気まぐれな蛇が兎を見守るのは間違っているだろうか   作:オワタ\(^⚪︎^)/

3 / 4
しばらく期間が空いてしまい申し訳ございませんでした。

☆10[青眼鏡さん、影斗羅さん、優希@頑張らないさん]
☆9[sleiさん、たなかさんちの昼さん、影政さん、就職希望者さん、紅頚黄鼓光慧航行さん、抹茶マスクさん、爆滅アポカリプスさん]
☆8[鬼哭王さん、疾風の雪さん]
☆7[かねてすさん]
☆5[ぼるてるさん]
☆4[輪ゴムの兵隊さん]
☆3[ケチャップの伝道師さん、ヨ=グルトソースさん]
☆2[春菊さん]
☆1[ナハヤさん、ハーフシャフトさん]

評価ありがとうございました!

感想を書いてくれた方々もありがとうございます!

これからも観測ていってください!


蛇はそれでも兎を導く

「…あれから数日…子犬ちゃんに動きはありませんねぇ。……というかベル君はあの魔道書…いやまぁ悪いのはベル君じゃ無いのでノーカンですね」

 

あれから数日と言っても1週間も経ってはいない。俺もこちらの世界にようやく肩慣らし出来るほどは慣れてきた。この数日で俺がした事と言ったら多少ダンジョンに潜り、数名の神とコネクションを作ったのだが…ミアハとガネーシャ、タケミカヅチは良い神だったな。ヘファイストスの所の椿という冒険者はなかなか利用価値があるだろうな。

 

「…反対にディオニュソス神は少し警戒…いや私の敵ではありませんねぇ」

 

ディアンケヒトとゴブニュは仲良く…というよりはビジネス的な関係性が結べそうだったが、あのアミッドとかいう冒険者…近づくだけで身体の中が消えてくような。てかマジで気分が悪くなって頭が痛くなって…聖女とか呼ばれてるらしいが…悪魔じゃねぇのか?

 

※お前が言うな

 

「…あの聖女の前では魔導書も使えそうにはありませんでしたし、逃げるので手一杯でしょうねぇ…敵には回したくありません」

 

ダンジョンを歩きながら向かってくるゴブリンを蹴り飛ばす。

 

まぁそんな事はどうでも良いか…今はどうやってベルを強くするかだ…一応、ナイフを投げて回避の練習はさせているが…そろそろウロボロスの存在を…バレても問題はねぇが…エルフの嬢ちゃんが鬱陶しそうだしな。いやエルフなら大丈夫か?

 

「そういえば…こちらに来てまだ魔道書を使っていませんねぇ。少し使ってみますか」

 

目の前にはミノタウルスが二体、丁度良いかは知らんがまぁ良いだろう……多分な。

 

「第666拘束機関解放 次元干渉虚数方陣展開 コードS.O.L!碧の魔導書起動!さぁ!終わらせますよ!」

 

おぉ…何だろうなぁ。力が湧き出てくるっつうのか…例えるなら枯れ果てる一歩手前の井戸からまた水が湧き出て満たされる感じみたいに、俺の身体の中で力が充満している。

 

「さてと、どのくらいでしょうねぇ」

 

ミノタウルスに向かってウロボロスを投擲してみると、まるで豆腐をスプーンで掬うかのようにすんなりと頭に風穴を開けてしまった。

 

もう一回試してみたが結果はおんなじ、魔導書無しでも試してみたが少し引っかかりを覚えた。やはり魔導書があるのと無いのとでは雲泥の差…対人でも試してみてぇがベルに迷惑かけるにはいけねぇ…俺はあくまで団員だからな。

 

「おや、あれは?」

 

今後をどうするか考えていると倒れているベルとそれを膝に乗せて微笑んでいるアイズ・ヴァレンシュタインがいた。何かの見間違いかと思い眼を擦り、もう一度見てみるがやはり膝にベルの頭を乗せているアイズ・ヴァレンシュタインがいた。

 

確か今日は子犬ちゃんも都合が悪いとかで魔法の練習をするって事でダンジョンに行ったベルだったが…どうしたらこうなるんだ?

