戦姫絶唱シンフォギア Evolution's Symphony 作:セグウェイノイズ
撃つ。撃つ。撃つ。
その銃撃を例えるならば、正しく荒れ狂う暴風だ。
彼女に飛びかかろうと突撃するノイズは瞬く間に灰塵と帰し、気付いたときには彼女の周囲に炭の山がいくつも積もっていた。
鎧から流れる荒々しい音楽がフィナーレを迎える。
どうやら新手はもう来ないようだ。
人目のつかない路地に飛び込んだのは正解だった。おかげでノイズを一網打尽にすることができた。
そういえば雨が降っている。ギアを解除すればそのまま雨に打たれることになるが、それは御免被りたい。
これからどうしようか、と壁にもたれるクリス。
そうしたのが間違いだった。
緊張の糸が切れたのか、クリスは操り手を失った人形のように崩れ落ちる。
そこからは早かった。
抗うもすぐに意識も遠のき、視界が暗くなってくる。
最後に彼女が見たのは、こちらに駆け寄ってくる何者かの姿だった。
◆◆◆
起きると未来はいなくなっていた。鞄がなかったので先に登校したのだろう。
一人で通学するのは今日で二日目だが、すでに未来が恋しい。
二人での登校に慣れていたからか、今は空の色も、雲の動きも、傘に打ちつける雨音も全て新鮮に感じる。もちろん悪い意味で。
未来といるときはそのことでいっぱいになり、他のことなど考えることもなかった。
それも全て、小日向未来という陽だまりが隣にいたからこそだ。
「……ううん、こんなんじゃダメだ。惣一おじさんに怒られる」
昨日惣一と約束したことを思い出す。
あの後、次に惣一と会うときには必ず仲直りしていると約束したのだ。彼のためにもこれを破る訳にはいかない。
今日こそ必ず未来と話してみせる。気持ちを新たに校舎に入り、教室へと向かう。
突然、制服のポケットを通して振動を感じる。
右ポケットから感じるので、これは二課から支給された通信機から発せられたものだ。こんな時間に連絡が来るということはノイズ絡みに違いない。
素早く取り出し、応答する。
「響です」
〈こちら司令部。未明にノイズのパターンを検知したため、念のため君にも通達しておこうと思う〉
「師匠! ノイズですか?」
〈ああ。人的被害が少なかったのが幸いだったのだが、ノイズと同時に聖遺物イチイバルのパターンも検知した〉
今朝この近くにノイズが現れたらしい。未来は響よりも先に登校したと思われるが、無事だろうか。発生ポイントは普段使っている通学路とは少し離れているため問題ないとは思うが。
それも気になるが、イチイバルのパターンを検知したということも気になる。
「ってことは師匠、ノイズとクリスちゃんが戦ったってことでしょうか?」
〈そうだろうな。……どうした?〉
何かを感じ取ったのか、聞き返してくる弦十郎。
やはり聡い人だ。響もこのような人であれば未来と喧嘩することもなかったのだろうか。邪念を振り払いクリスのことに集中する。
「あの子、戻る所ないんじゃないかなって……」
〈そうかもな……この件については、こちらで引き続き対応する。
響くんは指示が来るまで待機していてほしい〉
「はい、分かりました」
連絡を終え通信機をポケットにしまい、ふと壁掛け時計を見ると予鈴が鳴る1分前だった。急ぎ教室に入り、空いている席を探す。
相変わらず急な段差だ。幸い上段の席が空いていたのでそこに座り、今度は上から未来を探す。
しかしどこを見ても彼女の姿はない。相手が未来ならば例えいくら離れていようと見つけられる自信のある響だが、それでも見つからないということはその答えはただ一つ、未来がまだ教室に来ていないということだ。
「小日向さん、お休みなんですか?」
「わたしより先に登校したはずなんだけど……」
響の姿に気付いた詩織が未来について尋ねてくる。先に来ていた彼女らも未来を見ていないらしい。
もう授業が始まるというのにどこに行ったのだろう。
遅れて響に近づいてきた創世が声を潜め、最近の響と未来について聞いてきた。
「最近なにかあったの? ぎくしゃくしてるみたいだけど」
「何かあれば何でも聞いてくださいね」
「こんなときアニメだとどうするんだっけ……」
「もう……」
「あはは……みんな、ありがとう」
創世の後ろにいた弓美も合わせ三人が声をかけてくれた。相変わらずアニメに例えたがる弓美に、優しい言葉をかける詩織。
やはり友情に勝るものはない。三人の優しさが身に染みるようだ。
どちらにせよこのままの状況が続くのは芳しくない。いつまでも陽だまりと離れ、北風にさらされたままなんて響は耐えられないのだから。
いつの間にか三人の姿が消えていたが、今の響はそれに気づかなかった。
今朝現れたノイズのこともそうだが、それと戦ったというクリスのことも気がかりだ。以前未来に言われたように、春になってから思い悩むことが増えた気がする。
