仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
DIOがなぜジョナサンを生き返らせたかったのか…、若干の腐向けかも。
注意!
完全オリジナル展開です。
あと、仗助が……。
「う…。」
ミナミは、目を覚ました。
「ようやくお目覚めか?」
「…っ!?」
「そう怯えるな。」
車の後部で、DIOと隣り合わせになっていたことに、ミナミは、怯み、隅に逃れると、DIOがクスクスと笑った。
前を見ると、血だらけの身分のよさげな中年男性が、必死に車を操っていた。
「……そんなに…。」
「?」
「そんなに…、生き返らせたいのに…、どうして…殺したの?」
「ああ…。」
言われてDIOは、ジョナサンの頭蓋骨を取り出し、手の上で弄ぶ。
「あの時は…、どうしてもこの肉体…、ジョジョの肉体が必要だったのだ。二人がひとつになるために。」
「それなのに…。」
「だが、この肉体には、ジョジョの魂が失われてしまっていた。」
「…えっ?」
「だからこそ、呼び戻す必要があったのだ。このDIOと絢爛たる永遠を共に生きるために。だからこそ、ミナミ。」
「ひっ…!」
「お前の力で…、我が魂の片割れたる、ジョジョ…、ジョナサン・ジョースターを呼び戻して欲しい。お前の力はそのためにあるのだ。」
「違う…!」
「何が違う? お前は、この旅でどれだけの命を奪っていたと思っている?」
「っ!」
「なぜ、たった1回だ? トトとクヌムのスタンド使いと、ヴァニラ・アイスに殺されたアヴドゥルを再起させたその力…、なぜたった1回だけなのだ? 私の見解が正しければ……、お前は…、すでに死んだ者を蘇らせると、死ぬだろう。」
「!」
「そのたった1回を、私に捧げてはくれないか?」
ミナミは、車の隅で、ガタガタと震えた。
「仗助…。」
無意味だと分かっていても体を庇い、涙を浮かべて、ここにいない弟の名を小さく呼ぶ。
姉ちゃーーーーーん!
どこからか、仗助の声が聞こえ、ハッとミナミは顔を上げた。
「どうやら、追ってきたようだな。」
「仗助…?」
後ろを見ると、猛スピードで追って来る車があった。
そして、ブワッ!とハイエロファントグリーンが飛び出し、車の横に来ると、エメラルド・スプラッシュを放った。
「フンッ。」
放たれたエメラルド・スプラッシュを、指ひとつで弾き、まるでビリヤードのようにすべてのエメラルド・スプラッシュを弾いた。だが車の破損は止められない。
「姉ちゃん!」
「仗助!」
「ドラァ!」
「ワオオオン!」
車が追い越す際に、クレイジー・ダイヤモンドと、ザ・フールが、ミナミが乗っている車の扉を破壊し、ミナミを仗助達が乗る車に移動させた。
エメラルド・スプラッシュの破壊に怯んでいた中年男性のせいで、車は失速し、仗助達を乗せている車がずっと先へ追い越した。
「追え。」
「へ、へへへへ、うへへへへ! む、無理ですぅ!」
「近道があるではないか。そこを通れ。」
「えっ、ほ、歩道を…?」
「行け。」
「う、うは、ウハハハハハ!」
DIOの殺意に当てられ、気が狂った中年の男は、歩道を近道にし、たくさんの人々を轢きながら進んだ。
やがて、仗助達を乗せた車を捕捉できるところまで追いついた。
すると、ハイエロファントグリーンが再び出現し、エメラルド・スプラッシュを放とうとすると、DIOは、ザ・ワールドを出した。
『無駄無駄無駄無駄!』
『グアッ!』
「チッ…、ちと距離が…。」
ザ・ワールドの拳がハイエロファントグリーンの頭部を一部破壊したが、僅かであり、すぐにハイエロファントグリーンは、引っ込んだ。
「フッ…、フフフ…。このDIOを徒花だと? ならば、仗助…、お前は……。」
DIOは、運転している中年の男を掴んだ。
そして……、前を走る仗助達を乗せた車に向けて全力投球した。
男を投げつけられたことで、大きく方向が逸れ、建物の壁に激突する車。
DIOは、軽やかに飛び降り、車は運転手を失ってあらぬ方向にそれて別の建物へぶつかった。
