戦姫絶唱シンフォギア Evolution's Symphony   作:セグウェイノイズ

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なんで前後編の後編で止まるんだよゴッゴッゴッ

マリアさんパートは超スピード!? のダイジェストです。原作4期5、6話をご参照ください


EPISODE10「メモリーが語りはじめる」

 白い壁。白い天井。

 エルフナインの視界が初めに捉えた奇妙な光景だった。

 どこまでも無機質で、生活感の欠片もないドーム状の部屋だ。微かな騒めきに視線を落とせば、白い床には数十人の子供たちが点在していた。

 

 

 

「これが、マリアさんの脳内……記憶が描く心象風景?」

 

 

 

 白い服に身を包んだ子供たち。5歳から12歳ほどに見える彼らは、その幼い顔を歪ませて座り込んでいる。

 読み取れる感情は、恐らく不安。

 対人経験の乏しいエルフナインだが、取り繕うことを知らない彼らの表情を見れば推し量るのは容易だった。

 

 

 

「ここは……」

 

「白い孤児院。かつてF.I.S.が非合法な手段でかき集めた、フィーネの器になり得る子供たちを収容する施設よ」

 

 

 

 隣に立つマリアの声は穏やかでありながら、どこか硬かった。

 だが、彼女の説明を受けて得心がいった。

 F.I.S.がかつて行っていたという非人道的な実験。彼女は連れて来られたここで幼少期を過ごしたのだろう。

 ならば、マリアの意識の土台として刻まれているのも道理だ。

 

 ────と。

 そこまで思考を巡らせたところで、ようやくエルフナインは異常に気付いた。

 

 

 

「マリアさんッ!? どうして……」

 

「わたしの頭の中だもの。これくらいはね」

 

 

 

 思わず叫んだエルフナインに、微笑みとウィンクで返すマリア。

 悪戯が成功した子供のような表情を浮かべる彼女は、つい先ほどメディカルルームで突き合せた時から何ら違わない。

 

 マリアの意識が形となって、エルフナインの前に現れたというのか。

 “ヒトの脳内は未だ解明が進んでいない迷宮である”と、そう説明したばかり。だというのに、早速訪れた予測不可能な現象には驚きを禁じ得なかった。

 

 

 

「……どうやら、記憶が動き出すみたい」

 

「あの人は……」

 

 

 

 マリアの声で思考を引き戻せば、いつしか室内に新たな人物が出現していた。

 黒い衣服を身に纏った女性。右目に眼帯がないという差異を除けば、彼女はフロンティア事変の資料にあった()()()()()()()()その人だった。

 

 彼女の足元には二人の少女。どこか見覚えのある面立ちの少女は、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。

 ならば隣で縮こまっているのは、妹のセレナか。

 

 

 ────風切り音。

 直後、肉を打つ生々しい音が室内に反響する。

 悲鳴と共に腕を押さえる幼いマリアには目もくれず、彼女を鞭で打ったナスターシャは周囲の子供たちに向かって声を上げた。

 

 

 

「今日から貴方達には戦闘訓練を行って貰います。フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは、涙より血を流すことで組織に貢献するのですッ!」

 

 

 

 温度の感じない声。

 記憶の主であるマリアはただ、その光景を黙って見つめていた。

 

 

 

「マム……」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

【エンジン・ランニング・ギア】

 

「赤くなりやがったッ!?」

 

 

 

 右半身を赤く染め上げたカイザーが、ゆらりと立ち上がる。

 どこまでも機械的で無機質な動作だ。だが全身から鳴り響く、低く重い()()()が奴の変貌を物語っていた。

 

 先ほどまでの“静”の空気は霧散。今はただ、加熱したエンジンを前にしているような“動”の圧力が戦場を圧迫している。

 この変容を前に、思わず身じろぎするクリス。

 

 

 

「呆けるな、雪音ッ!」

 

「分かってらぁッ!」

 

 

 

 翼の一喝に弾かれ、クリスは強引に平静を取り戻した。

 何を仕掛けてくる? 逆手に持ったスチームブレードの刃を見つめる奴の感情は窺い知れない。

 奴の一挙手一投足を見逃さぬよう、クリスは意識を前方の影に集中させて。

 

 瞬間、カイザーの影がかき消えたことにようやく気づく。

 

 どこに消えた。まさか逃げたのか? あり得ない。

 考えられるのは急加速。クリスの認識外の速さで動く奴は今どこに。

 

 

 

「なんだと!?」

 

 

 

 戦場に響いた甲高い金属音が、戦闘再開の鐘を鳴らした。

 突然の音に対し、咄嗟に発生源────翼の元へ目を向けるクリス。

 案の定奴はそこに立っていた。大剣を盾のように構えた翼、対するはスチームブレードを振り下ろすカイザー。

 

