深淵卿に憑依しました   作:這いよる深淵より.闇の主人

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どうも皆さんこんにちは這いよる深淵よりです

えーとね……ハウリアは強いです!


これだけ……それではどうぞ!


兎人族ハウリアの………

 あれから九日間、俺と南雲によるハート◯ン式のハードな訓練で彼らハウリア族は見違える程に成長……いや、豹変した。

 

 今から三日前に、南雲と俺で別れて指導していた部隊を合流させ、一緒に訓練をした。南雲は俺が無理言って頼んだ武器を作成するために指導係から抜けてしまったので一人で調きょ━━指導するのは骨が折れたが、立派な戦士へと生まれ変わった……

 

 

(Lord)、お題の魔物……ハイベリアの尻尾です。お納めください」

 

 俺の目の前には魔物の尻尾が大量に積み重なり、殆どのハウリア族達が跪いている

 

「あ~いや、うん……よくやったな。でも俺は五人一組で二体ずつって言わなかったか?」

 

「……いえね? 途中でお仲間さんがワラワラ沸いてきやがりまして、しかもコイツら生意気にも殺意を向けてきやがったので……わからせてやったまででさぁ」

 

 そう答えたのはカムだ。始めに見た頃の温和な彼は何処へやら……南雲の訓練を受けて勇ましい顔つきと荒い言葉遣いになっている。

 

「そうなんですよ。こいつら魔物の分際で生意気な奴らでした」

 

「きっちり落とし前はつけました。一体たりとも逃してませんぜ?」

 

「ウザイ奴らだったけど、いい声で鳴いてくれたわねぇ……フフッ」

 

「見せしめに晒しとけばよかったか……」

 

「まぁ、バラバラに刻んでやったんだ、それで良しとしとこうぜ?」

 

 

 

 若い女性のハウリア族も刃の峰をチロリと舐めながら答え、四人のハウリア族も不敵に笑いながら答えた

 

 

「……おい」

 俺が指導した隠密部隊のハウリア族達に説明を求めると、一斉に土下座をしだした

 

(Lord)、申し訳ありません! 止めようとしたのですが……あの"ピッー"共、あろうことかハジメ殿(ボス)コウスケさん()が与えてくれた武器を体当たりで弾き飛ばしやがりましてッ! "どんな時でも冷静に"とのお言葉を無下に……まだまだ未熟でした!」

 

「ヤオ……いや、自分で気付けたんだ……成長したじゃないか」

 俺が指導した中でも選りすぐりで上位に入り込むこの男……ヤオの肩に手を当てて励ましの言葉を送る

 

「勿体なきお言葉……ですが(Lord)よ、俺の名前は〝幻武のヤオゼリアス〟とお呼びください。せっかく付けていただいたのです。どうか、この名で……」

 

 その言葉に、俺は頭を抱えて項垂れる

 

「くっそ、つい呼んじまった二つ名(厨二)がこんな面倒な事になるとは……」

 

 このような事になってしまった原因はつい二日前……ラナやヤオ、バル君の名前を聞いた時に、うっかりと二つ名(厨二)を呟いてしまったのだ。そのせいで興味を持って集まった全員に二つ名を付ける羽目になり、なりを潜めていた"深淵卿"が顔を出し、色々とやらかしてくれたのだ

 

 

「おーい、遠藤~」

 南雲がユエとシアを連れて此方に歩いてくる。シアは頬が緩みっぱなしで、デレデレしながら俺に手を振っている……と思ったら、バシュッと意外に早い速度で駆けてきた

 

「コウスケさん! 私も三人の旅に着いて行ってもいいでしょうか!?」

 

「あ? ……南雲とユエは━━」

 

「二人からは勿論、許可をもらいました!」

 

 

 ほう……と感心しながらもカム達と話している南雲にアイコンタクトを取ると、ため息をつきながら頷かれた。

 

「南雲とユエが納得してるんなら俺に確認しなくても良くないか? どんな理由でも二人が納得したなら俺は別に構わないしな」

 

 俺がそう答えると、シアは何故か納得のいっていないといった顔で俺をみる。

 

 ━━なんで? 

 

「私が着いていきたい一番の理由は……えっとぉ……その……」

 

 そこでシアは顔を真っ赤にしてモジモジしだした。

 

「いや、お前が来る途中……馬車に乗ってる時に俺達に協力したいからって宣言してたろ? それに元々、一族を離れる予定だったとも言ってたし、別にいわなくても━━」

 

「~~っ!!」

 

 え、なんでそんなにキッと睨むの? あれ……南雲とユエ、ハウリア族達がうわぁって感じの顔してるし……「うわぁ……」いや、実際に言いやがったけど!? 

 

「コウスケさんの傍にいたいからですっ! しゅきなのでぇ~!!」

 

 言っちゃった、そして噛んじゃった! と、あわあわしているシアを前に、俺は当然の反応で返す

 

「はぁっ!? なんでっ!?」

 

 

「気付いて無かったんですぅかぁ?!」

 

 気付かねぇよ! と言おうとかと思ったが、南雲とユエの呟きで遮られた

 

「鈍感ってレベルじゃねぇわアイツ……どう考えてもバッキバキにフラグ建てまくってたろ」

 

「……コウスケにも春が来た。私たちも遠慮せずイチャつける……!」

 

 フラグ? 