そしてDIOは、仗助達が乗っていた車を調べに行く。
誰も乗っていなかった。
「むっ…、あそこか…。」
「ゲッ! 気づかれた!」
建物の上にいることに気づかれ仗助が焦った。
「だいじょうぶか! ミナミ!」
「……今気づいた…。足…、腱を切られてる。」
「なにぃ!?」
恐怖心で痛みが無くなっていたが、救助されて安心したのか痛みが戻り、足の異変に気づいた。
「姉ちゃん! 今治すからな!」
「! 仗助、後ろぉ!」
「ハッ!」
「ほう…? 早いな。」
振り返った仗助の後ろに迫っていたDIOの存在に気づいたミナミが叫び、仗助は咄嗟にクレイジー・ダイヤモンドでDIOに拳を向けた。その拳をザ・ワールドが受け止めた。
「ドラララララララララララララララララララララ!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
互いのスタンドによる拳のラッシュが発生する。
「なるほど…、確かに我がザ・ワールドに少々形は似ているな。だが、それだけ。無駄ぁ!」
「う…! がぁ!?」
弾き飛ばされたクレイジー・ダイヤモンドの拳の隙をついて、ザ・ワールドの蹴りが仗助の胴体にめり込んだ。
ボキボキッと肋骨が折れていき、仗助は、ガハッと血を吐いた。
「エメラルド・スプラッシュ!」
「フッ、安直だな、花京院。」
エメラルド・スプラッシュを軽やかに回避し仗助から離れる。
「ハーミットパープル! アンド、波紋!」
「フン! 100年前は手を焼いた波紋だが、貴様のスタンドが一番生ぬるい!」
DIOは、屋根の一部を破壊してそれをジョセフにぶつけた。
「グガ!」
「お父さん!」
「ほら、ミナミ。早くしないと、お前の父親も弟も仲間も死ぬぞ?」
「っ…。」
「し、従うな…、ミナミ!」
ジョセフがボタボタと血を頭から流しながら言った。
「ジョセフ…、なぜそこまでミナミにスタンドを使わせようとしない?」
「き、決まっておる…。貴様の企みのために、ミナミの命を奪わせてなるものか!」
「それが、未来から来たこの時代の娘じゃなくともか?」
「未来だとか過去だとか関係ない! 娘は娘じゃ!」
「しかし、その娘がお前の命の危機だというのに、スタンドを使おうとはしないぞ? それは、その程度の存在と思われているのではないか?」
「違う! ミナミは、自らのスタンドを制御できないのだ! 独自の意思を持ち、勝手に動く! 下手に暴走させれば…。」
「その暴走こそが必要なのだ。」
「なっ!?」
「どうやら、この程度では、ブルー・ブルー・ローズは、動かんようだな。やはり…。」
DIOが、肋骨を抑えてへたり込んでいる仗助を見た。
「させると、思っているのかDIO? お前はもう、我がハイエロファントグリーンの術中! くらえ!」
「また、エメラルド・スプラッシュか…?」
「フッ。」
「!」
DIOが少し動いた瞬間、ピンッとハイエロファントグリーンのほぐれている体の一部が触れた。
その瞬間、エメラルド・スプラッシュが飛んでくる。
「ちぃ!」
それを避けると、またピンッとハイエロファントグリーンに触れる。そしてまたエメラルド・スプラッシュが飛んでくる。
それを繰り返し、DIOは、仗助から離れざる終えなくなった。
その瞬間。
「マジシャンズ・レッド!!」
宙を跳んだDIOに向け、マジシャンズ・レッドの爆炎が放たれた。
「くっ!」
ハイエロファントグリーンの結界に阻まれ、網にかかった状態のようになったDIOは、炎に包まれた。
「DIOぉぉぉおおおおおおおおお!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
爆炎に包まれたDIOを、ポルナレフと、承太郎のスタンドが襲う。
だが炎だけが切られ、そして殴られ、そこにDIOはいなかった。
「アオオオオオオオオオン!!」
イギーがザ・フールから、砂の衝撃波吐き出し、仗助に接近しようとしたDIOをいぶり出した。
