鬼夜叉と呼ばれた男   作:CATARINA

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つかれた(語彙力崩壊)



結構話が重いので注意



泡末の夢

いよいよ安土本土で決戦か。

 

こっちの戦力は上々、向こうは吉とまぁ、光秀くらい。

しかもあの後合流した坂本殿の手引きで兵糧を大分削ったらしい。

………こういうのは禿鼠(秀吉)が得意だったよな。

 

 

かなり有利だ。この状態のうちに攻め込みたい。

 

 

 

「安土本土を攻める陽動と信長を討つ部隊を分けましょう。」

 

 

成程。なら俺は勿論信長を…………と言いたい所だがなぁ。

作戦的には俺が陽動するべきだろう。残念。

 

まぁ、マスター達に花を持たせてやりますかね。唯、絶対に殺すなよ?

 

()()の方から言いたい事が有るしな。

 

 

 

 

別働隊は俺と男信長、それと新人Oで構成される事になった。

 

所変わって安土近辺。

 

「何ですかこのモブみたいな名前は!どうなってるんです!?」

 

ああ、吉からそう呼べって言われたんでな。誰だっけ?

 

「お、き、た、です!沖田総司です!」

 

ああ、中途採用の。まぁいい、んじゃ、一中隊は任せるから。

 

「でもよぉ、夜叉はどうするんだ?多分この守り、指揮してんの光秀だぞ?」

 

決まってる。お前も信長なら分かるだろ?

 

「あ、やっぱり?うん、知ってたけど。」

 

 

 

「これでも守りの戦は得手とする所。唯一恐るべきは………」

 

 

『хорошоooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!』

 

 

「やはり夜叉様か………しかし、一度は敗北した身、対策くらい講じさせてもらおう。

重盾部隊、前へ!倒せなくとも良い!敵将を完全に隔離せよ!」

 

 

 

 

成程。この嫌らしい戦い方。俺のとも禿鼠のとも違うが、面倒臭さは一流だな。

古代ローマの時代に見るところのファランクス。それから()()()()()()()()()()陣形。

完全に俺を隔離して攻めるつもりだな。

面白い。………お前がマトモなら仲良くなれたろうに、残念だぜ。

 

ご期待に答えて敢えて正面から行こうか。頼むぜ、オレ。

 

 

 

 

そう思った刹那意識がナニカに呑まれそうになる。

俺がオレじゃなくなる。その感覚が言い表せない苦痛を伴う。

成程。コイツは制御に手こずりそうだ。

まァ、今は制御の必要は無さそうだがなァ。

 

悪ィが、全開で行くぜ?

 

ハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!

 

 

 

対サーヴァントを考慮されているのか、異常な硬度を誇る大盾。

矢は勿論大太刀さえ防いでみせたそれを素手で破壊し、頭部を粉砕する。

 

何だよ、その顔は、まるでバケモンでも見たみてぇな顔しやがって。

 

ハハッ。

 

悪いな。お前らに恨みはねぇが、俺達の邪魔をすんなら、鏖殺にさせてもらうぜ。

 

 

一人、二人。手に掛けて行くたびに心が満たされる。

欠け落ちた復讐心が滾り続ける。

ああ、成程。これが復讐者としての俺のifか。

悪くない。

 

包囲を殲滅した。さぁ、次はどうする?

 

「あれ?何だこれ?透けてら。」

 

何言って………うわっ!?透けてる!?

 

「……始まったか。」

 

ああ?何がだよ。

 

「つまり信長様に何かあったという事だ。」

 

…………オイオイオイマジかよ!勝手に死なれちゃ困るんだが!

光秀ェ!!!この戦は預けるからな!また今度な!!!

 

 

 

「…………何も死するのが此方の信長様とは一言も言ってないのだがな……」

 

 

 

 

間に合え!間に合え!間に合えぇッ!!!

 

流れ込んできた記憶と今の姿が被る。

あの時も、同じように走った。

今度こそは間に合わせる。

あんな思いは二度とゴメンだ。

 

安土城天守が見える……いや、もはやそこは瓦礫の山と貸していたが。

 

堀を飛び越え、城壁を破壊して安土城に飛び込んだ俺の目に映ったのは……

 

気絶させられているのか全く動かないマスターとマシュちゃん。

全身余すこと無く撃ち抜かれ血塗れの姉さん。

そして丁度今___俺の目の前で胸を貫かれた吉の姿。

 

 

「……おお!夜叉では無いか!すまぬの、今しがたわしらの邪魔をする愚か者とわしの偽物を

始末した所じゃよ♪おっと、茶を入れようにも茶器の一つも無いのじゃ………」

 

……………………

 

「?どうしたのじゃ?わしの美貌に見惚れたか?いやー、このないすばでぃなら是非も無いよネ!」

 

なぁ、お前。今、お前がゴミみたいに放り投げたのは、何だ?

 

「何って、わしの名を騙る偽物じゃろ。どうしたのじゃ?顔が怖いぞ?」

 

偽物………?違う。俺の知る信長……吉は…もっと、輝いた目をしていた。

お前みたいに澱んだ目をしてる筈が……無い。お前は、お前……誰だ?

 

「誰って……忘れとるのか?お互いに身体を貪り合った仲じゃろ。」

 

違う。絶対に違う。お前、お前は吉じゃない!

アイツの顔で!アイツの声で!俺の前に立つな!

 

「やれやれ、仕方ないのぅ、一度ボコって大人しくさせるかの♪コヤツらみたいに。」

 

奴はそう言って吉と姉さんを踏み付けた。

 

 

_____ああ、そういや、お前、言ってたよな。

俺に殺されたいって。

だったら、

 

 

 

 

 

右腕から始まった侵食が新たなる獲物に呼応して瞬く間に広がっていく。

 

まぁ、いい。構わん。

 

 

 

身体も、心も、キオクも、そんなモン欠片も惜くねェよ。

タダ、代わりニ、

 

 

「ねぇ、ドウシテナの?コタエテヨ、ドウシテワタシカラハナレテイッタノ?ヤシャ。」

 

 

テメェダケハ、ゼッタイニ、コロシテヤル。 

 

 

 




お互いに、お互いを想うからこそ殺し合う。

追記………玉葱テスト前の為この投稿から1~2週間お休み。ゴメンね。


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