仗助の双子の姉がいたらというもしも、パート2 第二部『戦闘潮流』へ 作:蜜柑ブタ
シュトロハイムとの、ミナミと仗助は初遭遇。
そして、カーズと赤石の奪い合いは…?
あの後すぐに、郵便船を追ってヴェネツィアへ。
しかし、調べてもらったが、郵便物は、誰に送ったのか、住所も何も分からないため取り合ってもらえず…。
ジョセフとシーザーが、それどころじゃねぇんだ!っと、さっさとエイジャの赤石が入った小包を出さんかいと暴れようとするので、そこにメッシーナが来て、意識を取り戻したスージーQから波紋催眠術で深層の記憶を読み取り、エシディシに操られたときに書いた小包の宛先が分かったということと伝えに来た。
場所は、スイス。
サンモリッツというところだった。
つまり、残る柱の男達は、スイスにいるということになる。
指輪溶解まで、残り6日と迫った今、とにかく時間が無い。
ワムウから指輪の強奪もそうだが、それ以前にスーパーエイジャが敵に渡りそうになっていることが問題だ。
しかも、運悪いことに10分前には、スイス行きの貨物列車が出発していた。
「俺らもついてっていいんすかね?」
「何言ってんだ? ワムウもいる可能性もあるんだぜ? 指輪が溶け出すまで6日しかねぇんだ、それにお前の能力は相当使えるしよ。」
「……行くしかないよ。仗助。」
「うん…。」
「さあ、乗って。」
ミナミと仗助は、列車を追うための車に乗せてもらった。
スージーQが見送りに来ていたのだが…。
「おい、スージーQ! さよならだぜ! でもいつか、ヴェネツィアに戻ってくるからよ! もっと綺麗になる化粧を覚えときな。デートの時によ!」
「もう…、大馬鹿野郎!」
そうは言いつつ、とっても嬉しそうなスージーQだった。
そして一行は、出発した。
「……。」
「どうした? ミナミ?」
「エチケット袋、忘れた…。」
「おいおいおーい! 車酔いかよ! だいじょうぶなのかよ、おい!」
「我慢してなさい、ミナミ。スイスまでノンストップで行きますので。」
「はい…。」
「姉ちゃん…、がんば…。」
事態が大変なことになっているので、車酔いで休んでいる暇も無い。ミナミは、ひたすら耐えることにした。
そして、数時間してスイスの国境に着いた。
そこで国境を越えるための手続きをしている貨物列車を見つけられ、サンモリッツまであと1時間というところで見つけられた幸運が巡ってきた。
「おーい、ミナミ~、起きろ~。今から列車襲うからよ。」
「ふぇ…。」
「物騒っすね…。」
「非常時です。法律など気にしている場合ではありません。」
「それに、場合によっちゃ、仗助。お前の出番だ。破壊した列車も直せるだろ? そうすりゃ証拠も何も残らないぜ。」
「うわぁ。」
その時。
車の後ろからパッパーっと車の音が聞こえた。何度も何度も。
あまりにうるさいので、ジョセフが飛び降りて文句を言おうとしたら…。
その車に乗っていたのは、厳つい軍人達だった。
「な…、ナチス!」
「ナチス? えっ、ナチスって…、あのナチスドイツ? そっか、この時代ってその時代かぁ…。」
ミナミは、自分達が本当に過去の時代にタイムスリップしているのだという実感を改めて感じた。
「フフフフ…、元気そうじゃぁないか。たいした成長ぶりだな、ジョースター!」
「えっ!?」
車の後部に乗っている偉そうな軍人(たぶん上官)が、足を組んだ状態で、意外なことを言った。
「おい! 俺はナチスなんぞに知り合いはいねーーーぜ!?」
「フフフフフ。」
しかし、相手の車は、先へと進んでいく。
すると、メッシーナが、皆に、列車がすでにナチス軍人達に取り囲まれていることを伝えた。
そして、ナチス軍人が列車の中から、ひとつの小包を見つけ出した。
そこに押された紋章のハンコは……、リサリサの屋敷のものとだった。
そして、車に乗っていたあの上官軍人が車から降り、その小包を破いた。
するとエイジャの赤石が出てきた。
「なぜナチスがエイジャの赤石を!」
