「これが、地上界とやらのマシンですか……」
シルキー・マウ、彼女からこの世界が地上であることを聞いたエコーは、その地上でのマシン「ヘリコプター」にとその身を預ける。
「すまないね、エコー君」
「いえ……」
「ドラムロを奪い取った挙げ句、そのダンバイン達とやらを止める危険を冒させてしまうなんて……」
「御茶と菓子、美味しかったです」
「ありがとう……」
バッバ……
アイドリング状態からエンジンが本格始動し、その身を浮かせ始めたヘリコプターから、エコーとシルキーはその手を。
「達者で、皆川さん達!!」
「元気で、エコー君!!」
この地で世話になった人物、小野寺司令と皆川三尉達に向かって、強く振った。
――――――
「止めるんだ、ガラリア!!」
「しかし、ショウ・ザマ!!」
ズゥイ……!!
重い音を立てて周囲を飛び回る、旧式と思われる「戦闘機」にとその神経をささくれ立たせながら、ガラリアは。
「このバストール、エンジンと火器の出力が安定しない!!」
「それでも、俺たちはここにいてはいけない!!」
「私とて、ここでは居場所がない、ショウ・ザマよ!!」
「ならば!!」
僅かに錐揉みをしながら、その二機のオーラバトラーはやや上方にとその位置をずらす。
「共にバイストン・ウェルに帰ろう、ガラリア!!」
「出来るのか、ショウ・ザマ!?」
「チャム、フェラリオの力で出来るらしい!!」
バゥ、バ!!
「ええい、鬱陶しい!!」
「騎士ガラリア!!」
「何い!?」
自衛隊機から、安全ベルトをその身に巻き付けたまま呼び掛けるエコーの声は、そのガラリア機にと届いたらしい。驚いた声を上げ、エコーが乗るヘリコプターにと視線を向けるガラリア。
「それに、聖戦士ショウ!!」
「その声は!?」
単純な声ではない、何かテレパシーのような「エコー」が混じり、その彼の声はダンバインにと乗るショウ・ザマにも通じる。
「エコー、君もオーラ・ロードに乗ったのか!?」
「よくわかりませんが、このシルキーのお陰でね!!」
「ならば、君も!!」
そう、コクピット内から響く声をもって叫びながら、ショウ・ザマ機はエコーが乗るヘリコプターにと機体を近づけた。
「バイストン・ウェルに戻ろう!!」
「どうやって、ショウ!?」
「フェラリオの力を使えば、出来る!!」
ショウ・ザマのその言葉、それを聞いたエコーは、自身の内ポケット内へと捕まっているシルキーに。
「本当か、シルキー!!」
「私には、解りません……!!」
その真偽について聞いてみたが、ハッキリとした答えは得られない。
「そうだろう、チャム!?」
「だけど、オーラロードの道が見えない!!」
「無理でもやってくれ!!」
そう、ショウ・ザマは叫びながらいったんエコーの乗るヘリコプターからその自機を遠ざけ、再びガラリアの駆るオーラバトラーのその腕を握りしめながら。
「俺とガラリア、そして」
グゥ!!
ガラリアもどうやらショウ・ザマと協力する気になったようだ。ダンバインに引っ張られるままにヘリコプターにと近づき。
「エコーの力があれば!!」
「エコーの近くにもう一人、フェラリオがいるよ、ショウ!!」
「本当かチャム!?」
「シルキー・マウかも!!」
「ならば!!」
ダンバインのその掌、それをヘリコプターにと突きだし、エコーを誘い込む。
「確実だ!!」
「わかったよ、聖戦士ショウ!!」
安全ベルトを自衛隊員達に手伝ってもらいながら切り離し、エコーはそのオーラバトラー「ダンバイン」の手のひらにとジャンプしようと。
「行くぞ、ショウ・ザマ!!」
「おう!!」
身を屈ませ、その屈伸姿勢から大きく我が身を弾ませる。
バァ……
そのエコーの身体は見事にダンバインの右手の上にと乗り、ショウはガラリア機から左腕を離し、そのエコーの身体を包み込む。
「大丈夫か、シルキー!?」
「だ、大丈夫です!!」
内ポケット、そこからのシルキー・マウの声に安心を覚えたエコーはそのまま。
「準備はいいぞ、ショウ!!」
「エコー、君から何か強いオーラを感じる!!」
「おう!!」
そのままダンバイン、そして。
「……ハア!!」
そのダンバインにとその手を付けたガラリアの機体が、淡い光に包まれる。
「オーラロード、開けるよ!!」
「そうか、チャム!!」
「シルキー・マウが力を貸してくれる!!」
見ればシルキー・マウ。エコーのポケットにと入っている彼女の身体も、緑蒼の光を放っているのがエコーには感じられた。
「エコーさん、オーラロードです」
「どこに……!?」
「あの、高い建物の近くに……!!」
スゥン……
ショウか開いてくれたダンバインのコクピットにと潜り込んだエコーの視界の先、そこには一際高い建物が立ちそびえる。
「スカイタワーか!?」
確かにショウ・ザマにはこの東京上空、その空に高層タワーであるその建物の付近から何か、淡い光のような物が天に向かい、道筋を作っているように見えた。
「行くぞ、ガラリア!!」
「心得た!!」
またしても周囲にと飛び交う戦闘機、地上世界のマシンから身を遠ざけるようにして、ショウ達はその天へと続く光の河へと、オーラバトラーを突入させ。
シャア……!!
「また、親父とお袋の顔だ……」
「お前にも見えるのか、エコー?」
「ああ、聖戦士ショウ……」
ダンバイン達は、その天の河を「登ろう」とした。
「死者の魂の河……」
「どうした、ガラリア?」
「いや、なんでもない……」
だが、そのガラリア機の挙動はどこかおかしい。
「そこのオーラバトラー、気をしっかり持って……」
「解っている、フェラリオ……!!」
そのチャムの発破に、何かでたらめな動きをしていたガラリアのオーラバトラーが何とか体勢を整えなおし、魂の河へと合流する。
「父上、母上、それにおばあさま……」
所々から煙のような物を噴出させながら、そのガラリア機もまた。
「私は、バイストン・ウェルに帰るのか……」
己が魂の生まれ故郷、バイストン・ウェルに帰還する。