仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ   作:蜜柑ブタ

22 / 40
審判のカード編。



展開が原作とは違います。


審判の暗示

 

 紅海。

 名前こそ、紅い海という意味だが、実際は違う。

 二つの赤い砂漠に挟まれているが、都市らしい都市もない、澄み切った穢れなき海であり、ダイバーにとってこれ以上無いほどの海だ。

 そのう身の上を、ジョースター一行は、船で進んでいる。

 ところが。

「おい、じじい。方向が違うぜ? エジプトに向かうんじゃなかったのか?」

 方角を示す機器を見た承太郎が言った。

 船は、紅海に浮かぶ小島に向かっていた。

「理由(わけ)あって、今まで黙っていたが、エジプトへに入る前に、ある人物に会うためにほんの少し寄り道をする。この旅にとってものすごく、大切な男だ。」

「あっ。」

 っとミナミは、理解し、仗助と顔を見合わせた。

 その島は、ヤシの木や、草むらこそあれど、本当に誰もいないような小島で、本当に人が住んでいるのかどうかすら分からないような場所だった。

 キョロキョロと周りを見回していると、草むらに、人がいた。というか隠れてコチラの様子を伺っているようだ。

「そこにいるのは、誰?」

 ミナミが見つけ、その人物に向けて声をかけると、立ち上がったその人物は、背中を向けて逃げていった。

「あっ、逃げたぞ!」

「はっ! あの後ろ姿は、見たことがある!」

 花京院が見覚えがある面影のある後ろ姿を見てそう言った。

 追いかけていくと、やがて、簡素で古い小屋と敷地を見つけた。

 逃げたその人物は、敷地の中でこちらに背中を向けていた。

「あの後ろ姿は、見覚えがある。まさか…?」

「待て! わしが話をする、みんなここにいてくれ。」

 そう言ってジョセフが敷地の塀とところから、その人物に話しかけた。

「わ、わしに話しかけるのはやめろ!」

 しかし、その人物は拒絶する。

「このわしに誰かが会いに来るのは決まって、悪い話だ! 悪いことが起こったときだ! 聞きたくない! 帰れ!」

 そう叫びながら振り返ったその姿は……。

 

 アヴドゥルによく似ていた……。

 

 アヴドゥルに似た人物は、そのまま怒り顔のまま、小屋の中に逃げ込んでいった。

「……アヴドゥルの父親だ。世を捨てて、孤独にこの島に住んでいる。今までお前達には黙っていたが、もしここへ立ち寄ることがDIOに知られたら、アヴドゥルの父親の平和が乱される可能性がある。そのことを考えての事じゃ…。」

「父親…。」

「だが…、息子のアヴドゥルのことを伝えるのは…、辛いことだ…。」

「……。」

「ミナミ、仗助…、ポルナレフ…。お前達、責任を感じておるのか?」

「…はい。」

「ごめん、ちょっと、近くの浜辺に行ってる…。とても会わせる顔がないから…。」

「うむ、そうか…。」

 ミナミは、ひとり離れて近くの浜辺に向かった。

 

 

 そして、ミナミは、ひとり、ヤシの木の木陰にある岩の上に座って、フウッ…とため息を吐いた。

「隠しとくのって辛いなぁ…。」

 あの人物がアヴドゥルの変装だとは分かっていた。ポルナレフの気持ちを考えると、正直な話、黙っておくのは辛いことではあった。

 だが、アヴドゥルに移動手段を手配してもらうためにも、仕方なかったのだ。それは十分理解しているつもりだ。

「さてと…、そろそろ戻るかな…。あれ?」

 すると浜辺に、古ぼけたランプが落ちていた。

 まるでアラビアンナイトに登場するようなランプだった。

「こんなところに…? まさかねぇ…?」

 っと思いつつ、遊び半分でランプを擦ってみた。

「って、出てくるわけないよね? ランプの魔人が。」

 だが次の瞬間。

 ボワンッ!とランプの先端から圧縮された何かが飛び出してきた。

 

