IS ~across the sky~   作:シャオレイ

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遅くなりました。結構長い説明回ですが分割するには若干短いかな、と思いましたのでそのまま1話で纏めます。
のほほんさんとのいちゃこらは次の話に回ってしまいました。


第十六話 少女の過去

「……一体なにが起こったというのだ?」

 

 アリーナのざわめきの中で箒が呟く。険しい視線の先には、ピットへと入っていく彼方たちの姿があった。箒たち観客は何が起こっているのかを理解できていなかった。どういった状態にあるのかについてのアナウンスもされず、ただただ困惑するだけである。

 

「しかし、あのボーデヴィッヒの様子は……本音?」

 

 ガタン、と。箒の隣に座っていた本音が急に立ち上がった。どうしたのかと本音に目を向けると、その顔は蒼白に染まっていた。

 

「らうらん……」

「ど、どうしたんだ、本音?」

 

 様子のおかしさを見て箒が本音に声をかけるが、それは本音の耳には届いていなかった。

 本音は慌てて出口へと向かう。背後からの箒の声には反応せずアリーナから飛び出た本音は、廊下を走り出した。

 

 ――らうらん……!

 

 本音の心中は一人の少女のことで埋めつくされていた。それこそ、注意がおろそかになり、廊下から出てくる人物にぶつかってしまいそうになるほどに。

 

「あぅっ」

「お、っと。廊下を走ったら危ないわよ……本音ちゃん?」

 

 廊下から出てきた少女は上手く衝撃を逃がして本音を受け止めた。本音が顔を上げると、不思議そうな表情をしたIS学園生徒会長、更識楯無がそこにいた。

 

 * * *

 

 ラウラからISを引き剥がすことは、そう難しいことではなかった。正確には、ピットに運び込まれた段階で内側に居るラウラを吐き出すように、自然とシュヴァルツェア・レーゲンは展開を解除した。

 まるで先ほどまでの暴走状態が嘘のように大人しくなったシュヴァルツェア・レーゲンは、そのまま学園が預かることになった。タッグトーナメントの視察のために訪れていたドイツ軍の担当者が学園側の技術者と共に原因究明に取り組むらしい。

 ラウラは直ぐに医務室に運ばれた。意識が戻っていない状態ではあったが、検査の結果、命に別状はないという診断が下された。今日中には目覚めるだろうと彼方に言い渡して、学園付きの医師は一旦席を外した。

 

「とりあえずは一安心、ってところかな」

 

 彼方と一夏、シャルロットはラウラが医務室に運ばれた直後から取り調べを受けていた。何が起こったのかを事細かに話した後にそれぞれのISのログを取らせることで、学園に入学してから二度目、ISを始めて動かした時のことを含めると三度目の取調べが終了した。

 また千冬はその場には同席せず、混乱の収縮のために走り回っていると聞いている。

 結局、試合は彼方たちの棄権により、一夏たちの勝利ということになった。これはラウラの身体検査とシュヴァルツェア・レーゲンの調査に時間がかかるため、彼方とラウラのチームに試合は続行不可であるという判断が下されたためだった。

 そのため一夏とシャルロットはトーナメント表の確認に彼方と分かれ、また後ほどラウラの見舞いに行くと言い残して去っていった。

 そして彼方はラウラの医務室に向かい、ラウラの眠るベッドの脇の椅子へと腰を下ろしていた。

 ラウラが穏やかな寝息を立てていることに若干の安心感を覚えながら、斑鳩に自己検査プログラムを走らせる。今回の試合で破損した箇所が無いかどうか、使用した弾薬がどれほどだったか等のいくつかの項目が次々とチェックされ、自動でレポートが書き綴られていく。斑鳩が自動で作り上げた点検レポート、戦闘ログ、そして彼方が自分で書いた試合のレポートを芳野重工の担当者へと渡す必要があった。

 視界に映る点検レポートを見つめていると、今日の試合の光景が脳裏に浮かんできた。

 

 ――何も、できなかった。

 

 試合が始まって早々にラウラと分断され、然したる抵抗もできずに一夏の罠に嵌まって脱落。活躍らしい活躍もなく、結果としてパートナーを窮地に追いやった。

 無意識のうちに、彼方は強く拳を握り締めていた。

 

 ―― 一夏に負けたのは、何ヶ月ぶりかな。

 

 彼方と一夏は、入学する前に幾度も模擬戦を経験している。勿論お互いに勝ち負けはあったが、その時は勝敗よりも勝負の内容の方を重視していた。そして何より、勝ちと負けの価値が今とは桁外れに低かった。しかし、スタート地点を同じくし、共に切磋琢磨し成長してきた存在に負けた。

 

 ――それにしても、こんなに悔しいと思うなんてね。

 

 思考自体は落ち着いているが、その根本の感情とそれに影響された体は違っていた。力を入れすぎたせいで白く変色していた拳を解くと、爪が食い込んでいたせいか掌に血が滲んでいた。

 久々の激しい感情だった。幼い頃に夢を諦めた時以来で、最も感情が昂っている。空を飛ぶ夢が再び蘇ったことで、封印されていた感情が同時に復活したのかもしれない。

 傷の痛みと、それから来る熱を感じながら、彼方は思う。

 

 ――どうしたら強くなれる?