「この…畜生が…!」
「くらえ!」
砂に捕われたDIOに、近距離からの最大出力エメラルド・スプラッシュを花京院が放つ。
「ザ…、ワールド!」
時が止まる。
砂の壁から脱出したDIOは、無防備になった花京院の腹部と胸を貫き、そしてイギーの胴体を踏み潰した。
「…1…ゼロ!」
花京院は、胸と腹から大量の血を吹き出しながら吹っ飛んでいった。イギーは大量の血を吐き、息絶えた。
「あ…ぁあ…。」
動けないミナミは、ガタガタと震えた。
彼女の周りから、その恐怖心と絶望に反応してか、ブルー・ブルー・ローズがニョロニョロと生えだし始めていた。
「まったく…、強情だな? いや、薄情か? 酷いな、ミナミ。これだけ仲間達がお前を守ろうと苦戦し、死に絶えているのに、それでも何もしないのか?」
「っーーー!」
「DIOーーーー!」
「ポルナレフか…。貴様など…時を止める必要もないわ!」
ザ・ワールドの凄まじい速さで放たれた拳が、シルバー・チャリオッツにめり込み、ポルナレフは、吹っ飛ばされた。
落下していくポルナレフを、砂が受け止めた。
「?」
「グルルルル!」
「…ほう? 犬…お前にも命のストックが入っていたか。」
スッと手を上げようとした直後、またもハイエロファントグリーンの結界に触れたDIOの手をエメラルド・スプラッシュが撃ち抜き、グチャグチャにした。
「むっ! 花京院もか…。」
「オラァ!」
「承太郎。」
至近距離に接近した承太郎が、スタープラチナを繰り出し、拳のラッシュを決めようとする。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
凄まじいラッシュのぶつかり合いは、建物を飛び越え、そしてアチコチを破壊しながら続けられた。
「確かに凄まじいな。その力…だがもう十分だ。死ね。承太郎。…いや? お前にも命のストックが入っているか?」
「さあな?」
「まあいい、どうせ1回しか使えぬストック…。もう一度殺せばいいだけのことだ。ザ・ワールド!」
時が止まる。
「お前が死ねば、さすがのミナミのスタンドも…。」
その時。
ブルー・ブルー・ローズが、モゾリッと動いた。
それにギョッとしたDIOが攻撃を躊躇した直後、承太郎の服から生えてきたブルー・ブルー・ローズが、DIOの胴体を引っ掻いた。
「なにぃいいいい!?」
そして時が動き出す。
「ば、馬鹿な…! ブルー・ブルー・ローズは…、止まったときの中で動けるのか!?」
DIOの体から咲いた青いバラの花が、パラパラと落ちた。
「生と死を司るスタンド…。そんなもんが、てめぇごときの支配を受けるとは思えねぇな。」
「…グッ…。」
「利用しようとしたつもりが、とんだ伏兵がいたもんだな。」
ブルー・ブルー・ローズが、ショルシュルと承太郎を守るように動く。
「てめぇ…、どれだけの人間を食ってきた?」
「?」
「てめぇの命ひとつで…、十分すぎるほど、寿命のストックとなる青いバラの花を取れそうじゃねぇか。それをアヴドゥル、花京院、イギーに使う。やれ、ブルー・ブルー・ローズ。トドメはお前に任せるぜ。」
「……フッ…フフフフ…。」
「どうした? 目の前の死に、気でも狂ったか?」
「寿命を奪うが…ただそれだけのなまっちょろいスタンドで、このDIOを殺せると思っていたか?」
「そうは、思わねぇよ。だからこそ、俺がてめぇを動けなくさせる。」
「馬鹿が…、ブルー・ブルー・ローズは、我が支配を受けずとも、貴様は…。」
「試してみろ。」
「? ……まさか、貴様…?」
「ほら、どうした。やってみろ。ザ・ワールドの時を止める力をな。」
「……ザ…ワールド!!」
ダクッと汗をかいたDIOだが、ザ・ワールドを発動させた。
時が止まる。その中をブルー・ブルー・ローズが動き、DIOに迫るが、ザ・ワールドの鋭い蹴りが根っこを蹴散らす。
「ククク…、思わせぶりを…!」
「どうかな?」
「なっ!?」
「オラァ!!」
時が止まった中で喋った承太郎の声に固まったDIOの頭に、スタープラチナの拳がめり込んだ。
