IS ~across the sky~   作:シャオレイ

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第四話 距離

 箒から付いてきてもいいと言われた彼方と、いつの間にか彼方の隣を歩いていた本音は剣道場の端に座っていた。その視線は、防具を着けた一夏と箒に向けられている。

 

「ねえねえおがみん~」

「何? 布仏さん」

「おりむーとしののんは何をしてるの~?」

 

 事情を知らずに来た本音は、疑問符を浮かべて彼方に問いかけた。

 

「一夏と篠ノ之さんが、剣道の試合をするんだって」

「試合?」

「うん。二人は昔同じ剣道場に通っていたらしくて、そこで一緒に練習していたらしいんだ。長い間離れ離れになってたから、こうやって互いの力量を測るために試合をするみたい」

「そうなんだ~」

 

 そのやり取りをしている間に、二人の試合は始まっていた。力強く、一撃一撃を必殺としようとしている一夏に対し、最低限の小さな動きでそれを払う箒。一夏が有利なようにも感じるが、箒の動きはまるで一夏を推し量っているかのようで、本気を出しているようには見えない。

 やがて、一夏が振り抜いた面を箒が避けると、それに返すように一撃を入れ、箒が一本を取った。

 

 面の衝撃を受けてたたらを踏む一夏に対し、防具を取った箒が困惑したような表情を浮かべる。

 

「どういうことだ? お前の動きは何かおかしい。昔の剣筋とも違う。かと言って、あの頃から普通の稽古をしていてこうなるとも思えん。……もしかして、長い間剣を握っていなかったのか?」

 

 たった一戦で、そこまで分かるものだろうか。彼方は箒の腕に関心していた。一夏も防具を取ると、それに答えた。

 

「あー、一応そうだな。中学の頃は帰宅部だったんだ。家事とかしないといけなかったから、早めに家に帰るのに。それで剣を握ったのは久しぶりだった」

「……そうだったのか。だが、完全に剣から離れていたようにも見えん」

「最近だとISに乗ってる時に剣は使ってた。もしかしたらそれかもな」

 

 彼方は、訓練期間中に一夏と二人で行っていた模擬戦を思い出した。確かに、あの頃の一夏の剣の使い方は違和感があった。両手で正眼に構えるかと思えば、片手で振り回すように使うこともあった。

 今にして考えれば、昔習っていた剣道と戦闘中に対応しようとして使った物が混ざっている状態だったのだろう。

 

「最近だと素振りもするようになったから、だんだん勘を取り戻してきてる」

「ん……、ならいい。ISを操縦する時も生身での動きが重要になるからな。こうして生身で覚えておけば、ISに乗ったとしても同じように動かせるようになる。一夏、お前は来週の模擬戦までISには乗れないのだろう?」

「そうなるな。専用機が届くのもそれくらいだし、使用許可を出したとしても時間が足りないだろうし」

「なら、それまで私がお前を鍛えてやる」

「へっ? けど、それじゃお前に悪いんじゃ……」

 

 箒の提案に、一夏が戸惑ったような声を出す。久々に会った幼馴染にそんなことを頼んでもいいのだろうかと思っていると、彼方が箒の意見に同調した。

 

「丁度いいんじゃないかな。一夏」

「どういうことだ?」

「オレとやってた模擬戦の時だって、一夏はずっと長刀を使ってたでしょ? それに、遠距離武器を使おうとしても上手く使えてなかったし。だったら篠ノ之さんに鍛えてもらったほうがいいと思う」

「……そうか?」

「絶対そうだよ」

 

 力強く断言する彼方の言葉に少しだけ迷う素振りを見せると、箒の方へと向き直る。

 

「だったら、頼めるか?」

「……! ああ、私がお前を鍛えてやろうっ」

 

 嬉しそうに顔を綻ばせる箒と、それに釣られて笑いだす一夏を見ながら彼方は立ち上がった。

 

「あれ、どこ行くんだ彼方」

「オレは先に帰ってオルコットさん対策を考えておくよ。色々と調べたい物もあるしね」

「彼方も鍛えてもらえばいいんじゃ?」

「オレが得意なのは、遠中距離からの射撃だから。専用機だってそう言う仕様らしいしね。だったら情報収集をした方が役に立てると思う。だから、一夏は篠ノ之さんにビシバシ鍛えてもらって」

「そうか……。分かった。彼方が情報収集してくれてる間に、俺は俺で頑張る。頼むぜ」

「うん、任せておいて」

 

 一人、剣道場から出ていく彼方を追いかける者がいた。本音だ。

 

「待って~! おがみ~ん!」

「? 布仏さん?」

「わたしも帰るから、一緒に帰ろうと思ったんだ~」

 

 小走りで駆け寄る本音に、彼方は少しの驚きを含めて彼女に返答する。

 

「え、あ……う、うん、分かった」

 