 

「……誰?」

「私ですよ、ハザマです。怖いので剣は置いてもらえると助かりますね」

「どうしてここに?」

「私とて冒険者ですよ?ダンジョンにいるのは普通かと」

「……そう」

 

興味なさげに呟くとアイズ・ヴァレンシュタインはベルの頭を撫で始めた。あれ起きたらまた逃げられんじゃねぇの?まぁ良いか…てかコイツの保護者は何処だ。……あそこか

 

「…良いんですか?あれ」

「別に何かやましい事をしてるわけでもない。何も言う事はないな」

「そうですか」

「君はその取って付けたような仮面を外してみたらどうだ?私は本心も気になるが」

「いえいえ、エルフの王族に無礼を働けば闇討ちされてしまうかもしれませんからねぇ…ま、我慢してください」

 

いたのはエルフの女だ。リヴェリア・リヨス・アールヴだったか?長えから合ってるか知らんが…コイツ、俺のこっちに気づいてやがる節があるんだよなぁ。今俺のこっちを知ってるのはあのクソ女神と猛者…エルフの嬢ちゃんとアマゾネス姉妹…これ以上増えられると困るんだよ。

 

「お前がそう言うならこれ以上の深入りは辞めておこう」

「懸命ですね。私としてもそちらの方が助かります」

「いつか、見せてくれることを願ってるぞ?」

「さぁ?どうでしょう」

 

ん?ベルが起きたか…ぶふっwお前!転がりながら逃げるとか器用かよ!アヒャヒャヒャヒャ!マジで面白いわお前!

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「あれ…恥ずかしかったなぁ」

 

僕はアイズさんに膝枕をしてもらっているのに気付き、恥ずかしさのあまり逃げて来てしまった。しかも昨日の夜ベットで悶絶していたらハザマさんに追い打ちかけられるし…散々だよ。

 

「あれって…」

 

僕が昨日の事で恥ずかしがっているとリリを見つけた。僕は声をかけようとしたが誰かと話しているみたいだ。……あれ?あの様子だと喋っていると言うよりは言い合っているみたいな。

 

何をしているのか聞こうとした時、後ろに気配を感じたのですぐに飛び退く。後ろを見るとハザマさんよりは背の低い男の人が立っていた。というかハザマさんは背が高すぎる!190はあるでしょ!僕も身長欲しいのに…グスン。

 

「てめぇ、あのチビの仲間だな?どっかで見た事あると思ったぜ」

「……貴方は?」

「関係ねぇだろ?それよりもよ。てめぇはあのチビをサポーターとして雇ったんだよな?」

「……えぇそうですけど」

 

「なら、俺と手を組まねぇか。あのチビを嵌めるんだよ」

 

それを聞いた途端、僕はすぐに剣を抜こうとした。けど、一呼吸付き感づかれる前に剣から手を離す。

 

ハザマさんの言葉を思い出したのだ

 

『良いですか?貴方は優しすぎます。冒険者の中でも指折りのといっても良いほどの甘ちゃんです。貴方は仲間が馬鹿にされれば怒り、弱いものイジメを見れば助けてしまいます。まぁ悪く言えば偽善者です』

『ちょっとハザマ君』

『少し黙っていてください。…さて話を戻しますが私はその事について別に悪いとは思っていません。ただし、感情に身を任せてはいけません。勝てる勝負も勝てなくなりますし、もしかしたら貴方が守ろうとしたものに危害が加わってしまう恐れもあります。ですからその誰かを何かを守りたいと思う心を持ちながら、常に冷静…クールであってください』

 

そうだ。ここでこの人を叩き伏せるのは簡単だ。でも、僕だけじゃない…神様にもハザマさんにもリリにも迷惑がかかる。それだけは嫌だ。

 

「どうすんだ?」

 

だから、此処でどんな方法を取れば良いかなんて僕には分からない。分からないなら真似すれば良い…ハザマさんを

 

「話をまず聞きましょう。人1人を消すんです…それ相応の計画があるのでしょう?」

「まず、てめぇが普段通りにガキをダンジョンに連れて来て孤立させろ。後はこっちで処理してやる」

「分け前は?」

「あのガキは金を貯めているらしい。そこから分配してやるよ」

 

案外、喋ってくれている。おそらくリリから鍵や何かを奪い取り、モンスターに見せかけて殺す…もしくはモンスターに殺させる…そして真相を知った僕も殺すのかな。

 

「どうだ?悪い話じゃねぇだ「悪いですが、その話には乗れません」あぁ?」

「僕は金で仲間を売るような人じゃないので」

「てめぇ…ならしょうがねぇ。痛い目に遭ってもらうぜ!」

 

