仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ   作:蜜柑ブタ

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正義のカード編。


嘔吐表現有り。注意。


正義の暗示 その1

 

 国境で再びランドクルーザーを買い、舗装されていない道をずっと進む。

「うっぷ…。」

「はい、姉ちゃん、エチケット袋。吐きたかったら言えよ。」

「霧が濃くなってきたな。気をつけて運転してくれよ、ポルナレフ。」

 

 

 イ ク ナ

 

 

「っ…。」

「無理して我慢すんなよ?」

「違う……。」

「なんかやべぇのか?」

「どうしてだい?」

「……姉ちゃん…、時々、ブルー・ブルー・ローズから幻聴みたいな声を聞くって…。」

「げんちょう?」

「たぶん…、警告だと思う。あのオラウータンのタンカーの時だって、イクナ…って言われたし。」

「けどよぉ、敵が待ってるとしても、この先に進むっきゃないんだぜ?」

 

 

 イ ク ナ  イ ク ナ  イ ク ナ  イクナ イクナ イクナ イクナ イクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナイクナ

 

 

「あああああああああああああ!!」

「姉ちゃん!」

「オラァ!」

「うぐっ!」

「承太郎さん!?」

「とりあえず気絶させとく。やかましいからな。」

「だからって!」

「敵が来たらぶっ飛ばせばいい。それだけだ。」

「だが、しかし…、ミナミがあそこまで取り乱すほどの警告を発するほどの敵がいるということは間違いないじゃろう…。用心に超したことはないが…。」

 

 

『イクナ…。』

 

 

「はっ?」

『イクナアアアアアアアア!!』

 気絶していたミナミが突如目を覚まし、運転しているポルナレフに後ろから掴みかかった。

「うわわわ!? ちょっ、離せ!」

「ミナミ!?」

「姉ちゃん…じゃねぇ…、ブルー・ブルー・ローズか!?」

「取り押さえろ!」

「は、はい!」

 ブルー・ブルー・ローズに意識を持って行かれたミナミを、スタープラチナと、クレイジー・ダイヤモンドと、ハイエロファントグリーンが三人がかりで押さえつけた。

「ゲホゲホ! あっぶねぇ…。」

 首を絞められたためポルナレフは、首をさすって必死に息をした。

『……キリ……。』

「あっ? なんだって?」

『霧が……。生キテ…イル…。』

「霧? 生きている?」

『……。』

 そしてミナミを乗っ取っていたブルー・ブルー・ローズは、目を閉じた。

「……霧に注意しろってことか。」

「もしくは…、霧を操るスタンド…って可能性もあるかもっすね?」

「……いずれにしても、用心しましょう。」

 ランドクルーザーは、霧がどんどん深くなる道を進んでいった。

 そして、地図上にない町にたどり着く。

 人の往来はあるが、酷く、不自然に静かで、そして霧が深かった。

「不気味っすね…。」

「うむ…、じゃが、なかなか綺麗な町じゃないか。ミナミのこともあるし、早めにホテルを探そう。」

「なんつーか。霧が不気味っすね。」

「ああ…。」

 仗助と承太郎は、霧を警戒していた。

 ジョセフが、近くのレストランの人間にホテルの場所を聞こうとすると、無表情の相手は突然オープンの看板を、クローズに変えて奥に去ってしまった。

「な、なんじゃ?」

「あんたの発音が悪かったんじゃねぇっすか? あそこにいる人に聞こうぜ。」

 そう言ってポルナレフが、近くの柱に腰掛けている男に話しかけた。

 ところが……。

 

 男は壮絶な顔で死んでいた。

 

 しかも口からゴキブリや、トカゲが這い出てきた。

「うげげ! なんじゃこりゃあ!?」

「見ろ…。拳銃を握っている…。」

 拳銃の銃口からは、わずかに煙が出ていた。つまりつい短時間の間に発砲したという証拠である。

 出血した箇所はないし、直接の死因になりそうな怪我もない。だが、顔はあまりの恐怖で歪みきっている。

 だが…それに負けず不気味なのは、この町であった。

 こんな往来で人が死んでいるというのに、誰も興味を示していないのだ。

 花京院が人が死んでいるから警察を呼んでくれと近くにいる人に頼むも、気味の悪いでき物だらけの女は、顔をポリポリと掻きながら、とぼけたように…(?)仕方なしな様子で警察を呼びに行った。