『三つだ! 三つの願い事を言え!』

 

「わっ! うそぉ!」

 しかしランプの魔人とはほど遠いメカメカしい見た目の魔人だった。

「い、いきなり言われても…、あなたランプの魔人?」

『その通りだ! 俺の名は、カメオ! ランプから出してもらったお礼をしたい。さあ、願い事を三つまで叶えてやろう! なんでも言え!』

「じゃあ、私のスタンドを消して。」

『……。』

「どうしたの? できないの?」

『スタンドとは…、自分自身! それを消し去ることとは、自分自身を消し去ることと同意義! 死と同じ! お前は、死を望むのか!?』

「…そっか。」

 ミナミは、腕組みしてう~んっと考え込んだ。

「けど、今一番の願いはソレだよ?」

『死ねば解決することでもなかろう! そうなれば、お前の家族はどうなる?』

「うっ…。分かった分かった。もうそれは止めとく。」

『…ホッ…。』

「なにホッとしてるの?」

『な、なんでもないわぁ! さあ、早く願い事を三つ言え! お前自身の死以外は何でも叶えてやろう!』

「じゃあ……、虹村って人をここに連れてきて。」

『よかろう! その願い叶えた! Hail(ヘイル) 2U(トゥーユー)!!」(※君に幸あれ!!)

 そしてボワンッとカメオが消えた。

 

「東方ミナミさん…。」

 