 

 

「この、膂力はッ!?」

 

 

 

 激しい火花を散らしながら、翼は正面からカイザーの連撃を受け止めている。だが旗色は芳しくなかった。

 地面を削って後退する彼女は攻撃を受けてこそいるが、一切の反撃を封じられている。

 

 防戦一方、なんたる膂力。速く重い、そして一分の迷いもない攻撃が、次第に翼の防御を崩していく。

 もっとも、それまで指を咥えているだけのクリスではない。

 

 

 

「野郎ッ!」

 

━━━━━━MEGA DETH PARTY━━━━━━

 

 

 

 腰部のスカートアーマーを瞬時に展開。無数のミサイルが発射された。

 二人の間に着弾した弾頭が爆ぜ、爆炎と黒煙がカイザーの攻撃を強引に中断。

 即興の作戦は見事成功。翼とカイザーを引き離した。そうなれば当然、奴の視線はクリスを射抜く。

 

 

 

【アイススチーム!】

 

 

 

 スチームブレードのパルプを回転させた直後、姿勢を低く疾走を始めたカイザー。

 短剣の軌跡に霜が降る。スタークが何度か見せた凍結能力か。

 凄まじい速度で迫る彼、だが、動きの起こりさえ視認していれば捕捉してみせるのが狙撃手(スナイパー)だ。冷静に次弾を装填したクリスは、前方へ向かって一斉に撃ち放った。

 

 追尾弾がカイザーに殺到。

 この程度で奴を仕留められるとも思えない。強硬突破か、あるいは回避か。必ず何か仕掛けてくるはず。

 クリスは今度こそ見失わないようじっと見つめて────そして、目を見開かせた。

 

 

 

【ファンキーアタック! 冷蔵庫!】

 

()()()()ッ!?」

 

 

 

 左手の拳銃を右手の短剣に向かって発砲したかと思えば、刀身が劇的に伸長。

 およそ2メートルを超える氷の太刀へと変貌したスチームブレードが、一閃の下に空間を薙いだ。

 

 ただそれだけで。

 必勝のタイミングで放ったMEGA DETH PARTYの弾頭を、残らず凍結させたのだ。

 

 一拍遅れて、すべてのミサイルが硝子細工のように砕け散る。

 炎はない。あの一瞬で芯まで冷やし尽くしたというのか。氷の破片が煌めく中、あまりの力技にクリスの思考が止まった。

 

 その隙は致命。

 咄嗟に両腕の機関銃を交差させるが、あまりに反応が遅かった。

 逆手に振り抜かれた氷の刃が、クリスの首を刈り取らんと弧を描き────。

 

 

 

「しまっ……!?」

 

 

 

 ────寸前、目前に迫った刃は二人の間に突き刺さった“壁”によって阻まれた。

 壁、いや“剣”だ。こんな芸当ができるのはただ一人。

 それは翼が投擲した大剣。寸刻の猶予もない状況で、彼女は得物を盾としてクリスを救ったのだ。

 

 頼れる先輩に僅かに口角を上げる。この一瞬、無駄にはしない。

 クリスは機関銃を剣の奥へと、攻撃を阻まれ硬直しているカイザーへと突き出した。

 

 だが。

 銃爪を引く直前のこと。

 

 

 

「はぁッ!?」

 

『…………』

 

 

 

 ぱきぱき、と。

 それは物質が極低温に晒され、構造を維持できなくなった断末魔。悲鳴が耳に届いてすぐ、クリスの眼前の剣が()()()()()()

 いや違う。あれは“氷”。盾としてカイザーを阻んだ大剣が冷気に浸食されているのだ。

 

 

 

「剣ごと砕くかッ……!」

 

 

 

 真っ二つに手折られた大剣が光の粒子となり、太刀へと戻って落下する。

 すかさず飛び込み柄を握り直した翼はそのままカイザーへと斬りかかった。同時にクリスも、クロスボウへと変形させたアームドギアの照準をカイザーへと固定する。

 

 奴の左手の拳銃。

 マガジンのように装填されていたボトルが()()()()()()ことに気づいたのは、その時だった。

 

 

 

 

 

【ファンキードライブ! ギアエンジン!】

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「どこなんだろう、ギアと繋がる脳内の領域は……」

 

 

 

 照明が消えた室内の景色は、“白”とは真逆の色を示していた。

 窓のない部屋は完全なる漆黒。硬い床で横になっている子供たちからすれば、この闇は恐怖の具現だろう。

 

 記憶は続いていく。観測を続けるエルフナインだが、一向に核心へ繋がる兆候は現れない状況だ。

 危険はないが、進捗もないこの状況。脳内と現実での時間経過には差がある以上、念入りに調べられるといえばそうではある。

 

