仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ   作:蜜柑ブタ

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勢い大事。


今回は、ホイール・オブ・フォーチュン戦。


アクション性の高い文を目指してみた。


原作とは展開が違います。一部、7人目のスタンド使いも参照。


運命の暗示

 

 インドで、大型のランドクルーザーを買い、少し険しい整備されていない道を進む。

 運転手は、ポルナレフ。

 ガタガタ道に、早くも…。

「ぅ、っ、ぷ…。」

「吐きそう?」

「だ、だいじょうぶです…。」

「軟弱な伯母だぜ。」

「仕方ねぇっすよ、姉ちゃん昔っから車酔い酷いっすから。」

「ほれ、エチケット袋じゃ。吐きたかったらすぐ言いなさい。」

「ごめんなさい…。」

 ミナミは、しょんぼりした。

 車を走らせながら、インドをこれから離れると思い、インドについての感想をつい口にしていた。

 そんな中、ポルナレフは…。

「俺は、もう一度インドへ戻ってくるぜ。……アヴドゥルの墓をきちっと作りにな。」

 

 ホントは……、生きてます。とは、絶対に言えない。

 

 そんな空気だったが、ポルナレフには、アヴドゥルを黙祷する空気だと思ったらしい。

 そんな重たい空気の中、やがて、前方にちょっとボロッとした古い車が走っているところまで来た。

 ここから山道も狭くなるのでっということで、ポルナレフが荒っぽい運転で強引に車の前に出た。その際に、小石が飛び、ボロ車に当たった。

 それについてトラブルを避けろとジョセフが咎めた。

 そうしてさらに道を進んでいくと……。

「うおおおおーーー!」

 急ブレーキ。

「いたたたた…。」

「どうした、ポルナレフ!?」

「事故は困るんじゃぞ!」

「ち、違うぜ…。み、…見ろよ! あそこに立ってやがる! し…信じられねぇ!」

「えっ? あっ…。」

「やれやれだぜ…。」

 外を見ると、そこには、あの密航者だった少女が帽子で髪の毛を隠した状態でヒッチハイクするように親指を立てて立っていた。

 どうやら向こうもこちらに気づいたらしく、笑顔になって帽子を外した。

「よっ! また会っちゃったね! 乗っけってってくれよーーー!」

「あっ…、シンガポールで別れたはずの…。」

「こりゃ、勝手に乗るな! 定員オーバーじゃぞ!」

「ミナミー、膝に乗せてくれよ。うわ、おっぱいデカいから狭っ。」

「狭い狭い狭い!」

「お前! シンガポールでお父さんに会うんじゃなかったのかよぉ!?」

「違うよ~ん。あたしゃただの家出少女よ。」

「ダメじゃ! 降りなさい!」

「しかし、よくひとりで…。なんて生活力のある子だ…。」

「ただのかっぱらいだぜ。きっと。スタンド使いじゃないだろうな? かっぱらいのスタンドかよ?」

「お願いだよぉ~。連れてってくれよぉ~~。」

「ダメじゃ、ダメじゃダメじゃ!」

「だから、狭いって!」

「やかましい! うっとおしいぜ、お前ら!」

 承太郎の怒声に、シーンとなった。

「国境までだ。そこで飛行機代渡して、その子の国まで乗せていけばいいだろう。香港だったか。」

 っというわけで、ただでさえ狭い車の中にこの家出少女を乗せていくことになったのだった。

 

 

 車は、インドの国境に向けて走り続ける。

 その間、女の子はぺちゃくちゃ喋る喋る。

「だって、あたし女の子よ? もう少したてばブラジャーだってするしさ。男の子のために爪だって磨いてるしさ、そんな年頃になって世界を放浪するなんて、みっともないでしょう? 今しか! 家でして世界中を見て回るのは!」

「……狭い。息苦しい…。」

「姉ちゃん、吐きそう?」

「なーんだよ、ミナミぃ、見かけによらず車酔いかよ? おっぱいでかいのによえぇわねぇ。」

「誰のせいで悪化してると思ってんだよ、こら!」

「ほら、袋なんて面倒だから、窓開けてゲーーって吐いちゃいなって。」

「……まだ、だいじょうぶ…。っう…。」

「ミナミ、寝とけばだいぶマシじゃから、寝ときなさい。」

「時差ボケが…、ここで功を奏した…。」

 やがてミナミは、青い顔で眠った。

「寝ゲロしなきゃいいがな…。ん?」

 するとポルナレフがミラーに映った車の存在に気づいた。

 その車は、あのボロ車だった。

 狭い山道で、スピードを上げてくるため、自然とこちらもスピードを上げざる終えなくなる。

「ポルナレフ、急いでおるようじゃから、片側によってやれ。」

「ああ…。」

 そう言ってポルナレフは、窓を開け、前へ行けと指で示した。

 そして、後ろのボロ車が前へ出る。だが……。

 片側を走り抜けたボロ車が、こちらの前へ回ってきて、トロトロとスピードを落としてきた。

「おいおい。どういうつもりだ? またトロトロ走り始めたぜ?」

「ポルナレフ。さっき君が荒っぽい運転やったから、怒ったんじゃないですか?」

「……運転してる奴の顔は見たか?」

「いや、窓が埃まみれで見えなかったぜ。」

 