男は剣を引き抜き切り掛かってくる。周りを見るがあまり人が居ないので少し派手にやってもバレないだろう。この人はおそらくLevel2だけどハザマさんの攻撃に比べたら遅すぎる。

 

「はぁ!」

「うぐっ⁈」

 

剣を紙一重で避けてがら空きの胴体に一撃、拳を入れる。男はその場で崩れ落ち、すぐに何処かへと走り去って行った。どうしようかと考えているとリリが先程の奴らと会話を終わらせたのか僕に話しかけてくる。

 

「ベル様、今そこで誰かと話していました?」

「リリと同じソーマ・ファミリアの人だったよ。かなり良い人で冒険者の色んな事を教えてもらったんだ」

「ぇ⁈そ、そうなんですか。………ソーマ・ファミリアにそんな人いたかなぁ(ボソッ」

 

多分、あの人たちがリリを狙うなら明日辺りかな。少し神様とハザマさんに相談してみよう。

 

「明日決行ですかね……」

「ん?リリなんか行った?」

「いえ!何でもありません!さぁ、ダンジョンに行きましょう!」

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同時刻 ミアハ・ファミリア

 

「ふむ」

「ねぇ。何でうちのファミリアの待合室で本なんて読んでいるの?」

「そうですねぇ。私書物が好きですし、うちのファミリア今誰も居ないので寂しいのですよ。ご安心を、ミアハ様には許可を得ています」

 

目の前にいる細め目の男に疑問を投げかけるも、それらしい理由で回避されてしまう。ていうか貴方がいたら不審がって誰も来ないんだけど。

 

「ご心配なく、私はあくまで此処で悩んでいる客を演じますので」

「…そういう事じゃなくて」

「そう怒らないでくださいよ。婚期が遠のきまぎょへぇ⁈」

 

近くにあった本を投げた私は悪くないと思う。まぁ変な声を出して避けられたけど。

 

「危ないですねぇ。それが客に対する態度ですか?」

「ベルはお客。貴方はお邪魔虫」

「酷いですねぇ」

「お客と思われたかったら何か買って行って」

「…別にまだ下へ潜る必要もないのでポーション要らないんですよねぇ」

「Level6なのに?」

「私って戦闘は専門外ですから」

 

いつもこうだ。いつもこうやってのらりくらりと躱され何も買って行かず出て行く、そしてまた邪魔しに来る。まだ物を買っていけば対応は変えるのに。それに戦闘は専門外とか言ってるけど多分嘘、かなり動きが熟練者。

 

「…というか何でこっちに来たの?聖女の方へ行けば」

「いやいや、ミアハ様には色々とお世話になりますでしょうし…主にうちの神で…あの聖女さんは少し苦手で…主に俺の魔力的に…」

「?…そう」

 

あの聖女が苦手って…不思議な人。ベルだったら…多分。

 

「ベル君は見捨てる事はしませんよ?」

「…ベルの事なんて考えてない」

「ナァーザさんはベル君が好きですかうぎゃぁぁ!」

「……五月蝿い」

 

私は反射的に矢を射る。それは命中し目の前の彼は悲鳴をあげた。

 

「酷いですよ⁈私のお尻に矢を射るなんて…あぁ痛い…」

「大丈夫…鏃が小さい矢だから」

「それでも痛いものは痛いんです!」

「……自業自得」

 

彼は白々しく何もしてない被害者のような顔をした後、急に帽子を深く被り目を隠した。これだ、この動作をした時、彼は決まってすぐいなくなる。

 

「…へぇ…ソー………が……やっ……なぁ……ころ……だいな……な」

 

小声でぶつぶつ何かを呟く彼は白々しい彼ではなく、本来のLevel6である彼が見えた気がした。

 

「何してるの?」

「…いつも通り…観測ているだけですよ。では私は用事を思い出したので」

「…はい。これ」

「何ですかそれ」

「ポーション…一応お試し一本持っておいて」

「わざわざすいませんね。今度ベル君を連れてきますので…これはほんのお礼です」

 

彼は私の耳元にある言葉を囁き、去っていった。私は…その一言だけで何が何だかわからなくなった…あのハザマという男を…

 

「ん?ナァーザ…どうしたのだ?」

「あ、帰っていたの」

「今しがたな。それよりもハザマはいつでも来てくれるな。これで商品も買って貰えれば良いが」

 

私はミアハ様の言葉さえ頭に全てが入ってこなかった。

 

あの一言

 

『こんな俺でも心配してくれてありがとなぁ?ナァーザちゃん』

 

彼は俺なんて使わない。でももし…私が思ってるハザマが…違うとしたら?お礼というのは本心を見せるという事?