 予想外の出来事に若干の動揺を抱きつつも、共に帰路に着いた。彼方にとって、女子と二人きりで帰るという初めての経験だった。

 おがみん、と本音が彼方に話しかける。

 

「対策、ってどうするつもりなの~?」

「ああ……その、ね。本当は、あれ、嘘なんだ」

 

 本音の問いかけに、彼方は苦笑した。

 彼方はなんとなくではあったが、箒が一夏と一緒にいたいのだと感じていた。再会してたったの一日しか経っていないことを考えれば当然のことであったが、状況が特殊過ぎるために二人でじっくりと話す機会が今まで巡ってこなかったのだろう。

 彼方には幼馴染と言える存在は無く、長期間別れていた友人などはいなかったためにその感覚を理解することは難しかったが、それでもこうした方がいいということだけは分かった。

 

「だから、オレは離れたほうがよかったかなと思ったんだ」

「そうだったんだ~。ふふふ、おがみんは優しいねぇ」

 

 面と向かって女子から褒められるというシチュエーションに、彼方は内心どぎまぎとしていた。それも表情に出てしまったがために、本音からはニコニコという笑顔を向けられ続けていた。

 

「それで、おがみんはこの後どうするの~?」

「……特になにも考えてなかった。どうしよう、一夏に対策を練るって言っちゃったのに」

 

 彼方は困ったように眉尻を下げて視線を下げる。そんな彼方と対照的に明るい声で本音が彼方の前に出た。

 

「なら、いい案があるよ~?」

 

 * * *

 

 本音に案内されて彼方が訪れたのは、学園の情報室だった。ドアの横に設置されているカードリーダーに、本音は取り出したカードを読み込ませる。認証が完了した電子音が鳴り、扉が開いた。

 情報室の内部には、複数のパソコンと資料らしきファイルが棚へと収められている。室内を見回し感嘆の息を漏らす彼方に、本音が両手を大きく広げて室内を示す。

 

「これがIS学園の情報室だよ~。使う時は先生の許可をもらわないといけないから、注意してね~?」

「そうなんだ。あれ、ということは布仏さんは先生の許可を……?」

 

 不思議そうな表情を浮かべる彼方に対して、本音は先ほど使ったカードを見せる。その表面には本音の名前と顔写真、学籍番号などが記載されているが、彼方のものとはデザインが僅かに異なっていた。

 

「わたしは生徒会役員だから、こうして特別な部屋を使う許可が下りてるんだ~」

「へえ、布仏さんは生徒会の所属だったんだ」

「役職は書記なんだよ~」

 

 喋りながら本音はパソコンの内の一台に近づき、電源を入れる。表示されたOSのロゴの後にパスワードを入力し、デスクトップを表示させた。

 

「ここではねぇ~、試合の動画とか公開されている機体のデータとかが見れるんだよ~」

 

 慣れたようにパソコンを操作する本音の後ろから、画面を見る。カチカチと何度かクリック音が響くと、画面上にISを纏うセシリアの動画が映し出された。

 

「これは入試の時の映像だねぇ。ちなみに、試験を受けた人の中でセッシーだけが先生を倒せたんだよ~」

 

 青を基調としたISの名前は、『ブルーティアーズ』といった。周囲を飛ぶ複数の自立機動型のレーザー兵器が、この機体最大の特徴だろう。動画を見つつ、彼方はそう判断した。

 

「セッシーのIS、ブルーティアーズはこのビットと同じ名前なんだよ~。第三世代機として、脳波制御による遠隔操作がこの機体のコンセプトなんだ~」

「……詳しいね、布仏さん」

「一応は整備科志望だから~」

 

 饒舌に機体のスペックを話す本音に、彼方は驚きを露わにした。人は見かけによらないものだと彼方はそう考えると共に、対ブルーティアーズへ思考を巡らす。

 

「自立機動型か……。これは厄介になりそうだ」

「数の上での有利も、これでほぼイーブンだしねぇ」

 

 二体一というのはあまりハンデにならないのではないか。彼方はそう考えた。ハイパーセンサーによって強化された知覚能力は、広く戦場の状態を把握しビットを展開させることが出来るだろう。動画で見ていた限りでは、四機のビットが縦横無尽にフィールドを飛び回っている。操縦技術は間違いなく高い。

 その上、多角的な攻撃が出来るというのは、素人二人に対しては圧倒的な驚異となり得る。

 

「オレが一夏をサポートする形になるかな」

「おりむーは近接型だから、セッシーとの相性は悪いと思うよ~」

「後は、オレたちの専用機のスペックによると思う。……でも、他に切り口があるはずだ」

 

 彼方は画面上の動画をじっと見つめる。しかし経験が足りない以上、細かい弱点を見つけられるはずもなく、焦りが募る。

 彼方の意識が完全に動画に向かっている中、本音が小さく呟いた。

 

