今回はちょっとラブコメ要素多めです。
本音がその噂を耳にしたのは、クラス対抗戦襲撃事件からしばらくが経過した頃の夕食時のことだった。いつものメンバーはそれぞれ諸用があって遅れるという連絡を受けていたため、本音は一人、食堂で全員分の席を確保して待っていた。
「ねえ、知ってる?」
「何をー?」
いつもと変わらぬ食堂の光景。しかしそこで交わされる話題は、いつもとは少し違っていた。
女性というのは往々にして噂話が好きな物であり、どこからともなくその情報を仕入れてくる。
「今月末の学年別トーナメントあるじゃない?」
「うん、それがどうしたの?」
最初、席の近くから聞こえてきた話し声に対して、本音は関心を寄せなかった。考えていたことと言えば、今日彼方が作ってくれた菓子のことだけだった。
対抗戦が終わってからというもの、彼方は約束通りに時々デザートや菓子類を作ってくれていた。それが想像以上に美味であったために、本音は彼方の作る菓子が好きになっていた。今度また近日中に作ってくれるという約束を取り付けたため、本音の機嫌は非常に良かった。
だがそれは、
「そのトーナメントで優勝すると~……」
「すると?」
噂話に、彼方の名前が出るまでの間だった。
「織斑くんか尾上くんと付き合えるんだってー!」
え、と小さく声が漏れる。幸いにもそれが気づかれることはなかったが、本音の意識は急速に声の方向に向けられた。
「それ本当っ?」
「最近になってからだけど、こういう噂が出てきてさ~。もしも本当だったらすごいことだよねー」
「そうだねぇ……。ねえねえ、もしも付き合えるとしたら織斑くんと尾上くん。どっちがいい?」
「わたし? う~ん……尾上くんかな~」
その言葉を聞いた瞬間、本音の心に小さな衝撃が走った。本音自身、その衝撃が何を意味するものなのかを理解出来ないまま、話は続く。
「尾上くん? 織斑くんじゃなくて?」
「わたし的には織斑くんはちょっと、って感じ。見てる分にはイケメンだからいいけど、付き合うとなったら大変そうじゃない? その点尾上くんは地味だけど、結構気遣いとか出来そう」
「あー、確かに。尾上くんって目立たないけど、優しいところとか多いよね。この間も友達が尾上くんに助けてもらったって言ってたし」
「へ~……」
「織斑くんは競争率高いけど、尾上くんはそうでもないのかな?」
「そりゃ織斑くんと比べるとそうかもしれないけど、狙ってる人は少なくないんじゃない? 織斑くんとはタイプも全然違うんだから。……あっ」
話をしていた生徒が何かを視界に収めると唐突に会話が終わり、こそこそと隠れるようにその場から離れていく。その視線の先を追うと、彼方が食堂に入ってきていたのが分かった。
本音を見つけた彼方は、小さく笑みを浮かべてこちらに近寄ってきた。
「席取りありがとう、布仏さん。他の人はもう少し時間がかかるみたい」
「……ううん、全然大丈夫だよ~」
「あ、そうだ。布仏さん。今度作るお菓子は何が――」
そこからの会話を、本音はあまり覚えていない。ただ、ちゃんと笑えていたか、それが少し心配だった。
* * *
週明けの朝、クラスではISスーツのカタログを持った生徒たちが談笑をしていた。本日がISスーツの申し込み日であることもあって、それぞれが欲しい物を選んでいるようだ。
「そういえば、織斑くんたちのISスーツってどうしてるの?」
クラスメイトに話を振られた。一夏たちは専用機を持っている関係上、既に自分のISスーツを所持している。
「俺は確かイングリット社ってとこの特注で……彼方はなんだっけ?」
「オレのは芳野重工製だね。ISと一緒に向こうが作ったって聞いてる」
二人のISスーツは特注だ。二人が男性であるため、一般的なISスーツのデザインとサイズでは着ることが出来ないからだ。
何気ないクラスメイトとの会話であるが、彼方は一人、自らの成長を感じていた。それは、異性と自然に話しが出来るようになったということだった。
――以外と慣れるものなんだな。……布仏さんのお陰かな。