 えーと、シアをティラノ擬きから助けて……ハウリア族の窮地も南雲と二人で助けて……ハウリア族を処刑させないように立ち回って、ハウリア族を十日間かけて鍛えたと……わお

 

 

「いや……心当たりは無いわけでもないが、そんなの一時的にかも知れないだろ?」

 

「そんな事ないです! 私は……コウスケさんと一緒にいられるように、着いて行けるようにユエさんと特訓して強くなったんです!」

 

 

「……凄い頑張ってた」

 

 シアの言葉にユエが頷きながら肯定した

 

 

 俺は一体どうすればいいんだこれ……ティラノ擬きから救ったのは偶然だし、一族を助けたのも鍛えたのも必要だからだ。なにより俺は八重樫が好きだし━━

 

 そこで俺はやっと気づいた。

 

 なんか俺って"直感"で八重樫が俺に好意持ってるって知った時に、南雲のヒロインだからって理由で遠慮してたけどさ……別にしなくて良くない? 俺が奈落に落ちた時点でこの世界は原作と別物だし。

 

 八重樫に次会った時に告白しようと決めながら、シアに返事を返す

 

「着いてくるのは構わないが、俺には好きな人がいるから告白には応えてやれないぞ?」

 

 俺の勝手な行動のせいでフラグ建てたくせに断るなんてクズゴミ最低野郎だけどマジですまん。シアは嫌いじゃないし、好きだが……恋愛感情じゃないと思うんだよな。それに付き合う資格なんてないし……

 

 

「そうですか……でも、未来は絶対じゃないんです! 最悪、一番になれなくても二番目の大切な人になれれば十分です! 隙あれば本命を狙いますが!」

 

 シアの返答はというと……フラれてもそこまでショックではないようだ。しかも自分は二番目でも構わないと言っている……驚きで黙っていると、それに気がついたシアが笑みを浮かべながら理由を答えた

 

「"未来視"で結果をみて断られるのはわかってました」

 

「は? じゃあなんで━━」

 シアの言葉にさらに困惑していると続けて答えた

 

「知らないんですか? 未来は絶対じゃあないんですよ?」

 

 "未来視"を持っている者だからこその言葉なのだろう。努力次第で未来を変えられると信じているようだ

 

「……一番は(……)絶対に無理だな」

 

(ロード)! 報告いたします!」

 

 突然一人のハウリア族が木の影から現れて、そう言った。どうやら残って監視をしていた者らしい

 シアは、(ロード)? と首をかしげ、今ごろ気がついたのか、カムや一族の様子を見て驚いている。

 

「リキか……どうした」

 

「私のことは"霧雨のリキッドブレイク"とお呼びください」

 

「……報告とは?」

 またそれか……と、思いながら続きを促す

 

「大樹へとルートに武装した熊人族の集団を発見! おそらく我々に対する待ち伏せと判断します!」

 

「わかった……よく見つけたな」

 

「はっ! 勿体なきお言葉!!」

 

(ロード)、我々にお任せ願えませんか?」

 

 南雲と話終え、カムが此方に歩いてきて言った

 

 

「大丈夫なのか?」

 

「はい、この十日での成長を試すいい機会ですので……」

 

「できるんだな?」

 

「勿論です」

 

「ならば任せよう」

 

 

「聞け! ハウリア族諸君! 勇猛果敢な戦士諸君! 昨日を持って糞蛆虫を卒業したのだ! 新しき名を貰い受け生まれ変わった! お前達はもう淘汰されるだけの無価値な存在ではない! 力を以て理不尽を粉砕し、知恵を以て敵意を捩じ伏せる! 一人一人が最高最強の戦士だ! 私怨に駆られ状況判断も出来ない〝ピッー〟な熊共にそれを教えてやれ! 奴らはもはや唯の踏み台に過ぎん! 唯の〝ピッー〟野郎どもだ! 奴らの屍山血河を築き、その上に最弱の部族の名を返上してやれ! ハウリア族が生まれ変わった事をこの樹海の全てに証明するのだ!」

 

「「「「「「「「「「Sir、yes、sir!!」」」」」」」」」」

 

「答えろ! 諸君! 最強最高の戦士諸君! お前達の望みはなんだ!」

 

「「「「「「「「「「殺せ!! 殺せ!! 殺せ!!」」」」」」」」」」

 

「お前達の特技は何だ!」

 

「「「「「「「「「「殺せ!! 殺せ!! 殺せ!!」」」」」」」」」」

 

「敵はどうする!」

 

「「「「「「「「「「殺せ!! 殺せ!! 殺せ!!」」」」」」」」」」

 

「そうだ! 殺せ! お前達にはそれが出来る! 自らの手で生存の権利を獲得しろ!」

 