シンフォギア、未来、フィーネ、スターク。悩みの種は尽きない。
こんなとき未来がいれば相談に乗ってくれたのだろうか……と、さっきから誰かが隣に立っている。
リディアンの制服ではない。私服だ。なら先生かななどとぼんやり思っていた響だったが。
「立花さぁんッ!?」
「へぇっ!?」
そう、先生だ。
気づけばすでに授業は始まっていた。周りの視線が痛い。横の長机に座っている創世が「未来が休みだとは伝えた」という旨を口パクで言ってきた。それなら安心だ。
いや、なにも安心ではない。依然響の横には先生が腰に手を当てて仁王立ちしている。
黒板を盗み見ると音楽の歴史と書かれていて、そこで響に気づいたようだ。
「全く貴女って人は……まあいいでしょう、この程度でいちいち怒っていてはこちらが持ちませんから」
「ホントですかッ!? じゃあ是非とも今後も……」
しばらくの沈黙の後、先生は額に手を頭呆れたような表情で見逃してくれた。
嬉しさのあまりつい要らぬことを口走ってしまう響だったが、完全に言い終わるより前に凄まじい目つきで睨まれ速やかに口をつぐんだ。
「……さて、続けましょうか。音楽の歴史は約3400年前にまで遡ります。
シュメール語が彫られた石板がシリアで発掘されたのですが、研究の結果、その石板はいわゆる"楽譜"の役割をしていたものだったのではないかと推測されていますね」
再び教壇に戻り授業を続ける先生。
言っていることがさっぱり分からない。古代言語で話しているのだろうか。
黒板に書かれた文字をノートに写していると、突然横の机からはきはきとした声が聞こえてきた。
身を乗り出して手を上げているのは弓美だ。質問が気になり、ノートを取るのを一時中断する。
「じゃあ、世界で最初の歌ってことですか?」
弓美の質問に対して笑顔で拍手を送る先生。少し弓美が羨ましい。
「その通り。それより前の時代のものが発掘されていない以上、現代ではそれが有力とされています。
……まあ、その辺りの地層で発掘された粘土板には『黒』や『渦』、『塔』などよく分からない記述がされているものも多いですから、100%信用できるとは言い切れないというのが事実です」
結局、その日下校するまで未来が教室に現れることはなかった。
「未来……無断欠席するなんて一度もなかったのに……」
帰ろうにも気が乗らない。部屋に帰っても未来がいるかどうか分からないのが原因だろう。
だからこうしてリディアンの屋上にて特に意味なく雲を見上げ数を数えている。
屋上の扉が開く音がした。誰が来たのかと扉の方を見ると、
「翼さん」
「立花。奇遇ね」
杖をつき、まだ万全の状態とまではいかないまでも確かな双眸で響を見据えてくる。
1ヶ月前にあのような状態だったというのに、もう翼は登校できるまでに回復したらしい。
響の座っているベンチの隣に腰かけ、何かあったのか訊いてきた。弦十郎といい彼女といい、風鳴の家は気遣いの達人なのだろうか。
翼とも付き合いが長くなってきた。お互い最初は最悪の出会いをしたものだが、今は自然と翼の前では悩みを打ち明けることができる。
「わたし、自分なりに覚悟を決めたつもりでした。護りたいものを守るため、戦士になるんだって。
……でもダメですね。小さなことに気持ちを乱されて、何も手につきません。もっと強くならなきゃいけないのに、変わりたいのに」
「その小さなものが、立花の本当に守りたいものだとしたら、今のままでもいいんじゃないかな。
立花は、きっと立花のまま強くなれる」
「翼さん……」
響が本当に守りたいもの。
それが例え小さくとも関係ないと彼女は言った。惣一にも翼にも励まされ……というか助言を受け恥じ入る思いだ。
以前までは当たり前のように思えていた感情が、悩みが増えたことでなくなっていたらしい。
確かに響が戦うと決めた理由はなんだったか。人々を、友達を、大切な陽だまりを守護るためだ。そもそも未来にも言われたのだ、「響は響のまま変わってほしい」と。
話を聞いてもらった礼を言おうと翼の方を見ると、なぜか目を伏せ自嘲的な笑みを浮かべていた。
「奏のように人を元気づけるのは難しいな。二年前、私が思い悩んでいた時には奏が励ましてくれたのだけど」
どうやら二年前、ブラッドスタークが初めて現れた際に恐怖を覚えた翼を励ましてくれたらしい。響は奏のことを直で見たのはライブのあの日しかないが、なぜかそんな光景が想像できた。
「そんなことありません。前にここで、同じような言葉で親友に励まされたんです。それでですね……」
今は、誰かに未来のことを聞いてもらいたかった。途中から未来の自慢話のようになってしまったが、それでも翼は微笑みながら最後まで聞いてくれた。
◆◆◆
「ケンカか……あたしにはよくわからないことだな」
「友達とケンカしたことないの?」