 

 

「……ここは、何処?」

 

 

 

 ふと顔を上げると、そこには一面の()()()が広がっていた。

 吹き荒れる猛吹雪。撓る針葉樹の森。この過酷な風景は忘れがたいはずだが、マリアは覚えがないと困惑顔だ。

 であれば、ここは彼女の深層意識の具現。マリアの無意識が何かを伝えようとしているのか。

 

 戸惑いつつも歩みを進める二人。だが直後、明確な異変が襲い掛かった。

 

 

 

「これはッ!?」

 

 

 

 銀雪の景色が拉げていく。

 紙面を破り捨てるかのように、剥がれ落ちた空間の奥に広がるのは────闇。

 孤児院から森林に移動したのとは性質が異なる。単なる切り替わりなどではない。もっと深く、暗い何かに引きずり込まれていく感覚だった。

 

 

「わたしから離れないでッ!」

 

 

 

 歪みは足元へと。

 伸ばされた手を掴んだ瞬間、エルフナインの視界は完全なる漆黒に染まった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 無機質に鳴り続ける警告音。

 これが示すのは、マリアのバイタルが急激に低下したという事実。

 Beatriceの外部より二人の容態を監視していたフィーネは、赤く点滅するコンソールを静かに見下ろした。

 

 アラートの総数は、すでに設定した基準値を大幅に上回っている。

 ならばフィーネが取る手段は一つ。即座に観測を強制中断し、マリアとエルフナインの意識を分離することだ。

 故に彼女は無感情に、観測中断シークエンスを開始するべく画面に手を伸ばして────。

 

 留まる。

 

 

 

「面倒な仕事を押し付けてくれたものね……」

 

 

 

 僅かな逡巡の後、彼女が操作したのは中断シークエンスとは全く別の部分だった。

 手早くコンソールを叩きながら、自問する。

 

 変わったのか、変えられたのか。

 

 恐らくは両方。

 脳裏に映るのは、花咲く笑顔を見せる少女の姿。

 ため息一つ、フィーネは作業の手を早めた。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 上下左右、一切の感覚が機能しない空間。

 繋いだ手だけを灯に、マリアとエルフナインは底知れぬ黒い空間を飛ばされていた。

 どれほど時間が経過したのか、ミキサーの内部に放り込まれたような、乱気流の只中に落とされたような強烈な揺れが二人を襲い、覆い────。

 

 そして、止まった。

 

 

 

「収まった?」

 

 

 

 急激に嵐が収まる。一切の慣性なくその場に静止するのは、ここが精神世界故か。

 マリアの体感では現在地面と垂直に立っているはずだが、どうやら彼女の足元が“地面”である認識らしい。

 エルフナインの無事も確認して、ようやくマリアは周囲の景色に視線を巡らせた。

 

 そこにあったのは、夜空。

 

 無論見覚えなどない。ただの夜空であれば見上げたことは山ほどあるが、今広がっているこの光景は、どの記憶の空とも合致しなかった。

 そもそも夜空というより、これは、

 

 

 

「ここは……マリアさんの内的宇宙?」

 

 

 

 エルフナインの呟きがやけに耳に残る。

 内的宇宙。それが意味するところをマリアは知る由もない。だがどこまでも広がるこの空間を表現する上では、“宇宙”という形容ほど正確なものはないように思えた。

 

 見渡す限りの星々。

 静かに瞬く光は壮観だが、ただそれだけ。LiNKER完成の糸口などまるで見当たらない。

 

 どうすべきかと、エルフナインに声を掛けようとした刹那だった。

 

 

 

────強くなりたい

 

 

 

「今の声は……わたし?」

 

 

 

 突如、空間に響く声。

 確証はない。証拠もない。だがその切実な声がマリア本人のものだと理解することに、一切の抵抗はなかった。

 

 現実世界の法則が通用しない場所である以上、何が起きても不思議ではない。だが言葉にできない奇妙な騒めきが、マリアの背筋を冷たくなぞっていた。

 騒めきの正体に行きつくより早く、次なる“声”が響く。

 

 

 

────弱い自分は見せたくない。誰に嘘を吐いてでも、自分の心を偽ってでも。でも本当は……嘘なんて吐きたくない

 

────セレナの輝きを継ぐ勇気が欲しい。だけど

 

「これは……」

 

 

 

 矢継ぎ早に続く声に戸惑うエルフナイン。

 だがそんなものは視界に入らない。映るのはただ、どこまでも寂しく瞬く星々のみ。いつしかマリアは────身を丸めて、自身以外のすべてを拒絶していた。

 

 

 

「わたしの心の闇……受け入れられない弱さに怯えて、誰かと繋がることすら拒んでいた……」

 

「マリアさんッ!?」

 