「あっ…。」

 すると、草むらから、人が出てきた。

 形兆に顔立ちが似た、男性だった。

「私に会いたかったそうだが…?」

「ええ。あなたの肉の芽を取り除いてあげたかったんです。」

「ほう? 私は望んで肉の芽を植えられたというのに?」

「その望みが…、遠くない未来で恐ろしい悲劇に繋がります。承太郎さんを呼んでくるので、ちょっと、待っててくださいね。」

「その心配はいらない。」

「?」

「君は、これから……、DIO様の下へ連れて行かれるのだから…ね!!」

 次の瞬間、背後から先ほどのランプの魔人(?)、カメオが現れ、ミナミの両腕を掴んだ。

『ハハハハハハハハ! ひとりで行動していて助かったよ! こうしてジョースター共に気づかれることなく、お前を確保できたのだからな!』

「……ま、そうだとは思ってたよ。」

『はっ?』

「私が狙われていることなんて、今までのことで分かりきってた。まさか、何も考えずひとりで行動してたと思った?』

『なっ…。アギィ!?』

 次の瞬間、背後から肩や腹に穴を空けられた。

「ミナミ! 無事か!?」

 ポルナレフがシルバー・チャリオッツを構えて立っていた。

 カメオの手からミナミは、逃れ、ポルナレフのもとへ走った。

「ったく、ひとりで勝手に離れるから心配して行ってみれば、何やってんだよ!」

「私は、導きに従っただけ。」

 そう言って指差した先には、浜辺から生えたブルー・ブルー・ローズの根っこがあった。

『小娘ぇ! 最初から俺が刺客だと…!?』

「わかりやすすぎんの。あんた達は。」

『おのれぇ! だが…。我がスタンド、ジャッジメント(審判)を前にたったひとりの護衛で勝てるとでも!? Hail 2U!』

 するとカメオ改め、ジャッジメントが虹村を掴んで放り投げてきた。

 ポルナレフは、剣で投げつけられた虹村を切る、すると、ボロボロの土くれになってしまった。

「こいつは、土人形!?」

「なるほど、土に願いを投射して形にするのがアナタの能力か。」

『フフフフ! ポルナレフ! 願いを3つ言え! 叶えてやろう!』

「けっ! カラクリが分かった状態で言うと思ってんのか!?」

『まあまあ、そう言わずに、言いなさいな! 例えばこの…。』

 すると、浜辺の砂から、美しい少女が作り出された。

『J・ガイルに殺された貴様の妹と…。こっちの…。』

 すると反対側に、アヴドゥルを模した土人形が現れた。

『モハメド・アヴドゥルをぉお! くれてやってもいいだぞぉお?』

「ってめぇぇぇぇ! 土人形とは言え…、俺の妹を、アヴドゥルを!」

「酷い…、ポルナレフさんの心を踏みにじるようなことを…。」

『フフフフ! 贋物とはいえ攻撃できまい! さあ、こいつらになぶり殺しにさせてやろう!』

「けど、土人形だよね? 無機物だよね? 元を辿れば…。」

『? ぬおおっ!?』

「本体は…、この近くだよね?」

 ミナミは、土人形から生えたブルー・ブルー・ローズに妨害され動けないジャッジメントの後ろの方にブルー・ブルー・ローズの根っこが、まるで、ここ、ここ、っと言っているように動いているのを見つけた。

「あの草むらの中だね。お願いしまーす。アヴドゥルさーん!」

「へっ?」

『なにぃ!?』

 

 すると、草むらをかき分けて現れたのは、ポルナレフにとっては、死んだはずだったアヴドゥルだった。

 

「マジシャンズ・レッド!!」

『ぎ、ぎゃああああああああああああ!!』

 マジシャンズ・レッドの凄まじい火炎が、ジャッジメントと、土人形達を燃やした。

『ば、馬鹿な…! インドで、ホル・ホースに撃たれて死んだはずの…、アヴドゥルがなぜ生きているうううううううう!?』

「フッフッフッ。あの時、J・ガイルに刺された際にのけぞって、頭蓋骨の一部を少し削られただけで済んだのだよ。ま、もっとも、その傷も仗助によって消してもらったがね。」

「あ、アヴドゥルーーーー!!」

 ポルナレフは、アヴドゥルが生きていることを知って、泣き出した。

「とどめだ…。クロスファイヤーハリケーン!!」

『ぐぎゃあああああああああああああああ!!』

 そしてダメ押しとばかりに放たれたクロス型の炎によって、ジャッジメントはついに消滅した。

「アヴドゥル! アヴドゥル!」

「シッ、静かに。」

「なんでだよ?」

「まずは、ジャッジメントの本体探しですよ。」

「あ、ああ!」

「ほら、あそこ。あの辺りかな。」

 先ほどブルー・ブルー・ローズがここだと示していた場所を慎重に探すと……。

 なんか、不自然な筒が地面に刺さっていた。

 アヴドゥルが指突っ込むと、ぐぷぷ!っと何かが詰まった音が聞こえ、指を取ると、スースー!っと必死に空気が吸い込まれていった。

 三人は顔を見合わせ、どうする?っと思案。

「よっしゃ、この辺にある、ゴミ屑を…、灰、泥…タバコのカス…、ホレホレ。」

 ポルナレフがにやけながら漂着物のゴミを入れていった。

 ゴミを入れられ、筒の下のジャッジメントの本体がむせていた。

「耐えてるね…。」

「そういえば、ポルナレフ。もようしてこんか?」

「はあ?」

「ミナミ。離れてなさい。」

「はーい。」

「アヴドゥル~?」

「ほれほれ、狙え! ハハハハハ!」

 ちょっと、お下品だが……、まあいらゆる、立ちション…という奴であって…。しかも狙いは筒…。

 ミナミは、背中を向けて耳を塞いでいたが、気配で察して笑っていた。

 やがて。

「ぶはげはあああああああああ!?」

 ジャッジメントの本体である、カメオ本人が土から飛び出してきた。

「よく耐えたな。だが、お別れだ、マジシャンズ・レッド!!」

「シルバー・チャリオッツ!!」

 二人のスタンドが、ジャッジメントの本体であるカメオ本人を倒した。

 

 




ジャッジメントが、カメオというスタンドなのか、ジャッジメントの本体が、カメオというのか……どっちなんでしょうね?


連れションネタは、外せないので、やってもらいました。
アヴドゥル、真面目キャラに見せかけて中々に、えげつないですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。