目が覚めると室内にいた。
クリスが目を覚ましたのに気づいて近づいてきたのは、よりにもよって立花響を襲撃した際戦いに巻き込みかけた一般人だった。
少女の説明によると、彼女行きつけのお好み焼き屋の二階に運ばれたらしい。店主らしき女性がクリスの服を洗濯に出してくれていたらしく、素直に礼を言いたかったがなかなか難しい。
店主に店はいいのかと尋ねると、何やらバイトがどうとか言っていたがよく分からなかった。
その後上しか服を着ていないのに気づいたりと色々あったが、ここで休憩して約半日。戦闘とまでは分からないが、なんとか動けるまでに回復できたと思う。
乾いた自分の服を着ていると、今までずっと側にいた少女がなにやら友達と喧嘩をしたらしいことを話してきた。
友達と喧嘩したことがないのか、と言われても困ってしまう。
「友達いないんだ。地球の裏側でパパとママを殺されてからは、ずっと一人で生きてきたからな。友達どころじゃなかった」
「そんな……」
いきなり少女の表情が曇った。
よく他人のことにそこまで感情移入できるものだ、と感心する。しかし、その話をしている内に腹の内よりふつふつとあふれ出してくる激情。それを押さえるのが難しくなってきた。
「たった一人理解してくれると思った人も、あたしを道具にように扱う奴ばかりだった……。
大人はどいつもこいつもクズ揃いだ。痛いと言っても聞いてくれなかった。やめてと言ってもやめてくれなかった。あたしの話なんて、これっぽっちも聞いてくれなかったッ!」
誰にぶつけるでもなく、思わず怒りをぶちまけてしまう。
少女を怖がらせてしまったかもしれない。
確か、事の始まりは少女が友達と喧嘩したことを聞いたからだった気がする。クリスならどうするかを訊いてきたのだったか。
「なあ。お前そのケンカの相手ぶっ飛ばしちまいな。どっちが強いのかはっきりさせたらそこで終了。とっとと仲直り。そうだろ?」
「できないよそんなの」
「分かんねえなぁ……」
一応言ってみたものの同意は得られなかったようだ。しかしそんな困り顔をされても、自分にはこれしかやってこなかったのだからそれ以外と言われても思いつかない。
「でも、ありがとう」
「はぁ? あたしは何もしてないぞ」
「ううん。本当にありがとう、気遣ってくれて。えっと……」
妙な奴だ。なぜ感謝されなければならないのか。望む答えを出せなかったのだから罵倒されるものとばかり思っていたが。
名前を訊かれる。彼女への負い目からだろうか、なぜか腹は立たない。
「クリス。雪音クリスだ」
「そっか。優しいんだね、クリスは」
「そうか……?」
「わたしは小日向未来。もしもクリスがいいのなら、わたしはクリスの友達になりたい」
右手に温かな感触。驚き右手を見ると、少女の両手がクリスの手を包み込んでいた。
少女────未来は自分と友達になりたいなどと言い出した。
なぜ? 疑問が脳内を支配する。なぜ未来はクリスと友達になりたいのか。あまつさえ知らないとはいえ、危害を加えかけた人間と。
ゆえに。
クリスは未来の手を振り払うことでしか、それを表現できなかった。
「あたしは……お前たちにひどい事したんだぞ」
「……?」
その意味をよく分かっていない様子だ。
しかし、どうせ彼女もクリスの正体が先日の襲撃者だと結びつけば離れていくだろう。
それは一向に構わない、と思っている。思っているが。
なぜか、それを考えると胸の奥が────。
突然外から警報が聞こえる。
未来はいきなり立ち上がり、クリスの手を引いて走り出した。
「お、おい!? 一体何の騒ぎだよ?」
「何って、ノイズが現れたのよ!」
「……何だと?」
◆◆◆
未来との思い出話が佳境に入った瞬間、二人の通信機に同時に連絡が入った。
同じ場所にいるということもあり、代表して翼がそれに応じる。
「翼です。立花と共に居ます」
『ノイズを検知した。相当な数だ、未明に検知されていたノイズと関連があると考えられる』
「了解しました。現場へ急行します!」
『駄目だ。メディカルチェックの結果が出ていない今、翼を出す訳にはいかん』
再びノイズが現れたらしい。場所はふらわーがあり、ナシタからもそう離れていない地域だった。
響もふらわーの店主であるおばちゃんには修業中や放課後に美味しいお好み焼きを食べさせてくれた恩がある。
急行しようとした翼だが、メディカルチェックの結果を理由に弦十郎に止められた。
「ですが……!」
「翼さんはみんなを守ってください。だったらわたし、前だけを向いていられます!」
万が一のために翼がここに残ってくれてさえいれば、リディアンにまでノイズが侵攻された際に対処することができる。
何より、翼の復帰を待っている人たちがいるのだ。無理はさせられない。
「立花……。分かった、そう言う事ならば仕方がない。現場は託したぞ」