 

 そして彼方が考えることは、“強くなるための方法”。一夏(ライバル)に負けたことが彼方に火をつけた。空を飛ぶ翼としてのISではなく、兵器としてのISでもなく、友と競うための物としてISを意識し始めた瞬間だった。

 

 ――次は、絶対に勝つ。

 

 滲み出る掌の血を睨むように見つめる。この痛みと熱、そして悔しさを忘れないように。

 

 斑鳩の自動レポート生成が終了したのと同時に、医務室の扉が開いた。そこに立っていたのは本音と楯無だった。心配そうな表情を浮かべた本音が、彼方とラウラへと駆け寄ってくる。

 

「布仏さん? それに、会長まで……」

 

 この二人が現れたことに若干の驚きを覚える。ラウラを可愛がっていた本音がこの場に訪れたことは理解できるが、楯無が一緒であるということは意外だった。どういった経緯でそうなったのかを彼方が考えていると、本音が口を開いた。

 

「おがみん、らうらんは大丈夫なの~……?」

 

 観客席からでもあの異常性は感じ取れたのだろう、本音の声は少し震えているようにも聞こえた。

 

「安心して、布仏さん。ボーデヴィッヒさんの体に特に異常は無かったって。ただ単に気絶していただけらしいから、今日中に目を覚ますだろうって先生は言っていたよ」

「そっかぁ~……。良かった~」

 

 彼方の言葉を聞いて緊張が解けたのか、本音がその場にへたり込む。その様子に慌てた彼方は本音に手を差し伸べようとしたが、携帯端末を握っていなかった手は先ほどの出来事が原因で血に濡れている。携帯端末をしまってもう片方の手を出そうと彼方が思った瞬間に、それが本音の目に触れた。

 

「……! おがみんっ、その手、どうしたの~っ!?」

「え、あ、いや。その、これはちょっとした自業自得って言うか……」

「血が……こっちに来て、おがみんっ。早く洗わないと~っ」

「の、布仏さんっ?」

 

 今までに無く動揺している本音に、彼方は驚き戸惑った。ぐいぐいと水道へ引っ張る手に為すがままにされ、そのまま流水で掌を洗われる。

 

「……っ」

 

 傷口に水が触れたことで痛みが走り、思わず顔に出てしまった。そこで我慢をしていれば、と本音の心配そうな表情を見て彼方はそう感じた。

 

「痛い~……? でも、ちゃんと洗わないといけないから、もう少しだけ我慢してね~……?」

 

 優しく、できるだけ傷口を刺激しないように本音は彼方の掌を洗っている。本音の手の感触が非常にこそばゆい。さするような、撫でるような手つきに、彼方は緊張していた。なんとなくいけないことのような感覚を受けた彼方は、本音と、その柔らかく温かい手から視線を逸らした。

 だが、目を逸らした彼方を、一対の眼光が貫く。

 

「……」

 

 無言で、目元から下を扇子で隠した楯無が、じっと彼方と本音を眺めていた。口元に当てられた扇子には、「愉快」と書かれていた。

 

 ――その文字の意味するところは、後でオレか布仏さんをからかって遊ぶ、ということですかね……?

 

 扇子によって口元は隠されているが、彼方はその隠された口元に満面の笑みが浮かんでいるであろうことを悟っていた。

 とはいえここで本音の手を振り払うことは出来ない彼方は、ただただ天井を見つめることしかできなかった。

 

「……これで、いいかな。おがみん、包帯持ってくるから、少し待っててね~」

 

 ぱたぱたと軽い足音を鳴らしながら医務室の棚へ早足で寄っていく本音を見送る。

 

「――本音ちゃんの手の感触はどうだったかしら~?」

「……っ!」

 

 叫び声を上げなかった自分を、彼方は褒めたいと思ったくらいだった。耳の傍で声をかけられ、背中をつつっと指でなぞられる。突然の感触に慌てて飛び退くと、楯無が心底楽しそうな笑みを浮かべていた。

 

「いい感度ねー」

「い、いい、いきなり何をするんですか……!」

「何って……後輩弄り?」

 

 ああ、あの時と同じだ。彼方は楯無と初めて出会った時のことを思い出しながら、じりじりと楯無から距離を取った。

 

「もう、彼方くんったら。そんな態度取られると、お姉さんは悲しいわよ?」

 

 警戒を隠そうともしない彼方の姿を見て、楯無が「よよよ」と口に出して泣き真似をする。あまりにわざとらしい仕草に、彼方の警戒心が強まった。

 

