仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
原作通りっぽく見せて、オリジナル展開もあり。
口の回るDIOを言い負かすの難しかった……。
2019/08/18
DIOの台詞をちょっとだけ追加した部分有り。(DIO→ジョナ要素)
「この上か?」
「そこしかないっすよね。親玉がいるとしたら。」
「しかし、ジョースターさん達から勝手に離れてだいじょうぶなのか?」
「だいじょうぶっすよ。相手はテレビゲームで対決だったっすから。あんにゃろう、イカサマが不得意とか言って、実は人の心が見えるってことが分かって…。」
「それは、大変だったな。」
「……。」
「姉ちゃん…。しっかり。」
「あっ…、ごめん。だいじょうぶ。」
「顔色が最悪だぜ?」
「ワン……。」
「……怖いです。」
「姉ちゃん…、メチャクチャ怖がりなのやせ我慢してたもんな…。」
「そうなのか? 度胸据わってるように見えてたけど。」
「いや、全然。ちゃちいホラーゲームで、ギャーギャーピーピー、すぐに泣くんすよ。アイデッ!」
「余計なこと言わない。」
仗助の頭をどつき、ミナミは、プイッとそっぽを向いた。
「ワオオオオオンン!」
「どうした、イギー? …!」
イギーが異変を察知して吠えたため、階段の上を見ると……。
そこには、黄色い衣装を纏った、美しい男がいた。
一目見て、すぐに全員が直感した。
DIO。だと。
「ふん…。久しぶりか、アヴドゥルに、ポルナレフ。」
「ディ、DIO!」
「ついにお出ましってわけか。」
「アイツが…。」
「DIO…。うっ。」
「姉ちゃん!」
脳裏を過ぎった過去の記憶に、ミナミは、ふらついた。
「おめでとう。ポルナレフ。そしてお帰り、アヴドゥル。妹の仇を討ち、そして極東からの旅も。また無事にここまでたどり着けたというわけだ。」
DIOは、階段の上でパチパチと拍手した。
「そして、東方の子。そして、ジョースターの隠し子達。」
「っ!」
「ーーー!」
「初めましてというところか。しかし、ジョセフ・ジョースターも抜け目の無い奴よ。まさか、極東の島国に、自らの血筋を別に残していたとはな。だが、そのおかげで、私の叶えられなかった悲願が叶うというもの。東方ミナミ…。」
「!」
「君のスタンドの力がどうしても必要だ。どうか、このDIOにその力を貸してはくれないかい?」
「ケッ! どうせロクなことに使わないんだろうが!」
ポルナレフが、ミナミを庇うように立つ。
「フッ…、それはお前の勘違いだ。ポルナレフ。私は、ただ…。」
すると、DIOは、どこからともなく、誰かの頭蓋骨を出した。
それは、ミナミの記憶にある…頭蓋骨。
「この頭蓋骨の人物を…、蘇らせて欲しいと、願っているだけなのだよ。」
「ソレ…、てめぇが殺した奴のだろうが!」
「ほう? 知っているのか? 未来から来たそこのジョースターの隠し子達にどこまで聞いている?」
「ジョナサン・ジョースター…。お前が本来ならば、4歳の東方ミナミを連れ攫い、その人物を蘇らせようとしたことをだ。」
「……フフフ…、なるほど、やはり未来から来たというのは本当のようだな。」
「あっ!」
「だがしかし…、そんなことはどうでもよいのだ。幼い子の方が躾ければ使い勝手はいいだろうが、精神力で確実性が無い。まだ未成熟とはいえ、それなりに成長しているならば、その強大な力に少しは耐えられよう。」
「だから…、4歳のミナミを攫わず、16歳のミナミを狙っていたのか!」
「その通り。」
DIOは、あっさりと今までミナミを狙い続けたことを肯定した。
「誰から…、ミナミのその力を教わった?」
「エンヤ…っといったな。あの老婆は。」
「口封じに殺しておいて、てめぇ!!」
「用済みだったのだ。ただそれだけのこと。それに、少々口うるさすぎたのでな。我が魂の片割れたる、ジョナサンを貶したのもいかんかった。」
「くっ…!」
あっさりと、すでに使い捨ててエンヤを殺したのだと答えられ、アヴドゥルもポルナレフも拳を握り、怒りに震えた。
「ひとつチャンスをやろう。」
「なにぃ?」
「その階段を二段降りろ。そうすれば、私の仲間にしてやろう。逆に、死にたければ…、足を上げて、階段を登れ。」