「はいッ!」
幸いと言うべきか、現場はリディアンからそう離れていない。
翼にこの場を託した後、全速力で指示に従い現場へと急行した。
◆◆◆
本当に何をやっていたのか。
そもそもノイズ共は自分を追っていたのだ。どういった手段を用いてかは不明だが、的確にこちらの動きを把握していた。
なら、ただの民家に逃れたところで動きは筒抜けだったはずだ。
そんなことを今まで失念していたとは、本当に馬鹿だ。
ノイズ出現の知らせだという警報の意味を知った瞬間、全身から血の気が引いた。
その場に崩れ落ちそうになったクリスだったが、なんとか持ち直し未来を店主に任せ逃げまどう人々とは逆方向に走った。
クリスを引き止めようと名前を叫ぶ未来の声が聞こえたが、今さら彼女と向き合う資格などない。
少し開けた場所にたどり着く。
先ほどまで滞在していたお好み焼き屋のある商店街が見える。その周辺からは黒煙が上がり、否でも応でもノイズの起こした被害の大きさが分かってしまう。
「あたしのせいで関係のない奴らまで……」
いつの間にか、全身から力が抜けその場に崩れ落ちていた。喉が痛むなどということも関係なく、声の限り叫んでいた。
そうでもしなければ、この感情でどうにかなってしまいそうだ。
気付くと周囲にはノイズが。忌々しい、街を破壊したノイズが。関係のない、街の人々に襲い掛かったノイズが。
自分のせいで現れてしまった、ノイズが。
「あたしがやりたかったのはこんな事じゃない……。でもいつだってあたしのやることはッ……いつもいつもいつもォッ!!」
せめて。
罪滅ぼしにもならないが、今現れたノイズは確実に仕留める。必ず鏖殺する。人に向けてけしかけたことは一度たりともない。とはいえ、装者の邪魔をしようとソロモンの杖を用いてノイズを召喚したのは事実だ。
いとも簡単に人を殺せる、殺戮兵器を。
「あたしはここだ! だから……関係のない奴らの所にまで行くんじゃねえッ!」
その声がノイズの癇に障ったのか────そんな感情があるのかすら定かではないが────、次の標的にクリスを捕捉し一斉に攻撃を開始した。
こよりのように全身を細く尖らせ、こちらを貫かんと迫る。
イチイバルのシンフォギアを纏おうと、ペンダントを握り起動句である聖詠を口ずさむクリスだったが、
「しまったッ!?」
歌い終わる直前、せき込んでしまった。
雨の中戦っていたのが原因だろう。それに加え、大して体力もないのに全力であてもなく走っていたことも大きい。
我に返ると、すでに弾丸と化したノイズは眼前に。
死ぬ。そう思った。
まだ、一体たりとも倒せていないというのに。
「フンッ!!」
「な……に?」
その数瞬後訪れた爆音と破砕音、それに負けないほど大きな男の声を聞くまでは。
目の前には大きな赤い壁が────否、ノイズの進行を阻む壁を生成した、大男の背中があった。
この男は見覚えがある。フィーネが要注意人物として挙げていた人物だ。
その名は────風鳴弦十郎。
「ッ!? 後ろだッ!」
前方のノイズを対処できても、後方にて待機していたノイズには対処できない。
なら再び壁を生成せねばならない、と弦十郎に呼びかけた訳だが。
そこであることに気づく。
弦十郎はあくまで生身の人間だ。
だというのに、なぜ障壁の生成能力などという異能が身についているのか。それに、ノイズは位相差障壁によりこちらからは触れられないはず。
それこそ、シンフォギアを纏うか絨毯爆撃を行うか、もしくは攻撃の瞬間にカウンターを浴びせるかしかない。どれも現実味を帯びていないのが欠点だが。
不審に思い弦十郎の動向を注視するクリス。
脚を上げ、直後全力で地面を踏み抜く弦十郎。
爆音と粉塵が上がる。ここまでは先ほどと同じだ。ここから先は視覚に頼らなければ確認することはできない。
しかし。
「壁は作った。今の内に離脱するぞ」
地面を踏み抜いた衝撃でコンクリートをめくり上がらせ、ノイズが実体化するタイミングに合わせてコンクリートの壁を作っていたと知り愕然とする。
まさか三つ目の手段を用いる人間がこの世に存在したとは。
コンマ単位の誤差も許さぬ神業めいたその行為に、開いた口が塞がらない。
その後抱きかかえられ近くのビルの屋上まで跳躍する弦十郎を間近で見て、もうこの男の存在などどうでもよくなってきた。
戦ったところで勝てる訳がないのだから。
「大丈夫か?」
こちらの無事を問うてきた直後、上空から何かが飛来してくる。この状況で襲撃してくるものなどノイズ以外にあり得ないのだが。
今度はビルのアスファルトを再び盾としようと身構える弦十郎だったが、これ以上彼に守られてやる義理などない。
弦十郎の脇の下を潜り抜け、ノイズに正面から向かっていく。
癪だが助けられたことによって息も整った。これなら歌える────!