 

その答えはいつまで経っても出なかった。

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「…さてと…ベルは囚われの子犬ちゃんを助けれるかねぇ?ククッ…これだから観測るのはやめられねぇ。アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!さぁ!ベル・クラネル!英雄への道の第一歩だ!その程度なら救ってみせろよぉ!ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

「…貴様の正体がバレたらどうする」

「良いじゃねぇかよ。少しは俺も叫びてぇし、狂ったように笑いてぇんだよ。ここに来てからまだ人の悲鳴さぇ殆ど聞いちゃいねぇ」

「…しかし、今我慢せねば貴様が気に入ってるベル・クラネルも強くはならんぞ」

 

俺は目の前の男に指を突き出し横に降る。こいつは甘え、マッカンよりも甘え。

 

「テメェはベル・クラネルという男をまだ知らねえな。まぁ知ってみろとか言う気はねぇけどよ。テメェの主神が気に入った冒険者だぜ?なら信じてみるのも一興だと思わねぇか?」

「貴様はフレイア様が気に食わなかったのではないのか?」

「アイツの見る目は間違いなく本物だからなぁ。そこは評価してんだよ。他は最底辺評価だがな…そうだ…飯食いに行かねぇか?腹減ってよ」

「…良いだろう。フレイア様にはお前と少し話して来いと言われた」

「あの女…こうなる事見越してやがったな。まぁいいか」

 

俺は裏面のまま 男 オッタル に早く来いと手招きをする。てかこいつ笑った事あんのか?表情筋死んでねぇか?

 

『フレイア様の為に!クハハハハハハハハハ!』

『フレイア様の為に!ヒャハハハハハハハハハハ!』

 

※どちらもCV小柳良寛で楽しみましょう(無茶振り)

 

「…ないわー」

「早く行くぞ」

「テメェの所為だからな」

「……?」

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「おいジジイ!くたばってねぇか?くたばってねぇなら席空いてるか教えろ!」

「おー!黒髪の坊主!今日は連れ有りかい?てか余計なお世話じゃ!まだまだ現役じゃ!」

「まぁ少なくとも後十数年は生きてもらわねぇとな。今日は色々話し込みてぇからな。貸切できるか?」

「あー今日は予約客がいるが、その人達と一緒ならいいが?」

「チッ……まぁ別に知り合いも来ねえだろ」

 

俺は1番奥の畳席を取り、オッタルを向かい側に座らせ俺も座る。畳が珍しいのかオッタルは少し興味深そうに触っている。てか注文しておくか

 

「ジジイ!天玉うどん2つだ!俺の卵は味付けすんじゃねぇぞ!ちゃんとしたゆで卵作れよ!」

「何回も来られたら覚えるわ!この戯けめが!」

「…天玉うどん…聞いたことないな」

「あぁ、作ってんのはおそらくジジイだけだろうよ。結構美味いんだぜ?しかも中々知られてない奥の店だから客もあまり来ねえから俺もこっちで居られるのよ。んで?そっちは何企んでんだ?」

「…貴様が終わってから俺は仕込みを始める。単純にダンジョンのモンスターをぶつける」

 

あぁ?普通のモンスターをぶつけたって意味がねぇだろ。それこそ10階層あたりのモンスターでもLevelが上がるのに足りるかどうか……待てよ?

 

「テメェ…強化種を意図的に作るつもりか」

「その通りだ。ミノタウルスにしようとフレイア様は仰った」

「最初の因縁の敵ねぇ…良いんじゃねぇか?なら俺は近くの冒険者を梅雨払いしてやるよ」

「それはプラスになると考えてのだな?」

「まぁな。まぁ途中の乱入は状況を見て追々だが…まぁ俺も甘やかしてばかりじゃねぇよ」

 

ジジイが持ってきた天玉うどんを2人で啜りながら、今後の事についてどうかどうかと考え合う。

 

