仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
今回、長め。
ターゲットがジョセフじゃなく、仗助になっているだけで、だいたいは原作通りかな?
街中にある電気屋を発見した、ジョセフ達。
しかも外向きの窓ガラスにテレビが飾られていた。
「どうするんすか?」
「ただ逃げていたわけじゃない。テレビを探しておったのじゃ。ハーミットパープル!」
そして、ジョセフがガラスに手を当て、ハーミットパープルを使い、テレビの画面を付けた。
「おいおい、何する気だよ?」
「見ておけ!」
「ポルナレフ。君にも協力してもらう。」
「えっ?」
「……いた!」
そして、ハーミットパープルがテレビ画面に、仗助の脳神経を掴んでいる小さなスタンド、ラバーズを発見して映し出した。
「うわ! マジかよ! こんなちっちぇのかよ!」
「でも、どうやってやっつけるんだ?」
「僕と君のスタンドが仗助の体内に入って、コイツをやっつける! スタンドエネルギーのイメージ、小さくなれるはずだ。」
「なんだって、花京院!?」
「時間がない! 急ぐぞ!」
「あ、ああ!」
「た…頼みます…!」
そして、花京院とポルナレフは、スタンドを小さくしていき、そして仗助の耳に入れた。
『もっと小さくなれ…。途中から血管に入るぞ。』
「ジョースターさん! 敵のスタンド、ラバーズは、体内の神経の出発点、脳幹と呼ばれているところにいますね。僕とポルナレフは、耳の奥から静脈へ入って血管を泳いで、脳幹へ向かいます。ポルナレフ、血管に穴を空けてくれ。」
「えっ!? ちょ、ちょっと…、それは…。」
「だいじょうぶだよ。ごく小さいミクロレベルの穴だから、心配ない。今の我々がもし血管や神経を切断するとしても、何分もかかってしまう。じゃなきゃ敵スタンドがとっくに切ってる。もっとも……、もうやり始めてるがね。」
「空けるぜ!」
「うわあ!? き、気分悪くなってきた…。」
テレビ画面に思いっきり映し出された血管の拡大映像とシルバー・チャリオッツの剣で血管を傷つけられた光景に、仗助は目眩を覚えた。
その時。
「ん…? んんん? うへ、へへへへ!?」
「どうした、仗助?」
「く、くすぐった…、背中が、くすぐったい! うわわああ!」
「声を上げるな! 人が集まってきてるぜ!」
「だ、出したくて出してるんじゃないっすよぉ、うへああはははは!」
「仕方ない、テレビを買うぞ! 人混みから逃げるぜ!」
「承太郎とミナミ…、何をやってるんだ?」
***
ジョセフ達が去った後に遡る…。
「掘りか…。この掘り…、飛び越えてもいいが、もしつまずいて、足でもくじいたら危険だな。向こうの橋まで行くのもめんどくせーしよ。おい、承太郎、掘りの間に横たわって、橋になれ、その上を渡るから。」
「承太郎さん…。」
「どうだ? 橋になってくれないか?」
「てめー…、なにふざけてやがるんだ?」
「橋になれと言ってるんだ。このポンチ野郎が。」
「っ…。」
「承太郎さん…、抑えて…ください!」
「……チッ。」
ミナミに懇願され、承太郎は舌打ちしつつ、掘りに横になり、橋になった。
ダンは、わざと体の中央に乗り、グリグリと承太郎の背中を靴の底で踏みつける。
「よぉ~し、中々しっかりした橋になったじゃあないか。ホレ、ホレホレ、ホ~~レ。」
プルプルと震えている承太郎の手を、渡る際にもグリグリと踏みつけた。
「ほれ、ミナミちゃんも渡ってきなよ。」
「……ううん。」
するとミナミは、掘りをピョンッと軽々飛び移った。
「これくらいの距離なら平気。軟弱ね? 橋もないと渡れないなんて。」
「……おいおい、そんな口利いてていいのかい?」
「あら? こんな小娘に言われて腹が立っているの? ずいぶん懐の小さい男だこと。」
「っ! おい、承太郎、立て。背中を掻け。」
ダンは、眉間にしわを寄せたが気を取り直して、承太郎に命令した。
