仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ   作:蜜柑ブタ

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イギー登場。


そして、未来で起こった事を少し話すミナミと仗助。


愚者の暗示

 

 浜辺の近くの集落で、ジープを買い、砂漠を途中まで横断。

 だが途中で止まり、何かを待つ。

 すると、空からヘリコプターが来た。

「うわっ、砂が!」

「ぺっぺっ!」

 舞い上がる砂に、ミナミと仗助は慌てた。

 やがて、ヘリコプターが着陸した。

「SPW財団のマークが入ってるな。」

「これに乗ってくんすか?」

「いや、助っ人を連れて来て貰ったのじゃ。」

「助っ人!?」

「じょ、ジョースターさん! まさか…。」

「アヴドゥル、そのまさかじゃ。」

「アイツに助っ人になどできません!」

「アイツって?」

「愚者のカードの暗示、ザ・フールの使い手じゃ。」

「ざ・ふーるぅ? へへへ、そりゃ別の意味でだいじょうぶかよ?」

「ポルナレフ、おまえじゃ勝てん。」

「んだとぉ!?」

「扉が開くぞ。」

 そしてヘリコプターの扉が開いた。

 すると、二人の男性が出てきた。

「どっちだ? どっちが助っ人だ?」

「いえ…、我々は、助っ人となる方を連れてきたSPW財団の人間です。」

「おいおい? じゃあ、助っ人ってどこだよ?」

「まだヘリコプターに…。」

「ああん? すっげーチビなわけ? どれどれ?」

「ポルナレフ! 迂闊に近づくな!」

「気をつけてください! ヘリコプターが揺れてご機嫌斜めなんです!」

「お? お、おおおおおお? おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

 

「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!」

 

 ヘリコプターの扉から飛び出してきたのは、一匹の黒いボステリアン…つまり犬だった。

「い、犬ぅ!?」

「今度は、犬!? まさかこの犬が…?」

「はい、助っ人として来た方…です。」

「オラウータンに続いて、今度は犬か…。」

「ドブネズミや、ストレイ・キャット(猫草)もいることだし、ネズミに、猫もあれば、犬もありだよな?」

「名前は、イギー。どこで生まれたのかは知らないが、ニューヨークの野良犬狩りにも決して捕まらなかったのを、アヴドゥルが見つけてやっとの思いで捕まえたのだ。そうそう、髪の毛をむしるのが趣味で、あと、人の顔で屁をするのが趣味の下品な奴じゃ。」

 

 プッ モワ~~ン

 

「…どちくしょうが!! こらしめてやる、おんどりゃーーーーー!!」

 髪の毛をむしられ、顔に屁を浴びせられてキレたポルナレフがシルバー・チャリオッツを出し、イギーに斬りかかろうとした。

 しかし、直後、砂からスタンドが出現した。

 ネイティブ・アメリカンの装飾を思わせる羽根飾りに、後ろ足がタイヤになった機械の獣のような姿だった。

 シルバー・チャリオッツがそのスタンドに剣を振り下ろすと、ザクッと砂になって切れ、そして切れた端から剣を挟むように戻り固定した。

「げっ! 砂が固まって…、動かねぇ! うわわ、た、たすけてくれぇえええ!!」

 そして動けなくなったポルナレフに、イギーは遠慮なく襲いかかりまた髪をむしりだした。

「まったく、人の話を聞かないから…、ホレッ、イギー。」

 するとアヴドゥルが何かを出した。

 それは、ガムだった。

 ピクッと耳を立てたイギーが、アヴドゥルに飛びつくようにガムを奪い取って、ムシャムシャとガムを噛んだ。

「イギーは、コーヒー味のガムが大好物でな。」

「く、くっそ~、俺の髪の毛が…。」

「なんて、犬だ…。これが助っ人とは…。」

「砂のスタンドか…。俺でも勝てるかどうか微妙だぜ。」

「お、俺じゃなくてよかった~。」

「だね。」

「ミナミ~、こんな野郎イヤだよな?」

「えっ? 私は犬好きだよ?」

「なに~~!!」

「ほら、おいでおいで。」

 しかし、イギーは、プイッとそっぽを向いた。

「あれ?」

「イギーは、誰にも心を開かんのだ。元々は、血統書付きのペットだったらしいが、逃げだし、野良犬共のボスとして君臨していたのじゃ。」

「む~…。残念。けど…、イギーって…、あっ。」

「姉ちゃん。」

「……なんとかするよ、絶対。」

「?」

 ジョセフ達は不思議そうにミナミを見たが、承太郎だけは、帽子の鍔をつまみ、何も言わなかった。

 

 その後、ヘリコプターに乗せてあった、物資をジープに積み。

 ジョセフは、あることをSPW財団の使い達に聞いた。

 

「ホリィの様態を教えて欲しい。」

 