 

 

 誰かの声。

 誰のものだろうか。

 もはや輪郭を失ったそれは、マリアの耳には届かない。ただ凍えるような寒さだけがマリアを覆う。

 

 

 

「いけない……! 剥き出しの意識に精神防御は……」

 

 

 

 手を取り合う。誰かと分かり合うためには自分の腕も伸ばさなければ。

 だが。伸ばした手が振り払われてしまったとき、マリアは。

 セレナであれば、このような些事で迷うことなどないはずだ。白銀の輝きを振るうに足る、優しい光を抱いていた妹なら。

 

 偶像でしかいられないこの身に、あの輝きを受け継ぐことなど。

 

 

 

「わたしは……」

 

 

 

 マリアは────()()()()()

 

 暗い。

 寂しく瞬いていた星々、それすら消えた。冷たく寒い水中へ頭から落とされたかのよう。

 抗う術もなく沈んでいく。さらなる黒、一切の光が届かない深淵へ。

 

 

 

「自分で作った闇に溺れて」

 

 

 

 結び目が解けた紐のように、指先からゆっくりと散逸していくマリアの身体。

 他人事のようにその様を眺めてから、瞼を閉じていく。

 

 土台無理な話だったのだ。

 セレナの輝きを継ぎきれないマリアに。

 今際の際でしかナスターシャの期待に応えられなかったマリアに、このような大役を担うなど。

 

 

 

「かき消されて……」

 

 

 

 諦めて、受け入れて。

 何もかもに押しつぶされて目を閉じる、刹那。

 

 マリアの瞳に、()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「今日から貴方達には戦闘訓練を行って貰います」

 

「……えっ?」

 

 

 

 

 

 硬質な聞き慣れた声に、思わず瞑っていた目を見開くマリア。

 彼女の前に立っていたのは紛れもなくナスターシャ教授。白い部屋の中央に、二本の足で力強く立つ姿記憶に新しい。

 

 

 

「マム? どうしてまた……」 

 

「フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは、涙より血を流すことで組織に貢献するのですッ!」

 

 

 

 つい先ほどの追体験と全く同じ言葉を口にしている。

 なぜ今、この光景を見ているのか。

 走馬灯ならもっと幸せだった記憶があるはずなどと、正中からやや外れた違和感を抱いて。

 

 克明に、マリアは()()を目撃する。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 容赦なく鞭をしならせ、幼いマリアの手を打ちすえたナスターシャ。悲鳴を上げたマリアを見下ろす彼女の瞳が────確かに、揺れていた。

 眉を下げ、僅かに唇を嚙み締めたナスターシャの抱く感情を表すなら。

 

 

 

「悲しそうな、顔……」

 

 

 

 記憶の中の幼いマリアは、怯えたようにナスターシャを見上げている。

 ならばあの表情が嘘ということはありえない、はずだ。どうして今まで忘れていた?

 恐れのあまり記憶に蓋をしていたというのか。

 

 

 

「手当てをいたします」

 

 

 

 景色が切り替わる。

 ある時は、戦闘訓練での負傷者を見下ろして救護を命じるナスターシャが。

 ある時は、LiNKERの投薬実験で悲鳴を上げるレセプターチルドレンを見つめるナスターシャが。

 次々と流れる全ての記憶で、彼女は同じ表情を浮かべていた。

 

 月日が流れ、どれだけ過酷な訓練を経ても。

 彼らの人数が減ることは一度もなかったことにようやく気づく。

 

 

 

「マムはただの一人もわたしたちを脱落させなかった」

 

 

 

 そして、記憶はあの炎の日を再生する。

 崩れる天井。赤く染まった施設。烈火の渦中で血を流す妹。

 

 立ち尽くし、我先にと逃げ惑う研究員たち。その混乱の中を逆走して、ただ一人瓦礫からマリアを守るために自らを犠牲としたナスターシャが映った。

 

 

 

「わたしたちを守るために、いつも自分を殺して……」

 

 

 

 光が溢れる。

 そして奥に佇む、かけがえのない家族たち。

 最後の最後で、母として優しく微笑んだナスターシャ。屈託なく、太陽のような笑顔を見せるセレナ。彼女らを想う心は、いつだってマリアに立ち上がる勇気を与えてくれていた。

 

 

 

「優しいだけでは今日まで生きてこれなかった。今日まで生きる強さを授けてくれた」

 

 

 

 湧き上がる、暖かいこの感情。

 無償の想いを注いでくれたナスターシャが抱いていた、その感情は。

 

 

 

 

 

「これはッ!?」

 

 

 

 

 

 劇的な変化は、深層心理の宇宙に取り残されたエルフナインの前にも如実に表れた。

 星々が一際強く瞬いたかと思えば、全てが眩い光によって()()()()()