承太郎は、言われるまま背中を掻く。
「ん、もうちょい下だ、もっと、下、よしそこだ。」
ポリポリポリ…、っと掻いている。これが仗助がくすぐったいと感じていた原因だった。
***
静脈を泳ぎ、やがて脳幹にたどり着いた花京院(ハイエロファントグリーン)と、ポルナレフ(シルバー・チャリオッツ)を待っていたのは…、成長した肉の芽だった。
『この触手は、肉の芽だ!』
『脳幹についてみれば、肉の芽がもうこんなに成長しているぜ! ちくしょう!』
そして、その奥の方に、脳細胞をグチャグチャといじっているラバーズがいた。
『マギー!』
『み、見ろ! 仗助の脳細胞を、あのハサミのような手で粘土みたいにドロドロにして肉の芽のエサにしている! やつを倒して早いとこあの根を全部引っこ抜かねば、脳を食い破られてしまう!』
『よぉーし、俺に任せろ。切り刻んでやるぜ。いや…、すり削ってやるぜ、大根おろしのよーになー!!』
シルバー・チャリオッツの剣がラバーズを襲う。
だが……。
超小型スタンドなりに動くが、シルバー・チャリオッツの剣の動きには耐えきれず、ラバーズは、頭を切られた。
『いや、浅いか? だが奴の動きは見切ったぜ。』
『おい、ポルナレフ! 誰と話してるんだ!?』
『なっ!?』
なんとハイエロファントグリーンが二体いた。
『ポルナレフ! そいつは、僕じゃぁない!』
すると近くにいたハイエロファントグリーンが、ドロドロに溶けた。
『ラバーズは、俺だ。』
ラバーズのハサミのような手の先端が、シルバー・チャリオッツの胴体に突き刺さった。
外にいるポルナレフは、血を吐いた。
ラバーズは、ドロドロに溶かした脳細胞を身のまとって、化けていたのだ。
『まんまと騙されたな~! 馬鹿たれどもがぁーー! マギィーー!!』
するとラバーズが、分裂を始めた。
『いいか? 世の中自分というものをよく知る奴が勝つんだ。イソップ物語のカメはウサギとの勝負に勝つが、カメは自分の性格と能力をよ~~~く知っていたんだ! フッフッフッ! この私もそうさ! 君らに致命傷を与えるようなパワーや、スピードはないということは、私自身がよ~~く分かっている。すべては……、己の弱さを認めた時に始まる!!』
『エメラルド・スプラッシュ!』
ハイエロファントグリーンが放ったエネルギーのダメージがラバーズを襲うが、破壊されて散らばったラバーズの欠片から、新たなラバーズが発生した。
『こいつも贋物…。どんどん、増えていくぞ…!』
『す、スタンドは、ひとり一体…。ほ、本物はどれだ!?』
『ここさあーーー!』
後ろから数体のラバーズが襲ってきたため、対応するが、破壊した端からますます数を増やしていく。
『おしいおしい! ここだよぉ~ん!』
『ここだ、ここだ!』
『わたしだ、わたしだ!』
『違う違う、わたしだぁ!』
『わたしぃいいいいいいいいいいい、だよ~~~~~オン!!』
「ポルナレフさん! 花京院さん! このままじゃ…!」
「分からん…、見分けがつかん…。いったい、どいつだ…!?」
『フッフッフッ! 史上最弱が……、最も最も最も最も最も最も最も最も最も恐ろしぃいいいいいいいいいいいいいいいい!! マギィーー!!』
***
「ふはははははははは! ほれっ、なにやってんだ~! しっかりクツ磨きしろよ! 承太郎!」
椅子に座っているダンが承太郎を蹴り飛ばした。
「ミナミちゃん、君もしっかり肩を揉むんだよ~?」
「ぅう…。」
「ん、ん~、いいマクラだ。暴力的だが、胸だけはいいねぇ。」
ダンは、ミナミの胸に後頭部を乗せてくつろいでいた。
すると、蹴り飛ばされた承太郎が、サラサラとメモ帳に何か書いていた。
「こらあ! きさま! 何、書いてやがる!?」
ミナミを叩いた
サイフを盗られた
時計を盗られた
ドブ川の橋にされて足で踏まれた
背中をかかされた
靴磨きをさせられた
蹴りを入れられた
ミナミにセクハラをしている
