PhoeniX-DxD   作:挫梛道

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お久し振りで御座います。
前回の内容を覚えてない人は、前話から読み直してみてください。
 


恐るべき罠!

▼▼▼

ライザーだ。

ゼファードル眷属、ギム・ギンガナムの一撃をまともに受けたミルたん。

それに追い撃ちする様に、後方から碧の光線がミルたんに直撃した。

そう。遥か後方、からだ。

しかし それは、既にリアス側陣地に進んだゼファードル達の攻撃じゃない。

もっと奥側、そして もっと高い位置から放たれた光だ。

…そう思っていると、中継モニターの画面が3分割から4分割に切り替わった。

この辺りに関しては、流石はゲーム運営、仕事が早い。

プレイヤーに対して嫌がらせな様な、クソみたいな仕様を施しているだけじゃない。

新しく映し出された画面は、廃れた室内。

窓から見える景色からして、それなりに高いフロアだ。

そして その部屋にはリアス、姫島君、アルジェント君の3人が。

中継カメラの存在に気付いたリアスが、アルジェント君に何やら話し掛け、その前に押し出す。

するとアルジェント君は少しだけ照れ臭そうな顔で拳銃を撃つかの様なポーズを見せると、

『癒しビーム…です♡』

この画面を…ゲームを観ているであろう皆さんに、笑顔でアピールだ。

そう。ミルたんに直撃した光線は、攻撃で無く、アルジェント君の神器(セイクリッド・ギア)より放たれた、回復の光だったのだ。

 

ずっきゅーーーーーーうん!!

 

そして この時、そんな効果音が聴こえたのは、気のせいか?

 

「可憐だ…」

「何て愛らしいんだ…」

「アーシアさん可愛いよ、アーシアさん。」

……………………………………。

いや、ディオドラ、それとサイラオーグと その眷属の皆さん、並びにシークヴァイラ嬢の眷属の皆さんが、今の画で彼女のファンになったみたいだ。

あ、ディオドラは最初からか。

これは もしかして、別室で観戦している貴族の皆さんも同じ感じか?

確かにアルジェント君は かなりな美少女だからな。

実際 俺も、もっと美少女な婚約者(リーアたん♡)が居なかったら、堕ちていた自信が有るぜ。

 

『力のパワーが滾るにょー!』

『ちぃいっ!』

そして戦闘の方は、回復したミルたんがギンガナムを圧し始めた。

想定外(まさか)援護(かいふく)で、一瞬 思考が止まったギンガナムに対し、ミルたんが放った左フックがクリティカルで決まったのだ。

形勢逆転。

 

『ミルたん・ウインド・カッターにょー!』

 

ガキンッ!

 

『ぐゎ…!なぬ…だと?!』

そしてミルたんは魔法の真空刃を作り出し、それを飛ばすで無く己の手刀に纏わせての斬撃。

これをギンガナムは太刀で受けようとするが、その太刀をへし折られ、その儘 疾風の刃の一撃をまともに浴びてしまう。

 

『ミルたん・エア・ハンマーにょー!』

 

ボゴォッ!

 

『がほっ…?』

続けて同じく、本来ならば飛び道具…空圧弾の魔法を、拳にチャージしてボディアッパーを放つミルたん。

この一撃でギンガナムは天高く飛ばされ、

『にょにょっ!』

ミルたんも これを追い掛けんと、羽を広げて飛翔。

 

『これで決めるにょ!』

 

グワシィッ!

 

空中で相手の背中を捕らえると、見た事も無い技に…

 

『う…動けん…だと?!』

両腕を確と両手で掴むと同時に両脚で左右の肩をガッチリと固定。

更に両足を両脇に抱える事で、身体を完全にロック…からの、急降下!

 

『ミルたん・メイプルリーフ・クラッチーっ!にょーッ!!』

 

ガガァンッ!!!