「一体何をしに来たんです?」

「それは彼方くんをからかいに……ああんもう、冗談よ。冗談」

 

 その言葉にますます警戒心を強めると、慌てて楯無が前言を撤回した。

 

「本当はね、本音ちゃんに付いて来たのよ」

「布仏さんに?」

「……本音ちゃん。とても心配していたわよ、ラウラちゃんのこと」

 

 急に真面目な表情を浮かべた楯無が寝ているラウラへと顔を向ける。それにつられるように、彼方もラウラへと視線を動かした。

 

「私が廊下で本音ちゃんに会った時、凄い動揺した様子で私に駆け寄ってきてね、ラウラちゃんがどこにいるか知らないか、って飛びつくように聞いてきたわ」

「……」

「とりあえずラウラちゃんがしばらく面会謝絶の状態だったから、それからしばらく生徒会室で落ち着かせてからここに来たわけなんだけど……」

 

 楯無は棚を漁っている本音を横目で見てから告げる

 

「だから彼方くんの傷にあれだけ反応したんでしょうね。ラウラちゃんだけでなく、あなたまで怪我をしたんじゃないかって」

 

 楯無の言葉に、彼方は本音の心情を慮った。

 本音は優しい少女だ。知り合いが明らかに危険な状態にあれば、それを心配するだろう。医務室に来て、ベッドに横たわっているラウラを見た時の本音は心底怖かったに違いない。

 

「布仏さん……」

「あの子にとって、大切な人なのね。ラウラちゃんも……彼方くんも」

「……」

「だから、ちょっと暴走ぎみなのは許してあげてね? あの子は少し、周りが見えなくなる時があるから」

「――ええ、もちろんです」

 

 彼方は自分の行為で本音に心配をかけてしまったことを反省し、医療品の入った箱を持ってこちらに来る本音へと視線を向けた。

 

「お待たせ、かなたん。今から処置するから、ちょっと掌を見せて~」

「うん。……ありがとうね、布仏さん」

「ううん、大丈夫だよ~」

 

 そこでまたしても視線を感じる。本音にばれないように小さく視線を動かすと、楯無が今度はにやにやとした笑顔を隠さずにこちらのやり取りを見ていた。

 少し真面目なことを言っていたと思っていた矢先のことである。楯無を先輩として尊敬できそうだと感じていたというのに、と彼方は小さく溜息を吐いた。

 

「どうしたの~、おがみん?」

「いや、なんでもないんだ。ただちょっと……上げて落とされたような感覚を受けて」

「ん~……?」

 

 彼方の言葉に首を傾げる本音だったが、彼方から再びなんでもないと言われて傷の処置を再開する。

 

「……はい、終わったよ~、おがみん」

「ごめんね、手間をかけさせちゃって」

「全然そんなこと無いよ~!」

 

 彼方が申し訳なさそうにそう言うと、本音は制服のあまった袖をゆらゆらと揺らして否定した。

 

「わたしにとっては苦労にはならなかったし、それに、友達が怪我をしてたら助けるのは当然だよ~」

「布仏さん……」

 

 彼方と本音の視線が交わり、お互いに照れくさそうに笑う。しかし、この場にいるのは二人だけではないことを二人は失念していた。

 

「……ちょっとー、人前でいちゃいちゃしないでもらえるかしらー」

「んなっ!」

「あぅっ!?」

 

 楯無の声で二人は我に返り、慌てて手を離した。

 

「ち、ちがっ。これはそういうのじゃないんですっ!」

「そ、そうだよ、お嬢様~!?」

「あーはいはい、そうですねー。……そんなことより、ラウラちゃんが起きそうなんだけれど」

「え?」

 

 ベッドへ視線を向けると、ラウラがゆっくりと目を開けていた。本音がベッドのすぐ脇に近寄る。

 

「らうらんっ」

「ん……」

 

 声に反応して、ラウラが頭を動かす。本音の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

 

「……本音か?」

「うん、そうだよ~。体が痛いとか、気分が悪いとかはある~?」

「いや……問題ない。少し怠いだけだ」

 

 そう言うとラウラは体を起こした。背中を本音が支えながらではあるが、しっかりと上体を起こしていられるようだ。

 

「……ここはどこだ? 一体何があった?」

「ここは医務室だよ~。らうらんは試合中に気絶しちゃって、ここに運ばれたんだよ~」

「試合中に……ぐっ」

「ああっ、無理しないでらうらん~っ! お水持ってきたから、ゆっくり飲んで落ち着いて~?」

「……すまない」

 

 頭痛がするのか、苦しげな声を上げて額に手を当てる。差し出されたペットボトルの水を一口二口とゆっくり口に含んで飲み込み、ラウラは彼方へと向き直った。

 

