仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
イエロー・テンパランス戦。
仗助ばっか活躍します。
ミナミ達は、インドに向かうためのバスor列車の手配のため、ホテルを出ていた。
ジョセフとアヴドゥルは、いない。
「ミナミー。アイス食おうぜー。」
密航者だった少女がそう言ってミナミの手を引いた。
「いいね。」
「お嬢さん達~、アイスクリームもいいが、こいつは、美味いヨん。ひんやり冷えたヤシの実の果汁だ。どうだい?」
「4シンガポールもするじゃん、観光客用にぼってる値段かよ。2ドルなら飲んでやるぜ。」
「あのねー、ナチュラル・ピュア・テイスト100%なのよん。さっき木からとってきたばっかりの奴に…、こう! 穴を空けると…。ほ~~ら、こんなに綺麗な果汁がタップタプンなんだよぉ~~~ん。トロピカル! とっても甘むぁ~~くて、しかもさわやか~~~。果肉も美味しいよ、スプーンでどうぞ。」
「ごくりっ…。」
「おお~いかにも南国! 美味そうっすね、承太郎さんも花京院さんもいるっすか?」
「なんだ奢ってくれるのか?」
「も~! 俺ら金無いの知ってるっしょ!」
「冗談だ。」
「じゃあ、5ください。」
「へぃ! 20ドルっす。」
「おい、10ドルにしろ、10ドル!」
「観光地の相場なんて分からないよ~。」
「ミナミぃ、こういう観光地ってのは、観光客の金目当てでぼったくってくんだぜ? 覚えとけよ。」
「生活力あるね~。」
「えっへん。」
「威張る事じゃないぜ。」
承太郎が呆れてツッコミを入れた。
その時。
かっぱらいが花京院の財布を盗んだ。
すると、花京院は素早くハイエロファントグリーンを出し、かっぱらいを捕えた。
「てめー…、俺のサイフを盗めると思ったのかっ? このビチグソがぁ~~~!」
「えっ?」
なんか、様子がおかしい花京院が、かっぱらいの顔面に膝蹴り、そのあと、バックブリーカーをかけていた。
「おい、やめろ花京院。死んじまうぞ。血を吐いてる。」
「うわわわ!」
「仗助!」
「お、おう!」
「花京院さん!」
「花京院! やめろって言ってるのが、分からねぇのか!!」
止めないので承太郎が無理矢理に止めた。落とされた瀕死のかっぱらいを仗助が素早く治療した。
「……痛いなぁ…。なにも僕を突き飛ばすことは無いでしょう? こいつは僕のサイフを盗ろうとした、とっても悪い奴なんですよ。こらしめて当然でしょ。」
「……花京院さん?」
「そう思わないかい? “ミナミちゃん”。」
「えっ?」
「こいつは…、なんか変だぜ?」
話を振ってきた花京院から、仗助は庇うようにミナミの前に立った。
「おいおいおい、仗助く~ん? なにをそんなに警戒してるんだい? おかしいじゃないか? 僕は仲間だよ?」
「仗助…。」
ミナミは、仗助とヒソヒソと話し合った。
「姉ちゃん…、どうする?」
「もう少し様子を見よう。」
「ちょっとちょっとぉ? なにヒソヒソしてるのかな~?」
「いえいえ、なんでもないですよ。それより、承太郎さん、早く列車の手配をしに行きましょう。」
「…ああ。」
承太郎は、二人の様子を見ていて察したのか多くは言わなかった。
そして5人は、ケーブルカーの乗り場に来た。
「よお、承太郎。そのチェリー、食うのかい? 食わないのならくれよ。腹が空いてしょうがねーぜ。」
「ほらよ。」
「おおっと、危ない。」
次の瞬間、花京院の手が承太郎の背中を押して、ケーブルカーの乗り場から落ちそうになった。
「承太郎さん!」
「危なっ!!」
間一髪で仗助とミナミが掴んで引っ張り上げた。
「ハハハハ! 冗談だよ。じょーだん。」
すると、笑っている花京院が、レロレロと、器用に舌の上でチェリーを転がした。
やがてチェリーが下に落ちたが、それを拾い上げ、今度こそ口に入れた。
四人は、不気味なモノを見る目で花京院を見ていた。
「また! そんな顔して…、なに馬鹿面してるんだい? 冗談だって、言ってるでしょうが? あんた達、まさか、冗談も通じないコチコチのクソ石頭の持ち主ってこたぁないでしょうね~~~?」
「……もういいよね。」
「ああ、そうだな。いいっすよね? 承太郎さん?」
「…ああ。」
「?? ケーブルカーが来ましたよぉ? 早く乗りましょうよ?」
「テメーだけ乗りな。」
「はっ?」
「オラァ!」
「ドラァ!」
「ブバッ!?」
二人の拳が花京院にめり込む。すると花京院の顔と胴体の一部が裂けた。
「なっ!?」
「……ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ。な~んだ、気づいてやがったかぁ?」
「何者だ? てめぇ?」
「俺か? おれはなぁ、喰らった肉と同化して、一般の人間に見えるし触れる、スタンド。節制カード! イエロー・テンパランス!」
そして、花京院のグズグズになっていた顔が弾けるように溶けて、下から知らぬ男の顔が出た。
「そして、これが、俺の本体。ハンサム顔だ!」
「…どこがやねん。」
「おい、何言ってくれちゃってんのかな~? この小娘が! まあいいや、ほーれほれ、承太郎先輩、手を見なさぁい。君の手にも今、殴ったところに一部食らいついているぜ?」
「!」
「げっ! 承太郎さん!」
「仗助もだよ!」
見ると、承太郎と仗助の手にイエロー・テンパランスの肉片がくっついていた。
