仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ   作:蜜柑ブタ

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アヌビス神編。その2。



アヌビス神が、ブルー・ブルー・ローズを……?


アヌビス神 その2

 

 

「こりゃぁ…、触れねぇぞ?」

 ブルー・ブルー・ローズが巻き付いてて、剣に触ることすらできない有様。

 ブルー・ブルー・ローズは、相手を傷つけ、寿命を奪い青いバラの花に変える。そのため、下手に触るなんてできない。そしてスタンドで触っても同じだ。

「ブルー・ブルー・ローズがここまで、この剣を封じているんだ。何かあるのか?」

 アヴドゥルが不審がる。

 その様子を見て、剣のスタンド、アヌビス神は、ドキッとする。

 自分自身は、スタンドの持ち主がすでに故人である剣に宿ったスタンドだ。

 それゆえに、剣の刃さえ無事なら力は発揮する。だが、逆に言えば刃がダメになると途端に終わることになる。

 目の前には、鉄をも蒸発させるほどの火炎を操るアヴドゥル。剣を粉々に粉砕するほどの打撃力を誇るスタープラチナのも持ち主である承太郎。そして、チャカという青年を操ったときに、柱を変形させるという奇策を使ってきた、破壊した物をいかなる形にも直せるスタンド、クレイジー・ダイヤモンドの使い手、仗助がいる。

 なんとか…、なんとかこの窮地を脱する方法はないか!?

 剣ゆえに、持ち手がいないとまったく力を発揮できないスタンドであるアヌビス神は、一生懸命考える。

 

 テ…キ……

 

『!?』

 鞘から生えているブルー・ブルー・ローズから声のようなものが聞こえた気がした。

 

 テキ…テキ……ハイジョ…ハイジョ…ハイジョハイジョハイジョハイジョハイジョ

 

『ひ、ひぃいいいいい! お、俺は敵じゃねぇえええ!!』

 

 …敵……チガ、ウ?

 

 そこで、アヌビス神は、疑惑を持った。

 ブルー・ブルー・ローズは、寿命を奪い取るスタンドだとは、聞いていた。

 そして、本体であるミナミを守る意思を宿しているらしいことも。

 アヌビス神は、もしかして…っと思い、賭けに出た。

 

『そうだ…、俺は敵じゃない…。アンタ(ブルー・ブルー・ローズ)の味方だ。』

 

 ミ…カタ…

 

『アンタは、本体を守り抜きたいんだろう? なら、俺が手伝ってやるよ。』

 

 テツダ……?

 

 アヌビス神は、確信する。

 このスタンド、ブルー・ブルー・ローズは、そこまで知恵のあるスタンドではないのだと。オートで本体を守るのも、ロボットや、そういう単純な本能的なもので動いているに過ぎないのだと。

 

『そうだ…そうだぜ? アンタが殺すべき相手…、もっとも本体を危険に追いやっている相手は誰なのか教えてやるよ。そのために、力を貸してくれないか?』

 

 また、ブルー・ブルー・ローズが動けば動くほど、本体にかかる負担も限りなく大きく、今の状態は、ほぼ昏睡に近い状態だ。

 

『本体の精神を休ませる意味で…、俺が変わってやるよ。アンタは、守ることに専念して欲しい。頼めるか?』

 

 このスタンドは、味方であるジョースター達にすらも牙を剥く。今だって剣の鞘に絡みついているため、触ることすらしていない。

 

 コイツ(ブルー・ブルー・ローズ)にとって、本体以外は、すべて敵なのだ。アヌビス神は、そう確信した。

 

 そして返事を待つ。

 

 やがて……。

 

 

 ……イイ…ダ…ロ…ウ……

 

 

 よっしゃーーーー!

 っと、アヌビス神は、無い腕を振り上げてガッツポーズ。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「……起きねぇな。」

 ポルナレフが、眠りっぱなしのミナミの頬をツンツンとつついた。

「まだ、剣を握りしめてるしよぉ…、どうする?」

「自然に目が覚めるまでは、どうしようもねぇ。」

 っと承太郎が言った。

 車に寝かせていたが、ジョセフ達は、買い出しのため今いない。

 

 すると、イギーが吠えた。

 

「ああ? イギーなに、吠えて…。っ!?」

 一瞬の光。それは、剣の刃が抜き放たれ、居合い切りが行われた残像だった。

 

『クク…、ククククククク!!』

 