「尾上彼方、試合はどうなった」

「……試合はオレたちの棄権という形になったよ。暴走したシュヴァルツェア・レーゲンの調査も進めないといけないから、試合には出られないって」

「……そうか」

 

 ラウラが俯いた拍子に銀髪が流れ落ち、顔を隠すようにかかった。彼方の角度から顔を見ることができなくなり、彼女がどんな表情をしているのかは分からなくなる。

 彼方はラウラにどう声をかければいいのか分からず、本音は二人の様子を見て戸惑っていた。医務室に少しの静寂が訪れる。

 誰もが黙りこくっている中、一番に行動を起こしたのは楯無だった。

 

「とりあえず、ラウラちゃんの目が覚めたことを先生に伝えてくるわ」

「お、お嬢様が行かなくてもわたしが~……」

 

 楯無の言葉に本音が反応するが、扇子が勢いよく開かれる音に口を閉じた。扇子の面には「無問題」と書かれている。

 

「いいのよ。この場だと私が行くのが一番いいわ。……ラウラちゃんも、二人に色々話したいことがありそうだし、ね」

 

 びくりとラウラの肩が跳ねる。どうやらその通りらしく、驚いたように楯無を見ていた。

 

「先生が来たら直ぐに検査になるだろうから、それまでの間に話を済ませておいた方がいいと思うわよ。今話したいというならだけれど。それじゃ、後はごゆっくり~」

 

 部屋から出た楯無が扉を閉め、この場に三人が取り残された。

 楯無が出ていってから数十秒が過ぎ、そして、ラウラが小さく言葉を発した。

 

「……尾上彼方、本音。話がある。聞いてくれるか」

 

 * * *

 

 楯無が廊下を歩いていると、向こうから千冬が歩いてきているのが見えた。いつものような鋭い雰囲気が、ほんの少しだけ乱れている。今回の出来事の後処理から来る疲労だろうかと楯無は推測した。

 

「こんにちは、織斑先生」

「更識か。こんなところでどうした」

「私はラウラちゃんのお見舞いですよ。ついさっき目が覚めたので、先生を呼んでこようかと」

「そうか……。分かった、私が行こう。医務室の先生にも連絡しておく」

 

 楯無はおやと口に出した。それは千冬自身が行くと言い出したことに対する疑問からだった。

 

「後処理はもういいんですか?」

「もう済ませた。大方の処理は終わらせたから、後は山田先生に任せている」

「それでは、織斑先生はまだ彼方くんたちの調査書類を読んでないんですか?」

「そうなる。……どうせお前はもう見たんだろう。何が書いてあった」

 

 生徒会長とはいえただの一生徒である楯無が、機密の塊である調査書類に目を通しているであろうことに千冬は気づいていた。彼女がその気になれば学園の情報は筒抜けであることは承知の上であり、そして楯無にはそれを許されるだけの“立場”があった。

 

「私にしても少し予想外のこと、でしたよ」

 

 楯無が千冬の隣を通り過ぎる瞬間、スーツの胸ポケットに紙を差し入れた。千冬はそれを抵抗なく受け入れ、過ぎ去っていく楯無へと振り返る。

 

「招待状です。確認しておいてください。……あ、それと医務室に行くなら少しゆっくりと行ってくださいね~。中でラウラちゃんたちが取り込み中だと思うので」

 

 ひらひらと手を振りながら廊下の向こうへと消えていく楯無の背中を見送って、千冬は胸ポケットに差し込まれた紙を開いた。

 そこには、今日の夜に学園の会議室に来て欲しいという旨が書かれていた。

 差出人は、芳野重工顧問、芳野秋吉。そして、芳野重工代表取締役、芳野幹彦の両名である。

 

 * * *

 

 ラウラ・ボーデヴィッヒの独白は、己の特殊な出生を語るところから始まった。

 

「……私は、特殊な生まれをしている。人工的に遺伝子を操作し、優秀な人材を作る強化遺伝子試験体として生み出された。兵器として生み出された私は、戦いに必要な技能や知識を叩き込まれた。私自身、同時期に作られた個体と比べれば優秀な成績を残していたし、将来は軍人になるものと信じて疑わなかった。だが……、ISが現れたときに私の人生は変わったのだ」

 

 そう言ってラウラは左目を隠していた眼帯を取る。開かれた目蓋の奥には、金色の虹彩が輝いていた。

 

「金色の目……」

 

 右の紅玉のような赤眼ではなく、黄金の瞳がそこにはあった。

 

「ISが登場し、それに合わせてパイロットの選抜が始まった時、私もその候補の一人だった。そして、ISの適合性上昇実験の一環として左目にナノマシンを移植する手術があった。ヴォーダン・オージェと言い、擬似的なハイパーセンサーとして用いることによって脳への視覚信号の伝達速度の飛躍的な高速化と、超高速戦闘下での動体反射の向上を図ったものだ。理論上は不適合などのリスクもない技術だったらしいが……私の場合は違った」