「Killter Ichaibal tron」
アームドギアをクロスボウ型へと変形させ、突っ込んでくるノイズを片っ端から撃ち抜いていく。
「大丈夫か」などという疑問は愚問だ。
「御覧の通りさ! あたしの事はいいから、他の奴の救助に向かいな!」
「だが……」
「コイツらはまとめてあたしが相手してやるって言ってんだよッ!」
ビルから飛び降りる。派手に跳び回り、これでもかというほど体調がいいということを見せつける。
時に機関砲で蜂の巣にし、時にミサイルで木っ端微塵にする。イチイバルの制圧性能があれば、たかがノイズなど塵芥と同じ。
ただ、ノイズを何体葬ったところで胸に抱いた感情は消すことができなかった。
◆◆◆
響が到着した頃には一通り避難は完了していた。しかしまだノイズがいることもあり、十分な捜索ができていないとして逃げ遅れた人の捜索を同時に頼まれた。
そこで奥から声が聞こえた、ノイズの攻撃で廃墟と化した建物に目をつけた。
ひどい有様だ。
外装は剥がれ、床は抜け、割れた水道管から水が噴き出している。
崩壊した入り口から中へ入り、下へ落ちないよう気をつけて進む響。
「誰かいま……」
誰かいませんか、と言おうと声を上げた直後。
突如、上から何かが飛び出しこちらに向かってきた。が、弦十郎との修業で姿の見えないニンジャの奇襲への対処法は頭に叩き込んであるため、すぐに行動に移せた。
殺意こそないものの、空気を切る音が筒抜けだ。
すばやく下の階へ飛び降り、なるべく衝撃を受け流しながら着地する。
戦術マニュアルではこういう状況でのニンジャの襲撃が起こっていたが、まさかそんな訳がない。襲撃者の正体を確認すべく上階を見上げると、案の定そこにいたのはノイズだった。
ただし、かなり大型だ。胴体と思われる場所から伸びる幾本もの触手が伸び、壁面にへばりついている。
その大型個体以外に他のノイズの気配はない。つまり、ここにいるのはこの大型一体のみということ。
早速シンフォギアを纏い倒そうとする響だが、
「静かに!」
突如後ろから現れた何者かに囁かれ、口を押さえられる。
そのまま柱の影まで引きずり込まれ、その声の主が明らかとなった。
「未来……!?」
響の口を押さえていたのは他でもない、絶賛喧嘩中の親友小日向未来だった。
なぜ未来がここにいるのかも気になるが、避難を促すため声を出そうとすると、またしても口を押さえられる。
代わりに携帯を操作し、なにかの画面を見せつけてきた。響もよく使っているメールアプリのようだ。
『静かに あのノイズは大きな音に反応するみたい あれに追いかけられてふらわーのおばちゃんとここに逃げ込んだの』
大きな音。なるほど、だからノイズは未来の捜索よりも大声を出した響の方を優先したのか。
それよりも、さっきから未来の後ろで横たわっている人物が気になっていたが、未来によるとふらわーの店主のおばちゃんのようだ。何かがあったのか、気絶している。
少し前まではここにいるノイズを倒せばいい、そう考えていた。今でもそれは変わらない。しかし、"シンフォギアを纏えない"という根本的な問題に直面してしまった。
あのノイズは大きな音に反応する。歌声などもっての外だ。聖詠を歌えば反応するし、万一それで反応しなかったとしても鎧から大音量で流れる音楽はどうしようもならない。
もしそれで未来たちを危険に晒してしまったら……。
今できることは、ノイズが去るまでじっと待つことしかないのだが、そんなことはできない。
他の場所にも未来のように逃げ遅れた人がいるかもしれない。そんな人たちを見捨てることなど、立花響が許せるはずもない。
「響」
小声で呼びかけられ、未来の方を見る。新たな文面を打ち終わったようでこちはに画面を見せてくる。
『響聞いて わたしが囮になってノイズの気をひくから その間におばちゃんを助けて』
などと、とんでもないことを言ってきた。
急ぎ響も携帯を取り出し、思い止まるよう文面を考える。
『だめだよ そんなこと未来にはさせられない』
『元陸上部の逃げ足だから何とかなる』
────なんともならない!
────じゃあ何とかして?