「ミナミ!?」

 先ほどの居合い切りで、車の上部が椅子ごと切れ、壊れる。

 ポルナレフが、飛び退きシルバー・チャリオッツを出す。

 離れた位置にいた承太郎も、警戒した。

『フフフフフ! クククカカカカ! こうも上手くいくとは嬉しい予想外だ!』

「てめぇ…、ミナミでも、ブルー・ブルー・ローズでもないな?」

『その通り! 俺の名は、アヌビス神。この剣に宿るスタンドよ!』

 剣を手にしているミナミが、…否、アヌビス神が高らかに自身の正体を明かした。

 そして、ズカズカと早足で接近してくる。

「来るか! シルバー・チャ…。」

『おいおいおーい? ミナミを殺すのか?』

「!」

『うしゃああああああ!』

 アヌビス神が、剣を振り回し、ポルナレフは、必死にシルバー・チャリオッツの剣で迎え撃つ。だがミナミを攻撃できず、防御に専念するしかなかった。

『ククク! 貴様らは、俺を攻撃はできないが、俺は攻撃できるぞ。』

「ちくしょう! てめーーーー!」

『その程度か? 柔な剣だ。まあ、仕方のないこと。お前の動きは先頃の戦いで覚えたからなぁ!!』

「ぐあ!」

 ギリギリとつん張りあっていたが、やがて、力負けしたポルナレフがシルバー・チャリオッツごと吹っ飛ばされた。

『次は、貴様だ、承太郎!』

「くっ!」

 承太郎は、スタープラチナを体に纏わせ、その場から飛び退く、その瞬間、アヌビス神の剣が先ほどまでいた場所を切った。ついでに剣圧で剣の先にあった結構大きめの石が真っ二つになった。

『どうした? 承太郎? 横ががら空きだというのに、攻撃しないのか? やはり、身内の人間は攻撃できないようだなぁ。』

「教えろ。」

『んん?』

「ブルー・ブルー・ローズが、なぜてめぇの身を守るようにしている?」

「あっ!」

 吹っ飛ばされていたが復帰したポルナレフが言われて見て気づいた。

 アヌビス神に支配されたミナミの胴体の服に、ブルー・ブルー・ローズが巻き付くように生えていたからだ。

 アヌビス神は、フッと笑い。

『簡単なことよ。少しばかり話し合いをしたのだ。』

「ブルー・ブルー・ローズとか?」

『コイツにとって、お前らも我々も敵に過ぎんらしい。すべてが敵ならば…、近場にいる敵をと、ちょいと言ってみただけだ。そしたら、ノッてくれたのだ!』

「ば、馬鹿な…ミナミが俺達を…。」

「違う。ミナミの意思とブルー・ブルー・ローズは完全に分離している。ブルー・ブルー・ローズの防衛本能に、野郎がつけ込んだんだだろう。」

『フフフフ! そうとも言えるな。だが、これで素手じゃ攻撃できまい。傷つけられれば、たちまち寿命を奪われるからな!』

「やれやれ…、ブルー・ブルー・ローズのオートガード付きか…。厄介だぜ。」

「なら…、ジョースターさん達が戻ってくるまで時間を稼ごうぜ! そしたら、剣だけでもアヴドゥルに…。」

『クククク…、それはどうかな?』

「なに?」

 

「おーい、姉ちゃん? 起きたのか?」

「待て仗助。なぜミナミが剣を握っている? しかも抜き身で?」

 