「この赤石は、我が軍が研究材料として預からせてもらう。君達は3週間前からすでにヴェネツィアで、我々の監視されていたのだよ。ローマで実験体が全滅してから、ずっとね。波紋修行のことも、エシディシのことも、そして…、郵便局でのことも……な。」
「あっ! あの男の人…。どこかで…。」
「そうだ。娘。ヴェネツィアで、昨日のことだ。赤石を盗もうとしたが、ジョジョ、君に捕まって、カラシをかけられたチンピラさ。変装していた私の部下だ。」
「なに、気安く呼んでやがる! それよか、赤石を…。」
「我々は、この先のロッジにいる。ついて来たまえ。君らに赤石と、カーズ達の話を聞きたい。協力し合うではないか…、まんざら知らぬ仲ではあるまいし、…ジョジョ。」
「だ~か~ら! 気安く呼ぶなっての!」
「うそーん…。なんか、事態がややこしいことに…。」
「リサリサさん…、どうするんです?」
「行くしかないわ…。カーズに赤石が渡るよりはマシ。」
「うわー…、あの歴史に刻まれているナチスに関わるなんて…。」
「すげー体験だぜ…。」
ミナミと仗助は、これからのことに不安で汗をかいた。
「ところで、そこのぺったんと潰されたパンみたいな頭の小僧と、同じ顔した娘。未来から来たと情報を得ている。その話も…。」
「あっ。」
「?」
「ああん? 今、てめぇ、俺の頭がなんだって?」
「じょーーーーすけーーーーー!!」
「グゲッ!」
ナチスに今逆らうわけにいかないため、全員で止めた。
「どうしたのだね?」
「いいえ! なんでもないですぅ! アハハハハ!」
ミナミは、仗助の頭を押さえつけながら、相手の上官軍人に無理矢理な笑顔を送った。
「…よく分からんが。まあいいだろう。」
「…ホッ…。」
「うぐぐぐ…。」
「仗助…、気持ちは分からんでもないが、今は軍国家を丸々相手にしている場合じゃねぇんだ!」(※髪型の事情は一応聞いている)
「抑えてくれ!」
「イダイイダイイダイ…、死ぬぅ…。」
「あら、ごめんなさい。もうだいじょうぶでしょう。」
そしてやっと仗助は解放され体をさすっていた。さすがに波紋使い4人がかりで押さえつけられたら、波紋使いじゃない仗助には辛すぎる。
そして、一行は、この先のロッジへ、ナチス軍人達に連行されるような形で向かおうこととなった。
***
そして、それから五時間後。ロッジの2階にて。
「お前ら、あんまし、未来のこと話してないだろうな?」
「そうは言っても…、私達、国籍は生まれも育ちも日本ですよ? ジョセフさんの血が半分流れてますけど、それだけだし。世界情勢の歴史の事なんて、教科書で習った程度だし。後の偉人や悪人達がどうなったかとかなんて…、何も分かりませんよ?」
「そしたら、えらいガッカリされたっすよ。こっちは、知ってる限り事話しただけなのに…。けど、ナチスがもうないってことには、えらい食いつかれましたけど。」
「ひとつ、教えてくれないか?」
メッシーナが言った。
「なんです?」
「…君らの時代には、柱の男達はいないのか?」
「いませんよ。そもそも存在すら知りませんでしたよ。」
「なるほど……。それが、勝利したと捉えるべきか…。それとも逃がして機を待っているのかととるべきか…。」
「あっ…。」
そうだ。自分達は今、自分の父親の若い頃の世代へと来ているのだ。
もし、自分達のせいであの柱の男達を逃せば…、未来にいかなる影響を及ぶすか分かったものじゃないのだ。
「そう、堅くならなくていいのですよ。」
「でも…。」
リサリサの言葉に、ミナミは不安そうに呟く。
「存在すら知らないということは、波紋の一族の歴史と共に、柱の男達の歴史も終止符を打たれたということでしょう。ミナミ。あなたの波紋の力の弱さがそれを物語っている。」
「そう…捉えて良いんですかね?」
「ええ。ですが、だからこそ、私達はますます負けるわけにはいかなくなりました。未来を知れたということは、決して安心ではないのですから。」
「……ん?」
「仗助、どうした?」
「……なんか、来たかもしれないっす。」
「分かるのか?」
「いえ……、ただ…。」
仗助は言いにくそうにする。