 

『が…ご…ほ…?!』

ミルたんの素のパワーが凄まじいのは勿論だが、身体全体を極めた上で地面に叩き付ける、この技の破壊力は尋常で無く。

 

『ゼファードル・グラシャラボラス様の戦車(ルーク)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

「何と凄まじい技だ…!」

サイラオーグが感心と関心の目で見る中の この戦闘、最後はミルたんの逆転勝利に終わった。

…にしても、魔法少女(自称)の決め技が、魔法で無くて肉体言語(Muscle技)なのは、此れ如何に?

魔法、何処行った?!

 

『ゼファードル・グラシャラボラス様の僧侶(ビショップ)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

『ゼファードル・グラシャラボラス様の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

そして ほぼ同じタイミングで木場君と兵藤君も、各々 戦っていた敵を撃破。

どうでも良いが同時に戦闘(バト)られると、分割された画面の どれに注目すれば良いのか分からなくなり、目が疲れるぞ。

 

≫≫≫

その後テレビ画面は切り替わり、ゼファードル達が映る画面が拡大される。

約10人、リアス陣地を進むゼファードル眷属。

目指しているは、このエリアで最も高いと思われる廃ビルだ。

先程のアルジェント君の癒しビームの光は、ゼファードルも見ていた。

現在 この男は その光が放たれたビルにリアス達がいると睨み、進んでいるみたいだが、確かに それは正解…しかし、不正解。

リアス達も それで自分の居場所がバレたのは承知で、既に別の場所に移動を終えている。

 

ビカァッ…どん!

 

『ぎゃんっ!?』

そして そのゼファードルの下僕の1人の頭上に、雷の一閃。

 

『ゼファードル・グラシャラボラス様の僧侶(ビショップ)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

それは、姫島君の雷撃。

 

『あらあらあらあら…

ゼファードル様を狙ったのですが、勘の良いヒトですわぁ♡』

画面には艶かしく艶っぽい表情を見せる姫島君がアップされる。

最初の建物から2つ隣のビル、最上階からの狙い撃ちだ。

姫島君はゼファードルを狙ってた様だが、下僕が それを庇い、身代わりになった形だ。

てゆうか姫島君? その顔、少し怖いよ?

 

『チィイッ!』

吐き捨て、その場から一時後退するゼファードル。

悔しいのは解るが、これは完全に作戦ミスだ。

今回の勝敗条件に、拠点制圧、陥落は無い。

だからこそ彼は守りを考える事無く、自ら大将首を獲るべく攻勢に出ていたのだろうが、それはリアスも想定の1つと考えていた。

あの癒しビームも単なる味方のアシストだけじゃなく、自分の位置を敢えて晒す、()()の意味も兼ねていたのだろう。

そして見晴らしの良い場所での待機は、仲間を援護(アシスト)するだけが目的じゃない。

寧ろ近寄る敵の迎撃がメイン。

リアス達からすれば、ゼファードルは既に敵じゃない。

只の、()だった。

 

ダダダダダダダッ!

 

『クソがぁッ!』

そしてゼファードル達が退いた先で待っていたのは、重火器の弾幕。

 

『ゼファードル・グラシャラボラス様の兵士(ポーン)2名、戦線離脱(リタイア)です。』

木場君が仕掛けていた、ミリアルド直伝の軍式(トラップ)だ。

道に張っていたピアノ線と機関銃を連動させた初歩的、簡単な罠だが、冷静さを欠いた(キング)が、見事に それに足を引っ掛けてしまう。

 

ドッゴォーッン!

 

更に それを避けた先は、やはり木場君特製地雷地帯。

 

『ゼファードル・グラシャラボラス様の騎士(ナイト)1名、戦線離脱(リタイア)です。』

これにより、またゼファードル眷属が1人脱落。

 

『クッソがぁっ!

リアスーっ!出てきやがれ!

タイマンで勝負しろぉっ!!』

そして半ば自棄(ヤケ)になったか?

一発逆転を賭けて、リアスに一騎討ちの要請を叫ぶゼファードル。

いや、序盤から中盤に互角な展開だったなら兎も角、此処まで一方的なゲームで そんなのに応じる王様なんて居ないだろ?