「じじい、マズいことになった。」

「敵だ! あの剣が敵スタンドだったんですよ! ミナミが乗っ取られた!」

「なにーーーーーーー!?」

『クククク…! その通り! もう一度自己紹介と行こうか。俺は、アヌビス神。エジプト9栄神がひとり、アヌビス神だ!』

「ね、姉ちゃん…。」

 仗助は愕然とした。

『さてさて! お前達は、この娘…東方ミナミを攻撃できるのか? できるものならやってみるがいい! だが、俺は攻撃できるぞ?』

「マジシャンズ・レッド!!」

「アヴドゥル!?」

「ようは、剣が本体ならば…、一瞬で蒸発させるまで!」

『どうかな?』

 すると、アヌビス神が、剣で、炎を絡み取った。その剣術は、どこかで見覚えがある技だった。

「その技は…。」

『アヴドゥルの炎…、確かに厄介ではあるが…、その攻略は…、すでにポルナレフ…お前がすでに見出していることだ。それがこの俺にできないと思ってるのか?』

「ハッ!」

 それを聞いてポルナレフは、香港でのアヴドゥルとの戦いを思い出す。

 あの時、自分は剣のスピードによる空気の溝でアヴドゥルの炎を攻略してみせた。

『剣だけでは、俺は何もできない。だが持ち手がいれば、それも可能! クククク…! お前は自分で自分の仲間の攻略法をこちらにももたらしたのだ!』

「く、くそぉ!」

『ほらよ、返すぜ!』

「ぐっ!」

 剣に絡めていた炎を、アヌビス神は、アヴドゥル達の方へ返した。

『クククク…、これでお前の炎も覚えたぜ…。』

「よくも…、姉ちゃんを!」

「仗助! 行くな!」

 仗助が駆け出し、クレイジー・ダイヤモンドを出す。

『馬鹿が! お前さえ殺せば、回復の手段も無くなる、お前の回復能力だけが邪魔だったのだ、死ね! …っっ!?』

「ドラァ!」

 仗助に剣を振り下ろそうとして、直前で止まり、仗助のクレイジー・ダイヤモンドの拳が剣に命中した。

 そして、嫌な音を立てて、剣が半分になる。

『ば、馬鹿な…!』

 アヌビス神は、驚愕する、自身の腕を、ブルー・ブルー・ローズが絡みついて妨害していたのだ。

「なるほど、ミナミの潜在意識が双子の弟の仗助を攻撃させなかったらしいな。ブルー・ブルー・ローズを味方に付けたつもりで、とんだ伏兵がついちまったみたいだな。」

『く…。』

「どうやら、勝った気でいたつもりが、一気に形勢逆転といったところか。」

『承太郎…、まだ俺が負けたと…、と、と、と…?』

「……うっ…。」

『…な、ん、だとぉ…!? 俺が…追い出され…。』

 そして、アヌビス神の意識がミナミから追い出され、ミナミの意識が浮上した。

「……あれ?」

「姉ちゃん?」

「仗助? どうしたの? 私、どれくらい寝てた?」

「姉ちゃーん!」

「うわっ!」

 仗助がミナミに抱きついた。その際に、ミナミの手から抜き身のアヌビス神の剣が手放された。

 

『そんな馬鹿な…。俺が乗っ取っていたからミナミの意識も抑え込んでたってのに! ブルー・ブルー・ローズめ…!』

 

「さーてと…、アヌビスっつーたか?」

『ハッ!?』

 地面に落ちた剣のスタンド、アヌビス神が取り込まれた。

「どーしてくれようか? よくもミナミに取り憑いてくれたな?」

『ま、待って…、お願いします…。待ってください…。俺…剣のままじゃ何もできません…、負けです…はい…。』

「アヴドゥル。」

「蒸発しろ。」

『ぎゃあああああああああああああああああああ!!』

 アヴドゥルが放ったマジシャンズ・レッドの炎が、一瞬にして、剣を焼き払い、蒸発させた。

「ふーい…、もう二度と変な落とし物は拾わないようにしようぜ。」

「まっ、あの場で他の人間の手に渡るよりはマシだったかもしれんな。そしたら、人を変えてアヌビスが攻撃してきた可能性が高い。」

「あの…、私…なんか余計なことしちゃったの?」

「いいや、もう終わったことだ。お前はそこまで気にするな。」

「姉ちゃん…、よかったぁ…。」

「仗助。熱いからそろそろ離れてよ。」

 

 

 

 

 一方その頃。

 仗助によって半分に折られた剣の半分を、通りがかった子供が拾った。

 途端、刃に宿っていたアヌビス神に子供が乗っ取られる。

『馬鹿め! 俺自身が剣だということを忘れたようだな! せめて、ひとりだけでも…、殺す!』

 子供が、ジョースター一行の背中に向けて、折れた剣の刀身を投げようとして振りかぶったとき。

 そこに、イギーがやってきて、イギーでつまずいた。

『犬ーー!? なんで、犬ーーー!? 外したー! この先はナイルのかわーーー!? ひぃいいいいいいいいいい!!』

 大きく目標を逸れて飛んでいった刀身は、そのままナイルの川に落ちたのだった。

 

 そうして、2、3日後…、錆びてしまったアヌビス神は、完全に再起不能となった。

 

 




本当はもっと激しいバトルを展開したかったが、文才が無かった。

それにまず仗助が激昂しそうだし、アヌビス神としても回復手段を奪いたかったから、仗助を攻撃するだろうし、ミナミは、攻撃したくないからその潜在意識に反応したブルー・ブルー・ローズがアヌビス神を妨害、結果剣を折られてしまう。
また、ブルー・ブルー・ローズもその潜在意識くんでアヌビス神をジョースター一行以上の敵と判断し、アヌビス神を追い出してしまう。そしてミナミの意識は浮上。
剣は手放されて、アヴドゥルに蒸発させられ、残っていた刀身も、イギーにより目標を誤り、ナイルの川へ。

ということで、アヌビス神編は、こんな感じになりました。

でも、書き直すかもしれないかも。
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