仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
なお、このフルパワー状態は、4部の時と違います。あの時は、幻想という形でしか、全容が出てなかったので。
うぅぅぅぅううううおおおぉぉぉぉおおおぉぉ!!
「あ…あぁ…。」
「なんだ…こ、これは…。」
「ひ…ひぃ…。」
「……!」
あまりの規格外さ。威圧感。そしてまとう空気の異常な冷たさのようなモノ。
それは、DIOが放っていた相手を魅惑するカリスマ性でも、尻にツララでも刺されたような冷たい巨大な殺意をも越える。
人智を越えた……、ナニか。
骨であるため空洞の両目に、ポッと光が灯る。
それを合図に、ギシギシとゆっくりと、ゆっくりと、動き出すソレ。
「これが………、ミナミの…ブルー・ブルー・ローズ…なのか?」
あまりの規格外さに、人間ではないDIOですら滝みたいに汗をかき、酷い有様だった。
「なぜだ…? なぜ、こんな強大すぎるモノ(スタンド)が、たかがひとりの小娘に……。」
DIOは、ミナミの身には見合わない巨大すぎるスタンド体に、驚いていた。
ユルサナイ
「!」
ワタシは、オマエを
ミナミが、スッと片手をあげた。すると、ブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)が、同じように片手を上げた。
コロス
次の瞬間、スタープラチナの拳や、ザ・ワールドの拳に匹敵するスピードで、上がっていたブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)の手がDIOに向かって振られた。
「!?」
間一髪でザ・ワールドでガードしつつ、本体であるDIOスレスレにブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)の手が髪の毛をかすめた。
それだけで、髪の毛から青いバラの花が咲き、バラバラと落ちた。
「馬鹿な!? これほど巨大で、スピードが我がザ・ワールドと同じぐらいだとぉ!?」
隣の建物にブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)の手が接触して壊れ、それでいて、実体のあるスタンドであるブルー・ブルー・ローズの突然の出現により、カイロはパニックになっていた。
「うぅううう! こ、これは、このままでは、ブルー・ブルー・ローズに、カイロが飲まれてしまうぞ!!」
ジョセフが上から見える光景に思わずそう叫んでいた。
それを聞いたDIOは、ニヤリッと笑った。
「ククク…、フハハハハ!」
「おい、とうとう、気でも狂ったか?」
「このカイロには、どれだけの人間がいると思っている?」
「!」
「蘇生には十分すぎるほどの命があふれているではないか! この巨大さは予定外だが、ブルー・ブルー・ローズの青バラをかき集めるにはちょうどいい頃合い! この状態では、もはや敵も味方も区別がついていまい、貴様らが肥やしになれ!」
「あっ、上。」
「ハッ? っ!?」
振られた腕が今度は振り下ろされてきて、承太郎はスタープラチナと自身を重ね合わせて全力で動かし、座り込んでいるミナミと、死んでいる仗助を回収して逃げた。直後、彼らがいた建物を、ブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)が潰した。
「はあ、ハア!!」
DIOは、辛うじて潰されずにすんだ。
だが、ブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)が触れている瓦礫の隙間から、凄まじい数の鮮血色の植物の根っこが飛び出してきて、尻もちをついていたDIOを捕まえるように絡みついてきた。
「この…!」
根っこを引きちぎるのは容易い。
持ち上げられたブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)の手が、DIOを捕えようとするように動く。
DIOは、ふと考えた。
絡みついている根っこの強度は弱い。ならば…っと。
「無駄無駄無駄無駄!!」
迫ってきたブルー・ブルー・ローズ(フルパワー状態)の手を、殴りに殴る。
すると、ボロボロと、もろく崩れていく。
「ハハハハハハハ! やはりそうか! 見かけ倒しも、いいところ……、…?」
しかしふと、DIOは、自分の両手に違和感を覚えて見た。