窓から見えるブルー・ブルー・ローズが、ニョロニョロとまるで敵が来たと言わんばかりに振られていたからだ。
「ジョジョは?」
「あれ? アイツ…、まさか!」
「マズいっすよ! 下に行ったんなら…。」
「行くな、仗助!」
「行こう! 仗助!」
「おう!」
シーザーが止めるより早く、サッサーと、二人は、部屋を出ていった。
「ああ、もう! 二人とも! この悪ガキどもめ!! やっぱジョジョの血筋だぜ! まったく!」
シーザーが二人を追いかけて1階へ降りた。
「うっ!」
「こ、これは…。」
「おい、お前らなんで降りてきた!?」
二人がそこで見たのは、カーズにより、バラバラに切断されて死んだナチス軍人達の死体と、機械の体をバラバラに切断され、カーズに掴まれ持たれているナチス軍人、シュトロハイムであった。
柱の男から発せられる、一種異様な空気の緊迫感に、ミナミと仗助は、汗をかいた。
「ジョースケ…か。まあ、それは別にいい。」
カーズは、そういうと、シュトロハイムの軍服の胸の中から、エイジャの赤石を取りだした。
「エイジャの赤石…、この時を待っていた! 4…いや、5千年! ついに目の当たりにする! 元々、この石は、このカーズが手にすべきモノ!」
それからカーズは、ジョセフを見た。
「ジョジョ…、あとは貴様だぁ!」
「ドラララララララ!!」
「ふっ。」
カーズが直前に、跳躍してその攻撃を避けた。だが手にしていたエイジャの赤石のペンダントの鎖部分が接触し、壊れる。
「ワムウの腕を変形させた、その見えぬ攻撃! 見え見えの攻撃の意思をもっていては、バレバレよ!」
「なんて、やつだ…!」
まさか見えないのにスタンド攻撃を避けるなどとは思わなかった。
「カーーズ!!」
シーザーがカーズの存在を見て叫ぶ。
「カーズ…、貴様…、このシュトロハイムを完全にやっつけたと思うなよ!!」
すると上半身しかない、シュトロハイムが、片腕で体を支えて持ち上げる。
そして、機械で覆われた右目から、凄まじい紫外線照射装置から発せられる光のレーザーをカーズの顔に向けて放った。
カーズは、咄嗟に両手で防ぐ。
そのあまりの威力に、痛みに、カーズはたまらず身を捻り、エイジャの赤石を雪原に落とした。
しかし、ここ、雪原の坂道。
重力に従い、そして雪の斜面に沿って、軽い宝石は滑っていった。
その先は……、超深い崖。
「あああああああああああああ!!」
「しまったーーーーー!」
「行け! ジョジョ! お前の方が近い! 走れ!!」
シュトロハイムの叫びに従い、ジョセフが走り出す。
そして、カーズも痛みを堪え、走り出した。
「なんつって。ドラァ!!」
さっきまでエイジャの赤石が崖に向かって落ちていくのを焦っていた仗助とミナミが、ケロッとして、表情を変え、そして仗助が、床に落ちていたエイジャの赤石のペンダント部分の鎖の欠片を拾い、クレイジー・ダイヤモンドを使った。
しっかりと握り込まれたソレに向かって、さっきまで雪原を滑っていたエイジャの赤石が、逆方向へ、ぶっ飛んでいき、仗助の手に収まった。
「っしゃあ!」
「!?」
「ナーイス! ベリーナーイスよ、じょうすけーーー!」
崖から落ちるのも厭わず走っていたカーズは、突然のことについていけず、スピードのまま斜面を滑っていき、ジョセフは、途中で止まって方向転換した。
「まさか、そんな芸当が…!」
「へへーんだ! 作戦通りだぜ! 仗助の力を見誤ったな!」
もちろん、ジョセフはこう言っているが、ジョセフもまさかこんなことが出来るとは知らなかった。
「くっ…、おのれぇぇぇぇ!!」
そしてカーズは、必死に滑る斜面に踏みとどまろうとしたが、凍りかけの雪の斜面に屈し、やがて崖から滑り落ちていった。
仗助のこの戻す能力、チートだなぁっと思う。
4部の最後で披露したサイフ強奪は、ともかく……。
エイジャの赤石は、ペンダントとして加工されているから、そこの部分を利用すれば、こういうことできそうで。
無理矢理な感じでスタンド能力突っ込んじゃったけど、よかったかな?
これで、カーズ達は、ますます仗助を警戒するかも。