「お、おがみん。ちょっといいかな~……」

「……なに、布仏さん」

 

 視線はそのままに、本音の呟きに応じる。しかし、次の言葉で彼方は正気を取り戻し、その上で錯乱することとなる。

 

「その、顔が近いかなぁ~……って思うんだけど……」

「え……?」

 

 彼方の顔が本音に向けられ、至近距離で目が合った。凡そ十センチ、少しでも動いてしまえば触れ合うほどの距離だった。

 羞恥からかほんのりと朱が差している頬、ふっくらと柔らかそうな唇、困惑に揺れる眠そうにも見える垂れ目、一夏の付けたあだ名の通りののほほんとした雰囲気とは違った、緊張に固まっている表情。間違いなく、女の子の顔がそこにあった。

 少し震える唇から漏れた息が、彼方の唇にかかり――、

 

「――――っ!?」

 

 まるで見えない紐に引っ張られたかのように、彼方が後ろに飛んだ。そして顔を真っ赤にして本音へと謝罪する。

 

「ご、ごごごめんっ」

 

 混乱のあまりにどもり、言葉を上手く発することができない。顔は本音以上に真っ赤に染まっているだろう。

 

「い、いいよ~。おがみんだってわざとやったわけじゃないんだし~……」

 

 両手を振りながら自分は気にしていないのだとアピールをしているものの、まだ顔は赤いままだった。

 

「その、本当にごめん。謝ってなんとかなる問題じゃないけど……」

「も~、大丈夫だって言ってるのに~。ちょっと動けなくなったら、すこ~し慌てちゃったけど……」

 

 その言葉を聞いた瞬間、彼方の思考がセシリアの動画へと戻った。ブルーティアーズを従者のように操る、セシリアの姿へと。

 

「動けなくなる……?」

「……おがみん?」

 

 彼方の様子が変わったのを見て、本音が首を傾げる。

 

「布仏さん」

「な、なぁに、おがみん?」

「……ありがとう。活路を見いだせたよ」

 

 にやりとした笑みを浮かべた彼方を見て、本音はさらに首を傾げたのだった。

 

 * * *

 

 ついに試合当日になった。放課後に行われる試合には、彼方が思っていたよりも多くの観戦者が訪れた。実際に観戦を許されているのは一組だけのはずだが、他学年の者がちらほらと混ざっているような状態だった。

 

「さて……、一夏、オレが説明した作戦は覚えてる?」

「ああ、大丈夫だ。何度も説明されたからな。暗唱することだって出来るぜ」

 

 彼方と一夏はISスーツに着替えた状態でストレッチをしながら、そう話す。

現在二人がいるのは、アリーナのピットだ。ここでISを装備してアリーナへと出る。しかし、

 

「なあ、彼方」

「なに、一夏?」

「……結局、間に合わなかったな」

「……うん。スペック表でしか機体のこと確認できてないからね」

 

 はあ、と二人の口からため息が漏れ出る。

 交わした言葉の通りに、今日までにISで実機練習をすることは出来なかった。備品であるISを借りることは出来なかったため、試合までには届くと言われた専用機を待つ他なかったのだが、結局のところ専用機は届かなかった。

 

「とりあえず、試合までに届いてくれるといいなぁ」

「そうだね。オルコットさんも試験飛行は認めてくれてるらしいし」

 

 その姿を、箒と本音の二人が見守っていた。二人は付き添いとしてこのピットまで訪れていた。二人は制服のままであり、箒は少しの不安を、本音は少しの期待を込めた表情を浮かべている。

 

「……大丈夫なのだろうか」

 

 箒が呟く。それは未だに届かない二人の専用機に対する焦りだった。その呟きを拾った本音が、その不安を解消させるように箒へと語りかける。

 

「きっと大丈夫だよ~。多分そろそろ……」

 

 そう言っている途中、アリーナの自動ドアが開いて真耶が走り込んできた。

 

「ほら、来たよ~?」

 

 にこにことしたいつもの表情を浮かべる本音以外は、少し驚いたような顔で真耶を見つめる。

 

「織斑くん尾上くん! 届きました! やっと届きましたよ! 二人の専用機が!」

 

 ここまで走ってきたからか、荒い呼吸を繰り返す真耶だったが、その表情には苦しみ以外の感情が浮かんでいた。

 

「こちらに来てください!」

 

 今までに見たことのないような高いテンションで真耶が四人を案内する。案内された先には、千冬と、黒と白の鉄塊が二つ。

 

 ――これが。

 

 彼方の心中に、歓喜の波が押し寄せた。これこそが自分のIS。夢を諦めた自分に与えられた、夢を叶えるためのモノ。自由に空を飛ぶことの出来る翼。

 

 ――これが、オレの。

 