心中そう呟く。自身が異性とのコミュニケーションに慣れることが出来たのは、本音の影響が多大であると考えていた。本音がああして接してくれたことによって、彼方は段々と異性に慣れていけたのだ。
そういった意味で恩人である彼女だが、彼方は本音の変調を感じ取っていた。
――布仏さん。昨日の夜から、なにか様子がおかしかったような。
それに気づいたのは、先日の夕食時のことだ。しかし本音に菓子を作った昼間にはそのようなことはなかった。つまり、その間の何かが彼女の心に影を落としているということになるということだ。
彼方は本音の力になりたいと思っている。それは恩返しをしたいという感謝の気持ちと、友人として助けになりたいという感情から来ていた。どうにかして彼女を元気付ける方法はないものか。そう考えていると、真耶と千冬が教室へと入ってきた。
一瞬にして教室が静まり、全員が速やかに着席する。そうしなければ出席簿が飛んでくるということを、クラスの面々はその身を持って実感していた。
今日から本格的なIS実習が始まるため、それに関する注意事項が千冬から話されていく。それが終わり、次は真耶が話し始める。その内容は、このクラスの誰もが予想をしていないものだった。
「ええと……今日は転校生を紹介します! それも二人です!」
直後、教室に驚愕の声が響き渡る。それもそのはずだ。なにせ、ほんの一月前に隣のクラスに転校生が来たと思ったら、また転校生が来たのだ。それも、今度は自分たちのクラスで、しかも二人もだ。驚くのも無理はない。
彼方は内心で驚きながらも、この出来事を冷静に分析しようとしていた。まずこんな時期でやってきた転校生であるが、ほぼ間違いなく自分たち関連だと判断する。
真耶の合図に従って、ガラリと扉が開く。入ってきたのは、対照的な金と銀だった。
「それでは二人とも、挨拶をお願いしますね」
「はい。……フランスから来ました、シャルロット・デュノアです。フランスの代表候補生でもあります。よろしくお願いします」
先に口を開いたのは、金の少女だった。
ブロンドの髪をリボンで括り、人懐っこい笑顔を浮かべている。華奢ではあるものの、身体の線ははっきりと凹凸を表していた。
日本式にお辞儀をする姿は、しゃんとしていてよく似合っている。
「きれーい……」
「かわいいー……」
「……中性的な顔立ちだから男装とか似合いそう」
純粋に賛美の言葉から、どことなく不穏な空気を漂わせる欲望の発露まで。クラスの反応はそれぞれだった。
この場に千冬がいなければ即座に質問の嵐になっていただろうが、千冬がいる今そんなことをしてしまえば結果がどうなるかは火を見るより明らかだ。そのため、今この瞬間の教室は静かであった。
「……」
そして、その場の視線は隣、銀の少女へと移った。銀の少女は無言で教室を見回している。
「……ボーデヴィッヒ、挨拶をしろ」
「はい、教官」
「教官は止めろ。この場ではお前は生徒だし、私は教師だ」
「了解しました」
そのやり取りに、その場にいた者は呆気にとられた。小柄な体躯におよそ似つかわしくない態度と言葉遣いであったからだ。
両足を肩幅に開き、両腕を背中に回す。所謂「休め」の姿勢を取り、視線を真正面へと向けた。
「ドイツ代表候補生。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
鋭い眼光にぴたりと静止した姿勢は、まるで軍隊のようである。真耶が恐る恐るといった様子でラウラに話しかけた。
「え、っと……。以上、ですか?」
「以上です」
入学当初の一夏の挨拶と同程度の短さである。しかし彼女の場合は一夏のように何を話すか迷っているわけではなく、本心からこれだけで十分だと判断しているのだろう。
慌てている真耶を尻目に、ラウラの目が一夏を捉えた。その瞬間、ラウラの目に憎悪の色が浮かび上がる。
「貴様が……!」
一方、一夏は急に物騒な視線を向けられたことに戸惑っていた。ともすれば殴られかねないようなラウラの挙動を諌めたのは千冬だった。
「ボーデヴィッヒ」
「……っ」
