仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
色々考えたけど、この展開にしました。
コム・オンボから、ルクソールへ。
かつて、エジプトの王家、ファラオ(王様の意)達は、墓泥棒達から盗掘から逃れるため、ナイル中流の奥深い険しい谷に死後の安住の地を求めたとされる。
だが、それでも何十という墓が墓泥棒達に暴かれたという。だがたったひとつだけ盗掘を免れたファラオがいた。
それが近年発見された有名なツタンカーメンの墓である。
「ツタンカーメンって言ったら、呪いの話も有名だよね。」
「ああ、それ? 確か心臓が破裂して死ぬって奴か?」
「細菌説とか、カビ説とか、ガス説とかって色々とあるけど…。やっぱ大切なお墓を荒らすって命と引き換えにしてでもやらないといけないこと?」
「だが、その命知らずのおかげで、歴史の謎が紐解かれたのも事実だ。」
ミナミと仗助の会話にアヴドゥルが入って来た。
「この岩山の村は、その墓泥棒達の子孫だ。いまだに、家の地下では、金銀財宝を求めて政府に内緒で洞窟を掘っている輩もいると言われている。」
「へ~。アヴドゥルさん詳しいですね。」
「エジプトは、私の故郷だからな。」
「あ、なるほどっすね。」
「あっ、トイレ行きたくなってきた。」
「あっちにあるぞ。誰かと行きなさい。」
「じゃ、俺が行くっす。」
「ワン。」
「なんだ? イギーも来んのか? 変なことするなよ?」
「ガルルル!」
仗助に睨まれ、心外だとイギーが唸った。
「……まともなトイレならいいながら。」
ポルナレフの呟き。
それは、現実となる。
公衆トイレとして作られていたトイレに入ったものの……。
ミナミは、すぐ出てきた。
「どうしたんだ?」
「……ないわー…。」
「えっ?」
「中、中見て。」
「はっ? えっ? うお、これは!?」
「“風”洗式トイレって、ないわー…。」
「サンド(砂)ウォッシュってのも無しだぜ!」
「ごめん。ホテルまで我慢する。んぎゃ!?」
知覚の岩場に手を置いた瞬間、ミナミは、悲鳴を上げた。
「どうした!?」
「いや、今…ビリッと…。なんで?」
見れば、先ほど手を置いた場所を見たが何も無かった。
「静電気じゃね? 姉ちゃん、すぐビリっとなるじゃん。」
「湿気も無いこんなカラッとした場所で?」
「どこでもなるだろ、姉ちゃんのは。アダッ!?」
「ほら、仗助まで。」
木で出来たトイレの壁に触れた仗助が、ビリッときて手を離した。
「あ、違う…。これ、コンセントか?」
「ええ?」
「へー、こんな辺鄙なとこまで電線通ってんのか。すげー。」
「それより、早く行こう。みんなを待たせてるから。」
「分かってるって。」
二人は、並んで歩いてく。その後をイギーが追いかけた。
「……フフフフ…。」
少し丘になった場所の岩の影に、褐色の肌が美しい女性がタバコを吸っていた。
***
その後、オープン喫茶店でコーラを開けて飲んでいると。
「おい、仗助、コーラの蓋が制服に引っ付いてるぜ。」
「えっ? あれ?」
「ミナミ、君の足に釘が引っかかっているよ?」
「えっ?」
「ラジオの音が変だぜ? 壊れてんじゃねぇのか?」
「おかしいっすねぇ、新品なんですけど…。」
っと、店主は、ラジオを弄った。
アヴドゥルが、あと2日ほどでカイロまでつくから、怪我は仗助に治してもらったものの、疲労はどうにもならないので、今日と明日は、ルクソールに滞在して休息を取るというのはどうかと、提案した。
「うむ、賛成じゃ。ひとまず、ホテルを探そう。」
「ん? んん?」
「どうした、ミナミ?」
「い、椅子から立てない…。なんかお尻が引っ付いて…。」
「おいおい、尻がでかいからってハマったのか?」
「ポルナレフさん!」
「ま、冗談はさておき、どうしたよ? ほれ、手ぇ貸してやるから立ってみろって。」
ポルナレフが手を貸し、立たせようとするが、他の者達が木の椅子だったにもかかわらず、椅子が足りなかったため、鉄の入った金属製の椅子を持って来てもらって座っていたのだが、ミナミは立てなかった。
立とうとすると、椅子ごと浮くのだ。
「これは…。」
「うわーん、どうしよう…。」
「承太郎、椅子を押さえて引っ張れ。」
言われた承太郎は、椅子の背を掴んで引っ張った。そしてやっとミナミは、椅子から解放された。
「おい…、ジジイ…。」
「うむ……、おかしいのう。」
「ハッ! 仗助、危ねぇ!!」
「へっ?」
次の瞬間、仗助の頭に飛んできたハンマーをポルナレフが止めた。
「おい! 誰だ、投げた奴は!」
「すんません! ハンマーが勝手にそっちに!」
近くで大工仕事をしていた大工が駆け寄ってきた。
