仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
微オリジナル展開。
今回も、仗助大活躍。
浜辺の方に集合していた、ジョセフ達のところへ、ミナミ、ポルナレフ、アヴドゥルが来た。
「おお、お前達、遅いじゃないか。なにをやっていた?」
「……てめぇら…、ちょっと話がある…。」
「ん? ああ、ミナミから聞いたのか。」
「ポルナレフは、口が軽いからな。アヴドゥルさんが生きていることを敵に知られては困る。」
ここまで道中でミナミとアヴドゥルから聞かされたことが事実だったことを知り、ポルナレフは、ポカーンとしたが、やがて、顔を赤くして、プルプルと震えだした。
「ごめんなさい。ポルナレフさん。正直話さないでいたのは、辛かったんですよ。」
「そうそう。アヴドゥルの話題を出すと辛い顔するから、俺らも大変だったんですからね。」
「……もういいよ。どうせ俺は口がかるいですよ~だ。」
「すねるな。」
「それで? ここまでしてアヴドゥルを隠していた理由ってのは?」
すねながらポルナレフが聞いた。
「それはじゃな…、これじゃあ!!」
すると、海から何か巨大な物が浮上してきた。
潜水艦だった。
「うおーーー! ここまでやるぅ!? なんて金がかかる旅だよー!」
「アヴドゥル、操縦できるのか?」
「わしもできるよ、わしも。」
「じじいの操縦は信用できないぜ。」
「だね。」
「そうっすね。」
「お前らー!」
今度はジョセフがすねた。
あー、めんどくせぇっと、ミナミと仗助、そして承太郎は思ったのだった。
まあ、そんなこんなで、出発。
「ふぃ~。」
「姉ちゃん、酔った?」
「違う…。やな予感しかしなくって。」
「みんな、コーヒー飲むかい?」
「あっ、私、砂糖とミルクいっぱいください。」
「姉ちゃん、コーヒー好きだけど、甘~いのしか飲めねぇんだよな。」
「なんだぁ? お子ちゃま味覚だな?」
「悪かったですね…。苦いの嫌いで…。」
「いやいや、可愛い可愛い。」
「ん!」
その時、潜水艦の望遠鏡で外を見ていたアヴドゥルが、陸地を見つけた。
「アフリカ大陸だ! 到着までもうすぐだぞ!」
「いよいよ、エジプトだな。」
「ああ、いよいよだ。」
「エジプトか…。」
「とうとうだね…。長かった…。ほんと…、長かった…。」
「俺もそう思う。」
それぞれが、エジプトまでの長い道のりを思い返し、やっとのエジプトの地に思いをはせる。
道中、ほんと毎日のようにスタンド使いと戦いまくり、飛行機に始まり、船、車、セスナなど色々と乗り換え……、やっとこさのエジプト。
「あっ、涙出そう…。」
「おいおい、まだまだ本番はこれからだぜ?」
「だって…、だってぇ!」
「ここまでの道中で、タロットカードの暗示のスタンドはほとんど倒したはずだ。DIOからの刺客ももうほとんどいな…。」
『むぎゃあああああ!』
「ミナミ! 危ない!」
近くにあったコーヒーカップが突如形を変えて襲ってきたため、ジョセフが庇った。
そして右手の義手が切断された。
「お父さん!」
『ヒャハハハ!』
その生き物らしきものは、壁に張り付き、溶けるように消えた。
「スタンド!? 馬鹿な、いつの間に!?」
「じじい! しっかりしろ!」
仗助が気絶したジョセフを治した。
「ハイプリエステスだ…!」
「はいぷり…?」
「ハイプリエステス(女教皇)。確かミドラーという使い手だったはずだ。能力は、あらゆる金属やガラスやプラスチック、ビニールはもちろん、あらゆる無機物に変化できる。叩いても触っても、攻撃してくるまで見分けがつかんらしい。」
「し、しかし、どうやってこの潜水艦に…?」
すると、ドバーッと近くの壁から水が吹き出てきた。
「あ~、なるほど穴を空けて入ってきたのね…。」
「俺が直すっす!」
「いや、手遅れだ! すでに浮上システムも、酸素もほとんどない! 直したとしても航行はもう不可能だ!」
「掴まれ! 海底に激突するぞ!」
「やっぱりこうなるのね! 俺達の乗る乗り物ってほとんど必ず大破する!」