「……へっ! 決まってるだろうが! なあ、アヴドゥル!」
「ああ!」
ポルナレフから話を振られ、アヴドゥルは力強く頷いた。
「だ…ダメ…。」
「姉ちゃん?」
そして、ポルナレフとアヴドゥルが階段を登ったが……。
「そうかそうか。アヴドゥル、ポルナレフ。私の仲間になりたいと、いうわけだな?」
「!」
登ったはずのアヴドゥルとポルナレフは、いつの間にか、階段を下がっていた。
「な…!?」
「!?」
二人は、再び階段を登る。だが、登っていなかった。
それを何度か繰り返し、二人は動揺による大汗をかいた。
「どうした? 動揺しているぞ? アヴドゥル、ポルナレフ。動揺するということは、それは、恐怖しているということではないのかね?」
「ば、馬鹿な…!」
「俺達は、階段を登ったはずなのに!?」
「あまりに恐ろしいので、無意識に階段を降りたのかもしれないぞ?」
「くっ、うううぅ!」
アヴドゥルは、あまりの恐怖心に大汗をかく。ポルナレフも動揺していた。
そしてDIOは、階段の上から語り出す。まるで子供に読み聞かせるおとぎ話のように。
人間とは、何のために生きているのか。
それは、不安や恐怖を克服して、安心を得るために生きるのだと。
名声を手に入れ。
人を支配したり。
金儲けをするのも、その安心を得るためだと。
結婚したり、友人を作ったりするのもすべては、安心、のためだと。
人の為に役に立つだとか、愛と平和のためだとか、すべて自分を安心させるためであり、安心を求めることこそが、人間の目的だと。
そこで、自分に仕えることになんの不満があると聞いた。
自分に仕えるだけで、他の全ての安心が簡単に手に入るのにと。
今のお前達のように死を覚悟してまで、自分に挑戦する事の方が不安ではないかと。
お前達は、優れたスタンド使いだ。殺すには惜しい。ジョースターの仲間をやめて自分に永遠に仕えないかと。
そして…、永遠の安心感を与えてやろうと。
「どっかの殺人鬼が…、植物のような平穏な暮らしとか言ってたが…、俺は、納得しないね。」
DIOの強烈な誘惑の声に仗助が言った。
「ほう? 納得しないとは?」
「花は…、何のために咲く?」
「…? 種を残すためだ。」
「そうだな…。けどアンタは、花どころか、徒花(あだばな)ってやつだぜ。意味の無い花だ。綺麗に咲くこともないし、かといって、種も残さねぇ。なんの意味も無い花だ!」
「……。」
「あんたが極東の島国って言った国じゃ…、パッと咲いて、パッと散るって事が美徳にもなってるんだぜ? 儚いからこそ…美しいんだ。輝くんだ! 不老不死の吸血鬼のてめぇにゃ永遠に分かるわけがない、価値ってのがあるんだよ!! 姉ちゃんのスタンドの青いバラにもその意味が込められてるって、俺は思うぜ!!」
「仗助…。」
「……そうだ、そうだぜ! 仗助、よく言ったな!」
「その通りだ、仗助! よく言ったな! 聞いたかDIO! 貴様には分かるまい! 不老不死として、吸血鬼として生きるために、人間を食い荒らし、支配してきた貴様には!!」
「……ふん! ならば、しょうがない。」
立ち上がったDIOの背に、スタンドが出現した。
その姿は……。
「えっ?」
「クレイジー・ダイヤモンド…、に、似てる!」
ザ・ワールド。それは、仗助のクレイジー・ダイヤモンドに、形状が少し似ていた。
「ほう? ならば、見せてみるがいい。どれだけ我がスタンドに似ているのかを。」
その時。
階段の途中の壁が突き破られた。
「!」
「承太郎!」
「承太郎さん!」
空いた壁から差し込む太陽の光から、逃れるため、DIOは、フッと笑いながら、上階の暗闇に姿を消した。
「だいじょうぶか?」
「こりゃ、仗助! 勝手にひとりで動くんじゃない!」
「ご、ごめんなさいっす。」
ジョセフに怒られ、仗助は謝った。
「ウゥウウ…。」
「イギー…。」
「イギー…、お前はもう付き合わなくても良いぞ?」
「!」
「そもそも、お前を無理矢理連れてきたのはこちらだ。そもそもDIOに何の因縁も無いのに…。だから、今のうちならば敵の部下もいない、逃げるならば今だ。」
「………フンっ!」
「イギー…、お前…。は、ハハハハ…、そうか、ありがとよ、クソ犬。」