「貴様がそっちを出すのはどの辺りだ」

「…少なくともベルがLevel2…3かねぇ。俺もLevelは上げといて損はねぇしな。それにやってみてぇ事もあるし」

「それはフレイア様が仰っていた武を見れるのか」

「…ちっそこまで見えたのか?感か?…見せてやるよ。ただ先にこっちだな。それはテメェ相手に使ってやるよ」

 

俺はゆで卵を頬張り、オッタルを睨みつける。オッタルもチャーシューを頬張り、俺を睨みつける。その目はやってみろと語っていた。ので、俺は上等だと目で語ってやった。

 

俺は何気なく扉を方を見ていると、その扉がガラガラと開き見覚えがある顔が5人入って来た。それを見た瞬間俺はオッタルを使って隠れるように身を縮こませる。

 

「どうしたのだ」

「…ロキの所の奴らだ。しかもよりによってエルフ組にアマゾネス姉妹もいるじゃねぇか」

「ふむ。アイズ・ヴァレンシュタインも混じっている」

「だからテメェ少し俺を隠すように座ってろ。俺はすぐに着替える」

 

着替えるといってもパーカー脱いで帽子被って声整えるだけの簡単作業だが、とりあえずパーカーはウロボロスに任せる。

 

「…さて、窮地は脱したと思いきや…私ですと貴方といる理由を考えなければなりませんね」

「どうするのだ」

「適当に旧友とでも言っておきましょう。下手なことをしたら感づかれる事もありませんよ」

「そうか」

 

「あー!」

 

ちっ…気付かずに出て行ってくれるのが1番良かったが…オッタルの所為だな。この巨体の所為だ。その所為でバレた…そう考えるか。

 

「ハザマ君だー!」

「おやおや、ロキ・ファミリアのご一行ではありませんか…こんな所で何かご用で?」

「私ここのご飯食べた時皆んなに食べて欲しいと思ったから連れてきたんだー!」

「それは何とも仲間思いで…あ、こちら皆様ご存知ですがフレイア・ファミリアのオッタルさんでして、私の旧友でございます」

 

しーんと当たりが静かになる。俺は何か悪い事言ったか?とはてなマークで頭を埋め尽くしていると妹の方が詰め寄ってきた。

 

「えぇ⁈ハザマ君って猛者と友達⁈てか猛者に友達いたの⁈」

「失礼ですよ。そりゃオッタルさんでも友達の1人や2人ぐらいいるものですよ。人は見かけによらないものです」

「…失礼だな」

 

俺はロキ・ファミリアの横をそそくさと退散するように通り過ぎる。ジジイに金を支払って早く店から出る。

 

「………ゔぁぁマジでなんで来るんだか」

「…話を聞かれてなければいいだろう。俺はフレイア様の所へと戻る」

「…ちっ、あのクソ女をちゃんと見張っとけよ」

「俺はフレイア様のお言葉に従うだけだ」

 

そう言い猛者はクソ女神の所に帰っていく。さてと俺は俺で動きますか…ククッ早く見てえなぁ…ベルの命の輝きを…

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「今帰りましたよ」

「あ、ハザマ君!遅かったね」

「まぁ少し色々とやりたい事がありまして」

 

ベルが居ないところを見ると寝てるか。俺の眼が正しければ明日子犬ちゃんが動く…あのクソ野郎どももな…さて俺はどうするか。

 

「ハザマ君…良いかな」

「ベル君の事でしょうか?」

「…サポーターの事なんだけれどね」

「えぇ…私もきな臭いと思い色々と調べて来ました。ソーマ・ファミリアのリリルカ・アーデ…小人族です」

「やっぱり姿を変える魔法を持っているのかな」

 

この神…感が良いのか何なのか…案外この神も要注意かもな。

 

「えぇ…持っていますでしょう。ちなみに私はベル君に任せようと思ってます」

「…あのサポーターの子の事かい?」

「私は団員…団長の命令なら聞かないことはありませんよ。大丈夫です…私も跡をつけてみます。ですから神様は心配せずに笑顔で此処でお待ちください」

 

これは俺の本心に近い。この神がいつも通り笑っていなかったらベルにも影響を及ぼす。それに一応俺を置いてくれているからな。

 

「…もう寝てください。私は此処で良いですから」

「うん…」

 

俺はソファーに横になりウロボロスを一匹出す。それに『ベル・クラネルを明日一日中追跡せよ』と命令を出し目を瞑り眠る…。

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『貴方と会えて本当に良かった…私は…幸せでした』

 

