仗助の双子の姉がいたらというもしも、パート2  第二部『戦闘潮流』へ   作:蜜柑ブタ

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お試し短編の続き。



ワムウの腕を、仗助が…?


そしてワムウは、死の結婚指輪を……。


死のウェリング・リング

 ミナミと仗助。

 二人は、想像を絶する体験を、今していた。

 

 ジョセフ・ジョースター。

 

 それは、二人にとって、実の父親の名。

 ただし、自分達が、その父が高齢でやらかした浮気の末に生まれた子供達であることは、知っている。未婚の母から、愛の末に産んだことで納得している。

 15、16年の歳月のほっとかれた時の末に更に高齢になった父・ジョセフと初対面し、ギクシャクはしたものの、最後には和解はできた。

 仗助は、ジジイ呼び。ミナミは、お父さんと呼んでいる。

 

 その、自分達の記憶の中で高齢(79歳)の父が、どう見ても今の自分達よりちょっと年上ぐらいの若さでいるのだ。

 驚かない方がどうかしている。

 

 そして若い頃のジョセフに出会って分かった。

 自分達は、間違いなく彼の血筋だと……。

「髪の毛の跳ね具合とか、完全にお父さんに似だったんだ…。」

「お前らさ…。1から説明してくんない?」

「えっ…、あ、その…。説明は…無しじゃダメですか?」

「ダメに決まってるんだろうが。っていうか、おっぱいデケぇな?」

「ジョジョ! 君達も! 今はそれどころではないのだぞ!!」

「えっ?」

 老人が焦った顔で指差した先には、奇抜な格好の半裸で大柄な男達がいる。

「……やばい…、仗助のこと見てる…。」

 ミナミは、迂闊だったかもと今更後悔した。

 マルクという軍人の青年を救うのを見られたのが、マズかったと。

 奴らは何か分からないが、ヤバい…。特に触ったら最後のようなそんな悪い予感しかしない。

「そこの人間。」

「……俺?」

 ターバンみたいな黒い物を被っている男が上から目線で聞いてきた。

「今、お前は、何をした?」

「……答える義理はねぇよ。」

 仗助もミナミ同様に、あの男達にヤバいものを感じているらしく、冷や汗をかいていた。

「あれほどに死にかけていた人間を、再生できる芸当が…、2千年もの間に人間共に身についたということか?」

「2千年!?」

「落ち着きな。」

「だって…。」

 ジョセフが焦るミナミの肩に手を置いた。

「奴らは、柱の男って言われてる連中だ。下手に刺激すんなよ?」

「はしらのおとこ?」

「なんなんすか…? アイツら…なんかヤベェ! 分からねぇけど、ヤベェ感じしかしねぇっすよ、ジジイ!」

「誰がジジイだ、こら!」

「あいでっ!」

 思わずジジイ呼びしてしまい、仗助はジョセフにデコピンされた。

「質問に答えろ。」

 ターバンの柱の男が強めに聞いてきた。

「言ったって、分からないわ。」

「貴様には聞いていない。そちらの風変わりな髪型の人間に聞いているのだ。」

「あっ。」

「?」

「ああん? てめぇ、俺の髪型がなんだって?」

「ダメーーー!」

「止めるな姉ちゃん!」

 止める間もなくズカズカと柱の男達の方へ行ってしまう仗助。

「おい、止まれ! そいつらに不用意に近づかな、死ぬぞ!」

「いや、待ちな、シーザーちゃん。アイツなら大丈夫だろ。なにせマルクをあっという間に治せる力があんだからな。」

「だ、ダメなの!」

「はっ?」

「弟の力は…、自分自身には使えないの! だからもし死ぬような怪我したら、終わり!」

「な、なんだとぉ!?」

 

