昨日の夜に投稿するはずだったのですが、申し訳ありません
寝不足と風邪のせいで誤字やおかしな部分があるかもしれませんがご了承下さい……さて、どうぞ
「さて、お前たちには大樹へと向かうまでの十日間、戦闘訓練を受けてもらうからな」
フェアベルゲンから追い出されてきた俺たちは大樹の近くに拠点を作って一息つく暇もなく俺はそう言った
まぁ、拠点といっても南雲が盗……頂戴してきたフェアドレン水晶を使って結界を張っただけだが……
俺の言葉にハウリア族達は一斉にポカンとした表情になった
「え、えーとコウスケさん。戦闘訓練とは……?」
ポカンとした表情からいち早く復帰したシアが質問してきた
「そのままの意味だよ。これから十日間は霧が晴れなくて大樹へと辿り着けないんだ。ならその時間を有効利用して、弱々甘々集団であるお前たちを自分ぐらいは守れる程度の……いや、返り討ちにできる程の戦闘部族に仕立てる」
「え、えー……と? な……何故、そのようなことを……?」
俺の本気の目と圧に少し驚きながらも、本当に分からないようで、更に困惑した表情になるシア含めたハウリア族
「なぜ……何故って聞いたか? 残念むっつりウサギ」
「え、えー?! ついさっきまでシアって名前で呼んでたのにぃぃ?! というかむっつりなんかじゃ!?」
「うるさい黙れ」
「酷いでずぅぅ」ひーん……と項垂れている
「俺たちが交わした契約は、大樹の下へ案内してもらう代わりに、それまでお前たちの安全を約束するというものだ。案内が終わった後はどうする、それを考えてたか?」
ハウリア族たちは、それぞれ顔を見合わせると、ふるふると顔を横に振る。長老であるカムに「どうだ?」と聞くと難しい表情をして「いいえ」と答えた
「まぁ、そうだろうな。はっきり言うとお前たちはこのままだと間違いなく全滅、せっかく拾った命も無駄になる。
理由は単純明快、弱いお前たちは悪意や暴力から逃げるか隠れる事しかできない。そんなお前ら唯一の隠れ家であるフェアベルゲンからも追い出され、追われる立場……更に人間も魔物も容赦なく襲ってくる。このまま黙って殺されていいのか?」
「そんな……良いわけがない」
ポツリと誰かが零した言葉に触発されたように次々と顔を上げ始める。その瞳からは運命へ抗う決意が感じられる。
「そうだ。いいわけがない。ならばどうするか、答えは簡単だ。強くなればいい! フェアベルゲンの亜人たち、帝国や他の人間、魔物……襲い来る存在を打ち破り、自らの手で生存権利を勝ち取ればいい」
「……ですが私たちは兎人族で━━」
自分たちは兎人族で他の種族と違って特に秀でた事がないのだと否定的なことを言おうとするが、それを遮るように続ける
「兎人族だからなんだ? 南雲はな、前の仲間たちから"無能"なんて呼ばれてバカにされてたんだぜ?」
「……え?」
ハウリア族は全員が目を丸くして南雲の方をみる。この場所に来る途中で打ち合わせをして先に謝っており、話を振られる事を事前に知っているので、南雲はそれを特に顔色を変えずに答えた
「俺はステータスも技能も平凡極まりない一般人……いや、それ以下か。仲間内での最弱。戦闘では足手まとい以外の何者でもない。だから、かつての仲間たちは俺を"無能"と呼んでいたんだよ。実際その通りだった」
南雲の告白にハウリア族は皆、驚愕をあらわにする。【ライセン大峡谷】では見たこともない武器で凶悪な魔物から自分たちの窮地を救ってくれて、虎人族に森で遭遇してしまった時の物凄い殺気……そんな彼が"最弱"で"無能"など誰も信じられないようだ。
「だが、奈落の底に落ちて俺は強くなるために行動した。出来るか出来ないかなんて関係ない。出来なければ死ぬ、俺は……俺たちはそこで自分達の全てを賭けて戦い……気がつけばこの有様だ」
深い静寂が訪れる。南雲の語る内容があまりにも壮絶な内容だからだろう。顔を青ざめている者もいる
「かつての俺とお前たちの状況は似ている。約束の内にある今なら手助けをしよう。諦めるなら構わないさ、今度こそ全滅するまで残り僅かな生をガタガタ震えながら待っていればいい」