 

 

 

「脳内の電気信号が活発化している……? それにこの流れは、もしかしてッ」

 

 

 

 星々、いや、それは星などではない。

 活発に動いていなかったニューロンネットワークが、暗黒の宇宙に点在する星のように見えていたのだ。

 

 それが光り、動いた。

 繋がった光は大河のような奔流を生み出し、ある一点の領域へと注ぎ込まれていく。

 理論を組み立てるより先に、エルフナインは駆け出していた。

 

 

 

「無数の光が注ぎ込む、この領域は────」

 

「マムの厳しさ、その裏にあるのは────」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「……赤い方が強いじゃねえかッ!」

 

 

 

 頬についた土埃を乱雑に拭いながら、そう吐き捨てるクリス。

 間一髪でカイザーの攻撃を凌ぎ、幾度もの攻防を繰り返した彼女たち。あそこまで打ち合えば、嫌でも奴の特性は理解できるというものだった。

 

 赤い歯車を纏った今の形態は、明らかに身体能力に長けている。対して戦闘開始時の青い形態は攻撃精度────狙撃能力と動体視力に優れていた。

 ミサイルすべてを凍結させたのは、低下した精度を補うためのパフォーマンスだったということ。

 

 とはいえ、特性にあたりがついたところで事態が好転するわけでもない。

 正面からぶつかり合うこの戦況において、精度の低下はデメリットにならない。むしろ向上した膂力とスピードで押し切られている現状だ。

 

 

 

『データ収集は済みましたか?』

 

「それなりに。しかし、貴方もやるものですね。いくら首領の懐刀とはいえど、第一種適合者二名相手では鼻を折られるものとばかり」

 

『…………』

 

「ウェル博士……積極的に戦場(いくさば)へ介入するつもりはないと踏んでいたが」

 

 

 

 翼の視線の先にある二つの影。

 上方から飛び降りたマッドローグがカイザーの隣に着地し、今再び肩を並べている。

 彼の目的はS.O.N.G.へ圧力。とするなら、時期を見て撤退も視野に入れているはずだ。そう括った高を裏切るように、カイザーの得物はこちらに向けられている。

 

 

 

「2対2に逆戻りかよ」

 

 

 

 過去に弦十郎、そしてマリアが交戦し、未だ傷一つつけられていないマッドローグ。

 遠近隙の無い装備を兼ね備えたカイザー。

 各個撃破は恐らく狙えない。響は未だスマッシュの軍勢の只中。ならばどう手を打つか。二人は視線を交わし合い、次なる一手を定めようとして()()()

 

 

 

〈4対2デスッ!〉

 

「なッ、この声……!?」

 

 

 

 クリスの耳元に届いた溌溂な声。

 響ではない。

 思わず頭上を見上げれば、そこには────離脱したはずの、装者輸送用ヘリが滞空していた。

 

 

 

〈わたしたちだってッ!〉

 

 

 

 増援。

 それも二人。

 

 宣言と共にヘリから飛び降りた二つの影。大きくなってくる姿を見上げながら、クリスは彼女の────月読調の歌を聞いた。

 

 

 

 

 

「Various shul shagana tron」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「二つ結びのロンド、お仕置きのスタートッ!」

 

━━━━━━━━━α式 百輪廻━━━━━━━━━

 

━━━━━━━━切・呪リeッTぉ━━━━━━━━

 

 

 

 空から戦場に降り注ぐのは、緋と翠の刃の雨。

 無数の回転鋸と分裂した大鎌がマッドローグとカイザーに殺到する。平坦だった地面を瞬く間に剣山へと変えた双刃の連携は、二人を強引に分断させることに成功した。

 

 

 

「バラバラにしてあげるの……正義のイニシャライズ」

 

「月読、暁ッ!」

 

 

 

 着地間もなく、翼たちと合流する調と切歌。

 無断ではない。今度は大手を振っての出撃だと、二人は得物を構えて名乗ってみせた。

 

 

 

「シュルシャガナと」

 

「イガリマ! 再び参上、デスッ!」

 

「できたのかッ!?」

 

 

 

 クリスの叫びのような問いに、二人はサムズアップで応えた。

 発電所の防衛で投与したModel-Kより明らかに身体が軽い。マリアとエルフナイン、そしてフィーネが成し遂げた成果を無駄にはしない。

 これで戦況は一変した。マッドローグとカイザーが合流する前に畳みかける────装者の意思は一つだった。

 

 

 

「ウェル博士の足止めを頼むッ!」

 

「了解ッ!」

 

「了解デスッ!」

 

 

 

 翼の指示を受け、調と切歌は即座に駆けた、汚れを払うように全身の鎧を手で叩いていたマッドローグと相対する。

 アームドギアの丸鋸(ヨーヨー)を彼の下に射出するが、一瞥もすることなく弾かれた。

 