すると彼のポケットに入っていた釘が飛び、ミナミと仗助に飛んでいった。
「げっ!」
「うわわわ!」
「この!」
それを花京院がハイエロファントグリーンで防いでくれた。
「な…、こ、これは…。」
「お前達! 何かあったのか!? スタンド攻撃を受けたのか!?」
「えっ? いや…別に…。」
「ただ、岩場でビリッとはなりました。」
「それじゃねぇの?」
「えーーーーー!?」
「先ほどから金属製のものが飛んできて引っ付く…、つまり、体が磁石化しているようですね。」
「どーすんだよー!? 簡単に釘とかハンマーが飛んできちまうなら、下手に出歩けねぇぜ!」
「…仕方ない。安全のため、ホテルでじっとしていてもらおう。そして本体はわしらが倒してくる。」
「途中での金属製品に気をつけていかなければ。」
「すんませーん…。」
「ごめんなさい…。」
「ったく、油断しやがって…。」
「まあ、そう言うな。承太郎。敵は、エジプト道中の敵を遙かに上回るようじゃからのう。わしらも術中にはまれば、どうなるか分からん。」
そう言いながら、途中の金属製品に気をつけつつホテルを探し、ミナミと仗助には、部屋でじっとしててもらうことになった。
「はー…、どうする、姉ちゃん?」
ホテルで、待っていても暇で、仗助が木の椅子に座った状態で言った。
「どうしようもないよ。これ…。」
ミナミは、自分の手に引っ付いた、コーラの蓋を見て言った。
「それはそうと、お互いに近寄らないようにしようね。」
「なんで?」
「だって、磁石化してるんだよ? 近寄ったら絶対引っ付くじゃん。」
「あ、そうか…。」
だが、次の瞬間。
パリーンっと、窓ガラスが割れた。
「なんだ!?」
「仗助!!」
「ドラァ!」
自分めがけて飛んできた弾丸を、咄嗟に仗助はクレイジー・ダイヤモンドの拳で弾いた。
だが、弾丸は、軌道を変え、部屋の中を飛び回った。
「これ…、まさか…。ホル・ホースの…!」
「エンペラーか!?」
どこから狙われているのか分からないが、エンペラーの弾丸は、仗助を狙って動く。
「仗助!」
「うわっ!」
窓からもう一発来たため、咄嗟にミナミが仗助を伏せさせて防いだ。もう一発のエンペラーの弾丸は、ミナミの髪の毛を擦った。
「しまっ…。」
「馬鹿! 自分で言っといて、近づくなよ!」
「そう言われても!」
二人は、ほっぺたと上半身をひっつけた状態で言い合った。
二発の弾丸が、ミナミに引っ付いたことで動けなくなった仗助を狙う。
「ドラララ!」
動けぬ状態だがなんとかクレイジー・ダイヤモンドの拳で防ぐ。だがすぐに弾かれた弾丸は、軌道を変えてまた狙ってくる。
「1、2、3!」
二人は、かけ声と共に同時に動いて立ち上がり、息の合ったテンポで部屋の隅に逃れた。
「ここから、見える位置ってどこかな!?」
「たぶん、ホル・ホースの目が必要だからよぉ! ここからだと…、あっ!」
窓から見えるとこに、ホル・ホースが双眼鏡を手にして離れた建物の上からこちらを見ている光景があった。
「いた!」
「あんにゃろう…! あんときは逃がしちまったけど、今度はぶっ飛ばすぜ!」
「行くよ、仗助!」
「おう!」
二人は、そろって、凄まじいコンビネーションの二人三脚でホテルから駆け出した。
窓から見ていてギョッとしたホル・ホースは、すぐにエンペラーの弾丸を消し、移動した。
そこへ。
「だあああああああああ! 待てえええええええええええ!!」
「なんで、バステト神にかかってんのに、そんな息のあった状態でいられんだよ!?」
ドドドドドド!っと走ってきた二人を見てホル・ホースは即逃げる。
「双子なめるんじゃないわよーー! これでも二人三脚じゃ負けなしなんだからねーーー!」
「ちくしょーーーー! マライヤの姉さん、早くーーー!」
全力の鬼ごっこ。(追いかける側、二人三脚)
すると、不意にミナミと仗助が離れた。
突然のことに驚いた二人は倒れた。
「バステト神が解けちまったのか!? ってことは…、くそっ!」
「あっ、くそ、逃げ足早えなアイツ!」
倒れている隙にホル・ホースは、逃げてしまった。
「いたたた…。」
「姉ちゃん、だいじょうぶか?」
「足捻った…。」
「ほら、見せろよ。治すから。」
ミナミは、足を治してもらった。
なお、この後、帰ってきた承太郎達に、なんでホテルでジッとしてなかったと怒られたのだった。
双子だからと言って、息が合うとは限りませんがね……。親戚に双子がいますが、正反対な性格でした。
虹村にするとか、ホル・ホースにするか考えて、ホル・ホースにマライヤと組んでもらいました。
ホル・ホースの狙いは、仗助でした。ミナミを攻撃する気はなかったです。