「お前に貸してる、ツケさ。必ず払ってもらうぜ。忘れっぽいんでな。メモってたんだ。」
「ーーー!」
ダンは、承太郎の顔を叩いた。
すると、ダンは何か名案が浮かんだのか、近くの宝石ショップに入って行った。何かされては困るので二人もついていく。
「おい、承太郎。ガラスの隙間があるだろ? そこからお前のスタンドで、この腕輪を盗れ!」
ミナミは、それを聞いてギョッとした。ダンの意図が分かったからだ。
「気にすんな。ミナミ。」
「でも…。」
「おい、どうした? 早くやれよ。この私がガラスをぶち破って盗ってもいいんだぜ? 私が捕まってぶちのめされれば、仗助は確実に痛みで死ぬぜ?」
「……。」
そして、承太郎は言われるままスタンドを使って中の腕輪を盗った。
次の瞬間。
「ああ~~! コイツ万引きしてますよぉ~~!」
「ああ…!」
そして、承太郎は、店の人間にぶちのめされてしまった。
「早く俺達の国から出て行け、このスカタンが!」
「指は切らねぇで、それぐらいで勘弁してやるぜ。ペッ!」
そして、承太郎はボロボロで、店の外に放り出された。
「承太郎さん…。」
「フッハハハ! フハ、フハハハ! フハ。でかしたぜ承太郎。おまえのおかげでドサクサに紛れてもっと良い物を手に入れられたからよ。」
「ふ…ふふふふ…。」
「?」
「くく…、くくく…。」
「承太郎! 貴様何を笑っている!? 何がおかしい!?」
「フッフッフッ! いや…、楽しみの笑いさ。これですごーく、楽しみが倍増したってワクワクした笑いさ。テメーへのお仕置きターイムが、やってくる楽しみがな。」
「やろう! おまえは何か勘違いしている! 仗助はあと数十秒で死ぬ! そんな状況で、なぜ…?」
「花京院のやつのことを知らねぇ。お前は、俺達のことをよく知らねぇ。」
「なぁに~~~!?」
***
『己を知るということ……。中々いい教訓だ。だが…、お前は、敵を知らなすぎる。勉強不足だ。気がつかなかったのか! 僕のハイエロファントグリーンは! 根を伸ばして、一体一体調べてたのさ!』
『マギィーー!? いつの間に!?』
『本物は、貴様だ!』
ハイエロファントグリーンから放たれたエメラルド・スプラッシュの一撃が、本物のラバーズの頭に突き刺さった。
そのダメージは、当然だが…本体であるダンにも伝わる……。
『ギャアアアアアアアアアア!!』
頭を抑えながらラバーズは血管の中に逃げていった。
『しまった、逃げやがった!』
「えっ? ってことは…、本体の所に帰るって事じゃねぇっすか!? 承太郎さんと姉ちゃんが!」
「それもあるが、まずは肉の芽の除去だ! もう数十秒しかない!」
「けどよぉ! 承太郎とミナミは、そのことを知らねぇぞ!?」
「だいじょうぶだ。心配には及ばないさ。」
「?」
「さ、早く肉の芽を!」
仗助の脳内の肉の芽は除去されたのだった。
***
「ハーーーハーーーー!!」
頭からダラダラと血を流すダン。
「どうした? なにを後ずさっている? 仗助の方では、何があったのか、教えてくれないか?」
しかしダンは、背中を向けて逃げようとした。逃げようとするダンの髪の毛を承太郎が掴んだ。
「おいおいおい、なにを慌てている? どこへ行く気だ?」
「ねえ、なにがあったのか~? お・し・え・て?」
「ひ、ひいいいいいいいいいい!」
「ねえねえねえねえねえねえねえ! 教えてよ~~~~!」
「ひい! ひいい! 許してください! ミナミ様! 承太郎様ぁ~~~! 私の負けです! 改心します! ひれ伏します! クツも舐めます! 悪いことをしました! いくら殴ってもいいです! ぶっとばしてください! 蹴ってください! でも…、命だけは~~~~!」
メチャクチャ土下座して、ひれ伏すダン。
それを二人は黙って見おろしていた。
しかしそれは、ダンの策略だった。
仗助から脱出したラバーズが戻ってくるまでの時間稼ぎだった。
