仗助に双子の姉がいたらというもしも パート3 三部へ 作:蜜柑ブタ
船長が贋物だと分かるシーンは、オリジナル展開(?)。
あんまり承太郎が活躍してないかも……。
香港の港から、SPW財団にチャーターしてもらった船で、シンガポールを目指す。
それまで3日はかかるので、のんびり英気を養おうということになった。
「ミ~ナミちゃ~ん。」
「はい?」
「どうせだから、泳ごうぜ。ほれ、せっかく海なんだし。」
「やだ。私に合う水着って中々無いんだもん。」
「その見事なバストのサイズか、まあ、お尻も…。」
「おとうさ~ん。やらしい人がいるよ~。」
「あっ!」
「こりゃ、ポルナレフ! 港で散々説教したのに何を企んでおるんじゃ!」
「うひゃー!」
「ったく、懲りねぇ野郎だぜ。」
「なんというか…、頭と下半身が別々に別れているような男だ…。」
「もう、やだ…。これだから、女好きの人って苦手なんだよな。」
ブツブツ言いながらミナミが甲板でくつろいでいた承太郎達の方へ来た。
「姉ちゃん、中学生の頃からメチャクチャその手合いにナンパされまくって嫌いになってんだよな。そういうタイプ。」
「ってことは…、その頃から発育が…。」
「小学校時代の変態教師とかは、警官のお爺ちゃんがしばいてくれたからいいけど、成長が早かったせいで職質はされるは、変なスカウトとかもメチャクチャあって…。」
「ミナミ…、どこの教師に何をされたのか、あとどこの事務所じゃ? 教えなさい。」
「未来の話ですから…。」
「名刺はもらっとらんのか? 教えなさい。今のうちに潰しておくから。」
「あの…?」
「やれやれだぜ…。どんだけ娘に甘いじじいだ。」
「俺だって、変なスカウト受けたことあるのによ~。」
「仗助!? お前もか!? どこじゃ、どこのどいつにじゃ!?」
「未来の話だから今も言ってもな~。俺らのことこれから、15、6年ほったらかしなんだしよ。」
「い…いいや! この旅が終わったら、きちんと挨拶に行くわい! それで生活援助ぐらいさせてほしい!」
「別にいいっすよ。ねえ、姉ちゃん。」
「そうそう。まだ正妻の人に私達のことバレてないんでしょ? 私達のことを気にしてくれるのは嬉しいですけど、正妻の方にぶち殺される可能性も危惧しといた方が身のためじゃないですか? 生涯妻しか愛さないって言ってたんでしょ?」
「うっ!」
想像したのか、ジョセフが青ざめた。
そんな様子を見て、仗助とミナミは、ため息を吐いた。
その時。
船の後ろの方から、怒声が聞こえた。
というか、子供のような若い声が聞こえた。
騒ぎを聞いて見に行くと、そこには、帽子を被った子供を船員が捕まえて怒っている光景があった。
何があったのか聞くと、密航だということだった。子供が密航者だった。
見逃してくれよ~っと泣き言を言う密航者の子供に船員が、警察に突き出すと言っていると、子供が自分を捕まえている腕に噛みついて、その後海に飛び込んだ。
「ま、まずいっすよ! この辺はサメが集まっている海路なんだ!」
「えっ!?」
っと驚いて海を見ると、先ほど飛び込んだ子供の真下にすでにサメがいた。
「まずいって!」
「待て俺が行く! あっ…。」
ミナミが飛び込もうとすると仗助が止めて飛び込もうとしたら、それよりも早く承太郎が飛び込み、スタープラチナでサメを殴り飛ばしていた。
「うひょー、かっぴょいー!」
「さすが、承太郎さん! あれ?」
ミナミは、サメではない何かが接近していることに気づいた。そしてそれは、先ほど承太郎が殴り飛ばして海に浮いていたサメを真っ二つに引き裂いて承太郎と、実は女の子だと判明した子供…いや少女に接近しようとしていた。
「承太郎さん、早く上がって!」
「ダメだ! 早すぎる!」
「この距離なら、僕のハイエロファントグリーンで!」
そして、ハイエロファントグリーンが承太郎と少女を引っ張り上げた。
「だいじょうぶ?」
「待て、ミナミ。」
「えっ?」
引っ張り上げた少女に声をかけようとしたミナミを、アヴドゥルが腕を掴んで引き離した。
「先ほどのは、おそらくスタンド…。もしかしたら本体は…。」
「えっ? えっ?」
アヴドゥルに耳打ちされ、ミナミは、混乱しながらも少女を見比べた。
そうこうしていると、他の者達も少女を疑っていた。
ジトッと見られていて、ハッとした少女が我に返って、何見てるんだ!っと怒り、折りたたみ式ナイフを取り出して、回る口で相手になってやるとかけんか腰になっていた。
しかし、皆迷っていた。本当にこの少女がスタンド使いなのかどうか、もし間違えて攻撃してしまっては大変だからだ。
スタンド使いかどうか、そしてDIOと繋がっているかどうか。一番はそこだ。