未来の言いたいことが理解できた。つまり、未来は……。
と、いきなり隣からうめき声が聞こえた。
ふらわーのおばちゃんが発したものだ。あのノイズは大きな音に反応するといっても無音の状況においては、どんなに小さな声だったとしても十分「大きな音」たり得る。
沈黙を保っていたノイズが動き出す。もう時間はない。
「わたし、響にひどい事した。いまさら許してもらえるなんて思ってない。……それでも一緒にいたい。わたしだって戦いたい」
「ダメだよ……未来」
「どう思われようと関係ない。響一人に背負わせたくないの」
響に寄り耳打ちしてくる未来。
響一人に背負わせたくない、そう言った。これが未来の戦いだと。響を信じて、全力で助けられに向かうのだ。
「わたし────」
未来は立ち上がり、一度大きく息を吸い、そして。
「────もう迷わないッ!!」
その声を聞いた瞬間、ゆっくりと動いていたノイズの動きが機敏となった。声の主たる未来目がけて一直線に飛びかかる。
元陸上部らしい走り方で瞬く間に建物外へ逃げていき、その足音を聞きつけてノイズも建物を後にした。
そう長くは持たないはず、だから響に何とかしてほしいと言ったのだ。
「Balwisyal Nescell gungnir tron」
おばちゃんを抱え、跳躍。天井を一息に蹴り破り、空中からおばちゃんを保護してもらうために二課の車を探す。
「師匠ッ!」
〈十秒後に緒川が到着するッ!〉
ガングニールの反応を検知していた二課は民間人保護のため直ちに動いてくれていた。
弦十郎の言葉通り、きっかり十秒後にビルの入口付近に黒塗りの車が急停車、運転席から慎次が出てくる。
「響さんッ!」
「おばちゃんをお願いしますッ!」
着地し、慎次におばちゃんを任せる。
それ以上何も言わず、ただ頷きのみで返した慎次は急ぎその場を後にする。
未来がどこへ走り去ったのかが分からない以上、自力で探すしかない。なら、一番手っ取り早いのは、空から探すことだ。
脚部からジャッキが展開される。その存在を知ったのも使うのも今回が初めてだが、なぜだか心で
地面とは逆方向に伸びるパワージャッキが、蹴り出すと同時に縮んだバネが反動で一気に戻るほどの勢いで元に戻る。
当然、地面とぶつかることになったジャッキは跳躍の手助けとなり、道路を砕きながら響は弾丸の如く空へと飛び出した。
「なぜ、どうして? 広い世界の中で……運命はこの場所に、わたしを導いたの?」
運命というものが存在するのなら、なぜ、どうしてこの世界の中、この場所へ響を導いたのか。
答えは出ないままだった。しかし、奏に助けられた日、初めてシンフォギアを纏った日。そして今日、分かったことがある。
シンフォギアで誰かの助けになれると思い込んでいた響だが、それは思い上がりだということだ。
今なら、何か。
────助けるわたしだけが一生懸命じゃない、助けられる誰かも一生懸命。本当の人助けは、自分一人の力だけじゃ無理なんだ。
だからあの日あの時、奏さんはわたしに生きるのを諦めるなと叫んでいたんだ!
「きっと、どこまでも行ける! 見えない未来へも飛べるッ!!」
ペース配分も考えずにただひたすら走り続けたおかげで、未来の体力はとっくの昔に底をついていた。
これ以上走れない、と諦念が頭を覆い始めたそのとき。その思いが身体に伝わっていたのか、一瞬足を動かすペースが遅くなる。
急激なブレーキがかかった状態となり、未来は前のめりに倒れてしまった。
起き上がろうとするも、既に目の前には獲物を仕留めたと言わんばかりにゆっくりと近づいてくるノイズが。
一度足を止め、転んでしまったがために立ち上がり、再び走り出すのがおっくうになってしまっていた。
これは仕方ない。自分はここで死ぬ、そう覚悟した。
おばちゃんを守ることができたし、人気のない河川敷にまでノイズを連れてくることができた。ノイズが飛びかかってくる前に、せめて上を向こうと首を上げる。
綺麗な夕焼けだ。こんな状況でも思ってしまう。沈みゆく夕陽に、黄金色に輝く木々。
遥か彼方にて輝く、一番星。
一人で見ることとなった流れ星を思い出す。その後約束したではないか、「次は必ず」と。
「……だけど、まだ響と────」
「その手ッ! 握っていたいよ、永遠……それよりも長くッ!!」
