仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ   作:蜜柑ブタ

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恋人のカード編。


ターゲットにされたのは、ジョセフではなく……?


恋人の暗示 その1

 

 

 意識を失い、怪我だけは治療された状態のエンヤの処遇について……。

「この人…、どうするんです?」

「DIOにスタンドを教えたということは、DIOのスタンドの秘密を間違いなく知っておるじゃろう。じゃから、情報を引き出す。」

「拷問すんのか~?」

「いいや。わしの、このハーミットパープルで読み取るんじゃ。テレビがあれば、記憶を映し出せるわい。」

「でも、ここテレビないっすよ。」

「しかし…、まさか荒野のど真ん中に幻の町を作り出すとは…。とてつもない精神力だ。」

 そう、今承太郎達がいる場所は、廃墟というにはあまりにも風化した墓場。唯一、民宿としていた建物だけが辛うじてあるだけの周囲は骨や棺桶、石ころや砂ばかりの場所だった。

「あれ? ホル・ホースは?」

「あっ!」

 っという間に、ホル・ホースが車に乗って猛スピードで去って行ってしまった。

 去り際に。

「ひとつ忠告しておく! その婆さんはすぐに殺しておいた方が良いぜ! さもないと婆さんを通して、DIOの恐ろしさを改めて思い知るぜきっと! じゃあーなー!!」

 と、言い残していった。

 車を奪われた一行は、歩いて移動し、途中で馬車を借りてカラチについた。もちろんエンヤも運んでいる。

 途中で、腹ごしらえということで、ドネル・ケバブを買うのだが、ここでジョセフが不動産王のくせにみみっちく値切りをしていた。

「金に汚いのって、誰に似たんだろうね~?」

「うぐ…。」

「別にカモのは悪じゃないさ。こういうところでは、カモられる方が悪いんだよ。」

「ふ~ん。」

「おい、金に汚いって、おまえどういうことだ、仗助?」

「いえいえ、ちょっと…色々と…。」

「お~い、買ってきたぞ。」

「いくらになったの?」

「500じゃ。もとの値段は、千円じゃ。」

「へ~、やるじゃん。じじい。どうやって値切ったのか今度教えてくれよ。」

「ダメじゃダメじゃ。お前みたいにケツの青いガキにはまだまだできん。」

「あれ? 後から来たお客さん、1個30で買ってるよ?」

「……。」

「ふっ、カモられたな、じじい。」

「笑うな!」

 ジョセフがぷんすか怒り、他のみんなで笑った。

 その時だった。

 エンヤが目を覚ましていた。

 しかし様子がおかしい。

 ガタガタと震え上がり、ダラダラと汗をかいている。

「なぜじゃ…?」

「?」

「なぜ貴様がわしの前に現れる~!? このエンヤがDIO様の秘密を喋るとでも思ったのか!?」

「!?」

 その時、先ほどケバブを買った店の店主が、バッと衣装を取り、スマートな小洒落た感じの男になった。

 すると…。

「あっ…、あ…、アババババアアアアアア!?」

「うわあ!?」

「なんじゃこれは!?」

 エンヤの顔を内側から突き破った触手のような物体がエンヤの顔をグシャグシャにしていった。

「な…にゃぜ…貴様が…わしを…、殺しに来る……!?」

「DIO様は決して何者にも心を許していないということだ。口封じさせていただきます。そして、そこの6人。……お命ちょうだいいたします。」

「ぎぎぎぎぎっぎ!?」

「婆さん! シルバー・チャリオッツ!!」

 シルバー・チャリオッツの剣が触手を切り刻んだ。すると切り刻まれた触手が太陽に当たって消滅した。

「こ、これは、肉の芽か!」

「そんあ…はずが…、DIO様が…わしに、肉の芽を植える…はずが……。」