その一声にラウラは悔しげに顔を歪ませると、足早に自分の席へと歩いて行った。よく分からない展開に混乱していた一同の中で真耶が一番に正気に戻ると、この後行われるIS実習のための移動に関する注意を呼びかけホームルームを終了させる。
彼方たちは移動の準備を整え、更衣室へ向かった。急造されたにしては小奇麗で広いロッカールームには、彼方と一夏の二人しかいない。
「なあ、彼方。俺って、あの転校生に嫌われるようなことしたのかな」
一夏が気弱そうにそう告げる。身に覚えのないことであそこまで嫌われるなんて、と一夏は呟いた。
「オレに言われても分からないなぁ。一夏は彼女と会ったことはあるの?」
「いや、会ったことはないはずだ」
「もしかして、この間の凰さんとの約束みたく忘れてたり……」
「いやいや、それはないって」
ちなみに、対抗戦の後に一夏が鈴音を見舞いに行ったところ、その場で間違っていた約束の内容を思い出したのだという。鈴音はそれに喜んだものの、一夏が思い出した内容の意味を正しく理解していなかったため、また別の悩みが出来たらしい。
「あんな子、初めて会うんだ」
「だったら、織斑先生が関係してるとか。ほら、さっきの自己紹介の時に知り合いみたく接していたから」
知り合い、というには固い態度ではあったが、面識があることには違いない。
「う~ん。だとしたらどんな恨みを買ってるっていうんだろうか」
「実際に本人に聞くのが一番早いんだろうけど」
「それが出来るわけないのは分かってるだろ?」
「時間が解決してくれるのを待つしかないかもしれないね」
着替えを済ませた彼方は眼鏡を取る。ぼやけた視界が斑鳩の補助によりクリアになる中で、ラウラの瞳を思い出した。“自らに向けられた”それを。
――あの転校生。オレのことも見てた……?
クラスメイトに向ける無関心な視線ではなく、一夏に向ける憎悪の篭った目でもない。その時のラウラの瞳に宿っていた色は、興味と形容することが一番正しかった。
* * *
アリーナに生徒たちが列をなして並んでいる。それは一組の生徒だけでなく、二組の生徒も混じっていた。ISの実習授業は丸一日をかけて行われる。その際二つのクラスが合同で実習を行うため、こうした二つの塊が出来ていた。
「……相変わらず目に悪い光景だ」
思わず彼方はそう呟いた。
目の前、どころか周り全体に広がる光景は、一見すると水着のようなISスーツに身を包んだ年若い少女たちが並び立っているという光景だ。年若いと言えどその肢体は瑞々しく育っており、傍目から見ればなんとも眼福なそれであるかもしれない。だが、その中に混じっている身からするとなかなかに辛い境遇である。
――クラスメイトと話すことには慣れたけど、これには慣れる気がしないな。
目のやり場に困りつつも、列の正面に立つジャージを纏った千冬、そして真耶に視線を向ける。
「では、本日から本格的な実習授業を行う」
『はい!』
返事の大きさは二クラス分だけあって大きい。また、今日を楽しみにしていたこともあってテンションが高いのだろう。本格的な実習授業というのは、戦闘訓練を意味している。勿論初めからそんなことをさせるわけもなく、彼方たちがやったように歩行訓練や飛行訓練から始まるのだが。
「ではまず、いくつかのグループに分かれてもらう。織斑、尾上、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰の六名の専用機持ちがグループリーダーとなる。班の分け方は一組から出席番号順に一名ずつ各班に分かれる。順番は先ほど言った専用機持ちの名前の順だ」
「集まったグループからISを取りに来てください。打鉄とラファールの両方がありますが、どちらかは早いもの勝ちですよ~」
列が崩れ、それぞれ自分が配置されるグループの専用気持ちの場所へと向かう。彼方の前にも何人かが集まる。その中には本音も含まれていた。友人が含まれていたことに安心すると同時に、昨日から録に話せていないことを思い出してしまった。