「あ……。」
そこには、ホロホロとシュレッダーにもかけられた紙くずのように崩れていく、ザ・ワールドの両手と、自分の手があった。崩れたモノから、青いバラの花が咲き、大量に地面に落ちていく。
相手から、寿命を奪い取る。
それが、ブルー・ブルー・ローズの基本的な能力だ。
落ちた青いバラの花を、鮮血色の根っこが拾っていく。
その本数は、やがて1000本へ。
かき集められた、青いバラの花をまるでひとつにするように、根っこが蠢く。
やがて……、すべての青いバラの花が消え、代わりに、一輪の、見たこともない美しい白い花が出現した。
DIOは、直感する。
あの白い花こそが、死んだ者を蘇生させる力そのモノだと。
あれさえ、あれば…っと、DIOが動いた直後、その花をかすめ取った存在がいた。
承太郎だった。
「承太郎!」
「わりぃな…、コレは……ミナミが仗助のために用意したもんだ。お前のじゃない。」
「貴様ぁあああああああ!! っっ!?」
直後DIOは、倒れた。
足に感覚が無い。
見ると、足がボロボロに崩れていた。
まさか!っという考えが過ぎる。
すべての寿命を奪いつくされたのだという、最悪の考えが。
「馬鹿な…、そんな、こんな、ところで…、このDIOが!! このDIOがぁあああああああああああ!!」
足から順に崩れていきながら、DIOは、最後の叫び声を上げて……、完全に崩れて死んだ。
崩れた端から、青いバラの花が咲き、おおよそ、160本ほどの青いバラの花になった。
DIOが死んだと同時に、ブルー・ブルー・ローズが、消えていく。
まるですべての力を使い果たし、そして役目を終えたように。
承太郎は、すっかり白髪だらけで、俯いたまま動かないミナミと、その前に寝かされている仗助の死体に近づいた。
そして、ソッと白い花を仗助の上に乗せる。
すると、白い花がパッと光となって消え、散った光は、仗助を包むように広がった。
みるみるうちに心臓をくりぬかれて空いていた穴が閉じ、血に汚れていた体が綺麗になる。
「……うっ…?」
そして、仗助がゆっくりと目を開けた。
「よお。お目覚めか?」
「承太郎さん? 俺…。」
「仗助!」
離れた場所にいたジョセフ達が駆け寄ってきた。
「姉ちゃん? 姉ちゃん…?」
仗助が起き上がり、俯いたまま動かないミナミの肩を掴んだ。
すると、フラリッとミナミが倒れ込んできた。
「姉ちゃん!」
「白髪が…。」
「まさか、命を……!?」
「そんな!」
「いや、まだ息はあるぜ。」
承太郎の言葉に、仗助は慌てて、ミナミの心臓に耳を当てた。すると、弱々しいが心臓は動いていた。
「脈が弱い! 体温も平熱以下じゃ! このままでは…。」
ジョセフが、ミナミの体の状態を調べた。
「すぐにSPW財団の医療班を手配しなければ!」
「……ミナミ…。お前は、なんという子じゃ…。あれほどの力(スタンド)を背負った状態で…、今までたった一人で戦っておったのか? すまんかった…、すまんかった! 怖かったじゃろう? 自分自身(スタンド)を何より恐ろしがっていた理由が分かった…! わしゃあ、父親失格だ。だが、せめて、お前を生かしたい! 生きてくれ、ミナミ!」
「ジョースターさん!? なにを!」
「深仙脈疾走(ディーパスオーバードライブ)!!」
握りしめたミナミの右手に、ジョセフは、波紋と共に自身の生命エネルギーを送り込み始めた。
「急げ! SPW財団の医療班を呼べ! じじいがもたせてるうちに!」
「あ、ああ!」
「オオオオ! ミナミ、頼む! 目を覚ましてくれ! 神よ…!!」
自身の命を全て捨てて、相手を救う究極にして最後の波紋の技を使うジョセフは、神に祈る。
長らく波紋に触れず、妻と共に老化していたジョセフのソレは、不完全であったが、確実に生命エネルギーは、送られていた。
どれくらい経っただろう。時間にしてみればわずかだっただろうが、永遠にも思える時間が経過し、やがてSPW財団の医療班が到着した。
すると。
「……ん…。」
ミナミのまぶたがピクリッと反応した。
「姉ちゃん!」
仗助が呼ぶと、ミナミがうっすらと目を開けた。
やがてジョセフの方が限界が来て、息を切らした。
「ミ、ナミ…。だいじょ、ぶか…?」
息も絶え絶えなジョセフが聞く。
すると。
「……だれ…?」
弱々しい声が、そう聞いた。
仗助の蘇生に成功。
しかし、その代償は……。
あと、160本ほどDIOから青いバラの花が取れたので、これをアヴドゥル、花京院、イギーに分配予定。