やめろ

 

『おい…喋んじゃねえよ。今すぐに病院に行きゃ治るからよ!』

『無理よ…もう自分で…わかってる…もの』

 

やめろ

 

『おい!今テメェが死んだら、俺はアイツらは!どうなるんだよ!』

『ごめんね…私のせいで…貴方を傷つけてしまう』

 

やめろ

 

『さようなら…狭間…ありがとう』

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「やめろォォォォォォォォ!」

「うわ!ビックリした!」

 

僕がベル君を見送った後、ハザマ君の寝顔を観察しようとすると彼はいきなり叫びながら飛び起きた。僕も跳びのいちゃったよ!

 

「はぁ…はぁ…」

「だ、大丈夫かい⁈凄い汗だよ!」

「…大丈夫です…少し…嫌な夢を見ただけです」

 

彼は落ち着くように水を飲むといつものように振る舞い始めた。でも僕にはどうしても無理をしようとしている様にしか見えなかった。

 

「…さて、ベル君はもう行ってしまわれましたか…私も行きますかねぇ」

「ねぇ……ハザマ君」

「どうし」

 

僕はハザマ君を引き寄せ抱きしめる。これでも一応神様だからね…子が苦しんでいるなら慰めてあげないと。

 

「苦しいなら…無理しなくて良いよ」

「…大丈夫ですよ。しかし…ありがとうございます」

「うん!さて、無理しない程度に行っておいで!ベル君は任せたよ!」

「えぇ…任せてください」

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本当にお人好しの神様だなぁ…なんか死んだ母親を思い出したわ…マジでお人好しで馬鹿で天然でドジで…優しい母親…

 

俺は頭を振り全ての考えをリセットする。今からする事を考えればこんな事を考えてはいけないと。

 

「さて…そろそろ動きますかね。お、ビンゴ!ウロボロスから反応がありました。どうやら彼女はベル君を置き去りにした様で…おそらく彼らと鉢合わせするでしょう」

 

俺はダンジョンの4階層の隅っこで壁に身体を預けてある奴らを待つ。ウロボロスから反応があり2時間ぐらいだったあたりでこちらに来る男どもを見つけた。

 

「おやおや、随分と遅かったですねぇ」

「少し予定と狂ったんだよ。ほら!あのガキを襲ったんだ!約束の金を寄越せ!」

 

そう。今日ベルと子犬ちゃんがダンジョンに入る事をソーマ・ファミリアにリークしたのは俺だ。そうすれば子犬ちゃんはこいつらに襲われそこにベルが助けに入る…立派な英雄だな…まぁ子犬ちゃんにとっては…だがな。コイツらはキラーアントで殺そうとしてたが…俺が鍛えたベルならキラーアント如きに殺されるはずがない。

 

「えぇ、ちゃんと用意していますよ?報酬はね…しかし…報酬がお金とは一言も言ってませんけどね」

「あぁ?どういう事だ!」

 

俺は返答の代わりに一番端の男の脚をウロボロスで噛みちぎらせる。相手はLevel2と1の集まりウロボロスを避けられる訳がねぇ。

 

「痛え!痛えよぉ!」

「テメェ⁈」

「どういう事だぁ!」

 

ゴミ3匹がなんか言ってるが…ゴミに耳を傾ける奴が居るのかねぇ。

 

「貴方達に必要なのはお金ではありませんよ?だって…死んじまったら金なんて必要ねぇからよぉ?ヒャハハハハハハハハハ!」

 

俺の変化に目の前のゴミは追いつけてない様子だなぁ。別に理解なんてしなくて良いぜ?テメェらはゴミ屑今から俺が片付けてやるよ。

 

「テメェらがこの後生きてるとメンドくせえからよ。此処で片付ける事にしたわ。大丈夫だぜ?他の団員も後を追わせてやるよ」

「巫山戯んなぁ!」

 

遅え遅え、マジでナメクジみてぇな遅さだ。これが恩志の効力か?いや恩志無くてもコイツらには負ける気がしねぇ。

 

「ウロボロス!奴らを喰いちぎりな!」

「うぎゃあ!腕が!俺の腕が!」

「大蛇武錬殲!雑魚がぁ!」

「グギャ⁈」

 