 っと。

 すると、SPW財団の使い達は、言いにくそうに答える。

「あまり…良いとは言えません。体力の消耗が激しく、命はいぜん危険です。我々、SPW財団の医師の診断では……、もって、あと、2週間…。」

「2週間…。」

「もうそんなに…、ホリィさんも、この時代の仗助も…、このままじゃ…。」

 ミナミは、青ざめる。

「姉ちゃん…。」

「もし…、もし…、4歳の仗助が耐えられなくなったら、ここにいる仗助はどうなるの? まさか未来は…。」

 そう、この時代。仗助は、ホリィと違ってまだ5歳にもならない幼児なのだ。

「……負けねぇよ。」

「仗助…?」

「俺は、あんまし覚えてねぇけど、50日間、ずっと戦ってたんだ。知らねぇ相手とはいえ、そいつの呪いに負けねぇためにな。だから、負けねぇ。必ず勝つ! そいで、胸張って、未来に帰ろうぜ、姉ちゃん!」

「仗助…。」

「…うむ。そうじゃな。ホリィも、幼いお前も絶対に死なせん!」

 ジョセフ達は、仗助の言葉によって決意を新たにした。

 ところが…、SPW財団の使い達は、非常に気になる情報をもたらした。

 

 2日前に、謎の9人の男女が、DIOが潜伏していると思われる屋敷に入っていき、それからそれぞれ旅立っていたという情報だった。

 

「9人!?」

「馬鹿な! タロットカードのスタンドは、ホル・ホースを除いて、残すは、『世界(ワールド)』のDIOだけのはずだ!」

「わ、分からん…。9人だと?」

「待ってください。必ずしもタロットカードなどの暗示だとは限りませんよ?」

「ミナミ?」

「思い出してください。セスナで砂漠を横断するとき、ザ・タイドというタロットカードとは関係ないスタンド使いが襲ってきたじゃないですか。」

「そういえば、そうじゃ!」

「ざ・たいど?」

「ああ、アヴドゥルさんは、知らないんでしたね。敵スタンドですよ。それに、ミナミと仗助のスタンドだってそうだ。カードの暗示を持っていない。つまり、まったく暗示とは関係の無いスタンド使いという可能性が高いですね。」

「だとすると、余計に分からん! どこからそんなスタンド使いを…。」

「あっ。」

「あっ。」

 ミナミと仗助は、思い当たり、同時に声を上げた。

「心当たりがありそうだな?」

「はい…、私達の故郷の町に、多数のスタンド使いを生み出した、弓と矢がありました。」

「そいつに射られると、死ぬか…スタンド使いになるか…。原理は分からないっすけど。たぶん、それでスタンド使いを量産してるんじゃ?」

「そんなもんがあるのかよ!? それじゃあ、スタンド使いを増やしたい放題じゃねぇか!」

「ですが、必ずしもスタンドを使いこなせるかって言われれば…、否、です。それに、どんなスタンドになるかもその人にもよるし……、今までのように殺し屋向けとは限らないし…、こちらの味方になってくれた人もいたし、中には、自分のスタンドに翻弄されて、自分のスタンドに殺されてしまう人もいたようですから。」

「なるほど…、そんな手がDIOにはあるのか…。」

 スタンド使いを量産する手段が、敵側にあるという情報に、ジョセフ達は、嫌な汗をかいた。

 

 ジョセフの分析だと、DIOは、まだ体が馴染んでいないらしく、そしてプライドが高くて、エジプトのカイロから動こうとはしない。

 だからこそ、これまでエジプト入りを阻む刺客を寄越してきたし、エジプトに上陸した今、さらに防御の手を強めたようだと。

 

「それと…、ミナミを奪い取ることも念頭に入れて、今まで以上に激しい交戦になるかもしれん。」

 

 そう、DIOは、ミナミを狙っている。生命から寿命を奪い、青いバラの花にして、他者へ与える力。

 そして、出来るかどうかは分からないが、死んだ者を生き返らせられるとされる力。

 下手な悪党ならば、何が何でも欲しがるだろう、圧倒的な力。

 

 すると、暗くなっているミナミに、イギーがフンフンと鼻を鳴らして、近づいてきた。

「なに?」

「あのイギーが、自ら人に近づくとは…。」

「……あっ!」

 するとポロッとミナミの服の隙間から、青いバラの花が1本落ちた。そしてイギーに当たり、パッと光の粒になって消えた。

「おい、今!」

「…いや、これでいいと思います。」

「そうか…。」

「これで、イギーの寿命は、1年延びたということか。」

 そう言うアヴドゥル。だが、ミナミは、慈しむように足下にいるイギーを見つめていた。

「ブルー・ブルー・ローズは、どこからか、誰からか分からねぇけど、青いバラの花を取ってくる習性があるんっすよね。」

「ああ、あん時も大量にあったよな…。」

「そういうことは、早めに言いなさい。」

「…ごめんなさい。」

 

 その時、ミナミの足下にいたイギーが、耳をピンッと立たせた。

 

 そして一行は、荷物を乗せたジープに乗り、砂漠の横断を始めた。

 

 

 

 




イギー、ミナミに少しだけ心を許す(?)。
動物の本能で、この面子で一番ヤバいことを感じているのか……。

これで、花京院、イギーに、青いバラの花が入り込み、あらゆる死因を1回だけなかったことにする、命のストックができる。
あとは、アヴドゥルだけ。
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