ピョンピョンと階段を登っていくイギーの姿に、ポルナレフは、一瞬呆気にとられたが、すぐに笑った。イギーは、もうここまで来たら、最後まで付き合うつもりなのだ。
「……なあ、姉ちゃん…。」
「…分かってる……、あの感じ……。」
「どうした?」
「もしかしたら…、でも確信がなくって。私達も分からないんです。」
「どういうことだ?」
「……もしかしたら…、時を止める能力じゃないっすか?」
「なにーーーーー!?」
「俺ら…、同じ能力を持った人を知ってます。その人が時を止めた感じに似てるような…。すんません。曖昧で…。」
「いや…、そんなこたぁねぇよ…。何をされたのか俺もアヴドゥルも分からねぇ…、もし、もし本当に時を止める力なら…、超スピードとか、催眠術とか、そんなチャチなもんじゃないってのが分かるぜ!」
「でも…、たぶん、ちょびっとだけじゃないかな? たぶん、数秒間だけ…。5秒もないかも。私が知っている人も、1、2秒ぐらいだし。」
「短っ!」
「けど、その短時間で、行動できるスピードとかがあるから、成り立つんだと思います。」
「あと、連続して時も止められないらしいし…。」
「なるほど…。良い情報だ。」
「で? 誰が、同じ能力を使える?」
「……それは…。」
「いや…、言わねぇ方がいいな。なあ、DIO。」
「!」
「チッ!」
見ると、階段の上の壁に隠れているDIOがいた。
「聞いたか? どうやら、てめぇと同じ能力者がいるらしいぜ?」
しかし、DIOは何も言わず、今度こそ闇の中に消えた。
「いつから…。」
「たぶん、隠れてこっちの会話を全部聞いてやがったんだろうな。」
「あの反応からするに…、たぶん大方合っていると見られますな。」
「時を止める…。数秒間…。連続じゃできない。」
「……ちょい待て、そんなトンデモ能力、どうやって攻略するよ?」
話がまとまりそうになった時、ポルナレフが待ったをかけた。
「それでも…。」
「やるしかねぇんだ。ポルナレフ。」
「もう時間が無い! 奴の時間が来る!」
「行くぞ!」
「…姉ちゃん。行こう。」
「うん!」
一行は、上階へ上がった。
しかし、そこには、もう誰もいなかった。
「あの野郎! 逃げやがったのか!?」
「いいや、DIOの性格のことじゃ…、こちらが追って来ることを見越してわざと館から出たんじゃろうな。」
「姉ちゃん!」
「えっ?」
ハッとして見ると、部屋の隅に、DIOに口を塞がれ、首を羽交い締めにされているミナミがいた。
「ンンーー!!」
「DIOぉおおおお!!」
「追って来るがいい。仗助。」
次の瞬間、ミナミと共に、DIOが消えた。
「しまったぁ!」
「や、やっぱり、時を止める力なのか!? そうなのか!?」
「……。」
「承太郎?」
「いや。急ごうぜ。」
一行は、館を飛び出し、外へ出た。
「実にマズい! 奴の時間が来る!」
「ジョースターさん! まさか、このまま明日の朝までオメオメと逃げるわけじゃないよな?」
「そんなわけあるか! ミナミは、必ず取り返す!」
「……しかし妙だった。」
「ああ…。なぜ仗助を指名した?」
「知らないっすよ! そんなこと! よくも姉ちゃんを!」
「熱くなりすぎるな、仗助!」
「く…うぅ…。」
「ワンワンワンワンワン!」
「追うっきゃなさそうだな…。」
「奴のことだ…、逃げも隠れもせず、絶妙な距離で我々を迎撃するだろう。ここは二手に分かれぬか?」
「えっ!?」
「追撃を二段階にする。一度に行って、一網打尽にされては、お終いじゃ。上手くいけば、挟み撃ちできる。」
「分かったぜ!」
「では、私はポルナレフと共に。」
「俺も行くぜ。」
「イギー、お前はお前の鼻で、ミナミを追ってくれ。」
「ワン!」
「僕と、ジョースターさんと仗助は、イギーと一緒に先に行きます!」
「よし、決まりじゃな! 行くぞ、みんな!」
全員が拳を合わせ、それぞれ1段階目、2段階目の攻撃班に分かれた。
ブルー・ブルー・ローズの青いバラの花にかけて、花を例え話に出して言い負かす仗助の図?
ミナミ、攫われる。よく攫われる子です。
なぜ、仗助を指定したのか……。
それは、後々。
活動報告でも書いたが、仗助に青いバラの花が入っていないのが伏線に。