ヒロインのターンですね。
女性の心理描写は難い…orz
◆◆◆
第一印象?
別に、最悪も最高も無かった。
強いて言えば、ややプラス。
貴族の家の女子として生まれたから、こーゆーのも必然なのは理解していた。
お父様お母様も そうだった筈だし、お兄様が例外過ぎるだけ。
でも、その例外に憧れない訳も無く。
政略結婚。
純血の悪魔の血を絶やさないだけでなく、余所の有力な【家】とのパイプを持つ為の、今回の縁談。
両家での話が有った時点で決定事項であり、余程の事が無い限りは破談なんて有り得ない。
ただ、今迄 会った事もない男の
相手は…多分、向こうは私の事を顔と名前くらいしか知らないだろうけど、私は彼を、少しだけ知っている。
レーティング・ゲーム。
その去年のシーズン開幕戦で、一昨年に勝ち越しした、それなりに強いチーム相手に彼は、【
大半の予想は、経験実績の有るチームが、ルーキーにプロの洗礼を与える…だった筈。
私も そう思いながら、テレビで観戦していた。
…が、その予想は覆される。
辛勝ながら、この人はデビュー戦を白星で飾ったのだ。
総合リーグ戦と併行で行われた、その期にデビューした新人だけで行われる【ルーキー杯】は危な気無く優勝。
他のトーナメントなんかでも、優勝は逃すも、上位に食い込んだりしていた。
彼のゲームの勝敗に、気が付けば一喜一憂。
そう…私は、彼のファンに、なっていた…んだと思う。
結果的に彼のチームは、そのシーズンを、勝ち越しで終わらせた。
その彼との
でも、自分も其処迄、ミーハーな心算も無い。
いくら好きなプレイヤーと云っても、結婚相手となると、それは別の話。
私が知っているのは、あくまでも"
既に出来レースと言っても良い結婚話。
願わくば彼が、私を貴族令嬢としてや、或いは見た目だけで無く、"私"として接してくれる男性で在ってて欲しいと思いつつ、対面の日を迎えた。
自分で言うのも何だが、私は容姿には それなり…いや、かなりな自信が有る。
もしも"彼"が、その見た目だけで良い様な顔をしたなら、場合によっては、彼のファンを止めるかも知れない…という、不安を持ちながら。
恋愛結婚は諦めるとしても、それでも、好きだと思える人と、貴族の娘でなく、本当に"私"自身を好きだと思ってくれる男性と結ばれたいのだ。
≫≫≫
カチャ…
両親、そして3人の眷属と共に、邸の客室に足を運ぶと、其処に "あの人"が居た。
向こう側は、"彼"と その御両親。
それと もう2人、やはりテレビで知っている顔。
レーティング・ゲームにて、強烈な爆発魔法を駆使して【
「初めまして、グレモリー卿。
そして、リアス嬢。
ライザー・フェニックスです。」
そして部屋に入ってきた私達に対し、ダークワインレッドのスーツ、ノーネクタイな出で立ちの彼は、軽い笑みを浮かべながら、挨拶した。
≫≫≫
「改めて、自己紹介させて貰うぜ、リアス姫。
俺はライザー・フェニックス。
この度、ウチのバカ親父の所業で、キミとの縁談を組まさせて貰った、フェニックス家の
「ご…?」
あの後、社交辞令な挨拶を交わし、両親を交え、今後の話し合いをした後、お母様の「続きは
屋敷を出て、庭先を歩いてる時に、彼がフランクな口調で会話を切り出した。
…って、穀潰?
それに、バカ親父ぃ?!
「あぁ、聞かされてなかったかい?
今回の結婚話、先日の大公家主催のパーティーで、ウチの
いや、その件に関しては、本当に申し訳無い!」
はぃい!?
そ、それで この人、
それにしても、縁談の切っ掛けが、そんな しょーもない理由だったなんて…
「…まぁ、家を継げない三男からすれば、有り難い話だったけどね。」
…そう言って自虐的に笑いながら、この後も このライザー・フェニックス…さんは色々と、自分の事を話してくれた。
領地を継ぐのが決まっている上の お兄様や、既に御実家の事業を継いでいる下の お兄様みたいに、自分は政も、商の才能も無い。
だから、レーティング・ゲームで勝利…実績を重ねて、それで何れ爵位を獲て、独立する心算でいた…とか。
「…そんな時に転がり込んできたのが、今回の婿入りの話さ。
…俺の事は、こんなもんで良いだろう。
さぁ、リアス姫? 今度はキミが、色々と話す番だぜ?」
「ひゃ…ひゃぃっ! り、リアちゅ・グレみょリーでぃしゅ! 14歳です!
しゅ、趣味は料理と読書、それから…」
うぅ…急に そんな良い笑顔で話を振るのは、勘弁して貰えますか?
一応 私、貴方のファンなんですけど?!