 相変わらずいけすかない男だ。ナスターシャを死地へ追いやり、月の落下を早めた元凶。その怒りを調は忘れたことなど一度もない。

 

 

 

「誰かと思えばおチビさんたちじゃありませんか。

 貴女方の小さな手が僕に届くとでも? 首領の計画を卒なく補佐する、“英雄に最も近い男”と……ご近所で評判のこの僕にッ!」

 

「どの口がッ!」

 

 

 

 仮面で顔を覆っているというのに、奴の表情は手に取るように想像できた。

 口角を吊り上げ、にたにたと笑いながらこちらを見下している想像上の彼を引き裂き、切歌と頷き合う。

 やるべきことは決まっている、託してくれた想いと鼓動を、目の前の男にぶつけるだけだ。

 

 先陣を切ったのは切歌だった。

 

 

 

「なます切りデスッ!」

 

 

 

 バーニアを全開に突撃する切歌。振り抜いた大鎌は難なく弾かれるも、彼女は止まらない。

 くるりと回り、展開された肩部の鎧。計四対にのぼるサブアームが一斉にマッドローグを切り刻むべく殺到する。

 

 

 

━━━━━━━━封伐・PィNo奇ぉ━━━━━━━━

 

 

 

 怒涛の連撃を前にしても、マッドローグはどこ吹く風。鼻歌交じりに片手で全てを打ち払ってみせた。

 動きに一切の重みはなく、児戯のような不遜を受けた切歌の顔が怒りに染まる。

 

 業腹だが、腐ってもエボルトの臣従ということか。

 恐らくあれは奴自身の身体能力によるものではなく、マリアとの戦闘の際に見せた自動迎撃システム。

 なぜ生化学者がそんなものを作れるのか疑問に────思うこともなく、調は行動を開始した。

 

 

 

「ふむ。この威力、マリアよりも適合係数が高く……? いや、LiNKERですか。

 前回と同じく試作品を使ったのか、何者かが完成させたのか……」

 

「うるさいッ!」

 

 

 

 ぶつぶつとうわ言のように呟くマッドローグ。

 余裕の表れか、それとも思考を乱す挑発のつもりか。それを捨て置けるほど調と切歌は成熟しておらず、直情に敵愾心をぶつけるほど未成熟でもなかった。

 

 

 

「……調ッ!」

 

「伐り刻むことない世界に夢抱き、キスをしましょう━━━━!」

 

 

 

 すでに仕込みは完了していた。

 怒りで上がったボルテージはそのまま。切歌がマッドローグを引き付けている間に、調は電磁ヨーヨーを四方へ射出。

 

 二人の周囲を取り巻くのは────縦横無尽に張り巡らされた、フォニックゲインの糸。

 

 

 

━━━━━━━━━β式 獄糸乱舞━━━━━━━━━

 

 

 

 僅かに開けた穴めがけて飛び上がり、結界から離脱する切歌。直後その穴も塞がれ、触れたものを両断せしめる檻が完成した。

 

 

 

「なるほど、このレベルの細さならばセンサーを素通りするか。だが検知自体はしている……。デバッグ作業感謝します」

 

 

 

 死の檻の中心に閉じ込められてなお、慇懃無礼を崩さないマッドローグ。

 追撃を仕掛けようと一歩踏み出しかけて、抑える。守られるだけでは果たせないこの想いを貫くため、太陽のように強くなると決めたのだから。

 突撃するのは、そのあとだ。

 

 静かに手元のヨーヨーを引けば、糸の結界が収縮を始めた。

 

 

 

「が。太さはお粗末!」

 

【エレキスチーム!】

 

 

 

 パルプを回したスチームブレードに電気を迸らせ、マッドローグが刀身を指でなぞる。

 確かにあの短剣を一振りされれば、この結界も一息に崩壊するだろう。気に食わないが、奴の鎧はそれだけの能力を持っているらしい。

 

 だがそれは重要ではない。調が糸の結界を張った目的は、攻撃のためではないのだから。

 

 

 

「ミシン糸程度、この力の前では無力……」

 

 

 

 言い終わるよりも早く。

 右腕を振り回しかけた彼の身体は、死角より飛来した()()()()()()によって絡め取られた。

 

 僅かに首を傾げ、徐に頭上を仰ぎ見るマッドローグ。

 視線の先────そこで準備を終えていた()()が、弾かれたように彼へと肉薄。

 ワイヤーをレールと見立てた断頭の刃が、音速の速度で叩き落ちた。

 

 

 

━━━━━━━断殺・邪刃ウォttKKK━━━━━━━

 

 

 

