仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
ただし、不参加。
イカサマ親子とはいえ、仗助がジョセフほどの腕があるとは思えなかったので。
ミナミは、車の中で眠っていた。
酷く疲れていた。
おそらく、若返らせてしまうスタンドから身を守るためブルー・ブルー・ローズが無理をさせた影響だろうと見られた。
仗助が車の外に、そしてイギーがミナミの膝の上に乗っていた。
ミナミは、夢を見ていた。
ダービーという男。
その男と、ギャンブル勝負をする承太郎達。
ダービーは、オシリス神の使い手だった。だが戦闘向けのスタンドではない。あくまでも使い手であるダービーがギャンブルで勝利したときのみ出現し、ギャンブルの対価として相手の魂を奪い取り、それをコインに変える能力。
事前に魂を賭ける宣言していないと使えず、非常に複雑で、使いにくいだろう。なにせ本体のギャンブルの腕次第なのだから。
その能力と、ダービー自身のギャンブルの腕で、すでにポルナレフとジョセフがコインにされた。
ブルー・ブルー・ローズが柱を伝い、スルスルとアヴドゥルに近づいた。
その根の先に、どこからか奪ってきたらしい寿命…、青いバラの花がある。
ソッとアヴドゥルの背中に花を当て、パッと光になって寿命がアヴドゥルに吸い込まれた。そしてブルー・ブルー・ローズは、天井へと移動し、まるで様子を見るように上にいる。
ダービーの狂人ともいえるレベルのギャンブルの強運と、イカサマの腕を前に、残されたメンバーが冷や汗をかいている。
やがて、承太郎がポーカーで勝負しろと言った。
ダービーは、ポーカーは得意だと笑う。
承太郎は、スタープラチナの正確性高い目で、ダービーがシャッフルしたカードを言い当てて見せた。これで容易にイカサマはできなくなったことを言った承太郎の言葉に、さすがにこれには、ダービーも少しばかり汗をかいてる。
そして、まだシールを剥がしていない新しいカードで勝負が始まった。
なのだが……、シャッフルの最中、承太郎がダービーの指を1本折った。
セカンド・ディール。それは、一番上のカードを配るという心理を利用したイカサマの高等テクニックで、実際には、2番目のカードを配っているというものだ。
スタープラチナレベルの正確な目だからこそ見破れたソレ。
そして、もうお前にカードを触らせられんということで、近くでサッカーをしていた少年にディーラー(カードを配る役)をやらせることにした。
しかし、盲点。いや、すでに術中。
このカフェにいる人間全員が、ダービーの仲間だった。つまり、ここにいる人間全員(ジョースター一行以外)に頼んでも、イカサマをされるということ。
しかし、その事実を承太郎達は知らない。
ダービーは、DIOのために勝負をしにきたのではなく、あくまでも自身がギャンブラー(賭事師)だから、戦いに来たのだと言い放ち、ポルナレフとジョセフの魂が封じ込められたコインをそれぞれ6枚ずつに割った。
これについてダービーは、ポーカーとは、自分のカードが相手に負けるかも知れないと判断したら、ゲームを降りてもいい賭け事、つまり1回ごとに参加料を払うからチップ(コイン)が2枚では勝負にならない。そこでチップ(コイン)を6個取り戻して初めて魂をひとつ取り戻すことにすると言った。
そして……、例の宣言…。『自分の魂を賭ける』という宣言の後に勝負が始まった。
参加料として、1回につき1枚のコインを支払う。
そしてここからが、ポーカーというゲームの恐ろしい心理戦となる。
それぞれがカードとコインの出し合いで、相手の表情や様子などでカードのチェンジや出すコインの数を決める。
そして1回目の勝負で……、承太郎は負けた。結果、承太郎は6枚のコインの内、3枚を失う。
そしてもう一度勝負が始まる。
ところが、承太郎は、ここである勝負に出た。
なんと配られたカードを伏せた状態で、チェンジも無しで勝負する気できたのだ。
さすがのダービーも、何を言っているのか分からず聞き返す。なぜなら、承太郎は配られたカードの内容を見ずに、伏せたままでいるのだから。
承太郎は、表情を変えず、だが真剣なまなざしで宣言する。
すべてのコイン、そして…アヴドゥルの魂を賭けると。
それは、アヴドゥル自身が分かっていたことだし、アヴドゥルは、ダービーの腕の前には勝てないという思いと、賭事が苦手なので初めからこうする気だったと答えた。
ダービーは、緊張感から頭がおかしくなったのか?っと、ひとすじの汗をかきつつ、おちょくるように言った。