 

 左目を握り拳で覆う。掌底を眼球部分に押し付けるように当てながら、絞り出すように言った。

 

「私がヴォーダン・オージェの移植手術後にISの適正試験を受けた時、移植されたナノマシンが暴走を始めた。その結果として私の左目は変色し、私はそれ以降の訓練ではまともな動きも出来ないようになった。結果として、私は欠陥兵器の烙印を押された。それまでは優秀な成績を収めていた私が、ISが出た途端に役立たずに成り下がったんだ」

 

 自嘲するように言って、ラウラは黄金の左目で彼方を見据える。

 

「それからは苦痛の日々だったさ。来る日も来る日も、私はISの訓練を受けさせられた。例え欠陥品だったとしても、私は強化個体だった。予備役として使うつもりだったんだろう」

 

 ラウラの壮絶な過去に、彼方と本音は閉口するばかりだった。この歳の少女が兵士をしていることから深い事情があるだろうとは思っていたが、これ程とは考えてもみなかった。

 まさしく、ラウラに対する認識が“兵器”だったのだろう。話を聞いているだけでも、彼女への非人道的行為の数々が見えてくる。

 

「それでも、私は耐えた。それ以外に私が存在する意義が無かったからだ」

「……ひどいよ」

 

 本音が震える声で言った。

 

「そんなの……そんなのって、あんまりだよ~……」

 

 涙が零れる。顔をくしゃくしゃにして、本音は泣いていた。

 

「だって、だってらうらんはすごい頑張ったんでしょ? なのに、そんな風にされるなんて……ひどいよ~」

「本音……? なぜ、泣いている?」

「だって、らうらんが可哀想なんだよ~」

 

 こぼれ落ちる涙を袖で拭って、本音はラウラを抱き締めた。急に抱き締められたラウラは、目を見開いて驚きを露にする。

 そして、彼方も本音のように感情を表に出すことはしないものの、心を締め付けられるような気分を感じていた。

 彼方とラウラの付き合いは短い。ほんの一ヶ月足らず前に出会ったばかりだったが、彼方はラウラに対して親愛の情を抱いていた。まるで妹のように思っていたラウラにそのような辛い過去があったということは、彼方にとっても辛いことだった。

 

「……私は、兵器として生まれた。そうである以上、私がどうなるかは“使う人間”が決めるのだと、そう思っていた。だがある時に、私は二人の人物と出会った」

 

 ラウラの言葉に、本音が抱き締める力を緩める。まだうっすらと涙の浮かんでいる本音の瞳と、ラウラの赤と金の瞳が合った。

 

「それが、織斑教官と、ハイゼンベルグ少将閣下だった」

「織斑先生~……?」

「ああ、そうだ。出会った時期で言えば司令の方が早いが」

 

 アルベルト・ハイゼンベルグ。以前に、ラウラと彼方が話し合った際に出てきた名前だ。ラウラの所属するIS運用を専門とした部隊、シュヴァルツェ・ハーゼを指揮する将官である。

 

「司令と始めて出会ったのは、研究所の摘発が原因だった」

「摘発?」

「ああ。……元々、強化遺伝子個体の研究はドイツ政府が主導していた研究ではなかった。軍の高官と外部の組織が秘密裏に行っていた研究で、長らくその存在は隠蔽されてきた」

 

 状況が変わったのは、ISが登場してからだったとラウラは語る。

 

「ISが登場してからというもの、研究所がISの研究へと傾倒し始めた。まるで、それこそが研究所の本来のあり方だったと言わんばかりに、だ。研究所はドイツに分配されたISコアの内、二つを極秘に手に入れていた。だが、それが研究所の存在が露呈する切欠となった。

 三個ものISコアを手に入れれば、流石に足が付く。研究所の存在を察知した軍は研究所を摘発し、研究所と繋がっていた軍高官を捕らえた。だが、ISコアを回収することは出来たものの、研究員は逃がしてしまった。強化遺伝子固体の何体かが同時に連れて行かれたが、私は連れて行かれなかった。恐らく、失敗作だったからだろう。

 私は軍に保護された。ただ、私のような違法研究の塊を放っていくわけにもいかず、私は軍に所属するようになった。その決定に異論は無かった。兵士になること以外に私に出来ることは無かったからな。

 研究所にあった二個のISコアは軍が接収し、一つがIS開発企業、もう一つを軍が保有することになり、かねてから構想が立てられていたISを用いた特殊部隊の設立に踏み切った。その時に司令官に任命されたのがハイゼンベルグ少将で、そして私はその部隊に召集された。

 一応はISの訓練を受けた身でもあったから上層部はそれを決めたのだろうが……研究所から出た後も、私の訓練成績は変わらなかった。強化遺伝子固体であるにも関わらず、周囲の一般兵に置いていかれる。研究所であれば間違いなく“処分”されるような成績だった」