『ギャヒィ!?』

 

「!」

 すると突如、ランドクルーザーのラジオから男の悲鳴が聞こえ、直後、前をトロトロ走っていた車が横へと逸れていき、山道の岩へぶつかった。

 そして、ランドクルーザーが通り過ぎる直後、窓を突き破って、ブルー・ブルー・ローズの鮮血色の根っこが飛び出してきた。

「うっ! ミナミのスタンドが!」

「さっきの聞いたっすか!? ラジオから男の悲鳴みたいな声が聞こえたっす!」

「ラジオは、オフになってる…。まさか、スタンド使いだった…のか?」

「…う~ん……。」

「…うなされてるな。完全に無意識じゃな。」

「どうする? 一応確認しておくか? 追っ手だったのかどうか。」

「いや…、放っておこうぜ。あの様子じゃ、もう追ってこれ…、っ!?」

 すると、岩壁にめり込んでいた車が高速で抜け、そしてギュルンッと向きを変えて、すごい速度でこちらを追ってきた。

「ば、馬鹿な!? 無傷だと!?」

「やはり、追っ手か。船の次は、車のスタンドか…。」

「お、追って来るよ!」

「うるせぇ! 分かってる!」

 

『よ~くもやってくれたな~!! てめぇら、全員ぶち殺すぜ~~!!』

 

 ラジオから男の声が勝手に流れてきた。

『この…、運命の暗示…、ホイール・オブ・フォーチュンがな!!』

「見ろ! 車が変形するぞ!」

 ボロ車だった車がメチャクチャに変形し、まるで怪物のようになった。

「スピード上げろ! ポルナレフ! もう真後ろだ!」

「ちくしょう! この狭っ苦しい山道でスピード勝負かよ!」

『ギャハハハハ! 喰らえ!!』

 一瞬光ったホイール・オブ・フォーチュンが何かを放ってきたため、後ろの窓ガラスが割れた。

「や、やべぇ! 完全にアイツの独断場っすよ!」

『ほ~らほら、前見ろ、前。』

「っ! が、崖!? まずい!」

 山道の途中がガードレールもない崖に面した曲がり角にさしかかり、ポルナレフは必死のハンドルさばきで曲がろうとしたが、片輪が落ちた。そこへ、ホイール・オブ・フォーチュンが体当たりをかけてきた。

「しまっ…!」

「キャアアアアア!!」

 そしてランドクルーザーが全員を乗せた状態で突き落とされた。

「ハイエロファントグリーン!!」

「待て、花京院! お前のハイエロファントグリーンでは、車の重みには…。」

「いいえ、ジョースターさん。僕はそれぐらい分かってますよ。」

 

 ガチンッ

 

「おお! ワイヤーウィンチか!」

『ゲゲっ!?』

「フン! 花京院、やるな。ところで、お前。相撲は好きか?」

 すると承太郎が、ワイヤーウィンチを掴み、思いっきり引っ張った。踏ん張っているホイール・オブ・フォーチュンのパワーが勝り、そしてスタープラチナのパワーにより、ランドクルーザーが持ち上がる。

 そして。

「特に土俵際の駆け引きは……、手に汗握るよなぁ!!」

 スタープラチナは、ランドクルーザーが上がると同時に、入れ替えるようにホイール・オブ・フォーチュンを殴り飛ばし、逆に崖へと落とした。ついでにワイヤーウィンチも外しておく。でないと一緒に落ちてしまうからだ。

『ギャオオオ!?』

「ええ、相撲、大好きですよ。だけど、承太郎。相撲じゃあ拳で殴るのは反則ですね。」

「ふっ。」

「う~~ん…。」

「……ミナミ、よく寝られるな。こんな状況だってのに…。」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ

 

「なんか? 音がしませんか?」

「地鳴り?」

「ま、まさか…。」

「ぜ、全員…! 車から降りろーーー!!」

「仗助! ミナミを引っ張り出せ!」

「はいっす!」

 他の者達が飛び出て、仗助が寝ているミナミを引っ張りだした直後、全員が乗っていたランドクルーザーが下から地面と岩を掘ってきたホイール・オブ・フォーチュンによって、飛ばされた。