 切歌を乗せた断頭刃(ギロチン)が、一直線に突き進む。

 獄糸乱舞はこの一撃を通すための布石。奴の周囲を糸で満たすことで、イガリマのワイヤーに対する反応を遅れさせる。

 やはりあの迎撃システムは穴だらけ。ならばそこを突かない手はない。

 

 迫る刃を前に、マッドローグは鬱陶し気に舌打ちを溢す。

 ここにきてようやく余裕が崩れた。これなら届く────と、そう確信したのも束の間。

 彼もまた準備を終わらせていたことをようやく悟った。

 

 

 

「ハンッ! チャフ気取りとは偉くなったものッ!」

 

「嘘ッ!?」

 

 

 

 拘束時より腰のドライバーへと伸びていた、彼の()()

 器用に指先のみでハンドルを回したマッドローグ、奴が纏うオーラが紫電を帯び始める。

 

 刹那────彼を縛っていたワイヤーが、残らず裁断された。

 

 

 

【Ready Go! エボルテックアタック!!】

 

 

 

 ワイヤーだけではない、シュルシャガナの糸も同様に突破される。マッドローグが軽やかに飛び退いた直後、ギロチンが甲高い音と共に着弾。

 爆風を伴って、粉塵の中から飛び出た切歌。悔し気に地面を踏み鳴らす彼女の感情は、調のそれと完全に一致していた。

 

 これで戦況は振り出し。体勢を立て直した彼がカイザーと合流を果たす前に、足を止めねばならない。

 だが、焦燥はすぐに上書きされる。調の目に映ったのは────。

 

 

 

「邪魔だッカイザーッ!」

 

『こちらの台詞です』

 

「僕の背を預けられるのは僕だけなんだぞッ」

 

『僕だけ、とは。首領への叛意と受け取ります。撤退後、至急報告を』

 

「ばッ、バカチンがァ~! いつ誰がそんな事を……」

 

 

 

 ────着地先でカイザーともつれ合い、口論を繰り広げるマッドローグの姿だった。

 そして、視界の奥で不敵な笑みを湛えた雪音クリスと風鳴翼が。カイザーをこの位置まで差し向け誘導していたのか。二人の連携に思わず舌を巻く調。

 

 

 

「今だッ!」

 

 

 

 鋭く叫ぶ翼の声に瞬時に呼応。

 両手のヨーヨーを結合させ、頭上へ射出。瞬く間に電磁の刃を広げた巨大な丸鋸へと変形させたアームドギアを、調は迷うことなく力の限り振り下ろした。

 

 

 

「君に照らされ━━━━Just Lovingッ!!」

 

━━━━━━━━━β式 巨円断━━━━━━━━━

 

 

 

 高速軌道の唸りを上げて迫る巨円断。攻撃先から、苛立った声だけが聞こえる。

 

 

 

「お前がもたついてるからだッ! ……ホラ何突っ立ってるんだッ、手伝ってやるからなんとかしてくださいよォ!」

 

【ファンキーアタック! トラ!】

 

『…………。……了解しました』

 

【ファンキードライブ! ギアエンジン!】

 

 

 

 瞬間、二人を捉える丸鋸。あちらもただでやられる訳ではない、この拮抗と激しく散る火花がその証左だ。

 

 拮抗、だがそれも一瞬。

 突如として手応えを失い、思わず前によろめく調。同じくして攻撃地点で爆発が巻き起こり────巨円断が、粉々に砕け散った。

 

 すでに戦場に、二人の影はなかった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 マッドローグとカイザーが撤退したのと時を同じくして、クローンスマッシュを相手取っていた響が全ての個体を撃破。

 宿敵を取り逃がしたことで地団駄を踏む調と切歌を宥めつつ、五人の装者が本部へ帰還を果たしてから半刻が過ぎた。

 

 エルフナインがメディカルルームに入室したのを見計らって、ベッドに腰掛けたマリアが声をかけた。

 

 

 

「二人の様子はどう?」

 

「まだ経過観察は必要ですが、お二人とも健康そのものです。Model_K投与時と比較して、身体への負担が38%にまで抑えられました」

 

「そう……よかった」

 

 

 

 気がかりの解消に、思わず胸を撫で下ろす。

 答えは単純だったのだ。

 脳内探索の果て、二人が掴んだもの。ギアと装者を繋ぐ脳領域、LiNKERが繋ぐその部位が司るもの。

 ありふれた、それでいて得難いそれをエルフナインは呟いた。

 

 

 

「それは、自分を殺してでも誰かを守りたいという無償の想い。一言で言うならば────」

 

「────愛よ」

 

 

 