時が動き出し、DIOの体が大きくバウンドして倒れた。
「ま、まさか…、お、お、同じタイプのスタンド…! き、貴様か! 貴様か承太郎! ミナミと仗助が言っていた…、時を止めるスタンドの使い手とは!!」
「どうやらそうらしいな。どうにも腑に落ちなかったんだ。アイツら…、なんでか、俺だけにはずっと承太郎さんって、まるで年上を慕うみたいにしてきやがる。」
「ぐ…ククク…!」
DIOは、まさかの自分のスタンドと同じタイプの出現と、脳を攻撃されたことへのダメージで、立ち上がろうとしてガクンッと足を崩した。
「感じるぜ……。ブルー・ブルー・ローズが、俺に力を貸してくれているのを。」
「そ、そんな…植物の根っこごときが…。」
「だが、強大な力があるってことは、てめぇも知ってるはずだぜ? その力が俺のスタンドの覚醒を早めたのかもな。」
「お…のれ! このどちくしょうがぁああああああ!!」
「ふん、それがお前の本性か? ケッ、吐き気を催す邪悪とはよく言ったものだぜ。」
「ザ・ワールド!!」
「スタープラチナ!!」
ザ・ワールドの方が早かった。だがそれ以上に早く、スタープラチナの拳がめり込み、DIOが頭から大量の血を撒き散らしながら遙か先に吹っ飛んでいった。
「100年間も生き延びてきた吸血鬼…、これで終わったはずがないな。確実にトドメ…。」
「仗助えええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「!?」
「愚かな…、馬鹿はお前だ。承太郎。これだ、コレを狙っていたのだ。」
承太郎が見たのは、目から光を失い倒れている仗助と、その姿を見て、涙すら忘れ愕然としているミナミの姿だった。
「花京院でも、アヴドゥルでも、犬でもダメだった……。ならば、双子の弟…ならば…。」
仗助の胸から心臓をズボッと引き抜いた引き抜いたDIOがその血を舐め取った。
「く、ハハハハハハハハーハハハハハ!! 馴染む! 実に馴染むぞおおおおおおおおおおおおお!!」
負っていた怪我が全て癒え、首の縫い跡が消えたDIOが高笑う。
「……。」
ミナミの背後で、ザワザワとブルー・ブルー・ローズが蠢く。
空気が一気に冷えていく。
「ミナミ。お前に足りない物…それは、憎しみ…怒り…そういった負の激情だ! スタンドとは、精神の強さによって操作するもの! 力に怯え、恐怖で本来の力に蓋をしたお前では、本来の力である蘇生の力など扱えるはずがなかったのだ。だから、私が少しばかり後押しをさせて貰ったよ。そして、仗助……、私のことを、徒花だと言ったな? すでに死んでいるが、私からお前に言わせてもらうと、仗助…、お前は言わば、“肥料”だ。花を咲かせるための。双子として生まれたのは、最初からお前が花の肥やしになるためだったのだろう! 喜ぶがいい! あの世で……な…?」
月明かりに照らされた風景が、不意に巨大な影によって覆われた。
「あ…、ああ…」
「う……!」
「うわあ、うわあああああああああああ!!」
ジョセフ達は、それを見上げてしまい、恐怖に言葉を失うか、あるいは叫んでいた。
うぅぅぅぅううううおおおぉぉぉぉおおおぉぉ
そこには、怪獣のごとく巨大な、骸骨に赤い鮮血色の根っこが絡まった、異形が叫び声をあげていた。
「…ば…か…な……。」
この状況を生み出した当の本人であるDIOですら、これは、あまりにも規格外だった。
ブルー・ブルー・ローズ、フルパワー状態に。
だが、そのデカさと威圧感とか纏っている空気とかがあり得ないレベルで、喚びだしてしまったDIO本人もビックリ。
しかも、ただデカいだけじゃないんですよね……。
ところで……、DIOが今まで食い散らかした人間分の寿命で、蘇生…いけるかな?
仗助がDIOに殺されてしまうのは、最初のネーム段階から決めていました。
でも迷ってました。色々考えに考えて、死なせる展開にしちゃいました……。
ごめん! 仗助、ジョジョじゃ一番好きなのに!