「ほう? 髪型のことだけで、我々に近づくとは、死にたいと見える…。ワムウ。相手をしてやれ。」

「はい。カーズさま。」

「ドラララララララ!!」

「むっ!」

 彼らには見えないクレイジー・ダイヤモンドの強烈な連撃がワムウという柱の男を襲った。

 見えてはいないものの、咄嗟の腕のガードで防いだらしく、ワムウの強靱な太い腕がへこみ、変形する。

「見えぬ! これは、いったい…、ぬっ!?」

「ワムウ!」

「こ…れは…、我の腕が…。」

 変形した腕は、たちまち再生していくが、元通りの腕にはならなかった。

 皮膚も肉も骨も変形し、ありえない形状になっていた。

「貴様は、いったい何者だ!」

「ドラアアアアアアア!!」

「仗助!」

「カーズさま!?」

 一瞬腕を輝かせたカーズという男から、仗助を庇ったミナミの体が見えぬ斬撃によって切り裂かれた。

「う…。」

「姉ちゃん!!」

「馬鹿…、もうちょっと…冷静に…なりなさい…。」

「ワムウ、お前にはちと厄介な相手であったようだったので、手を出させて貰った。すまんな。」

「いえ、…不甲斐ない自分をお許しください。」

「直らんのか?」

「はい。まるで初めからこの形状であったかのように、このままです。」

「姉ちゃん、大丈夫か!?」

「うん…、なんとか…。」

 仗助によってミナミは、直された。

「……なるほど、少しばかり分かったぞ。」

 カーズという男がそのさまを見て何か理解したように呟いた。

「破壊された物を直す…、しかもいかなる形にでも自由自在にな。それがお前の力と見た。」

「っ!」

「図星か? 実に面白い…。殺すには惜しいが、ワムウの腕をこんな状態にした報いは受けてもらうぞ!」

 カーズが腕を振り上げ、腕を一瞬光らせようとした。

 だが次の瞬間、飛んできたシャボン玉が当たり、カーズの腕がジュッと溶けた。

「ぐっ! これは、波紋か!」

 カーズという男と、ワムウとあとひとりが、その場から飛び退いた。

 そして、金髪の青年が仗助とミナミの前に立った。

「あなたは?」

「親友マルクを救ってくれた恩人を死なせやしないぜ! 下がってな!」

「シーザー、ずるいぜ、俺も加わらせな。」

「お前はいらねぇよ、スカタン!」

「なんだと、このスケコマシ!」

「喧嘩してる場合じゃないぞ!」

 喧嘩を始めようとした二人に、老人が叫んだ。

「お前らは、スピードワゴン爺さんのところまで下がってな。ここは俺らがやるからよ。」

「でも…。」

「いいから。ジョジョに似てるとはいえ、シニョリータに血は流させないぜ。」

「…姉ちゃん、下がろうぜ。」

「…うん。」

 二人に庇われる形で下がった二人だったが、ミナミは、見た。

 洞窟内に、自身のスタンド『ブルー・ブルー・ローズ』が生え始めていたことに。

「ああっ!」

「姉ちゃん? あっ…。」

 思わず声を漏らしたミナミに、反応した仗助も見て気づいた。

 後ろで始まる、激闘から逃れつつ、ミナミは口を手で押さえて、仗助とアイコンタクトした。

 どうする? いや、黙っとく? ブルー・ブルー・ローズが生えてきたってことは意味があるはずだから? じゃあ、黙っとこう。っという感じで。

 そういえば、スピードワゴンって…、どっかで聞いたことなかったっけ? っと二人は思った。

 やがて、凄まじい轟音が後ろから聞こえ、凄まじい風が吹いた。

 見ると、シーザーという青年と、ジョセフがボロボロのボロぞうきんのようになって吹っ飛ぶ姿があった。

「お父さん! シーザー…さん…!」

「な、なんという破壊力だ! ジョジョーー! シーーーザーーー!!」」

「むぅ…、やはり、この腕では、我が技は完全な物にならぬか…。」

 ワムウが放ったのは、神砂嵐という技だった。両腕を捻ることで発生する、凄まじい風による一撃だが、仗助に攻撃され変形した片腕のせいで完全な物にはならなかった。

 それが幸いしてか、ジョセフとシーザーには、まだ息があった。

「は、早く治さねぇと!」

「ダメ…今の一撃見たでしょ? 近づいたら今度は私達がマズい…! あんたが死んだらダメなのよ、仗助!」

「くっ…。」

「ジョウスケ…か。」

「はっ!?」

「我が腕をこのような形にしたために、我が闘技は、不完全にならざる終えなかった! このワムウの屈辱の姿を見られたからには、貴様だけはただでは帰さん!!」

「…くっ!」

「それは…どうかな?」

「なに? ムッ!?」

 その時、洞窟中に張り巡らされていたブルー・ブルー・ローズがワムウの足を貫いた。

「なんだ、これは!? これも貴様らやったことか!?」

 ワムウは、その場から飛び退くが、刺さった箇所から、青いバラの花が咲いて、落ちた。