まずアヴドゥルが、DIOは元気かと聞いた。
少女は、DIOって誰?っと答えた。
ポルナレフがとぼけるなっと言うが、少女は本気で分からない様子だった。
「どう思う? 仗助?」
「ま……、仮にスタンド使いかどうか、俺らの敵かどうか確認は必要なのは分かるけどよぉ…。吉良の野郎の時みたいにはできねぇぜ?」
ヒソヒソと二人は話し合う。
吉良の時とは、仗助の直せるスタンドで痛めつけてギリギリまで拷問して確かめるという手だ。この際、吉良は自らのスタンドを出して自身の正体を明かした。
「この女の子かね、密航者とは。」
そこへ、筋肉質でたくましい船長が現れた。
そしてナイフを握っている少女の手を強く握りしめて、ナイフを放させ、下の船室に閉じ込めておくと言った。
そして、ミナミを見ると、ポケットから、赤い茎の青いバラの花を出した。
「船内を見学するのはいいが、落とし物をしてはいかんよ。お嬢さん。」
そう言ってミナミの左耳の上の髪に、その青いバラの花を髪飾りのように引っかけた。
「…ちょっと待って。」
「ミナミ?」
「どうしてコレ(赤い茎の青いバラの花)が私の物だって分かったの? 私、船内に入らず、港からずっと甲板にいたのに…。」
「なるほど…、分かったぜ。あんたがスタンド使いか。」
「な、なにーーーー!?」
ジョセフ達が驚愕した。承太郎は、タバコを吸っていて、冷静にしていた。
「すた…ンド? なんだねそれは?」
「おっかしいんだよな~? だってねぇ?」
ミナミは、仗助と顔を合せた。
「この青いバラは…、あんたのもんだろ?」
「なんの…話しかね? 話がまったく見えないのだが?」
「仗助、ミナミ、勝手な憶測はやめろ! 下手な憶測は混乱を招くだけだぜ!?」
「証拠があるのか!?」
「実はよー…。この青いバラの花…、見てくれよ、この血みたいに赤い茎…、ってことは、出血してるハズなんだよな~?」
「足んとこ、ズボンに…にじんでるよ? 新しい血が…。ねえ?」
「あっ!」
船長は慌てて、右足のアキレス腱部分を確認した。そこには……。
「なーんつって、そこから生えてるのは、姉ちゃんのスタンドだ。」
「しまっ! あっ!!」
思わず手を出した結果、ズボンから生えていたブルー・ブルー・ローズの根っこがピシッと動いて船長の指を傷つけ、青いバラの花を咲かせた。
「俺の寿命…!? あぁ!? しま…。」
「ヤレヤレ…、とんだ間抜けだぜ。こんなつまらない誘導に引っかかるとはな。」
「しかも、ミナミのスタンドを知っている…。」
「DIOの刺客で間違いなしか。」
「ブルー・ブルー・ローズはよぉ…。なんでか、オートで姉ちゃんの危険を察知して動くところがあるんだよな。」
「そういう性質があるなら早く言いなさい。」
「騙すんなら、まず味方からって言いますでしょう?」
「そうそう。」
ミナミと仗助は笑い合った。
「ぐっ…、このガキ共が…! よくも俺の寿命を…、あっ!」
「はい、ありがとう。これで2年分だね、さて、あなたの寿命はあとどれくらい残ってるかな?」
交番の床を伝って移動したブルー・ブルー・ローズが、偽の船長から奪い取った赤い茎の青いバラの花をミナミに受け渡した。
「ミナミ、お前、スタンドの制御できるんじゃねぇか。」
「いや、これは、勝手に…。」
直後、少女の悲鳴があがった。
見ると、海側から上がった半漁人のようなスタンドが、少女を抱えていた。
「水のトラブル! 嘘と裏切り! 未知の世界への恐怖を暗示する『月』のカード! その名の、ダーク・ブルー・ムーン!! 1対7じゃあ、さすがの俺も骨が折れるから正体を隠しし、一人一人、そっちのガキ娘以外を始末しようって思ったが…。」
「その子を放して。じゃないと、このあなたの寿命を海に落とすよ?」
「てめ…!」
ミナミが2本の青いバラの花を海の方へ向けると、偽の船長が目に見えて焦った顔をした。
「ドラララララララララララララララララ!!」
その瞬間、仗助がクレイジー・ダイヤモンドの殴打を与え、ダーク・ブルー・ムーンをボコボコにして、海に吹っ飛ばした。
海に放り出されかけた少女は、承太郎のスタープラチナが掴んだ。
「へ~んだ、隙だらけだったぜ。」
「この手の小物って、結局自分の命が可愛いからね。」
「…ぅ、ぐ…ぉおぉ……。」
「花は、返しておくよ。いらないから。」
そう言って、ミナミは、海に浮かんでいる船長に、2本の青いバラの花を落とした。
「じゃ、終わりだね。ん? 仗助?」
「う…、うぅう…!」
「どうした仗助!?」
仗助の体がズリズリと海の方へ引っ張られていった。クレイジー・ダイヤモンドも出しっぱなしだった。
「力が…抜ける…。やべぇ…。ひ、引きずり込まれ…。」
「ああ! 見ろ! 仗助のクレイジー・ダイヤモンドに!!」