「ふふふ、私の恋人の暗示…、ラバーズが肉の芽を育てたのですよ。」

「……あぎ…。」

「婆さん! 話すんじゃーーー!! お前さんはDIOに裏切られたんじゃ! DIOのスタンドの秘密を話せ! 話すんじゃ!」

「今、治す!」

「やらせると思ってるのか? おい、フンっ!」

 するとラバーズの本体が突然自分の腕を建物の壁に肘をぶつけた。

「イデェ!」

「仗助!?」

「な、なんだ? 腕が…?」

「ふふふ、戦いはすでに始まっているのですよ。この鋼入り(ステイーリー)のダンとのね。」

「DI…O…さ、ま…は…、わしを…しんらい…し、て……い、る…言えるか。」

 そして大量の血を流し、エンヤは事切れた。

「オウ…GOD!」

 ジョセフは、エンヤのあまりに凄惨な最後に顔を歪めた。

「仗助…お前…。」

「わ、分かんねぇっす…、勝手に腕が痛んで…。すみません!」

「…あの野郎の術中にハマっちまってるんだ…。せめて、直してやれ。」

「はいっす…。」

 仗助は、痛む腕を推して、クレイジー・ダイヤモンドでグチャグチャになっていたエンヤの体だけでも治して綺麗にした。

「やはり、思った通り、そっちのハンバーグ頭くんが一番の脅威と見た。」

「あっ。」

「ああん? てめぇ、俺の頭がなんだって!?」

「待って仗助!! だめぇ!」

「ホレホレ、怒ったかい? 一発殴ってみな。」

 そう言ってダンが前に出てきた。そして射程圏内に入った瞬間、仗助のクレイジー・ダイヤモンドの拳が胴体にめり込んだ。

 すると。

「グハッ!?」

 ダンが飛ぶと同時に、仗助が反対方向、つまり後ろへ吹っ飛んだ。

「な!? なんだとぉ!?」

「うぐぐぐ…、ど、どうなって…。ゲホッ…。」

「仗助! まさか奴のスタンドか!?」

 倒れた仗助以外の面々が周りを見回しスタンドを探した。

「ば、馬鹿か。探しても私のスタンドは見つけられんよ。おい、そこの小僧。駄賃をやるから、そのホウキで私の足を殴れ。」

「??」

「ハッ! まさか!」

 そして、子供がホウキでダンの足のスネを殴った。

 すると、同じ箇所のダメージが仗助に行き、仗助は声を上げた。

「い、いてぇ…。どうなって…、お、同じとこに、痛みが…?」

「ふふふ…、危うくお前は、自分で自分を殺すところだったのさ。直るからと、体を貫いていたら、体に穴が空いていたぞ? 私のスタンドは、体内に入り込むスタンド。さっきエンヤが死ぬ間際に、お前の耳から脳の中に盛り込んだのさ!」

「なに~~~!?」

「スタンドとは、本体と一心同体! スタンドが傷つけば本体も傷つく。だが逆もしかり。この私を少しでも傷つければ、同時に脳内にいる私のスタンドの痛みや苦しみが、仗助! おまえに全て行くことになる! 同じ場所を数倍にしてな! すなわち、貴様らはこの私に指1本触れることはできぬ!」

 さらにっと、ダンは、付け足す。

「しかもラバーズは、肉の芽をもって入った! 脳内で育てているぞ! エンヤのように内面から食い破られて死ぬのだ! 聞くところによると、死ななければいかなる傷も完治できるが、自分の傷は治せないそうだな? ふふふ、これほど私のスタンドと相性が悪い? いや、相性の良い相手もいないな。ハハハハ!」

「そんな!」

 ミナミ達は、戦慄した。

「えい!」

「ぎゃっ!」

「……いつ、2回殴れと言った?」

 ダンは、子供を殴り飛ばした。

「まっ、ハッキリ言って、私のスタンド、ラバーズは、力が弱い。髪の毛1本も動かす力さえない。史上最弱のスタンドさ。だがね……、人間を殺すのに力なんぞいらないのだよ。分かるかね諸君! もし、この私が交通事故に遭ったり、偶然にも野球のボールがぶつかって来たり…、つまずいて転んだりしても、仗助、お前の身には何倍ものダメージとなって降りかかっていくのだ。」