 

 処分、という言葉に重みを感じさせる。ラウラは、いや、ラウラ“たち”は実験体だった。そしてラウラの台詞から考えて、そういった行為が研究所では行われていたのだろう。

 

「だが、司令は違った。司令は、不出来な私を切り捨てはしなかった。周囲の悪意から私を守ってくれた。司令が私を見捨てることが無かったから、私はこうしていられる。そして……織斑教官は、私の存在価値を取り戻させてくれた」

 

 千冬の名前が出てきた。転校初日の態度からラウラと千冬になんらかの関係があるのは見て取れたが、それがどのような関係だったのかを二人は知らなかった。

 

「教官は、二年前。とある事情からドイツ軍へと教導に訪れたのだ」

「二年前……。二回目のモンデ・グロッソがあった年だね」

「織斑先生がなんでか棄権しちゃったんだよね~」

 

 前大会優勝者にして優勝候補筆頭であった織斑千冬の原因不明の棄権と言われ、今でもその事情は明かされていない。だが、ラウラの表情や話の流れから、その棄権こそが『とある事情』に関わっているのではないかと推測させる。

 

「私たちシュヴァルツェア・ハーゼは、教官による一年間の指導で急速に実力を伸ばした。私は教官の教えによってヴォーダン・オージェの制御法とIS操縦技術を身につけ、最終的には実力重視のシュヴァルツェ・ハーゼの隊長にまで取り立てられた。教官がいなければ、私は自分の価値を失ったままだった。私を守ってくれた司令と、私という存在に価値を取り戻させてくれた教官には、感謝してもしきれない」

「二人はらうらんにとって、お父さんとお姉さんみたいなものなんだね~」

「父と、姉?」

「うん~。らうらんの話を聞いてて、そう思ったんだ~」

 

 本音がラウラにとってのアルベルトと千冬をそう評した。千冬を姉としたのは、年齢差からだった。しかしその一言に、ラウラは顔を曇らせる。思うことがあったのか、少しだけ口ごもってから言葉を紡いだ。

 

「尾上彼方。貴様は試合前に、織斑一夏と勝負をしようとする理由を聞いたな」

「確かに、聞いたけど」

「……私が織斑一夏に勝負を挑もうとした理由は、教官の話していた弟がどのような人物なのかを見たかったからだ」

「織斑先生が一夏のことを?」

「一度だけ、教官が私に織斑一夏のことを話したことがあった。翌日の訓練が休みとなった日の夜のことだったが、酩酊状態だったこともあって珍しく饒舌だった」

 

 あの織斑先生が、酩酊状態で饒舌に物を語る。その姿を想像することが彼方には難しかった。本音もそうだったのか、少しだけ驚いたような表情を浮かべていた。

 

「教官が弟の話をした時は、とても……優しい顔をしていた。そして、気づいたのだ。教官が私を通して弟を見ていたことを。そのことに気づいた時、私は……なぜか、悔しくて堪らなかった」

 

 ラウラは眉間にしわを寄せ、唇を噛み締める。シーツを掴む手は小さく震えていた。

 

「どうしてそう思ったのか、私は分からなかった。どうしようもなく心がぐちゃぐちゃになって、気持ちが悪くなって……その場ではアルコールの匂いに酔ったのかとも思ったが、月日が経てば経つほど、その感情が強くなっていった。……教官が帰国してから司令に、お前の悩みを解決してくるといいと言われて、IS学園への入学を勧められた。知り合いの息子がいる。彼はとても立派な人物だった。彼の息子なら、きっと相談に乗ってくれるだろうと」

「それでオレに……」

「私は、織斑一夏に原因があると考えた。教官から織斑一夏の話を聞いてから、ずっとこうなのだ。織斑一夏と接触すれば、解決手段が何か掴めるかもしれないと考えた。だが、今になっても分からない。

 ……教えて欲しい。私は、なぜこんな感情を抱いている? どうして、こんなに苦しいんだ? 兵器として扱われていた時には、こんなことは無かった。苦しいと思うことはあった。だが、気持ち悪いような、目を閉じて耳を塞いでしまいたくなるような、そんな感情は始めてだ……」

 

 縋るような瞳に震える声で、ラウラはそう嘆願した。そのラウラの問いに答えたのは、本音だった。いつものような朗らかな笑顔ではなく、慈愛に満ちた笑みでラウラを抱き締める。今度は力強く抱き締めるのではなく、優しく包み込むようにラウラの背中へ両腕を回した。

 

「らうらんは、おりむーに嫉妬してたんだね~」

「嫉、妬?」

 

 ラウラは呆然といったように呟く。本音の言葉を理解しきれていないようで、何度か瞬きを繰り返した。

 