1人はウロボロスでもう1人は脚で頭を踏み潰し心臓を蹴り抜く。1人は殺しちまったが…まぁ2人で楽しめば良いよなぁ。

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」

「なんなんだよお前はよぉ!」

「あぁ?Level6の冒険者だ…良いね良いねその顔!格下だと思ってた雑魚が自分達よりも上のレベルで絶望してる顔!たまらねぇ!凄く気持ちいいぜぇ?ベルと一緒にいると忘れかけちまう…この高揚感!ヒャハハハハハハハハハハハハ!」

 

「逃げ、逃げなきゃ…こ、殺さ」

「どこ行くんだぁ?テメェは此処で俺の玩具になんだよ」

 

腕を吹き飛ばした男は逃げようとするが恐怖で上手く脚が動かせない。だからこそこの悪魔に捕まってしまったのだ。

 

「この、悪魔がぁァ!」

「あぁ?玩具の癖に歯向かってんじゃねぇよ」

 

彼は最後の力を振り絞り剣を悪魔へと振りかぶるが彼はもう動いていた。手に鎖を持ちそれを振り回している。剣を振り下ろし悪魔に当たる瞬間に悪魔の姿は消え…彼の周りには鎖が回っていた。

 

「皇蛇…懴牢牙。そろそろベルが来ちまうかぁ?…楽しみてぇが悪りぃな…死ねや雑魚が」

 

鎖は肉を引き裂き彼はバラバラの肉塊へと姿を変える。脚がない男は必死に貼って逃げようとしたが悪魔が逃がすわけでもなく…背を踏まれ捕まえられた。

 

「…さて…テメェは…毒で溶かしてやるよ」

「ひ、命だけは…ゆ、許して」

「良い顔だぁ…惚れ惚れするなぁ…最後に1番の悲鳴を…聴かせてくれや」

 

彼の袖から一匹の蛇が高速で男の喉仏へと牙を立て毒を流す。男は目を見開き…絶叫する。悪魔はそれを聞きまるで美味い飯を食ったグルメみたいに女好きが見た美女みたいに、惚れ惚れと清々しいほどの笑顔を浮かべ、男を見下ろした。脚から腕から溶けていく男の姿を見て悪魔はこの街に来て初めて狂ったように笑いだした。それはいつもの笑いでは無く、心の底から笑ったのだ。心の底から残虐を楽しんだ笑いを出した。

 

「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!絶望しろぉ!これが現実だ!テメェの糞みたいな人生は俺の娯楽の1つに過ぎなかったのさ!さぁもっと絶叫しろ!もっと苦しめ!そして死ねぇ!」

 

悪魔は男を踏みつける。と、同時に男は完全に溶けてしまう。辺りには人が溶けた匂いや、血肉の匂いが充満するが…悪魔は気にすらしてなかった。

 

「ウロボロス…処理しな。魂も食っていいぜ?」

 

悪魔の指示通りに蛇は男達の死体を片っ端から引きちぎり喰らい尽くした。そこで何があったかなんて分からない。ただ分かるのは血肉の匂いだけが…その辺りに充満している事だけだった。

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「ベル君…はいこれ」

「何ですか?この紙」

 

僕はリリを助け、本拠へと戻った後。ハザマさんに数枚の紙を渡された。ちなみにリリと神様は奥で何かを言い合っている。

 

「リリルカさんのファミリアである。ソーマ・ファミリアの悪事です。これを明日、ベル君のアドバイザーである人の所へと持っていきます」

「えぇ⁈何でそんな物をハザマさんが⁈」

「私の本職は情報屋ですから…この程度の情報なら…簡単ですよ。まぁ話は戻しますが…ベル君。リリルカさんを助けたいですか?」

「……!…僕はリリを助けたい!」

「結構!いやぁ…貴方は優しい子だ。その心を忘れないでくださいね…明日はアドバイザーさんの所へ連れて行ってくれるだけでいいです。あとは私が話を付けますので」

「…リリをお願いします」

 

僕はハザマさんに頭を下げる。この人にはお世話になったばかりだ…本当に良い人だから。

 

「…任してください……ベル君」

 

ハザマさんは本当に…良い人だ。

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________________________________________

 

これで後は…ギルドの所のウラノスに話をつければソーマは終わりだ。テメェはベルには必要ねぇ神だ…今すぐにオラリオから消してやるよ…ククッ




はい、主人公はテルミの性格よりの常識人です。

これから物語が進むにつれて主人公の過去も明かされていくでしょう
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