なんとなく感じる気まずい空気をそのままに、彼方たちはISを取りに行く。班員が選んだISはラファールだった。
《それでは専用気持ちの皆さんは班員のIS装着を手伝ってあげてください。まずは装着、起動、歩行までの工程を全員行ってくださいね》
真耶からの通信が届く。とにかく、これに集中しよう。彼方は悩みを振り払って、授業に専念した。
まずは、一人目だ。
* * *
本音にとって、この班分けは少しだけ困る物だった。なにせ、昨日のあの話を聞いてからというもの彼方とまともに話が出来ていない。朝食もわざと時間を遅らせたくらいだ。それをした理由も存在する。気持ちの整理をするためだ。
そのはずだった、のだが。
――結局、どうしたらいいか分からなかったよ~……。
本音にとって、その感情がどこから来ているのか、なぜ来ているのかが分かっていなかった。そのために気持ちの整理をつけようにも、思うようにつけられない。言葉に出来ないもやもやとした不快感に苛まれていた。
――おがみんに、気づかれちゃってたな。
彼が何やら心配げな視線を送ってきていたことに、本音は気づいていた。そしてそれはつまり、自身の心の不調を見抜かれていたということだ。
――けど、どう接したらいいか分からないし……。
本音はそっと目を伏せると、小さくため息を吐いた。
「――!」
「――!?」
本音の意識が授業へと戻ったのは、遠くから声が聞こえてきたからだ。何事かとそちらを見ようとすると、周りが全てその場を見ているのが分かった。何が起こったのだろうかと本音がその視線の先を見ると、一夏の班の一人がISを直立したままの状態で着装解除してしまったらしい。
ISは巨大だ。完全展開し、人が乗った状態ではゆうに二メートルを超える。そして、そのコックピットは丁度ISの中心部にあたる。よって自由に展開することが出来る専用機とは違い、こうして教習用に使われるISは降りる時にはしゃがまなければならない。そうしなければコックピットが高すぎて搭乗することが出来なくなるからだ。
そうなった場合、どうするか。簡単なことだ。誰かが手伝えばいい。そして、今のこの状況で最も良い選択肢が、
『……!』
専用機持ちである一夏が手伝うことだ。ようするに、ISを展開した一夏が次の人を抱き抱えてコックピットまで運ぶということである。
皆が皆、声を出さずに悲鳴を上げる。所謂、黄色い悲鳴だ。声を出さなかった理由は、千冬の眼があったからだ。
――うわぁ~。おりむーすごーい……。
抱き抱えられている箒が、顔を真っ赤にしている。体がカッチカチに固まってしまっていた。覚束無い動作でコックピットに乗り込んでいるが、あまりにも二人の距離が近いために遠くから見るとまるでキスをしているようにも見える。
――まだ見てたいけど~……。あんまり他所に集中してると先生に怒られちゃうだろうし~。
現に近くにいた班が――班長であるセシリア、鈴音も共に――一夏たちに注目し過ぎていたために千冬から叱られている。唯一幸運だったのが、この場に出席簿が無かったことだろうか。あれば、間違いなくそれが振るわれていたに違いない。
さて、と本音は自分の班に視線を戻す。次は自分の番だ。
「あ、あはは……」
そして視線を戻した本音が目にしたのは、気まずげな前の順番の生徒と、“直立したまま”のラファールの姿だった。
「その、わざとじゃないんだよ? ただその、ちょ~っと向こうに意識を向けちゃってたから、少しぼうっとしちゃって?」
もしも近場に千冬がいれば、叱責の言葉が飛んだだろう。だが、運が良かったのか、この付近に千冬はいない。真耶も同じく、ラウラの班にヘルプに向かっていたため近くにはいなかった。
――これって~……。
「えーっと……、ごめん! 尾上くん!」
「い、いや。別に大丈夫だよ」
「次の人は……布仏さんだねっ。布仏さ~ん!」
班員に名前を呼ばれてそちらに向き直ると、彼方と目が合った。
「それじゃあ尾上くん、よろしくね!」
「え、あ、うん」
本音の中で焦りが募る。これはまさかもしかして。
――わたしが抱き抱えられちゃう~!?