 ただ呆然と、鉄塊を見つめる。彼の視線は向かって正面、黒の機体へと向けられていた。一夏も同じように、待機状態のISを見つめている。彼が見つめるのは、白のそれだった。

 

「これがお前たちの専用機だ。白のISが、織斑の専用機。黒のISが尾上の専用機だ。名はそれぞれ、『白式』、『斑鳩』だ」

「白式……」

「斑鳩……」

 

 それぞれが、自身の相棒となるモノの名前を呟く。傍まで近づき、そっと表面装甲へと手を当てた。

 

 情報が、脳内へと、流れ込む。

 

 刹那、彼方の脳裏に二つの映像が流れ始めた。

 一つは、幼い頃の記憶。自らが空へと憧れた、父の操る『(イーグル)』の姿。

 そしてもう一つは、まだ自分が見たことのない、暗黒の空間。遠くに見える数多の光点。その暗闇の中に巨大な輝くモノがあった。

 それは――、

 

「……銀の、龍?」

「……おがみん?」

 

 機体に手を触れ、ぴたりと動きを止めた彼方に本音が声をかける。振り返ると、心配そうにこちらを見つめる本音がいた。

 

「大丈夫?」

「……えっ、ああ、うん。大丈夫」

 

 そう言いつつ、彼方の思考は先ほどの映像に占められていた。

 

 ――さっきのはなんだ? 片方はオレの小さい頃の記憶だったけど……。

 

 もう一つ、宇宙空間らしき場所の映像。彼方はそれに覚えはない。そして、あの巨大な何か。龍のようにも見えたが、ISが見せたのだと言うならば、あれは一体なんだったのか。

 思考に沈む彼方を掬い上げたのは、千冬の声だった。

 

「ぼさっとするな。オルコットからの提案で、試合前にアリーナで試験飛行をすることを許可している。とはいえ、時間を無駄にしていい訳ではない。さっさと搭乗しろ」

 

 千冬の言葉に慌てて展開したISへと乗り込む。装甲が閉まり、装着が完了した。

 

 【斑鳩 起動確認】

 

 網膜に直接ロゴが投影された。羽ばたく鳥のマークの上に、『斑鳩』とこの機体の名前が表示される。マークは一見、ウィングマークのようにも見えた。

 ハイパーセンサーによって強化された知覚能力によって周囲のことが手に取るように分かる。ピット内の機材のことも、周囲にいる人たちのことも、すぐ傍にいる白式のことも。

 

 【ISを確認。データリンクから情報を取得。名称『白式』】

 

 白式の情報が視界の端へと表示される。白式を対象としてIFF(敵味方識別装置)を使用し友軍指定をする。白式側も同じ操作をしたことで、その旨を通達するウィンドウが視界に表示される。

 

 改めて、彼方は斑鳩を装着した自分の姿を見下ろしてみる。黒を基調とした鋭角的なフォルム。肩部左右には大型の細長い盾のような形状をした、アンロックスラスターが浮いている。

 対する白式は鈍い灰色を基調として、随所に青が入っているカラーリングだった。両肩部にはアンロックスラスターが浮いており、斑鳩のそれよりも大型だった。

 

「斑鳩の武装に関しては、まだ開発が追いついていないこともあって十全ではない。既に完成している武装がインストールされている。表示してみろ」

 

 千冬の指示に従って、武装系が記されたウィンドウを開く。搭載されている武装は一種類。十五ミリ機関銃「雲雀(ヒバリ)」二門。それだけだった。

 

「……はい。確認しました」

 

 詳細なデータに目を通しながら、千冬へと返答する。黙々と確認作業をする彼方に対して、一夏は困ったような声を出した。

 

「織斑先生、俺の武装に関してなんですけど」

「なんだ」

 

 ようやく自然と織斑先生と言えるようになった一夏は、自分にだけ見える武装表示ウィンドウを指差した。

 

「俺の武装が、長刀一本しかないように見えるんですけど……」

「そうだが?」

「マジで……?」

「本当だ。あと、言葉に気をつけろ」

 

 まさか、と言いたげな表情ではあったが、そもそもお前は刀しか使わないのではなかったのかという箒の言葉を聞いて、それもそうだと頷いていた。それでもまだ納得出来なそうな表情ではあったが。

 

「準備が出来たらさっさとアリーナに出ろ。時間は限られているんだぞ」

 

 有無を言わせぬ態度で、二人を出撃ゲートへと移動させる。ゲートが開くのに合わせて、PICを起動させる。ふわりと浮かび上がる二人に、声がかけられた。

 

「おがみんっ」

「一夏!」

 

 本音と箒だ。本音はいつものように微笑みながら、箒は凛とした表情で。

 

『頑張れ!』

 

 二人は振り返り、彼方は小さく笑みを浮かべて、一夏は自身満々に。

 

『行ってくる!』

 

 アリーナへと飛びだった。

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