回収に来たらしい。
「アザゼルに伝えてくれ。
『1つ、貸しだぞ』…ってね。」
「承知した、魔王殿。
それと、子供の使いにならずに済んだ事に、感謝する。」
これに対してサーゼクス様とセラフォルー様は、この白龍皇の申し出を承諾した。
ヒョイ…
「は、放せ、白龍皇!」
「ふっ、文句はアザゼルに言ってくれ。」
そして白龍皇は首を除いて、全身氷漬けとなったコカビエルを担ぎ上げる。
「あー、それから…」
「え? 俺??」
そして翼を広げ、飛び去ろうとする前、此方…正確には兵藤君に視線を向け、
「次に会った時は、派手に殺り合おうぜ、ライバル君。」
「却ーーーーーっ下!!」
ひゅん…!
一言だけ告げると、夜の空の彼方に消えて行った。
「さぁ、次は私達の番だ!」
「エクスカリバーを、返してよ!」
「「「「「「「「………………。」」」」」」」」
そして白龍皇が去った途端、口を出してきたのは、昨日、オカ研を訪ねてきた、天界が聖剣奪還の為に寄越したエクソシストのゼノビアクァルタとシドーイリナ。
そう。実は この2人も、白龍皇と魔王様達がコカビエルの処遇を話している最中に、この場に駆け付けてきていたのだ。
「申し訳有りません…
結界を解除するのが、早過ぎました。」
グレイフィア様、どんまいです。
とりあえず この2人、『順番だから』と、白龍達の話が終わるまで、口を出すのを待って貰っていたのだが…
「おい!エクスカリバーは、何処だ!?」
…白龍皇が去った後、特に喰い付いてきているのが、恐らくは昨夜から今日の日中に掛けて、あの少年神父(現在 気絶中)に襲撃されて聖剣を奪われたのだろう、昨日 木場君に聖剣を破壊されたシドーイリナ同様に丸腰となっている、ゼノビアクァルタだ。
「残りのエクスカリバー(笑)なら、兵藤君が破壊したぞ、全部。」
「"核"とやらも、残ってないわよ、多分。」
「「なぁっ??!」」
俺とリアスの返答に、目を大きく丸くして驚く、エクソシストの2人。
「「きゅ~~~~~…」」
パタン…
そして その現実が余りにもショックだったのか、意識を失って倒れてしまった。
「まぁ、この2人は放って置いて、大丈夫でしょ。」
「さぁ、朝までに校舎を直しましょう。」
「今夜は徹夜、ですね。」
「…処で、あのクソ神父と木場が殺った爺さんの死体、どうするんですか?」
次回より、『会談編』突入?