「…ち、ちくしょう……!」

「そして、10分後には、脳を食い破られ、エンヤのようになって死ぬ。」

「よくも!!」

「落ち着け、ミナミ!」

「よくも、仗助に…!!」

「うぐ…。」

「ググググ!」

「待て! 首を締めるな! 仗助にダメージが!」

「ハッ!」

「…ふん。暴力的な女だ。良いところは、胸だけか?」

「くっ…うう!」

 ミナミは、悔しさに俯き唇を噛んだ。

「よくも首を締めてくれたね~? ほら、お返しだ。」

 ダンは、パンッ!とミナミの頬を叩いた。

「姉ちゃん!」

「っ…。」

「てめぇ…。」

「おっと、先ほども言いましたし、見ましたよね? 私に何かあれば、仗助がどうなるかを。」

「…チッ!」

「あまり…なめた態度を取るなよ?」

「ほ~? じゃあ、どうするのかね?」

「…そ、そうじゃ! ここは首都!」

 すると、ジョセフが花京院とポルナレフに耳打ちした。聞いた二人は頷いて、倒れている仗助を立たせようとした。

「仗助、立てるかい?」

「は、はい…。どうするんですか?」

「ジョースターさんに良い考えがあるらしいぜ。」

「承太郎! ミナミ、すまんが、ソイツを仗助に近づけるな! そいつからできるだけ遠くへ離れろ!」

 ジョセフ達は、仗助を支えながら走って行った。

 それを見ていたダンは、なるほど?っと呟いた。

「遠くへ行けばスタンドへの力が消えてしまうと考えてのことか…。だがな、物事というのは、短所が、すなわち長所となる。」

 ダンは、語る。

 自分のスタンドは、力が弱すぎる分、何キロ先までも遠隔操作ができると。

「おい、ミナミ~? 承太郎~? お前達に話しているんだよ! 何すました顔して視線避けてるんだよ、こっちを見ろ!」

「……品が悪いわね。」

「ああ…。まったくだぜ。」

 ミナミは、叩かれた頬を赤くした状態でジロッとダンを睨んだ。

「貴様ら…、仗助が死ぬまでこの私につきまとうつもりか?」

「ダンとか、言ったな? このツケは、必ず払ってもらう。」

「ククク…。そういうつもりでつきまとうなら、もっと借りとくとするか…。」

 そう言ってダンは、承太郎のポケットからサイフを取り出した。

「これしか持ってないのか? 時計は、生意気にタグホイヤーだがな。借りとくぜ。」

「………ひとつ、忠告しておくね。」

「なんだ? ミナミちゃん。」

「仗助が死んじゃったら……、あなた…、地獄より怖いことになるよ?」

「ほう? どんなだね?」

「せいぜい、死ナサナイ…ヨウニ…スル事、ダネ…。」

「!?」

「なあ、寿命を奪うってのは、スタンドにも影響するのか?」

「さあ?」

「ま、待ちなさい! もしこれで死ねば、仗助も巻き添えで死ぬかも知れないんだぞ!? お前は実の弟をその手で殺すのか?」

「っ…、まあいいや、もう一つ。私の得意技は、プロレス技だから。」

 ミナミは、バキボキっと拳を鳴らした。

「終わったら、覚悟しててね?」

 ニッコリと、それはそれは、“怖い”笑顔で言ったのだった。

 ダンは、思わず、背筋がゾッとしてしまった。

 

 




オリジナル展開。

スターダストクルセイダースでの回復役・仗助が狙われた。
今までのことを踏まえると、一番の脅威は、承太郎以上に、仗助にあると見られても不思議じゃないかな?って思ったのでこの展開。


脳でのバトルは、原作通り花京院とポルナレフがやります。ジョセフは、念写に徹します。


万が一……仗助が死んだら……?
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