『ば~か~め~! 勝った気でいるんじゃえねぇよ!! な~にが、相撲だ、こらぁ!!』

「やれやれ…、土俵外から這い上がってくるのも反則だぜ。」

『喰らえや!!』

 するとホイール・オブ・フォーチュンが、また光って何かを発射した。

「ガフッ!」

「承太郎さん!」

「な、なんだ、さっきもやられたが、見えねぇ…。何を発射しやがった?」

「また来るぞ!」

 再び光ったホイール・オブ・フォーチュンの攻撃から、ジョセフ達が承太郎を庇い、攻撃を受けた。

「ジョセフさん! 花京院さん! ポルナレフさん!」

 仗助は、寝ている…というより、意識がないミナミを守るので手一杯だった。

「ぐっ…、浅いが、抉れてるぜ…。」

「針とかガラスとかじゃない…。何を飛ばしたんだ?」

「ん……。」

「…姉ちゃん?」

「うぅうう…!」

 ミナミが目をつむった状態で酷くうなされ出す。

 その時。

『ギャアアアア!? ま、またぁ!?』

 ホイール・オブ・フォーチュンの両窓から、ブルー・ブルー・ローズの根っこが突き破って出てきた。おそらく中は、根っこで覆われているだろう。

 窓からポロポロと、青いバラの花がこぼれるように落ちていく。

「てめぇの寿命が全部食い尽くされるか、俺達を潰すか、どっちが早えかな?」

『ち、ちくしょおおおおおおおおおおお!! せ、…せめて、道連れにしてやるぜ!! 電気系統のスパーク!!』

「はっ! まさか…。」

「が、ガソリンか!」

『燃えちまえ!!』

「グレート…。種が分かれば、簡単だぜぇ!! クレイジー・ダイヤモンド!!」

 火がついた直後、仗助がクレイジー・ダイヤモンドを使った。

 その瞬間、承太郎達の体に着火していたガソリンがすべて、ホイール・オブ・フォーチュンに戻っていく。火を付けた状態で……。

「ガソリンってのは、どこに戻るか分かってるよなぁ? 車のスタンドなんだしよぉ?」

『なっ! あぁ!! し、しまっ…、ギャアアアアアアアアアアア!!』

 ガソリンタンクに火のついたガソリンが入り込み、ホイール・オブ・フォーチュンは、爆発した。

 ブスブスと燃えていく、ホイール・オブ・フォーチュンが、徐々に形を変え、火が消える。

 そして、腕ばかりがモリモリに盛り上がったへんてこりんな男が転がり出てきた。そして、車の方は、小さめの車になってしまった。

 スケールこそ違うが、こちらも物質同化型のスタンドで、力の暗示のスタンド使いだったオラウータンと同じタイプだったらしい。

「ひ、ヒィイイ…!! た、助けて…、降参だぁ! 俺は金で雇われただけんだよぉ~~!!」

「どうするんじゃ?」

「決まってるだろ?」

 

 そして……。

 

「ウグググ!?」

 

「えーと、なになに? 『私は修行僧です。神聖なる荒行を邪魔しないでください。』?」

 やっとこさ起きたミナミが岩に仰向けで縛り付けられた、猿ぐつわまでされたホイール・オブ・フォーチュンの本体の前に作られた看板を読む。

「ま、もうコイツが襲ってくることはないだろうが…念のためパスポートをいたいておけば、しばらくはインドから出ることは出来まい。」

「うひゃ~…、容赦ねぇ~…。おっかねぇ~。」

 仗助は、承太郎達の容赦のなさに戦慄した。

「エウフ(HELP)! エウフ(HELP)!!」

「…ごめんなさいね。」

 ミナミは、哀れみの目を、助けを求めているホイール・オブ・フォーチュンの本体に向けた。

「ところで、それと、おめーは、飛行機で香港に帰すからな。」

「ええ! やだやだ! 一緒に行きた~~い!」

 家出少女は、駄々をこねた。

「やかましい! 足手纏いになってるのが分からないのかぁ! 飛行機代めぐんでもらえるだけありがたく思えよ!!」

「まったく…、あんな目に遭ったってのに、しつこいな…。」

「逆にあんな体験したからこそ、子供の冒険心に火がついちゃったんじゃない?」

「じゃあ、ミナミはいいのかよ~!」

「ミナミは、おめーと違って強ぇんだよ。」

「そうそう、俺らの故郷の町じゃ、同年代から喧嘩王って呼ばれてんだぜ! イデッ!?」

「余計なこと言わない。」

「……な、納得…。」

 

 っという、わけで、国境の飛行機場まで元ホイール・オブ・フォーチュンだった車を走らせ、女の子を無理矢理飛行機に乗せて香港に帰しておいた。

 

 

 

 

 




カーアクション的な戦いを書きたかった。

けど難しいですね…。ジョジョのアクションを文章にするのは……。

それにしても原作読み返せば読み返すほど、承太郎達の敵への容赦のなさが分かる……。


なお、ミナミは、起きなかったんじゃなく、起きれなかったんです。ブルー・ブルー・ローズに意識を少し浸食されて。
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