「やってしまえ! ブルー・ブルー・ローズ!!」

 ミナミは、言うことを聞かない自らのスタンドに命じた。

 それに答えたかは分からないが、洞窟に生えていたブルー・ブルー・ローズの鮮血色の植物の根っこが三人の柱の男に襲いかかった。

「むむ…! これは、なぜだ…、なぜ私は汗を、冷や汗をかいているのだ!?」

「カーズさま、これは、ただの植物ではありません!」

「分かっている! ワムウ、お前の足に刺さった箇所から青いバラの花が咲いていたな! 何か分からぬが、コレに何かを奪われたと見た!」

「っちぃ、いつの間にこれほど生えていたのだ?」

 三人が背中を合わせてかたまり、ブルー・ブルー・ローズが迫る。

 しかし、眼前で止まった。

「ん? なぜ襲ってこない?」

「あ…。」

「? まさか…、娘…貴様か?」

「そうだよ…。私だよ。死にたくなかったら、そのまま動かないで。私は、私達は、あなた達にはなんの因縁も無いけれど、ヤバいことだけは分かる。あなた達を生かして帰したくはないけれど……。成り行きで殺すほどってほどでもないからね。」

「だ、ダメだ! こ、殺すんじゃ! 奴らを逃がしてはいかん!」

「まあまあ…。仕方ねぇんだよ。」

 焦るスピードワゴンを、仗助が止めた。

「ふん…! 我々に情けをかけようというのか!? 人間ごときが…。」

「そうだよ。見たところ、あなた達にとって、人間なんてちっぽけで弱っちいだろうけど、それ以上の物を時には背負ってるんだよ。」

「ほう?」

「だから…、消えるなら、さっさと…。ん?」

 ミナミは、ふと気づく。

 ジョセフがいないことに。

 明らかに何か引きずって逃げたような痕跡があったことに。

 その時、フッとブルー・ブルー・ローズが消えた。

「あの波紋使い…、まだ息が合ったか。やはり、腕が不完全では…。」

「嘆きすぎるな、ワムウ。」

「その通りだ。お前の腕のことは私がなんとかしよう。それまで辛抱するのだ。」

「…カーズさま。」

「ほう? ワムウ、もしやお前…。」

「私の勝手をお許しください。ジョウスケ。こちらを向け。」

「はっ? えっ?」

 一瞬で伸びてきた、ワムウの腕が仗助の体に吸い込まれるように入った。

「うわああああああああ!?」

「ふむ…、なるほど、お前は波紋使いですらないのか。波紋を一切感じぬ。だが、死の契約はこれで成った!」

「何をしたの!?」

「『死のウェリング・リング』! ジョウスケ、貴様の心臓の動脈に、しかとかけさせてもらったぞ! 33日以内に、この解毒薬を飲まぬ限り、お前は助からぬ!」

「なっ!?」

 スポッと抜けたワムウの腕。仗助は、胸を押さえた。

「これは、いわば…私からお前への死の宣告だ。33日後までに、私はこの腕を治し、お前を殺すという証だ。」

 そこへ、いつの間にかいなくなっていた、3人目の柱の男が戻ってきた。

 血だらけのジョセフを抱えて、地面に落とす。

「エシディシ。お前もか?」

「ああ、この波紋使いのジョジョという男が少しばかり気に入ったのでな。俺もウェリング・リングをプレゼントしておいたぜ。」

「ぐ…くっそ…、最悪だぜ…。」

 息も絶え絶えなジョセフが、悪態を吐いた。

「カーズ。お前も埋め込むか?」

「くだらぬ。もとより、我々は不老不死。好敵手がいなくて久しい…。敵があってこそハリがある人生…、気持ちは分からんでもないがな。だが、我らの第一目的は、『エイジャの赤石』のパワーを手に入れること。忘れるなよ、二人とも! 行くぞ!」

「ジョウスケ! せいぜい待っておけ!」

「ジョジョ、せいぜい強くなるのだな!」

 

 笑いが声を残しながら、三人は夜の闇へと去って行った。

 

「仗助…、仗助!」

「なんてこったいだ…。姉ちゃん、ごめん…。」

「謝らないで! あそこでブルー・ブルー・ローズが消えなければこんなことには…。」

「仗助くんと言ったか! 大変なのは分かっているが…、頼む、二人を…、ジョジョとシーザーを救ってくれないか!?」

「あ、ああ…。分かってる。」

 仗助は立ち上がり、虫の息の、ジョセフとシーザーを治療した。

 

 

 二人の星が現れたことで、道は僅かに違えた。

 ここから先の、旅路と結末は……。

 

 

 




ブルー・ブルー・ローズは、まだ制御できてないミナミ。

仗助、キレてワムウの片腕を変形させてしまう。
結果、目を付けられ、ジョセフが受けるはずだった毒の結婚指輪のうちのひとつを心臓に受けてしまう。
エシディシの方は、ジョセフに。こっちも心臓。

なお、ブルー・ブルー・ローズによって、ワムウの寿命は1年ほど削られた。
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