仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
花京院達や、虹村の父親を救える可能性に気づく二人。
「そうだ…。」
「姉ちゃん?」
「アヴドゥルさんって…、私があの時助けられなかった命の人だ。」
「?」
「仗助は、知らないだろうけど…。」
ミナミと仗助は、空条家で貸してもらった客室で会話をした。
仗助には、まだ話していなかった。
この時代…、ちょうど仗助が病院で入院していた時に、ミナミは、DIOの命を受けた手下により誘拐され、エジプトの地へ連れて行かれていたこと。
そして、その血の運命か、それともすでに目覚めていたブルー・ブルー・ローズに導かれたのか、DIOを倒すためにエジプトに上陸した承太郎達に保護され、SPW財団によって記憶を封印され、東方家に帰されたことを。
その時の記憶は、虹村の父親を殺してしまった後に思い出したこと。そして、未来の承太郎から渡されたビデオレターにアヴドゥル達が映っていて、ブルー・ブルー・ローズの青いバラの花で生還できたことを感謝されたことを語った。
「俺が死にかけている間にそんなことが…、お袋もジジイも何も言わなかったぜ…。」
「そりゃ、身内が誘拐されたなんてトラウマほじくり返しちゃいけないでしょ? 私だって、できる限り思い出したくなかったから、今まで喋れなかったんだ。」
「…ごめん。」
「謝らないで。だいじょうぶだから。ん? ってことは…、花京院さんとか、イギーって犬も…。」
「姉ちゃん…、もしかして…。」
「それに、億泰君のお父さんも! もしかして、チャンスかもしれない!」
「そっか…、そうだよな! そう考えることも出来るよな! 姉ちゃん、やろうぜ! 俺も手伝うからよ!」
「ありがとう! 仗助!」
二人は手を握り合った。
「花京院なら、別室にいるぜ。」
「うわっ、空条さん!」
「いつからいたんすか!?」
「……おくやすくんのお父さんがどうのって、いった辺りか?」
「あ、そうなんですよ! 肉の芽って知ってます?」
「ああ、よーくな。花京院の奴もそれで操られてやがったぜ。」
「花京院さんが?」
「実はそのことで話があるんっすけど…。」
「なんだ?」
「DIOを倒す前に、どうしても助けたい人がいるんです。その人…、肉の芽が頭にあったせいで…大変なことになっちゃって…。」
「……じじいとアヴドゥルに伝えな。」
「そうします。行こう、仗助!」
「ああ!」
そうして、二人は承太郎の横を通って、部屋を出た。
承太郎は、タバコを出し、ライターに火を付けた。
「……助けられなかった命…か。」
実は、会話のほとんどを聞いていたのだった。
***
その後、ジョセフとアヴドゥルに、二人は肉の芽のことで話をした。
「肉の芽の暴走じゃと?」
「はい…。埋め込まれていた人を不死身の怪物にしてしまいます。」
「DIOが死んだ後でそうなって聞いてるっす。」
「なるほど…。未来でそのようなことが…。」
「私達の後の友人になる人のお父さんなんです。虹村って言うんですけど、心当たりますか?」
「いや、すまない…。」
「その虹村という人物は、スタンド使いなのか?」
「一応…そうだったらしいです。」
「確かに、何の力も無い人間に肉の芽を与えるとは到底思えませんな。」
「ううむ…。SPW財団に調査をさせてみよう。」
「ありがとうございます!」
「礼を言うのはまだ早いわい。それよりも、ミナミ、仗助、君達はこれからどうするんじゃ?」
「……できたら、打倒DIOの旅に同行させてもらえますか?」
「わしらはまだ旅立つとは決めておらんが…。」
「いいえ。旅立つことになると思います。私の記憶が正しければ。この時期は……、仗助の命もヤバいんですよ。」
「! DIOの呪縛か?」
「おそらくは…。そのせいで50日も入院する羽目になったらしいっすよ。俺は、あんまし覚えてないっすけど。」
「では、ミナミの方も危ないのでは?」
「私はだいじょうぶでした。なぜか…。」
「不思議じゃな? スタンドとは、闘争心で操るものじゃ、子供の精神力では制御は…。」
「私の…スタンドは…。」
ガシャーン
「ホリィ!?」
「えっ?」
すぐそこで茶碗などの陶器が割れる音がした。
駆けつけると、そこには、ぐったりと床に倒れ込んでいる、承太郎の母・ホリィの姿があった。
その背中には、ヘビイチゴのような茨のスタンドが張り付いていた。
「い、いかん! これは…!」
「ほ、ホリィ…。」
「そんな…、これって、あの時の仗助と同じ…?」
ホリィの急変。
それは、打倒DIOを掲げた危険な旅へのきっかけ。
双子の星の数奇な運命は、巨悪を討つべく旅立つ彼らと共に行く。
ミナミと仗助の会話を聞いてた承太郎。
でも彼は寡黙で多くを語らないから、黙っていてくれると思います。
ホリィが倒れ、次回、旅が始まる。