魔法少女リリカルなのは 運命を変える者 2nd season 作:レイブラスト
レイ「第18話です。今回はめでたいことがあります」
望「何だろ?」
スカリエッティ研究所・応接室
あの後、3人を招き入れたことに他のみんなから色々言われると思っていたが、先に説明してあったらしく、特に言われることはなかった。それで、応接室に案内したのだが……
スカリエッティ
「ようこそ私の研究所へ! 歓迎しよう、盛大にな!!」
望
「どこの旅団の副団長だアンタは!?」
すかさずツッコミを入れる。この人最近貸したゲームのせいで、たまにネタに走ることがあるんだよな。
スカリエッティ
「すまん、冗談だ。真面目な話をしよう」
望
「最初からそうし「あの」ん?」
クイント
「ここ、本当に研究所なんですか?」
望
「そうだけど?」
メガーヌ
「その割には、台所とか大浴場とかが見えたんだけど……?」
望
「ああ……」
よくよく考えれば、普通の研究所とは違うよな……内装だって改造しまくってもはや普通の家になってるし……
望
「気にしないでほしい。魔改造した結果なんで」
クイント
「は、はあ……」
望
「それより本題に入ろう。スカリエッティ、例のデータを」
スカリエッティ
「わかった」
モニターを出し、そこにスカリエッティ自身に関する裏データや最高評議会の秘密、そして管理局が裏でやってることの証拠を表示した。
ゼスト
「な…こ、これはどういうことだ!?」
望
「見たままだ。管理局は裏で人造人間を作りだし、更に違法な研究を行っている。おまけにそれらを纏めているのは最高評議会―――脳みそ共だ」
メガーヌ
「そ、そんな……! 管理局が犯罪行為をしてたなんて!!」
望
「知らなくて当然だ。これらの情報はトップシークレットになってるからな」
ゼスト
「……まだ信じられんが……残念ながら、信じるしかないようだ。…だが、何故我々にこの情報を教えた?」
望
「そのことだが、順番に話そう。まず俺達は最高評議会ら管理局の暗部を暴く為、違法研究所を潰して証拠を集めている」
クイント
「私達に協力しろと言うの?」
望
「そうじゃない。証拠をある程度集めたら、俺達は全世界に向けて発表する。その際に、管理局側の証人として発言してほしいんだ」
ゼスト
「俺達が、証人だと?」
望
「俺達は管理局を悪者にしたい訳じゃない。悪い部分を倒したいだけなんだ。勝手なことだとは思うが……協力してくれ。頼む」
スカリエッティ
「私からもお願いするよ」
2人して、頭を下げる。
ゼスト
「……いいだろう」
望・スカリエッティ
「「っ!」」
言葉に反応し、顔を上げる。
メガーヌ
「隊長!」
ゼスト
「彼の言うことに偽りは感じられない。むしろ、真っ直ぐな思いを感じる。それに……この男の目は、濁っていないようだ」
スカリエッティの方を見て、ゼストが言った。思えば、出会った時と比べてスカリエッティは穏やかな顔をしているように感じたことがあったな。
ゼスト
「彼と出会って、何か変わったのか?」
スカリエッティ
「ま…そんなところかな?」
フッ、と短く笑う。
メガーヌ
「そういえば、貴方の名前は?」
おっと、まだ名前言ってなかったっけ。これは失敗した。
望
「俺は望。平田望だ」
ゼスト
「そうか。俺はゼスト・グランガイツだ。よろしく」
クイント
「クイント・ナカジマよ。よろしくね」
メガーヌ
「メガーヌ・アルピーノよ。よろしく、望」
望
「ああ。よろし―――」
ピピッ
ん? 通信?
望
「失礼。…もしもし?」
シグナム
『望! 急いで戻って来るんだ!』
望
「どうした? 何かあったのか?」
シグナム
『プレシアとリインフォースが産気づいたんだ!』
望
「何だと!?」
シグナム
『今ハガネの医務室に運んだところだが、もうすぐ産まれるそうだ。早く来て傍についてやってくれ!』
望
「わかった。すぐ行く!(ピッ)スカリエッティ! そういう訳なんで俺は戻る! 転送装置は!?」
スカリエッティ
「こんなこともあろうかと、既に準備してあるよ」
望
「恩に着るぜ!!」
俺はすぐに部屋を飛び出した。
メガーヌ
「……結婚してたのね、彼」
スカリエッティ
「しかも、相手は2人だ」
クイント
「それって浮気じゃないの!?」
スカリエッティ
「一応、公認らしいよ?」
クイント
「そ、そう……」
「ドクター、入るよ」
そこへ、セインとディエチが入って来た。
スカリエッティ
「おや? もうそんな時間かい?」
セイン
「うん。早くしないと間に合わないよ」
ディエチ
「もうみんな待ってる」
スカリエッティ
「わかった、行こう」
メガーヌ
「何かあるんですか?」
スカリエッティ
「これから地球の日本という国でやってる番組が始まるんだ。確か……」
ディエチ
「笑点」
名前が出ずに悩むスカリエッティに、すかさずディエチがフォローを入れる。
スカリエッティ
「そう、それだ。早くしないと始まってしまう。すまないが、今日はここまででいいかな?」
ゼスト
「別に構わないが……」
スカリエッティ
「では解散するとしよう。あ、待ってくれセイン! そんなに腕を引っ張らなくても―――」