今度は、承太郎の耳に入って死ぬほど苦しめるためだった。
やがて……、数百メートル先から、ラバーズが戻ってきた。
そして承太郎の耳、入ろうとした直後。
スタープラチナの指が、ラバーズを摘まんだ。
スタープラチナのよく見える目が、指の間のラバーズを観察する。そして、ちょびっとだけ力を入れると…。
「ぎにゃああああああああああ!!」
バキバキっと、ダンの体の骨が折れていった。
「おいおい、どうした?」
「ホント、どうしたんだろうねぇ?」
「ひぃ…いいいいいい! 骨がぁぁぁぁ!」
「骨が? なんで?」
「ほっほ~? 何か企んでやがったのか? 教えてくれよ?」
「な、何も企んでいませんんん! あなた様の耳に私のスタンドが入ろうだなんてぇぇぇぇ!」
「わたしの? なんだ?」
「聞こえな~い。」
「い、いえ…! あなた様のスタンドの力と正義は何者よりもすぐれています! 耳から入ろうだなんて、考えてるわけないじゃないですかーーー! み、みてください! 今ので腕と足が折れてました! もう再起不能ですぅうう!」
「それだけ喋れるなら、まだまだ再起不能ってわけじゃないね。」
「そうだな。」
「もう無理ですううううううううう! 死んじゃうよおおおおおおおおお!!」
大泣きするダン。
ミナミと承太郎は顔を見合わせてから、ダンを見た。
「そうだな。てめーから受けた今までのツケは…、その腕と足とで支払ったことにしてやるか。」
「もう絶対に私達の前に現れない? 誓える?」
「誓います!! 獄門島へでも行きます! 地の果てへ行って、もう二度と戻って来ません!」
「ウソはいわねーな? 今度出会ったら…。」
「仗助に頼んで、死ぬ寸前から治すを繰り返して精神ぶっ壊しの刑かな?」
「け、決して、ウソはいいません!」
「……ふん。」
承太郎は、スタープラチナの指からラバーズを解放した。
ミナミと承太郎が、背中を向けた直後…。
ダンは、離されたラバーズを近くにいた子供の耳に差し向けた。
そして隠し持っていたナイフを手にして、承太郎の背中を狙う。
承太郎らが子供を攻撃できるわけがないと踏んでの策だった。
「……ふ~~~、ヤレヤレだぜ。」
「ホントだよ。」
「いいだろう。突いてみな。」
「あっ! おい! 分からねぇのか! 動くなって言って…、いって…?」
「どうしたの? なんで動かないの?」
ミナミがニコニコ顔で、近寄る。
「どうした? ブッツリと、突くんじゃなかったのか?」
「こーんな感じで。ほら。」
「ぎにゃあああああ!」
手にしているナイフを手首ごと方向を変えられ、自分の顔に突き立てられた。
「か、体が動かない!? な、なぜ~~~!? ハッ! なにかが…、巻き付いて…。」
「ヤレヤレだぜ。ず~~~~~っと、先から凧の糸のように伸びてきてたってのに気づかないとはな。」
「花京院さんのハイエロファントグリーンって、自分の体をほどけるんでしたっけ?」
「ああ、足に結びつけて、わざと、逃がしたんだろうな。こうなることを見越して。」
「ゆ…、ゆるしてくださーーーーい!!」
「許す? ねえ、承太郎さん? さっき私言いましたよねぇ?」
「ああ。もう一度言ってやりな。俺も言うぜ、今度出会ったら…。」
「はい。仗助に頼んで、死ぬ寸前まで治すを繰り返して精神ぶっ壊しの刑! 安心して、精神は壊れても命だけは助けてあげるから。だって、うちの弟の能力は…。」
「死んでなけりゃ、いくらでも一瞬で直せる能力だからな。」
「ディ…DIOから…、前金を貰っている……、そ、そそそっそ、それをやるよ!!」
「残念だけど…。」
「ヤレヤレ、てめー、正真正銘、史上最低な男だぜ。てめーのツケは…、金では払えねぇぜ!!」
その後のことは……、ご想像にお任せします。
原作の3ページ、オラオラ具合で、承太郎の怒り具合が分かる。
しかしこのネタでは、仗助がいるので、3ページ、オラオラでは終わらないかも…ね?
次回は、太陽の暗示。