そう言い、目で問う南雲。ハウリア族達は直ぐには答えを出せず、黙り込んで互いに顔を見合わせている。頭では自分たちが強くなる以外に道はないと理解しているようだが、元は温和で平和……なにより争いが大の苦手な種族だ。すぐには決断出来ないだろう
「やります。私に戦い方を教えて下さい! もう、弱いままは嫌です!」
樹海全体に轟くのではないかというほどの叫び……確かな決意を宿した瞳で真っ直ぐに南雲、俺を見つめながらの全力で想いを込めたであろうシアの宣言だ。
その彼女を唖然として見ていたカム達ハウリア族だったが、次第にその表情にやる気を滾らせて立ち上がっていく
「ハジメ殿、そしてコウスケ殿……よろしく頼みます」
カムは全てのハウリア達が立ち上がったのを見計らって前に進み出ると、南雲と俺に頭を下げる。
「わかったが、覚悟しろよ? あくまでお前等自信の意思で強くなるんだ。俺たちはただの手伝い。途中で投げたした奴は問答無用で切る。期間は十日と短いんだ……死に物狂いでやれ。生きるか死ぬかは己の頑張り次第だ」
「任せろ。死ぬほど厳しく指導してやる。その代わりに十日でお前たちを亜人最強の種族へと変えてやるよ」
俺たちの言葉にハウリア族は皆、力強く頷いた
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~一日目~
まず最初に南雲は、ハウリア族を訓練するにあたって宝物庫から錬成の練習に使っていた装備を配った。
「シアはユエによる魔法訓練がある。よって残りは俺と遠藤で担当する」
「あ、あのぉハジメ殿……」
カムが何か質問があるのか、おずおずと手をあげる。
「カムか、なんだ娘が心配なのか? 安心しろユエは━━」
「いえ、それもありますが……そうではなく……」
「じゃあなんだ?」
てっきり娘のシアを心配しての質問だと思った南雲は本当にわからないといった顔で理由を聞く
「その……もっと安全な武器はないですかな? 木製とかの……」
「「……はぁ!?」」
俺と南雲は数秒固まった後、驚きで声を上げた
「だ……だってこの鋭さ……こんなので斬られたら痛いに決まってるじゃないですか……」
カムの言葉とそれに同意するハウリア族に拳骨を落として説教をする南雲を横目に、殆ど重要な場面以外忘れていた原作の知識を思い出そうと頭に手をやり、必死に思い浮かべる
しかし、俺には南雲がハート○ン軍曹式の教えをしてハウリア族がいたこと以外は思い出せなかった。
「━━わかったか? 俺たちは手伝いで、強くなれるかはお前たち次第だ。逃げ出したい奴は今すぐ抜けろ。残る者は死に物狂いでやれ……わかったか?」
「「「「「は、はい!」」」」」
説教が終わり早速訓練を始める。
まずは武器を持たせると、構えや動き等の基本的な動きを教える。俺の生前習っていた武術と八重樫道場での教えの中でも最も簡単なものと、南雲が奈落の底で手にした自己流の動きを合わせて教えた。
南雲と話し合った結果、今後の予定として、このハウリアという種族の強みである索敵能力と隠密能力を生かした奇襲と連携に特化した集団戦法を身につけさせることにした。
因みに俺が教えたのは師範代にちょっとだけだから……と覚えさせられた、音をたてにくい歩法や気配をより良く絶つ方法、投擲術等々だ。
逃げることしかしていなかった為か、自己流の型などが無かった為か、はたまた別の理由か……思ったよりも上達が早かったので少しだけ安心した。霧の向こう側からシアの叫び声や悲鳴が聞こえるのであちらも順調にやっているようだ。
次の日、俺と南雲は隠密組と奇襲組の二手に別れて訓練を開始した。元々、得意なだけあって少し教えただけで上達していったので、実際にネズミ型の魔物と戦わせてみるとこにした。初めてとはいえ、少しばかり傷を負いながらも敵の背後を取ったりして上手く魔物を倒している。
しかし……
グサッ!
魔物の腹部に、小太刀が突き刺さり絶命させる。
「ああ、どうか罪深い私を許しくれぇぇ~!」
それを行ったハウリア族の男が血など関係ないとばかりに魔物に縋り付くと、血まみれになりながらも涙を流して悲しんでいる。まるで互いに譲れぬ信念の果て親友を殺した男のようだ。
ブシュゥゥッ!