そしてさらにダービーは、カードをチェンジする。このディーラーやらせている子供も仲間であるため、当然だが良いカードが来る。
初めから…、初めから…ダービーの術中。だがそれでも承太郎は揺るがない。
ならばと、ダービーは、さらにすべてのコインを賭けにだすことにした。これで揺るがぬはずがないと見たのだろう。
だが承太郎は…、そして花京院は…。
僕の魂を遠慮無く使ってくれと承太郎に笑顔で言った。
アヴドゥルが焦るものの、花京院は汗ひとつかかず、いいんですっと答えた。
だがダービーは、この場にいない人間の魂もあるだろう?っと揺さぶる。
それは、ミナミと仗助の魂だ。
ミナミは殺す気はないのだろう!?っとアヴドゥルが聞くと、肉体を新鮮な状態で持ち帰って、ミナミの魂を解放すれば良いと答えた。スタンドさえ使える状態ならば、それ以外がどうなろうと構わないという命令だったっと。
アヴドゥルは、あんまりなことだと、絶句する。DIOの目的は、あくまでもミナミのスタンドによる、ジョナサン・ジョースターの蘇生であり、ミナミ自身はどうでもいいのだということだ。
見ているミナミは、それでも構わないと思った。体が眠っているため、仗助には相談できないが……。やるしかないのだと。
それが承太郎に伝わったのかは分からないが、承太郎は、二人の魂も賭けると宣言。
ついでに、スタープラチナにどこからか、タバコを持ってこさせた。火が点いた状態で。口に。
それが見えなかったダービーは、何をした!?と叫んだ。承太郎は、なんのことだと?っととぼける。
ダービーは、いつどうやって承太郎がタバコを咥えたのか分からず、そのことに焦っていた。
見えなかった……、それはつまり、自分の見えぬところで、見えぬ速さでカードをチェンジした可能性があるということ。だがダービー自身、自分自身でイカサマをやるだけに、他人のイカサマを見破る目にも自信はある。だが、見えなかったのだ。その目をもってしても。
だが、ふと見ると、いつの間にかテーブルの上にジュース。それを何事も無くストローで飲む承太郎。なお、ひとつもこぼれた様子も無し。当然だが移動させた形跡、つまりジョースの表面が揺れた様子も無かった。
それが、ダービーを揺さぶる。そして、ディーラーやらせている子供も動揺して、心配の目をダービーについ向けてしまう。
ダービーは、大汗をかきながら、勝負に打って出ようとして…、承太郎がまだ上乗せが終わっていないと言って止めた。
そして承太郎は、日本にいる自分の母・ホリィの魂を賭けると宣言。
承太郎は、自分の母を救うためにエジプトまで来たのだから自分の母は、文句は言わないと言い、そして…ダービーに、それに見合うだけのものを賭けろと言った。
それは…、DIOのスタンドの秘密を教えろ。っということだった。
するとダービーは、すべての冷静さをかなぐり捨てたように、椅子から転げ落ちた。
アヴドゥルも花京院も確信する。ダービーは、DIOのスタンドを知っていると。
そして、もし負けて喋れば、裏切り者として処刑される。
ダービーは、命の瀬戸際に立たされ、あり得ないほどの汗をかいて、顔を歪める。それほどにDIOが怖いのだ。
「さあ! 賭けるか(コール!) 賭けないか(ドロップ)! ハッキリ言葉に出してもらおう!」
ダービーは、もはや、酸欠状態だった。
あまりの緊張感に、そして自身の背後にいるDIOという存在の影による恐怖で……。
そして、必死に言葉に出そうとする。コールっと。
だが……。
ダービーは、やがて倒れた。
そして、気が狂ってしまい、変な笑い声をあげながら、今まで奪ってきたすべての魂を解放し、完全にイカれてしまった。
承太郎は、伏せていたカードをめくる。そこには、ダービーのカードの内容には絶対に勝てない内容だった。
アヴドゥルも花京院もヘナヘナと腰を落とし、緊張感からの解放で大汗、過呼吸。そして、死んでたポルナレフもジョセフも復活した。
「あーあ……。」
「あれ? 姉ちゃん、起きたか? 体、だいじょうぶか?」
「うん…。それより、カフェの方でえらいことになってたみたいだよ。」
「えっ? なになに?」
「グーグーグー。」
ミナミは、帰ってくる承太郎達の姿を見つけながら、仗助にさっきまで全員の命の危機だったことを話した。イギーは、ミナミの腿の上でグーグー寝ていた。
ブルー・ブルー・ローズ越しに、賭事の様子だけは見ていたミナミさん。
仗助はあとで聞いて、たぶん、呆気にとられるとと思う。まあ、承太郎のことは誰よりも信頼はしているし、許すとは思うけど。
次回は、ホル・ホース再び。ただ、オリジナル展開になるかも。オインゴがいるので。