高度が徐々に下がっていくが、もう少しで河川敷へ到着する。響の直感だが、未来は必ずそこにいる。
落ちていくならまた飛び上がればいいだけ、と響はわざと急降下し、地面に着地する。
脚部のジャッキを展開して、だ。
一度目よりもさらに長く伸ばされたジャッキは、反動で再び響に滞空を可能とさせる。
ふと、空が見える。そして一番に目に飛び込んできたのは、輝ける一番星。
かつては一人で見させてしまった流れ星。しかし、次は二人で見ると約束した。
未来は必ず響を信じてくれている。そうでないと、未来と流れ星を見られない。
今なら分かる、なぜ響は誰かを助けたいのか。それは決して、二年前の惨劇から生還した負い目などではなく。
「あの日、わたしが奏さんから託されて、受け取った────」
同じ
萎えかけていた魂に、再び火が灯る。
ノイズが覆いかぶさる直前、間一髪走り出し、攻撃を回避する。
響は必ず助けに来てくれるはずだ。なにせ未来の一番の親友なのだから。しかし悲しいかな、攻撃を避けたのはいいものの、着地の際の衝撃には生身の未来では対応することなど出来なかった。
衝撃で宙を舞い、そのまま河川敷に落下していく。かなりの高さだ。このままでは助からないだろう。
それでもなお、未来に向かって襲いかかってくるノイズ。
落下死するのが先か、炭素変換されるのが先か。最悪のレースが始まったが、それでも未来は諦めない。
第三の選択肢を掴み取るために、待ち続ける。
◆◆◆
彼方に見えるは大切な
未来の姿が見えたと思ったら、道路から河川敷に向かって落下している最中だった。ノイズが後を追っている。
どのような状況なのかということくらい、流石に分かる。
未来を助ける。それは確認するまでもなく確定事項である。そのためにはノイズが邪魔だ。
例え、信じていたものが果てしない闇に隠されたとしても、響は必ず未来という光を見つけ、助け出す。
そう、光を忘れないように運命は二人を引き合わせたのかもしれない。
腰部のバーニアを最大出力で噴かせる。壁を蹴り、体当たりだけでノイズを倒せるのではないか、と思うほどの速度にまで加速する。
「未来────ッ!!!」
最速で最短で、真っ直ぐに、一直線に。
腕部のハンマーパーツを限界まで引き伸ばし、拳を構える。数百メートルあったノイズとの距離をほんの数秒で詰め、右腕を全力で振り抜いた。
拳が中心を捉え、ノイズの形状を歪ませる。引き伸ばされたハンマーパーツは一気に元の場所へと戻り、解き放たれた衝撃がノイズを木っ端微塵に吹き飛ばした。
「手を伸ばしてッ!」
「うんッ!」
不協和音はすでに消えた。後は互いの旋律を重ね合わせ、当初の目的を果たすのみ。
お互いに向けて手を伸ばす二人。すぐに手は取られ未来を抱き寄せる。凄まじい勢いで落下し、このままでは響はともかく、未来はお陀仏だ。
一か八か、最も二人とも生き残る可能性が高い方法────今思いついたのがそれしかないからだが────を取ることを即断、脚部ジャッキを二対引き伸ばす。
あと30、20、10メートル。タイミングは一瞬だ。
5、4、3────今しかない。
「sing outッ! with、アァァァァァァスッ!!」
────そこからは一瞬の出来事だった。
結論から言うと、着地には成功した。二人とも無事に生還することができた。
ただし、着地をした場所がまずかったのか、河川敷の斜面にジャッキを打ち付けてしまったことで、その反動で二人は明後日の方向へ飛んでいき、危うく川に仲良く飛び込んでしまうところだった。
「かっこよく着地するって難しいんだなぁ」
「ありがとう。響なら絶対助けてくれるって信じてた」
「ありがとう。未来なら絶対に諦めないって信じてた。だって、わたしの親友だもん!」
今回だって、もし未来が途中で生きるのを諦めてしまっていれば響は助けることができなかった。未来が諦めなかったからこそ、今こうして笑い合えているのだ。
次第に未来の顔から笑顔が消えていく。なにか気に障ることでもしただろうかと不安を覚え始めたそのとき。
いきなり未来が抱き着いてきた。そのまま押し倒される。
「みっ、未来!?」
「怖かった……怖かったの……。わたし、響が黙っていたことに怒ってたんじゃないの。響が辛いこと苦しいこと、全部抱え込もうとしてたのがたまらなく嫌だった! 心配してた!