「言っておく! それに触ると…、左手の指にも食らいつくぜ? 左手の指は鼻でもほじっていな。ジワジワ食うスタンド! 食えば食うほど大きくなるんだ、絶対にとれん!」
「オラァ!!」
「なにがオラァだ! 消化するとき、その口の中に、テメーのクソを詰め込んでやろうか!」
「承太郎さん!!」
「行って、仗助! あなたならだいじょうぶ!」
「おう!」
ケーブルカーに引っ張り込まれた承太郎を追って、仗助も飛び乗った。
「ヒヒヒ…、ガキがもうひとり増えたところで…。」
「承太郎さん! 手を! ドラァ!」
「なに!?」
クレイジー・ダイヤモンドの手が承太郎の手と、仗助の手に食いついていたイエロー・テンパランスの肉片を消し去った。
「コイツが、元々は何か食わないと成長しないスタンドなら、“戻す”だけだぜ!」
「ば、馬鹿な…!」
イエロー・テンパランスの本体は、大いに焦った。
「存分にやりな、仗助。」
「はい! ドララララララララララララララララララララララララララ!!」
クレイジー・ダイヤモンドの両手から放たれるラッシュが、イエロー・テンパランスの肉の鎧を殴りまくった。
「う、うう、うわあああああああああああああああ!? 俺のスタンドが、消え…。」
「オラァ!!」
「ぶげぇええ!?」
肉の鎧が消え、半裸になったイエロー・テンパランスの本体を、承太郎が遠慮無くスタープラチナで殴った。
顔が変形し、ボタボタと血が垂れ、ヒーヒー泣いていた。
「げはぁ…、やめちくり~、もう戦えねぇよぉおお…、歯も折れた…、鼻が曲がっちまったぁ…、顎も針金入れて貰わねぇとぉ…。数ヶ月入院だよぉ~。」
「教えな、あと何人のスタンド使いが俺達を狙っている?」
「そ、それは…、言えねぇ、誇りが…プライドが…。」
「ほほ~? なら、遠慮無く…。」
「思い出した~! 『死神』、『女帝』、『吊られた男』、『皇帝』の四人が、いるよ~!」
「で? 能力は?」
「し、知らねぇ…、これは本当に知らねぇ! スタンド使いは、自分のスタンドをやすやすとは見せねぇんだ…。スタンドを見せるってことは、弱点を晒すのとおんなじだからよぉ…。た、ただ…。」
「ただ?」
「DIOにスタンドを教えた魔女がいる。その息子が、四人の中にいる…。名前は、J・ガイル! 目印は、両手とも右手の男! カードの暗示は、『吊られた男』……。ポルナレフの妹の仇なんだろ? そいつの能力は少しだけ、噂で聞いたぜ…。鏡だ…。鏡を使うらしい。実際見てねーが、ポルナレフは勝てねーだろう。死ぬぜ…?」
「ポルナレフさんの仇? 教えないといけないっすね。」
「ああ。」
「……いまだ!」
「!」
「ドラァ!」
「あっ!!」
「ったくよ~。さっきの今で頭がいかれちまったか~? 俺の能力の前じゃ、あんたの肉は、無意味なんすよ。」
「ち、ちくしょう! 不意を打ったってのに…。えっ? あ…あの……。」
すると承太郎が、スタープラチナを背中に浮かせて近づいた。
「仗助がこうは見えても死線をくぐり抜けてきた経験者だったことが不幸だったな。」
「もしかして…、これ以上…殴るですか~? 歯が折れちまってるよ? 鼻も…顎も…病院行かなきゃ…、ハハ…ハハハハハ…。」
「てめーにゃ…呆れて…もう、何も言えねぇぜ。」
そして、凄まじい連撃がトドメだとばかりに、イエロー・テンパランスの本体を襲い、今度こそ再起不能になったのだった。
そして、イエロー・テンパランスの本体を倒した後、無事に列車の手配が終わり、列車に乗ってインドへと向かった。
あの後、本物の花京院とも合流できた。
「ところで、あの女の子はどうした?」
「列車の出発間際までシンガポール駅にいたんだがな。」
「きっとお父さんに会えたんだね。」
「あのガキ…、どうも嘘くせーんだよな。ただの浮浪児だぜ、ありゃあ。ま、いないと、ちょいと寂しい気もするが…、なあ、承太郎。」
「しかし、シンガポールでのスタンドだが。まったく、嫌な気分だ。僕そのものに化けるスタンドだなんて……。」
「ホテルを出るときから、もうすでに変身していたらしい。」
「でも、俺らすぐ別人だって分かったもんね~、姉ちゃん。」
「うん。」
「それより、仗助…。」
「なんすか?」
「なんでケーブルカーに乗った? お前の能力があったから切り抜けられたが、下手したらお前まで…。」
「いやぁ…なんていうか、体が勝手にっすよ。へへへ…。」
「あのスタンドは、承太郎さんのスタンドと恐ろしく相性が悪いみたいだったし、仗助を行かせた方がいいと思ったんです。」
「ま、結果良ければすべて良しっすよ!」
「………チッ。」
「あ、承太郎。がっつくようだが、僕、チェリーが大好きでね。もらっていいかい?」
「ん? ああ。」
「ありがとう。」
そうお礼を言った後、花京院は、器用に舌の上で、チェリーを転がしだした。
その姿は…。
「あいつ…しっかり観察してたんだね。」
「……グレート…。」
「?」
知らぬは花京院だけである。
そろそろ、ブルー・ブルー・ローズを出したい……。
仗助の能力でなら、イエロー・テンパランスのような増殖するタイプのスタンドは、最悪の相性でしょうからね、相手にとっては。
7人目のスタンド使いでも、その描写はあって、イエロー・テンパランス戦後に、発揮。
しかし…、花京院…、チェリー好きなのはいいが、ねえ……。