「「「「「「「「「「Aye、aye、Sir!!」」」」」」」」」

 

「いい気迫だ! ハウリア族諸君! 俺からの命令は唯一つ! サーチ&デストロイ! 行け!!」

 

「「「「「「「「「「YAHAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」」」」」」」」」」

 

 凄まじい気迫と共に霧の中に消えていくハウリア族達。その中でヤオを呼び、一言だけとある事を伝えるとヤオも走り去っていく。

 顔つきや目付き、言動など変わり果てた家族を再度目の当たりにし、崩れ落ちるシアの泣き声が虚しく樹海に木霊する。流石に見かねたのかユエがポンポンとシアの頭を慰めるように撫でている。

 

「……流石は遠藤だな」

 

「カム含めた強襲部隊はお前の教えが強すぎて抜けきってないから俺のせいじゃない」

 

 なんか南雲に全部俺がやった事にされそうだったので言い返す

 

 しくしく、めそめそと泣くシアだったが、一人の少年を見つけると、咄嗟に呼び止めた。

 

「パルくん! 待って下さい! ほ、ほら、ここに綺麗なお花さんがありますよ? 君まで行かなくても……お姉ちゃんとここで待っていませんか? ね? そうしましょ?」

 

 

 

 諦めきれないのか、信じられないようで、まだ幼い彼だけでも元の道に連れ戻そう呼び止めたらしい。生前(死んでないけど生まれ変わったって意味)好きだった綺麗な花を指差して必死に説得している。

 

 

 

 シアの呼び掛けに立ち止まった少年は、「ふぅ~」と息を吐くと肩を竦めた。

 

 

「姐御、あんまり古傷を抉らねぇでくだせぇ。俺は既に過去を捨てた身。花を愛でるような軟弱な心は、もう持ち合わせちゃあいませんぜ」

 

 

 ちなみに、パル少年は今年十一歳だ。

 

 

「ふ、古傷? 過去を捨てた? えっと、よくわかりませんが、もうお花は好きじゃないんですか?」

 

「ええ、過去と一緒に捨てちまいましたよ、そんな"ピッー"な気持ちは」

 

「そんな、あんなに大好きだったのに……」

 

「ふっ、若さゆえの過ちってやつでさぁ」

 

 

 何度でも言おう、パル君は今年十一歳だ。

 

 

「それより姐御」

 

「な、何ですか?」

 

 

 ボーと、意識が自然と現実逃避を始めそうになるシア。少年の呼び掛けに辛うじて返答する。

 

 

「俺は過去と一緒に前の軟弱な名前も捨てました。今は(ロード)に頂いた誇り高き名前がありやす。

 バルトフェルド……〝必滅のバルトフェルド〟と呼んでくだせぇ」

 

「誰!? バルトフェルドってどっから出てきたのです!? ていうか必滅ってなに!?」

 

「おっと、すいやせん。部下が待ってるのでもう行きます。では!」

 

「あ、こらっ! 何が〝ではっ! 〟ですか! というか部下ってなんですか!? まだ、話は終わって、って早っ! 待って! 待ってくださいぃ~」

 

 

 

 崩れ落ちたまま霧の向こう側に向かって手を伸ばすシア。答えるものは誰もいない、何故なら彼女の家族は皆、戦場に向かってしまったからた。ガックリと項垂れ、再びシクシクと泣き始めたシア。

 

 

 そんな彼女を微妙な表情でみたユエは、南雲に視線を転じるとボソリと呟いた。

 

 

「……流石ハジメ、人には出来ないことを平然とやってのける」

 

「いや、だから何でそのネタ知ってるんだよ……というか俺じゃない遠藤だ。遠藤が悪い」

 

「止めろコラ。俺は片方だけだろ、もう片方の部隊は二日くらいしか指導してないぞ」

 

「……二日でここまでの洗脳を……すごい」

 

「……いや、まぁ……うん」

 

「てか(ロード)って━━くくっ」

 

「……やるか? ボス」

 青筋を浮かべながら南雲に向き合いながら刀に手をかけ、キレ気味に言うと

 

「実際ボスっぽい役回りだしな俺、言われてもなんとも感じないな」

 ニヤニヤしながらホルスターに手を伸ばす南雲

 

 

 

 しばらくの間、ハウリア族が去ったその場には、シアのすすり泣く声と、戦闘音が響いたのだった。

 




いや~……よし、次は旅立ちかな?

シアの事に関しては……なんかすいません

後々良さげに直すと思うのでお許し下さい……

というか今まで20話以上投稿したのが無かったので、自分でも驚いてます。完結まで書きたいなぁ

表現力などが無くておなしな所がありますがとうかこの作品をこれからもよろしくお願いいたします!

次の話は明日までには投稿したいです

それでは次回お会いしましょう━━

やべぇ、雫のポジションが原作の香織ポジになりそう……ま、何とかするけどね!

  • 香織ポジでもいいんじゃね?
  • 第一ヒロインは無理やりでも雫
  • 好きに書けばいいんじゃないか?
  • 続き頑張れ
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