だけど、それは響を失いたくないっていうわたしのわがまま……。その気持ちに気づいた時、今までと同じようにできなかったの……」
「それでも未来はわたしの……」
「わたしの陽だまり」と言おうとしたのだが、言い終わるより前に破顔してしまう。
どうしたのかと不安げな顔で訊いてくる未来だが、それもおかしい。確かに彼女がいっていることは響としてもありがたいし、とても嬉しい。反省しなくてはならないことだとは分かっているが、
「どうしたの?」
「だってさ、髪はボサボサ涙でグチャグチャ、なのにシリアスなこと言ってるし!」
「もう! 響だって似たようなものじゃない!」
「ぅええッ!? うそーっ!?」
そう、髪も顔も服も、ひどい有様となっているのだ。
これでは笑うなと言う方が酷な話というもの。しかし、どうやら響自身も未来と同じようなことになっているらしい。
いつしか焦りは笑顔に変わり、これまでの二日間の空白を埋めてなお余りあるほど、気が済むまで二人はこの黄昏時を楽しんだ。
「来たよー!」
「お邪魔します」
「あんな騒ぎがあった後だってのに物好きだなァ。
……なんだよ、いい顔なったじゃねえの」
到着した弦十郎たちに事情を説明すると、「人命救助の立役者にうるさい小言は言えない」と大目に見てくれた。
暗くなってきたので寮に戻ろうと思ったが、報告と、今回の件に関していろいろと迷惑をかけてしまった謝罪、そして礼を言おうということになり、二人でナシタに向かうことにした。
二人が来るのが分かっていたのか、来店にあまり驚いた様子はなかった。どうやら響の表情を見て何があったか察したようで、右手を上げる。
それをハイタッチで返し、カウンターに座る響。
「すみません、色々迷惑かけちゃって」
「かけろかけろ、子供の内は迷惑かけるくらいがかわいいもんなんだよ。
俺も昔は迷惑かけまくってたからなァ。色んなとこにちょっかいかけて……」
「そうだ! 惣一おじさん、仲直り記念になにか奢ってよ!」
「割り込むんじゃないよ! ……ってか二人とも、なんだってそんな汚れてんだ?」
「ああ〜っ、それは言わないでよーっ!」
夜が更けていく。肉体的にはかなり疲労が溜まっているはずだが、気分が高揚しているからか全く疲れを感じない。明日が休みでよかった。
未来も同様のようで、惣一との会話を楽しんでいる。
学校で怒られたと思ったら街にノイズが出現し、その最中に奏から受け継いだ気持ちに気づき、最後は未来と仲直り。とにかく濃密な一日だった。
こうして戻って来た日常を目いっぱい楽しもうとしたそのとき。
唐突に眠気が襲ってきた。隣を見ると、未来も眠たげに目をこすっている。
「やっぱ疲れてんじゃないの。ホラホラ、寝ちまう前にさっさと帰んな」
惣一の声が遠くなる。
こちらを揺らしているらしいが、そろそろ限界だ。
「……3.6って所か。いい調子だ」
意識を手放す直前に聞いた、よく分からない台詞。それが何なのか考える前に、記憶は途絶えた。
以降、そのことは全く覚えていない。
◆◆◆
クロスボウの連射でノイズを撃ち抜き、戦闘を終了する。
一体一体の力はイチイバルの前では塵に等しいが、それが何体、何十体といれば回復した体力も削れてくる。
シンフォギアを解除し、近場にあった木箱に座る。適当な高さの酒瓶入れなどもあり、思ったほど不便ではなかった。しかしこのままではいけない。どこか、隠れ家になり得る場所を探さなければならない。
「いつまで続くってんだよ、こいつは……」
つい、口に出たその言葉。
誰に言うでもなく、完全に独り言のつもりで放ったものであったが、思わぬ返答が返ってきた。
『そろそろ大人しく炭になってもらえませんかねェ! そうすれば、ノイズもいなくなるはずです』
「なッ!?」
クリスの目の前に上空から飛来し、機械的な翼を畳んで着地する黒い影。
コウモリ型のバイザーが黄色く光る黒き刺客、ナイトローグだ。左手で持たれているソロモンの杖をくるくると手の中で回転させるという、こちらを舐めきった態度をしている。
それより今、聞き捨てならないことを耳にした。
今までクリスに襲いかかってくるノイズを操っている首謀者はスタークやフィーネだとばかり思っていたが、本当は違うのではなかろうか。
「……まさか、昼間のノイズはおまえがッ!?」
『ハンッ! あれが僕によるものだと思ってるなら、落第もいいとこだッ! 僕はあくまでスタークに代わってギアペンダントの回収に来ただけですから』
ローグのこう言うところが苦手、気に食わない。突然声を荒げるせいで本当の性格は何か分からない。
彼によるとスタークはノイズの使い方があまり上手いと感心できるものではないらしい。
それでも戦闘能力で言えばスタークはローグの数段先を行っていることなど想像にたやすく、相手がローグであればイチイバルを纏ってここから離脱できるのでは、とペンダントを握りしめたクリスだったが、
『歌わせる訳ないでしょうがッ!!』
足元に穴が空き、煙が上がる。牽制のつもりだろう、次はないと。
先ほどまでは右手のトランスチームガンが構えられていなかったため、ある程度余裕はあった。
しかし照準を自分の眉間に合わせられてはもう何もすることができない。
万事休す、という奴だ。
「……ちくしょうッ……!」
『安心してください。頂いた聖遺物は我々が丁重に扱わせてもらいます』
引き金が、引かれた。
次回「灼熱のレクイエム」
遺影イベントは墓参りシーンを入れないので割愛
1期9話は飛ばします
奏さんの「許すさ」のシーンはめいシーンなんですがこの世界だと生きてるので飛ばします