そして、潜水艦が海底に衝突した。
「ああああああ!」
「わぶっ!?」
掴まり損ねて吹っ飛んだミナミが花京院の上に乗った。結果、花京院の顔がミナミの胸の間に埋まる。
「いった~…。」
ミナミが痛がっていると、パンパン!と花京院がギブギブとタップした。
「おい、ミナミ、早く起きろ、花京院が窒息する。」
「えっ? あっ! ごめんなさい!」
「あ、ああ…。だいじょうぶだ。」
ミナミがどくとき、彼女の服に引っかかっていた青いバラの花が、スルッと落ちて、花京院の胴体にあたるとパッと光に粒になって消えたのだが、誰も気づかなかった。
「おい、アヴドゥル…、どの計器に奴が化けたか分かるか?」
「確か…、その右から二番目の下か?」
そして承太郎が、スタープラチナの拳を出し、その計器を狙った時…。
「違う! アヴドゥルさん、後ろ!」
「ぬっ!?」
「ドラララララ!!」
『ムキャナハハハハ!』
仗助がアヴドゥルに襲いかかろうとしたハイプリエステスを殴るが、それより早く動いたハイプリエステスが天井に張り付き、また溶け込んで消えた。
「は、速い!」
「くっそ、逃げ足の速い奴だぜ!」
「みんな! このままでは、水没して死ぬ! 隣の部屋へ行き、脱出だ!」
そう言ってポルナレフが潜水艦の扉を開こうとしたとき、ドアの取っ手がスタンド…ハイプリエステスに変形した。
「ば…馬鹿な…! もうこんなところに…!!」
「オラァ!」
ポルナレフの両腕を切断しようとしたハイプリエステスを、スタープラチナが捕えた。
「やったっすね、承太郎さん!」
「承太郎! 躊躇するな! 速く首を引きちぎるんだ!」
「アイアイサー。」
そして、スタープラチナの両手が、ハイプリエステスをグチャグチャにしようとして…。
「ぐっ!」
手の中でカミソリの刃に変身したハイプリエステスにより、スタープラチナの両手が切れた。その結果、ダメージがフィードバックされ承太郎の両手が切れた。
『キャハハハハハ!』
スタープラチナの両手から逃れたハイプリエステスが、再び壁に溶け込んだ。
「承太郎さん! 手、治します!」
「……てめぇは、この承太郎が、ぶちのめすぜ。」
ハイプリエステスを睨みながら承太郎はそう言った。
一行は、隣の部屋に逃れ、扉を閉めた。
「この潜水艦はもうダメだ! とにかく脱出し、エジプトに上陸するしかない!」
「だが、このここは、海底40メートルだぜ!? どうやって海上に!?」
「決まってるじゃろ。泳ぐんじゃよ。」
そして一行は、酸素ボンベが置いてある脱出口に到着した。
「今度は、スキューバダイビングかよ…。俺、経験無いぜ?」
「僕も。」
「俺も。」
「私も。」
「姉ちゃんと同じく。」
「隣の部屋からハイプリエステスが襲ってくる! 早く潜り方を教えてください!」
そこから、即席でのスキューバダイビングのレッスン。
とにかく慌てない。
一気に浮上しない。肺が破裂するので。
体を慣らしながら浮上する。
エジプトにはもう近いから、海底にそって上がっていこうということで。
酸素ボンベのレギュレーターを口にくわえる。涎は、吐いた息と共に出て行く。
それと当然だが、水中では喋れないので、ハンドシグナルを使うこと。
「スタンドで喋ればいいんじゃないの?」
「敵にも声が伝わったら大変じゃ。」
「あ、そっか。」
ダーク・ブルー・ムーンの時みたいにスタンドを使っての会話は今の状況では不可だった。
「なーんだハンドシグナルなら…。」
「……パン、ツー、まる、みえ。」
「YEAAAAA!!」
ビシバシグッグッ
「襲われて死にそーだっていうのに、くだらんことやっとらんで行くぞ!」
そうして、加圧のため部屋に海水を溜める。
そして、全員がOKのサインを出した直後…。
「ブゴゴッゴ!?」
ポルナレフの酸素ボンベのレギュレーターがハイプリエステスだった。
『ポルナレフさん!?』
『まずいっす! 体内に…! こうなりゃ…、ドラァ!!』
「ブゴバアア!?」
体内に入ったハイプリエステスを、仗助がクレイジー・ダイヤモンドの拳による腹パンで貫いて追い出した。