 続きを引き取ったマリアの言葉に、エルフナインは小さな頷きで返した。

 ナスターシャも、セレナも、マリア自身も。

 それだけではない、調や切歌、S.O.N.G.の面々。

 人類が等しく抱きうるそれがブレイクスルーの鍵となるなど、数刻前のマリアに告げたところで到底信じられなかっただろう。

 

 誰より早く答えに行き着いていたのがドクターウェルである────そんな事実が脳裏を過るも、すぐに蓋をする。

 マリアは残像のように後を引く彼の笑顔を振り払うべく、新たな話題をエルフナインに提示した。

 

 

 

「でも随分早かったわね」

 

「フィーネさんがほぼ完成形の試作を用意してくれていたおかげです。ありがとうございます!」

 

 

 

 腰を折り、小さな身体をさらに低くさせるエルフナイン。

 感謝を告げられたフィーネは口を開かず、Beatriceのコンソールから視線を切らない。黙々と先のデータを収集しているようだが、聞こえていないということはないだろう。

 

 頭の上げ時を見失った彼女に苦笑しつつ、マリアはベッドの縁から立ち上がる。

 片膝をつき、エルフナインと同じ視界になてしばらく。

 正面、二人の視線が交錯した。

 

 

 

「エルフナイン。君に感謝を」

 

「えっ、ボクに……ですか?」

 

「もちろん。君が傍にいたから、わたしはわたしのちっぽけな勇気に灯を燈せた」

 

「い、いえッそんな! ボクはただ……」

 

 

 

 勢いよく頭を上げ、慌てたように両手を振る彼女の姿に笑みで返す。

 そして────マリアは振り向き、フィーネの背を視界に捉えた。すぐ傍に近づいてなお意識を向けない彼女に対し、一呼吸。

 背に向けて、言葉を発した。

 

 

 

「フィーネ、アナタにも礼を言わせて」

 

 

 

 視線が集中する。

 彼女はなおも反応を返さない。膠着が続くこと1秒、2秒、3秒────根負けしたのはフィーネの方だった。

 

 煩わしいとばかりに徐に振り向き、マリアを突き刺す切れ長の瞳。

 平時であれば、この時点で「なんでもない」と平謝りして話題を終えていたことだろう。だが今のマリアに恐れはない。

 彼女の視線を正面から受け止め、再び口を開く。

 

 

 

「アナタでしょ。暗闇に溺れかけていたわたしを落ち着かせてくれたのは」

 

「…………」

 

 

 

 返す言葉はない。

 ただ彼女の双眸が細められる、そこから放たれた重圧は、室内温度が急激に下がったような錯覚すら覚えるほど。

 

 それでも、怯まない。

 恥も恐れも棚に上げて、マリアは感謝を告げるのだ。

 

 

 

「わたしがそう思い、礼を述べたかっただけ。受け取るも振り払うも、好きにしてくれて構わない」

 

「…………。アナタのエゴに付き合う暇はないのだけど」

 

 

 

 ふと、室内を支配していた重圧が霧散した。

 自らを落ち着かせるように深呼吸を繰り返すエルフナインを尻目に、マリアはフィーネを見つめ続ける。

 

 先に視線を切ったフィーネ。彼女は鼻を鳴らしてコンソールへ向き直ると、何事もなかったかのように作業を再開していた。

 ひとまずは切り抜けたか────そう安堵したのも束の間。

 

 

 

「謝意を告げる余裕があるのなら、せいぜいその銀の左腕を振るい続けなさい。

 容易いものでしょう? 一度は我が名を僭称してみせたのだから」

 

「そ、そうね!? 胸に刻むわッ」

 

 

 

 臨戦態勢を崩したのを見計らったかのように、突き立てられた言葉の牙。

 頭を抱えて答えながらマリアは嘆く。声が裏返ってはいなかったかと無用な後悔が寄ってくる中、嫌な確信が背を撫でつけてきた。

 やはり彼女は分かってやっている。

 

 これ以上フィーネに視線は合わせられない。再び湧出してきた畏怖とも羞恥ともつかぬ感情に身を任せて、目を閉じる刹那。

 辛うじて捉えていた、作業を続けるフィーネの横顔。

 真一文字に結ばれた彼女の唇が、微かに。

 

 ほんの僅かに、上がっていたような────。

 

 




次回、約40話ぶりとなる響VSエボルト
多分デュランダル争奪戦以来です。
割とずっと書きたかった回でもあります
40話ぶり!?



補足 フィーネについて
 別にデレた訳ではないです。ただこれ以上好感度が上がらないだけで、同僚くらいには思っています(響、クリス、弦十郎、エルフナインは除く)
 勝手に名前を使われたマリアさんに対しては、2期編でめためたにやられたのであんまり根に持ったりはしてません。ただずっと自分にびびってるので苛立ってたという感じです
 マリアさんとフィーネについては今回で一段落つきました
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