 

「俺は『婚約者の前でカッコ良い所を見せたい』っていう しょうもない理由で、そういうのを承諾した男を知っているが?」

「あ、僕も それ、知ってる。」

黙れ、脳筋と糸目。

…って、リアスが また動き出した?

まさか本当に、一騎討ちに応じる…なんて事は無いよな?

 

「まさか あのコも、『婚約者が観てるから』…なんて考えているとか?」

「流石は冥界屈指のバカップルですね。」

黙れ、メガネ1号2号。

しかし、その可能性を否定出来ないのが辛い!

 

≫≫≫

高い廃ビルに囲まれた狭い道を進むゼファードル達。

此処に来る迄に、またも(トラップ)の餌食となった下僕がリタイアして、今は もう、女王(クィーン)戦車(ルーク)の2人しか連れていない。

 

『……………………………。』

『見つけたぞ!リアス!!』

その先、リアスが姿を見せた…と思ったら、彼女は自分が見つかったのを確信すると、廃ビルの陰に身を隠した。

 

『逃がすかよっ!!』

それを見たゼファードルは追い掛けるが、少しは怪しめよ?

 

ゴゴゴゴゴゴ…ッ!!!

 

『『『なぁあっ??!』』』

ほら? だから言ったろ?

普通は罠を疑うもんだぜ?

…ってか、今まで散々と引っ掛かってきただろうが!

そして ()()は、狭い道の上空から勢い良く降ってきた。

しかも同時、道の前後には魔法障壁を発動させ、逃げ道を塞ぐ周到さだ。

ゼファードルに迫り落ちるのはアレだよ ほら、人間界の道路工事で、アスファルトを圧し固める作業用重機…

 

『ロードローラーだ!…とおぉっ?!』

 

グシャァッ!!

 

『『『おんぎゃわぁあ~~~っ!?』』』

逃げ場を奪われたゼファードルに、このロードローラーがモロに直撃。

下僕諸共 完全に下敷き、潰されてしまう。

 

『ぜ…ゼファードル・グラシャラボラス様、戦線離脱(リタイア)、です…。

き…(キング)のリタイアにより、この度のゲーム、リアス・グレモリー様の勝利とします…!』

そして それが決め手となり、ゼファードルは退場、リアスの勝ちに…って、誰だよ?こんなエグい(トラップ)なんか教えたヤツは?!

…まぁ、こんなのDIOしか居ないよな。

それと、(キング)(トラップ)でヤラれて退場なんて、初めて見たぞ?!

はっきり言って、情けなさ過ぎる!

アナウンスのヒトも、声が震えてるぞ?

 

『……………………………………。』

そしてリアスも画面の中で、「え? 本当に?」って顔をしてる。

彼女からすれば、相手の数を減らすと同時、ゼファードルの消耗が目的だったのだろう。

そして今回の為に修得した、新必殺魔法で決めてやろうとか考えていたに違いない。

…が、まさかアレで決着するなんて、思ってもみなかったろうな。

 

▼▼▼

「皆、とりあえずは勝利、おめでとう。」

「やったわね、リアス!」

イッセーだ!

やったぜ!デビュー戦勝利だぜ!

俺も敵を1人撃破したし、此方は誰もリタイアしていない完全勝利だ。

そんな俺達の控え室に、ライザー様とサイラオーグ様に支取先輩…失礼、ソーナ様が、お祝いの挨拶に来てくださった。

ありがとうございます!

 

≫≫≫

「確か、ミルたん…だったな?」

「にょ?」

ミルたんに話し掛けるのは、サイラオーグ様。

 

「お前とは小細工無用な、熱いバトルが楽しめそうだ!」

「望む処だにょ!」

 

コン…

 

サイラオーグ様が突き出した拳に、ミルたんも拳を重ねて応える。

うゎ…確かに この2人の戦いなら、ドームのメインでも通用しそうだ。

俺なら最前列チケット買うぜ!