見ると、クレイジー・ダイヤモンドの腕や体に、海の水棲生物であるフジツボが大量に張り付いていた。
「ぐ…グレートだぜ…、あんにゃろう…、まだ戦う気だ!」
「仗助! クレイジー・ダイヤモンドを引っ込めて!」
「それが…できな…、うぅうう!!」
「仗助ーーー!」
後ろから引っ張っていたが、仗助の体が凄まじい力で海に引っ張り込まれた。
「…っ! 馬鹿野郎!」
「承太郎!」
海に引っ張り込まれ沈んだ仗助を追って、承太郎が海に飛び込んだ。
***
『ガボボボ…!』
仗助は、口を手で押さえ、空気が出ないようにしていると、視線の先に、先ほど自分が殴り飛ばした偽の船長と、ダーク・ブルー・ムーンがいた。
『よぉ~~~こそ、よぉ~~~こそ。ククックク…。ダーク・ブルー・ムーンの独断場、海中へ。」
『てめぇ…。』
『今、こう考えてるだろ? こいつ一体どれくらい時間、水中に潜っていられるか。自分の限界は、2分でとこだが、自分より長く潜っていられるのだろうか? ……とねぇ~。答えてやろう、俺の肺活量は、普通の人の三倍よ。そして訓練されている。潜水自己ベストは、6分と12秒! この数字を聞いただけで意識が遠くなるだろう?』
『っ…!』
『そして!』
するとダーク・ブルー・ムーンがそのヒレのついた鋭い手で、船のスクリューのひとつを破壊して見せた。
偽の船長のスタンド、ダーク・ブルー・ムーンは船のスクリューの回転よりシャープな水中カッター。
そのうえ、先ほどクレイジー・ダイヤモンドが殴ったときにつけたフジツボにより覆われてクレイジー・ダイヤモンドは、力を吸い取られている。
仗助は、ギッと睨みつつも、急いで海底から水面へ急いで泳ごうとした。
『泳いで、水面に逃れるか? 周りをよく見ろ。』
ダーク・ブルー・ムーンが作りだした水の渦が海中をかき回していた。それに巻き込まれ、仗助はまともに泳ぐことが出来なかった。
さらに、渦の中に鋭いダーク・ブルー・ムーンの鱗がカッターとして渦の中に紛れ込んでおり、渦に流されていると鱗で体が切られた。
『おおっと…、お前さんを助けに来たのかわざわざ飛び込んできた馬鹿がきたぜ~?』
『承太郎さん!』
巨大化した水のアリジゴクに、承太郎も巻き込まれる。
船長の周囲には、先ほどダーク・ブルー・ムーンが破壊したスクリューの破片が舞っていた。
『……馬鹿だぜやっぱ。アンタはさ。』
『んだとぉ?』
『だから小物だって言ってんだつーの。あんたは、とっくに負けてんだ…。』
『この状況でそんな脅しにもならいこと言って…。』
『いいや、てめぇは、負けてるぜ。』
『この…ガキ共が…! このままジワジワと…、っと…っ?』
次の瞬間、チクッと首の後ろを何かが擦ったのを感じた。
振り向くと、そこにはスクリューの欠片から発生したらしい、鮮血色の根っこが生えていた。
気がつけば、周囲にあったすべての無機物…、スクリューの欠片から根っこが生え、偽の船長を包囲していた。
『う、うわああああああああああああ!?』
『そいでよぉ…、俺のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドの能力は、あらゆるものを直す能力だ。つまりぃ…、テメーのスタンドが作りだしてる渦と、体の鱗は…。』
渦がやがてクレイジー・ダイヤモンドの再生させる力により元の海流に直されていく、そして鱗は……、向きを変え、ダーク・ブルー・ムーンへとすべてが追尾弾のように発射された。
『ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガア!?』
マシンガンのように戻ってくる鱗の衝撃に、偽の船長は息を大量に吐いた。
息が切れ、ブルー・ブルー・ローズに引っかかるのも構わず大慌てで水面を目指そうとする偽の船長の前に、承太郎が立ちはだかった。
『直す力…、これほどとはな。マジに頼りになるぜ。』
そして、承太郎のスタープラチナの攻撃が、水中の浮遊感など関係なく打ち込まれ、今度こそ偽の船長のスタンド・ダーク・ブルー・ムーンは、再起不能になった。
『へ、へへへ…、褒められちった…、嬉し…。』
『馬鹿野郎…。』
血を散らしながら力尽きていく仗助を、承太郎が抱えて水面へ上がった。
ダーク・ブルー・ムーンとの戦いは、こうして終わった。
前回、銀の戦車編が、ほぼ原作通りだったので、今回は思いっきり原作介入させました。
仗助の怪我は、一応浅いです。
吉良吉影戦までを経て、仗助の能力は、初期よりも格段に上がっていて大きな海の渦を消したり、渦中にある鱗のカッターを反射するなどの芸当が可能に。ということで。
次回、タンカー戦の予定。