ゼスト達が唖然とする中、スカリエッティ達は部屋から出て行ってしまった。最後にセインが顔を見せると、
セイン
「3人共、暇なら帰ってもいいよ」
と言っていなくなった。
クイント
「……何か、普通に家にいるみたいね」
クイントの呟きに、ゼストとメガーヌは静かに同意した。
ハガネ内部
望
「シグナムさん! 2人の様子は!?」
シグナム
「もうすぐ産まれそうなんだ。早く行くんだ!」
望
「ああ!」
医務室の扉を開けようとした―――その時だった。
プレシア・リインフォース
「「ぅ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」」
望
「っ!? プレシア! リインフォース!」
2人の悲鳴に近い叫び声が聞こえた。俺は反射的に扉を開け、中に飛び込んだ。すると、
「「オギャア! オギャァァァァァァァアアアアアア!!」」
望
「え…」
シャマル
「望さん! 丁度よかった。今、産まれたんですよ」
望
「あ……」
シャマルさんの近くに看護婦さんが2人立っており、その腕の中には赤ちゃんが抱かれていた。
望
「……や……」
俺がその事実を認識するのに、さほど時間はかからなかった。
望
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」
ちゃんと、産まれてきてくれたのだ―――俺達の子供が。
望
「そ、そうだ…! プレシアとリインフォースは!?」
プレシア
「もう…大丈夫よ」
望
「!」
急いで2人の元に駆け寄る。
望
「すまない、2人共。遅れて……」
リインフォース
「いいんです。こうして、来てくれたんですから……」
プレシア
「……ねぇ、聞こえた? あの子達の、産声」
望
「ああ、聞こえたよ……。小さくて、暖かい―――命だ」
リインフォース
「…ひっく……ぐすっ……」
望
「リ、リインフォース?」
突然リインフォースが泣き出してしまった。どうしたんだろう?
望
「まだ痛みが?」
リインフォース
「いえ…嬉しいんです……プログラムとして作られた私が、こうして子を宿して、産むことができて……」
望
「リインフォース……」
俺は、リインフォースの頭を優しく撫でてあげた。もちろん、プレシアの頭も撫でてあげる。頑張ってくれたことに対する、せめてもの感謝の気持ちだ。
望
「あ…そういえば、まだ性別を聞いてなかったな」
プレシア
「ふふ。私の子供は、男の子よ」
リインフォース
「私は…女の子です」
望
「そっか……とにかく、2人ともご苦労様。今はゆっくり休んでて」
もっと言いたいのに、そんな言葉しか出せない。すぐそこまで出かかってるのに、つっかえてしまっている。
プレシア
「ええ。でも……少しだけ、わがままを聞いてくれる?」
望
「何だ?」
プレシア
「傍にいてほしいの。私達の傍に…少しの間でいいから」
リインフォース
「お願いします、望……」
望
「……こういうわがままだったら、いつでもいいよ」
俺は、プレシアとリインフォースの傍に居続けた。
シグナム
「子を宿し、この世界に産む……か」
シャマル
「シグナム?」
シグナム
「何、少し羨ましくなっただけだ。私も2人のように、望の子を成したいと……」
シャマル
「そうね……でも、しばらくは無理ね」
シグナム
「ああ。望には、父親として子供の面倒を見るという仕事がある。一段落つくまで、待っていよう」
シグナムとシャマルは少しの間目を閉じると、望達を優しく見守った。
少し離れたところで、シュウト達が見守っていた。
ユキナ
「よかったね、望さん、プレシアさん、リインフォースさん……」
シュウト
「後でお祝いしてあげるか」
ユウキ
「だったら、体にいい料理を作ってあげないとな」
ミサキ
「私に任せて。こういう時の料理、調べてあるから」
ユウキ
「それは楽しみだ」
鉄人
「食材は揃ってるのか?」
ミサキ
「もちろん!」
シュウト
「それはやるとして、まずは一旦退散しよう」
高田
「何でだ?」
シュウト
「少しばかり、空気を読まないとな」
そう言って、シュウトは目を閉じた。
アリシア
「お母さん…リインフォースさん…よかったね……」
フェイト・はやて・なのは・レヴィ
「「「「うん…」」」」
アルフ・シュテル・ユーリ・ロード
「「「「……」」」」
シュウト達とは別の場所で、アリシア達が見ていた。アリシアとなのはは心から祝福しているようだったが―――
フェイト・はやて・レヴィ
((私(僕)もいつか、子供を産めるのかな……))
シュテル・ユーリ・ロード
(((……やっぱり、羨ましいな(です)……)))
フェイト達はプレシアとリインフォースを羨んでいた。そして―――
アルフ
(嬉しいことなのに……喜ぶべきことなのに……胸が痛い…何で―――! アタシ、まさか…望のこと―――)
新たに、自分の想いに気づいた者もいた。
望「よかった……! ほんっっっっとうによかった!!」
レイ「おめでとうございます! 出産祝い出します!」
望「ありがたく受け取るよ……」
レイ「次回は日常とシリアスと赤ちゃんの名前が明らかになります! お楽しみに!」
望「シリアスって何があるの……?」