また一体、魔物が切り裂かれて首と胴体が泣き別れして血を大量に首元から吹き出しながら倒れ伏す。
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! それでも私は生きるためにこうするしかないのよぉ!」
首を裂いた小太刀を両手で握り、ガタガタ震えると地面へ力なく崩れ落ちるハウリア族の女。まるで狂愛の果て、愛した人をその手で殺めた女のようだ。
こんなのはほんの一部分で、あちこちで色々なドラマ的な光景が生まれている
この現状を眺めながら、そういえば南雲がハート○ン軍曹式の扱きに変えた理由はこんなんだったよなぁ……とやっとで思い出した。
先が思いやられる……と、遠い目をして切り株に腰かけて頭を押さえる。そんな俺のもとに女性のハウリアが歩み寄ってきた。
「あの……大丈夫で━━ッ!?」
突然、その場から飛び抜く……が、上手く着地できなかったのか、横に転がって足を擦りむいてしまったようだ
「お、おい……何があったんだ、大丈夫か?」
疑問に思いつつも近づいて手を差しのべようとするが、それ以上進まないでぇ! と悲痛な顔で言われてしまったので、歩みを止めて指を指した方向を目で追う。
そこにあったのは花だった。
「━━この花がどうかしたのか?」
「良かった……あ、いえ……この花を踏んでしまいそうになったので━━」
「花……? まさか━━」
「はい! 間一髪で気がついて良かった。昨日教えてもらった緊急用? の避け方が無かったら危なかったもの」
その言葉に、自らが教えた回避方法は決してこんな事の為に教えたのではない……と、青筋を浮かべる
「なるほど、その花のせいで妙に跳び跳ねたり、無駄なステップを踏んだりしていたのか? お前らは?」
そうなのである。先程から妙なタイミングで飛び退いたり、移動したり、転がったりしていて疑問には思っていたが、教えて二日目だからだと気にしないようにしていたのだが
「いえいえ、そんなことはありませんよ」
「はぁ、だよな……」
若いハウリアの男が苦笑いしながら答え、流石にないよな……と安心からか頬が緩む
「ええ、花だけでなく、虫達にも気を遣います。突然出てきたときは焦りますよ。何とか踏まないように避けますがね……コウスケさんから教えていただいた動きがなければ危ない場面が何度もありましたから助かっています!」
本当に助かっているといった様子で笑いかけてくる若いハウリアの男に、ふふふ……と、不気味に笑いながら片手で顔を覆い天を仰ぐ。俺のそんな様子に、何か悪いことを言ったかとハウリア族達が一斉にオロオロと顔を見合わせた。
そんな事気にせず、顔に当てていた手を刀に置くと、全力でにっこりと作った笑顔を見せる。
急に笑顔になった俺の様子を不思議に思いつつ、ハウリア族達も一緒に笑顔になった
シャキンッ! グシャアッ! バキバキッ! ズズーンッ
「「「「「「「ヒィッ!?」」」」」」」
いきなりそこらに生えていた花、虫が一瞬で消し炭になり、木が何本か倒れた。勿論それを成したのは俺だ
「よぉ~し……これで心置き無く訓練できるなぁ?」
ガタガタと震えながらも、一人のハウリアが声をあげる
「む、虫や花だって生きて……ヒィッ!?」
睨まれた男のハウリア族が悲鳴をあげる
「まだ言うか貴様ら? ……つーかよ今の現状理解できてるよな? いや、もう一度だけ教えてやるから無駄に長いその耳でよく聞け、十日後までに何の成果も上げられなかったらハウリア一族は全滅。
俺らはどうでも良いが、生き抜くために死ぬ気で頑張るって話になった。そうだよな? それを"花"だの"虫達"だのと……ハハ、気が付かなかった俺の落ち度だ。戦い方を教えるとかそんなレベルじゃなかったんだよコイツらは……フフフ」
「コ、コウスケさん!? 一体どうしてしまったというのですか!?」
血走った目と青筋を浮かべた顔で早口にそう言いながら不気味に笑うコウスケにハウリア族達はより一層ガタガタ震えを加速させる。
「今から貴様らは薄汚い〝ピッー〟共だ。この先、〝ピッー〟されたくなかったら死に物狂いで魔物を殺せ! 今後、花だの虫だのに僅かでも気を逸らしてみろ! 貴様ら全員〝ピッー〟してやる! わかったら、さっさと魔物を狩りに行け! この〝ピッー〟共が!」
俺からの汚い暴言に硬直するハウリア族。そんな彼等に俺は容赦なく苦無を放つ。
トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ! トンッ!
顔のすぐ横や足下、股下を通っていく苦無に、ひぃー! と蜘蛛の子を散らすように樹海へと散っていくハウリア族。
「十匹は最低でも殺して持ってこい、"ピッー"共! 規定に達したものには睡眠をプレゼントしてやる。達しない者には寝る資格はない! 死ぬ気でやれ薄汚い"ピッー"以下の"ピッー"共が!」
その日、あちこちで"ピッー"を入れなければいけない用語とハウリアの悲鳴や怒声、銃弾や苦無が飛び交ったのだった。
霧が弱まるまで、残り八日間━━
注意として、遠藤君(転生者)は原作知識を重要な所以外、忘れかけています。迷宮での濃い体験をすれば一々細かい場所を覚えてられないでしょう?
さて、次は旅立つ所まで行きたいですね
それでは皆さんお休みなさい
やべぇ、雫のポジションが原作の香織ポジになりそう……ま、何とかするけどね!
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香織ポジでもいいんじゃね?
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第一ヒロインは無理やりでも雫
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好きに書けばいいんじゃないか?
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続き頑張れ