『ハアハア! ったく、前もそうだけど、お前、治せるからってメチャクチャだぜ、仗助!』
『急げ! 次に変身されるぞ!』
外へ出されたハイプリエステスが、水中銃に変身し狙ってきた。
それより早く一行は、空けた扉から逃げだし、扉を閉めた。
『よし! 閉じ込めた! みんな、行くぞ! 慌てず、ゆっくりとだ!』
そして一行は、ゆっくりと水圧に気をつけながら、海底に沿って泳いでいく。
紅海の美しい海中は、こんな時でなければずっと泳いでいたいほど美しかった。
敵が追って来る気配は今のところない。
イクナ
『? 今のは…?』
『……どうやら回り道した方が良さそうです。』
『ブルー・ブルー・ローズか? しかしもう目前だぞ?』
『何かがある…。危険だわ…。』
『だいじょーぶだって。気にしすぎだぜ、ミナミぃ。』
『で、でも! あっ!』
どうやら手遅れだったらしい。
海底が……、巨大化したハイプリエステスの顔だった。
ガバッと口を開けたハイプリエステスに、一行は吸い込まれた。
『馬鹿な…! なぜこんな巨大な…、まさか!?』
『そうだよ~ん! あたしは、7メートル以上上の海岸にいるよ! このまま、ハイプリエステスの歯ですりつぶしてやるわ!』
そして一行は、口の中の舌の上に放り出された。
『承太郎~! お前は私の好みのタイプだから、心苦しいわ! 私のスタンド、ハイプリエステスで消化しなきゃならないなんて!』
「……おい、承太郎。耳貸せ。」
すると、ポルナレフが、承太郎にヒソヒソと作戦を伝えた。
「…やれってのか?」
「いいから、ほら。」
『? 何やってんの?』
「あ~あ…、おしいぜ。」
すると承太郎が帽子の端を摘まんで落ち込んだ。
「1度アンタの素顔を見てみたいもんだ。俺の好みのタイプかもしれねーしよ。恋に、お、ち、る、も。」
『……。』
どうやら、敵に相当な揺さぶりにはなったらしい。
「すっげー真顔…。」
「シッ!」
『あ~ん、嬉しいわん。でも、そっちのハンバーグ頭くんも捨てがたいのよねぇん。』
「あっ。」
『?』
「あっ? てめぇ…、今、俺の頭がなんだって?」
「じょーすけーーーー!」
「ドララララララララララララララララララララララララララララ!!」
「あんた、馬鹿だよぉ…。」
『なんですってぇ!? ぅ…ゲッ!?』
「仗助の能力は…、破壊した物を治す力。いかなる形にも変形できるし、あんたが飲み込んだ海水って、どこに戻るのかな?」
『うううううううう! うげぇぇえぇ!!』
舌を伝って喉の奥に行っていた海水が凄まじい勢いで飛び出してきて、ハイプリエステスの口の中を破裂させん勢いで暴れ狂う。
『わああああああああああああ!』
当然口の中にいる全員が巻き込まれるが、プッツンした仗助の力による戻る力が勝ち、ハイプリエステスは、懸命に耐えていたが、歯茎の方が耐えきれず、歯が何本も抜け、その隙間から、海水と共に全員が放り出された。
『ついでだ、他の歯も抜いておいてやるぜ。』
そしてダメ押しとばかりに、承太郎がスタープラチナで残った歯をすべて破壊した。
『ヤレヤレ、確かにかてぇ歯だが、ちいとばっかし、カルシウム不足だったみたいだな?』
そして一行は、ついに海上に上がり、エジプトの浜辺に上陸した。
そこには、ひとりの女が倒れていた。息はあるものの、ピクピクと痙攣していた。
「ハイプリエステスの本体、ミドラーだな。」
「ちょっとだけ顔を見てくるぜ。美人かも知れねーしよ。」
そしてポルナレフが興味本位でミドラーに近寄ってその顔を見た。
だがすぐ飛んで戻って来た。
「み、見るな! 歯が全部ぶっ飛んじまってて、とてもじゃないが見れたもんじゃねぇ! あと、ゲロまみれ!」
「ダメージのフィードバックか…。仗助への禁句…、全然敵に伝わってないんだね。」
あちゃーっと、ミナミは、額を抑えた。
そして一行は、ついにエジプトの地に上陸できたのだった。
プッツンした仗助なら、これくらいできそうな気がして。
次回から、エジプト編に突入。