 

▼▼▼

「さて、それじゃ反省会だな。」

引き続きイッセーだ。

そして その日の夜、フェニックス城にて今日のゲームの反省会の時間が やってきた。

 

「先に言っておくが、俺的には、今回はデビュー戦だと考えたら、其処まで酷い内容じゃなかった。

余りキツく言う事は無いから、安心してくれ。」

ライザー様の この言葉で始まり、録画映像を見ながらの反省会。

 

「ギャハハハハハ!」

「にゃははははは!!」

「ちょ…イッセー君、笑い過ぎだよ…」

いや、これは仕方無いだろ?

画面に映っているのは、砦内のトラップに四苦八苦する木場(イケメン)の図。

特に金タライ落下からの脳天直撃は、わざと笑いを取りに行ったとしか思えない!

アーシアや白音ちゃんも、笑うのを必死に堪えているぞ?

因みに黒歌さんも、容赦無く爆笑だ。

 

「まあ これは、クソ運営の仕様だから。木場君どんまい。」

そう言って、イケメンを労うライザー様。

ライザー様的には、これは仕方無いらしい。

 

≫≫≫

「次は、兵藤君と この騎士(ナイト)とのバトルだが…」

その後も、各戦闘を観ながらの良い点 悪い点の検証。

俺の戦闘も可も無く 不可も無くな、ギリギリの及第点を貰えた。

 

「ん、これも、クソ運営だから仕方無いな。」

「はぃい…」

「そう言って貰えたら、嬉しいです…。」

次に映されたのは、白音ちゃん&ギャスパーと、運営側が用意したロボットとの戦闘場面。

このロボットが、凄く強い!

少なくとも、俺が戦ったデュラハンより遥かに強いのが分かる。

コイツがフェニックスの涙を守っていたらしいが、結果から言えば、2人は勝てないと判断して逃走。

ライザー様も、それに あれこれ言う心算は無く、寧ろ『逃げる』を選択した事を評価。

曰く、「クソ運営の巫山戯たイベントに付き合う必要は無い」だとか。

そして最後は、

「まあ、これは、相手が悪かったって事で…だな。」

ギャスパーが仕込んだ、DIOさん特製の(ロードローラー)で、相手の王様が退場した件について。

 

「こんな形での決着は、前代未聞らしくてな。

魔王様や老害(エライさん)達からの、ゼファードル・グラシャラボラスの評価はダダ下がりだよ。」

でしょうねー。

このライザー様の「相手が悪かった」は、敵が強過ぎたで無く、マヌケ過ぎたの意味。

お陰で部長も、「私、何もしてない…」ってゲームの後、控え室で地味に凹んでいたし。

大体 最初の予定では、部長自らが囮となって、あの(ロードローラー)で敵戦力を削った上で、前線から戻ってきた俺達と挟み撃ちでフクロにする手筈だったんだ。

でも その前に全滅だからなぁ…

そして この(トラップ)

相手の王様を仕留めた事自体は、それは それで大きく評価され、今回のMVPは、ギャスパーに決まったそうだ。

やったな、ギャスパー!

但し当人は、「うえぇ?!ほ、本当に僕なんかで良いんですかぁ?」って、困惑していたけど。

  

「まあ、今回は こんな感じだな。

それじゃ、お疲れさん。」

そして無事に、反省会は終了。

既に夜も遅くなっており、今夜は もう寝ようと俺専用の客室に戻り、

 

カチャ…

 

「む?漸く帰ってきたか、ヴァカめ!」

「吾輩達も、ゲームの動画を観てみたが…」

「俺達は(ライザー)と違い、甘くは無ぇぞ?」

「…………………………………。」

扉を開けてみると、其処には今回のゲームに際し、俺に修行をしてくれたネウロさんに剣八さん、そしてクッソウゼェクスカリバーが。

 

「「「さあ、反省会を始めるるぞ。」」」

「………………………………………。」

 

カチャ…ダダダダ…ッ!

 

俺は部屋に入る事無く無言で扉を閉めると、この場から逃走した!

 




 
…しかし、直ぐに捕まった模様。
 
 
 
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