本音の中の焦りを知ってか知らずか、同じグループのメンバーが背中を押してくる。小さな声で、ラッキーだね、と言われたが、これは果たしてそうなのだろうか。
「え、ええと。よ、よろしくね、おがみん」
「う、うん。よろしく、布仏さん」
うまく顔を見ることが出来ず、お辞儀をするように頭を下げる。それに釣られて彼方もお辞儀をした。互いにお辞儀をし合っている光景は周りからすればシュールに映るだろうが、今の本音にそんなことに意識を割く余裕はなかった。
「それじゃあ……布仏さん、いくよ?」
「うん……」
ISを展開した彼方の腕が本音の背中と脚の裏に回り、ふわりと持ち上げられた。ぐっと距離が縮まる。その時に、今日初めて彼方の顔をしっかりと見ることが出来た。
――あ……顔、真っ赤だ。
彼方の顔は真っ赤に染まっていた。耳まで赤色だ。伸ばされた前髪に隠された瞳はきょろきょろと動いてこちらを見ようとしない。恐らく、動揺しているからだろう。
「……浮かぶよ」
なんとなく声がぶっきらぼうに聞こえるのは、緊張しているからだと本音はそう考える。そしてそれが当たりだということを、本音はこれまでの彼方との付き合いで直感的に理解していた。
――そういえば、前にもこんなことあった気がする。
それは、彼方と一夏がセシリアとの試合をすることになった後の日のこと。セシリアの情報を集めようとした彼方に、本音が協力して情報室に行った時だ。
――あの時のおがみん、最初は画面に見入っちゃってて、わたしの方に近づいてきてるのに気づいてなかったんだよね~。
最初、あんな展開になったことは本音の予想外と言う他なかった。ただ、その後の慌てる彼方の様子がおかしくて――、
「くすっ……」
「え……?」
思わず、笑ってしまった。今の彼方もあの時と同じような顔をしている。
――おがみんは本当に女の子が苦手なんだね~。
そう考えると、あの“噂話”も眉唾物だったと言わざるを得ない。女の子を抱き抱えただけでここまで狼狽する彼方が、優勝したら付き合うなんて言うはずがない。大方、一夏の方が何かやらかして彼方がそれに巻き込まれたのだろう。仮に彼方があの話を知っていたとしたら、なんとかして噂話の鎮火を図るに違いない。
そしてその時に頼られるのは自分だろうという予感が、本音にはあった。
――な~んか、悩んでたのがどうでもよくなっちゃったな~。
後であの噂話のことを話して、彼方をからかうのもいいかもしれない。お嬢様のことを言えないな、と本音は心の中で呟く。
「……えいっ」
「う、うわぁっ。布仏さん!?」
「落ちないようにしないといけないからね~。しっかり支えててね、おがみんっ」
「の、布仏さんっ。あ、当たってる! 当たってるから!」
彼方の首に腕を回し、体をくっつける。すると、かなり分かりやすく彼方が慌てだしたのが分かった。
――お嬢様がおがみんのことをからかい甲斐のあるって言った意味が分かったかも~。
心のつかえが取れたことを本音は感じ取った。少々八つ当たり気味ではあるが、ここまで自分を悩ませた彼方をもっと困らせてやろうと、本音は自分の体をさらに彼方に押し付けた。ただ、緊張して高鳴っている鼓動が彼方に伝わってしまわないか、それが少し心配だった。
さて、久々にのほほんさんとのイチャイチャが書けました。
これからのほほんさんとのラブコメ的絡みが増えると思います。
シャル、ラウラに関しては(多分)次回以降からメインで出演です。
※03/07 場面展開の部分の空白に「*」を追加