思わずドキッとして、噛んでしまった…
しかも、名前の所で…orz
▼▼▼
≫≫≫
翌日。
私は、
あの後も色々と話をして、彼の今の趣味が、己の鍛練と聞いたから。
鍛練? 上級の、貴族の、純血の悪魔が?
はっきり言って、そう思った。
しかし、私も成人したら、眷属を率いてゲームに出場する心算だ。
それ故に、それと同時に昨年シーズンを勝ち越しで終えたチームの鍛練というのに、少し興味が湧いたのも事実。
だから それを見てみたいと言ってみたら、
「じゃ、早速 明日にでも、ウチに見学に来てみるかい?」
…って話になったのだ。
≫≫≫
「リアス様、此方です。」
出迎えてくれた彼の
その角の整地された一角で、
「でぇえぃやっ!」
「哈ッ!」
「「無ぅ駄!無う駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無ぅ駄、無っ駄ぁああっ!!!」」
どっどどどどどどどどどどどどど…っ
「……………………………………。」
それは、4人入り乱れての、バトル・ロワイヤル。
悪魔の戦闘訓練らしからぬ、魔力を一切使わない、純粋な"力"、徒手だけでの格闘…
それを繰り広げているのは、彼と、昨日の
そして やはりテレビで見た事のある、彼の もう1人の
そして、筋骨粒々な、黒髪の男…
…って、
「さ、サイラオーグぅ?!
あ、貴方、何で貴方が此処に居るのよぉお??!」
「「「「???!」」」」
ぴた…
私の
「ん? …リアス…か?
いや、お前こそ、何故 此処に…?」
「やぁ、リアス嬢。よく来たね。」
そして そう、其処には何故か、私の母方の従兄が居たのだ。
≫≫≫
「…ま、まさか、サイラオーグとライザー…さんが、
「私はリアス様とライザー様が、婚約されていた事に驚きです。」
「本当に つい最近、急に決まった話なんだけどね。」
サイラオーグの
「セィッ!」
「おら!」
「ふん!」
「シュ!」
どっどどどどどどどどどどどどど…っ
「…………………………………………。」
「「「リアス?」
様?」」
「ハッ…!? な、何でもないわ…」
魔力を使わない、原始的な闘り合い。
欠片程度しか、魔力を持たないサイラオーグが その戦法を取るのは解るけど、残る3人も同様なんて…
でも それも、サイラオーグに合わせているって訳でも無いみたいだし、私の価値観からすれば、それは汗臭く泥臭い、受け入れる事が出来ない それだった筈。
でも…
「ちぃ!!?」
「まさか、此程…とゎっ?!」
「はっはっは! どうしたどうした?」
「サイラオーグ様!ディェゴ!
殺ってしまいましょう! 散開、三方から同時に!」
「「応!!」」
「え゙?!」
その組手は4人が互いに敵だった筈が、内3人が示し合わせた様に急遽連携、ライザーさんを集中攻撃。
「ちょ…待…オマエラ…?」
「てぃやぁっ!」
「そらっ!」
「ロードローラーだッ!!」
ドグオォン!!
でもライザーさんは、サイラオーグと2人の
「そらぁッ!」
どん!
「ぉわっ?!」
逆に、正面に立っていたサイラオーグにカウンター…と見せ掛けて、フェイントで斜め後方に居た、集中攻撃を呼び掛けた、両手に それぞれ、剣と鞭を携えた
ブッブー!
そして このタイミングで、私達見学組の傍らに置いてあった小さな箱からブザーが鳴り、
「「「「ぷっ…ふぁあーぁっ!!」」」」
どすん…
同時に戦り合っていた4人は動きを止め、大きく息を吐くと、その場に腰を落とす様に座り込んだ。
「………………………………………。」
「リア…ス…?」
「…?!! ハッ!…?」
不意に私の
そして、気付いた…
魔力を使わない原始的な殴り合い。
私の価値観からすれば、その汗臭く泥臭い それは、受け入れられない筈だった。
でも…それでも私は、その汗臭く泥臭い、彼の戦いの様に、魅入っていた。
…カッコいい…かも…?…
…そう、思いながら。
「サイラオーグ様!」
そんな時、サイラオーグの
「はい、じっとして下さいね?」
訓練で正しく、ボコボコの表現が相応しい顔の治療を始めた。
「………………………………。」
そして、私達が座っているベンチには、救急箱が もう1つ。
「………………。」
迷う事無く私は その箱を持つと、
「…ん? リアス…嬢?」
「あ…あの、よ、宜しければ、傷の手当て、させて下さい!」
べ、別にポイント稼ごうとか そんなので無く、只単に、顔が大変な事になっているのを見ていられなかっただけなんだからね!!
次回『女王』(仮)
①フェニックス家の事業…【
②…さて今回、ライザーの眷属(小説オリジナル)を2人程 出しましたが、本文からモデルは察せました?(笑)