「多分、らうらんは織斑先生を取られちゃったって、そんな風に思ったんじゃないかな~。織斑先生は、らうらんにとってとっても大切な人だったんでしょ~? だったら、そういう風に感じるのも無理もないよ~」

「教官を……取られる……」

 

 確かめるように、ラウラは本音の言葉を反芻する。

 

「だ、だが、私は兵器で、軍人で……そんなことを思うのは……」

「全然おかしくないよ~。らうらんは兵器じゃなくて一人の女の子だし、軍人だとしてもまだ子供なんだから、そういう風に思うのはおかしなことじゃないよ~」

 

 幼い子供をあやすように背中を軽く叩きながら、本音は続ける。

 

「らうらんは、子供を経験しないままここまで来ちゃったんだもん。甘えたり我がままを言えるような状況じゃ無かったみたいだし~……。でもね、らうらんの周りには優しい人がいっぱいいると思うんだ~。らうらんが甘えたり我がままを言っても、きっとそれを受け止めてくれる人たちが、きっとね~」

「私は……」

「それに、わたしとおがみんも、らうらんのことを助けてあげられる。ね、おがみんっ」

「もちろん。オレに出来ることなら、力の限り助けになるよ」

 

 本音の問いかけに、彼方はすぐに答える。それが紛れも無い彼方の本心だったからだ。

 

「本音……尾上彼方……」

「ふふふっ、試しに織斑先生と話してみればどうかな~?」

「教官と……? い、いや、駄目だ。そんな、迷惑をかけるようなことは出来ないっ」

「別に織斑先生は迷惑だとは思わないと思うけどな~。きっと、話を聞いてくれるよ~」

「……そう、だろうか」

「うん、絶対だよ~! だって、わたしはらうらんが自分のことを話してくれて凄く嬉しかったもんっ」

 

 ぎゅうと本音がラウラを抱き締める力を強める。本音からすれば気難しい妹が頼ってくれたような気持ちなのだろう。顔を本音の胸に埋めるような形になり、ラウラは息苦しそうに呻いた。

 

「ほ、んねっ、力が……強いっ……」

「え? あわわ、ごめんらうらん~!」

「いいからっ……早く、離せっ」

 

 じゃれあう二人を見ながら、彼方はほっと胸を撫で下ろした。どうやらラウラは落ち着きを取り戻したようで、先ほどまでの不安そうな表情ではなくなっている。

 

「でも、ボーデヴィッヒさん。どうして話してくれる気になったの?」

「それは……」

 

 彼方の質問に若干口ごもりながら、ラウラは答えた。

 

「妙な物を、見たのだ」

「妙な物を見た? それって、いつ?」

「丁度、気を失っていた時だ。夢を見るような感覚で私は過去の記憶を見て……それをお前たちに話したかった。それと、部隊に引き取られた時に司令に言われたことを思い出したのだ。信頼のおける人間ができたら、自分のことを話してもいいと」

 

 信頼のおける人間。ラウラにそう認識されていたことに彼方は感動を覚えた。本音に至っては感極まって再びラウラへと抱きついていた。つい先ほど抱き締めた時よりも力が強い。

 何とか本音と落ち着かせてラウラの拘束を解放すると、ラウラの顔は真っ赤になっていた。軽い酸欠状態にあったようで、荒く息を吐いている。

 

「はぁっ、はぁっ……。本音、お前は私を気絶させる気かっ」

「布仏さんはもう少し落ち着いてね。ボーデヴィッヒさんはついさっきまで倒れてたんだから」

「ほんとにごめんらうらん~!」

「まったく……。後は、そうだ。過去の記憶の他に見たものがあった。私はあんなものは見たことがないし、あれがなんだったのかもいまいち良く分からなかったんだが……」

 

 ――東洋の神話に出てくる、龍、というのだったか。金属で出来たようなそれが見えた。

 

 その言葉に、彼方は初めて斑鳩に触れた時、父親の乗る戦闘機を見た記憶と、白銀の龍の姿を見たことを思い出した。

 これは何かの偶然なのだろうか。過去の記憶と、龍の姿。そして、シュヴァルツェア・レーゲンが暴走する直前に現れた斑鳩の警告文。奇妙な一致と一連の出来事に何か繋がりがあるのではと考えた彼方が口を開こうとした瞬間、医務室の扉が開いた。

 

「……もう意識を取り戻したのか、ボーデヴィッヒ」

 

 入ってきたのは千冬だった。ベッドの上のラウラと、その周りにいた彼方と本音を順番に見てから近づいてきた。

 

「……教官」

「ここでは織斑先生と呼べと言っているだろう。体は大丈夫なのか」

「ええ、特に何も異常はありません」

「そうか。……尾上、布仏。これからボーデヴィッヒの検査を行うため、この部屋はこれから立ち入り禁止になる。二人はここから早く出るんだ」

「は~い、分かりました~。それじゃ、おがみん、行こう~。らうらんも、お大事にね~」

「あっ……。ボ、ボーデヴィッヒさん、お大事に」

 