「どうする? じじい。なぜ、死んでいるのか…、死因をハッキリ知りたいぜ。まさか新手のスタンド使いじゃあねーだろーな。」

「ううむ…、考えられん…。動機がない。追っ手が無関係な男を、わしらが来るよりも早く殺す理由はなんじゃ? 殺したならいったいなぜじゃ?」

「警察が来る前に、なるべく触らないように調べれるだけ調べようぜ。万が一ってこともある。」

「マジっすか?」

「お前は触るな。下手に傷が治っちまうと分からなくなるからよぉ。」

「常時、力を出してるわけじゃないっすよ。それよりか…。」

「なんだ?」

「霧が…、ドクロみたいな形になってないっすか?」

 そう言って仗助は、空を指差した。

 全員が空を見上げる。たしかに、ぼんやりとだが、ドクロのように見えなくもない。

「き…気のせいじゃねぇか? ミナミの警告があったからって、気にしすぎだぜ。」

「う…ぅうう…。」

「ミナミ?」

「…う…、ハッ! う、ゲエエエエ!!」

「姉ちゃん。」

 ハッと目を覚ました、ミナミが盛大にその場で吐いた。

 仗助は慌てて、ミナミの背中を摩った。

「姉ちゃん…、吐くだけ吐いちまおうぜ。その方がスッキリする。」

「……も…、大丈夫…。……酷い夢見た…。」

「どんな?」

「霧が…、みんなを殺す夢……、残酷に…。」

「どう…殺された?」

 承太郎が聞いた。

「……あ…、穴だらけになって。」

「……あんな感じか?」

「!?」

 承太郎が示した先には、先ほど見つけた死んでいた男の服を少しはだけさせた状態だった。その服の下は、まるでチーズのように穴だらけでありながら、出血していなかった。

「あ、ああ…、うっ…!」

「ミナミ、見るな!」

 花京院が視界を覆って隠そうとする。

「…ゆ…、夢の通りだ…、あんな感じでした…。」

 ハアハアっと、もう吐ける物も無く、胃液を吐いたミナミが、弱い声で答えた。

「これはもう、追っ手で間違いないじゃろう! みんな車に乗るんじゃ!」

 するとジョセフが、なぜか車と反対の方向、しかも尖った塀のある方へ飛び移ろうとした。

「あ、危ねぇ!」

 間一髪で刺さらずすんだ。

「どうしたんだよ? こんな時についにボケちまったのか?」

「ち、違っ…、どういうことじゃ?」

 どうやら車の幻を見たらしい。

 すると、そこへ、ダボダボの服を引きずりながら、杖をついた老婆が近づいてきた。

「旅の御方…、この霧ですのじゃ。もう町を出るのは危険ですぞ?」

「おお! やっとまともな人間に出会えたぜ!」

「わたしゃ、民宿をやっておりますが…、今夜はよかったら、わたしの宿にお泊まりなさいませんかのぉ? お安くしておきますよって。」

「ぅぅう…。」

「早いとこ休ませた方が良い。それ以上吐けねぇだろ?」

「違う…。」

「はっ?」

「?」

「……も…、無理…。」

「姉ちゃーん!」

 ガクッとミナミが倒れたので、仗助が支えた。

「おやおや! これは大変ですじゃ。早くベッドに連れてって差し上げなければ。」

「ああ…、案内を頼むぜ。」

「では、“ジョースターさん”、こちらへ。」

「……待ちな。婆さん。今、ジョースターって言ったか? なぜ、その名を知っている?」

「! い、いやですのう…、そちらの方が先ほど呼んでいらっしゃいましたぞ?」

「へ? 俺? 呼んだような…、気はするか?」

「言いましたよ~。長年客商売をしておりますと、他人様の名前はパッと覚えてしまうんですからねぇ。確かですよ~~~。」

「おかみさんよ、ところで、左手はどうしたんだい?」

「ああ、これは、火傷ですかのぉ…。うっかり湯をこぼしてしまって、ヒャヒャヒャ…。」

 

 

 ミギ テ

 

 

「? 今何か言いましたかのう?」

「いや?」

 ポルナレフは、キョトンとした。

 花京院は黙っていて、そしてジョセフは、ハテナっという顔をしていた。

 しかし、仗助と承太郎は……。

「……導きか…。」

「………今まで、外したことはないっす…。」

 そう小声で話す目線の先には、老婆がついている長い杖の先端に生えた、ブルー・ブルー・ローズの赤い根っこだった……。

 

 

 

 




バレバレ。

実は、この時点で勝負を付ける展開も考えましたが、伸ばしました。


続けて投稿します。
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