 喉元まで出掛かっていた言葉は、突然の千冬の登場と部屋からの退室命令によって飲み込まざるを得なかった。ラウラに一声かけてから二人で医務室から出る。

 

「らうらん、何もなければいいね~」

 

 これから行われるというラウラの検査への心配を込めて、本音が言った。

 

「そう、だね。特に何も無ければいいけど……」

「ねぇ、おがみん。らうらんとの面会ができるようになったら、今度またお見舞いに来ようよ~」

「うん。またお菓子でも作って持っていこうか」

「そうしよう~!」

 

 廊下を歩きながら見舞いに持っていくのはどんな菓子がいいかを二人で話しているうちに、ラウラが見たという“龍”の話は彼方の記憶の淵へと沈んでいった。

 

 * * *

 

「ボーデヴィッヒ」

「っ! は、はい」

 

 彼方と本音が医務室から出て行ったのを見送ってから、千冬がラウラの名を呼んだ。名前を呼ばれたラウラはびくりと肩を震わせる。

 

「あの二人は、信頼が置けるか?」

 

 千冬はラウラの瞳を見つめながらそう問いかけた。ラウラは戸惑いながらもその問いに答える。

 

「……はい」

「そうか……それは良かった。お前にも友人ができたんだな」

「友人……?」

「ああ。これで司令も安心できるだろう」

「司令が? ……っ!? 教官っ?」

 

 そう言いながら千冬はラウラの頭をそっと撫でる。突然撫でられたラウラは驚き混乱し、しきりに瞬きを繰り返している。ラウラの体は硬直し、ただただ呆然としながら千冬の手の感触を感じていた。

 しばらくして千冬はラウラの頭から手を離した。

 

「さて、これから検査を行うわけだが、私は職員室に行って資料を取って戻ってくる。それまでここで安静にしていろ」

「……はい」

 

 踵を返し背中を向ける千冬に、ラウラは思い切って声をかけた。

 

「教官っ!」

「だから、ここでは先生と呼べと……」

「教官は、私のことを心配してくださったのでしょうか……?」

 

 ラウラがこうして千冬に声をかけたのは、本音の言葉が理由だった。千冬はきっと迷惑に思わずに話しを聞いてくれる。そう言った本音の言葉に従い、こうして声をかけた。ラウラは心臓が爆発しそうなほどの緊張を味わいながら、千冬の言葉を待った。

 

「……教師が生徒のことを心配するのは当たり前のことだ」

 

 千冬は振り向き、

 

「――無事で良かった」

「あ……」

 

 かすかに微笑みながら、ラウラへと告げる。扉を開け、半歩だけ外に出てから再びラウラへと顔を向けた。

 

「司令も心配していた。時間があれば連絡を入れるといい。連絡用の端末はベッド際の机の上に置いておいた」

 

 千冬が医務室から出て行くのをじっと見つめていたラウラは、膝にかかっていたシーツを握り締めた。

 

「私は、教官に心配してもらっていたのか……」

 

 ラウラは暖かな感情が満ちていくことを感じていた。心の中のしこりが消え、今はただ、自分が千冬に心配してもらえていたという事実にラウラは安堵していた。

 自分は千冬にとって織斑一夏の代替品ではなかった。自分は千冬に一人の人間として見てもらえていた。それだけで、暗い感情は消え去り、あれほど自身を蝕んでいた気持ち悪さは消え去っていた。

 

「ふ、ふふ。随分と単純だったのだな、私は」

 

 教官の言葉一つでここまで一喜一憂するとは、とラウラは笑いを漏らした。

 

「……尾上彼方と本音には感謝しなければな」

 

 相談、いや、一方的に話をしていただけではあったが、あの二人に聞いてもらっただけで気は楽になったし、解決策も提示してもらえた。なんらかの形で感謝を示さなければとラウラは考えるが、どうしたらいいかは考え付かなかった。

 

「そうだ。連絡も兼ねて、クラリッサに相談をしよう。確か、日本の文化に詳しいと以前に話していたはずだ」

 

 ラウラは卓上の連絡用端末を手に取った。




かなり遅くなりました、すいません!
丁度試験期間と重なったこともあって何日が執筆が空くことがありました。そのため文章の整合性が少しおかしくなっている可能性があります。やたらと長くなってしまったのもそのだと思います。
大分原作から乖離してきたと思います。このまま原作からはどんどん離れて行ってしまいます。

それと遅くなりましたが、タグの「斑鳩」はSTGである「斑鳩」の要素が少し混じっているという意味です。この作品自体に「斑鳩」自体のストーリーや設定はかかわりありませんが、複数の要素をオマージュしています。ご了承ください。なお、このことは1話の前書きに追加しておきます。
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