鬼夜叉と呼ばれた男   作:CATARINA

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玉葱は嘘吐き。


群胡蝶はシザンサス。
花言葉は…


群胡蝶

「先輩!もう止めましょう!これ以上はカルデアの財政が持ちません!」

 

「やだ!ぜったいにひくの!」

 

絶対に、絶対に引くのだ。

立香は決意した。かの邪智暴虐なる男を引かねばならぬ。

立香にはガチャが分からぬ。立香はカルデアのマスターであった。

iTunesカードを溶かし、爆死をして過ごしてきた。

 

「あのなぁ…マスターよ。確かに夜叉の奴とは会いたいがの?だからって破産する程回しちゃいけないとわし思う。」

 

「フシュルルル……!フシャア!!!」

「んー駄目みたいだねこれは。散々フラグを建てといて召喚に応じないとは彼も罪な男だねぇ。」

「よーし!頑張れよ殿様!夜叉の兄貴も何だかんだ会いたがってた筈だし来れんだろ!」

 

既に詫び石は尽き、課金は六桁の大台に乗りかけた。

されど立香は諦めない。

絶対に諦めない英霊の姿を見たから。

そう、絶対に。

 

体は石で出来ている

I am the bone of stone.

 

血潮は呼符で心はガラス

Ticket is my body,and fire is my blood.

 

幾たびの戦場を越えども爆死

I have created over a thousand death from blasting

 

ただ一度の★5もなく、

Unaware of loss.

 

ただ一度の虹回転もなし

Nor aware of rainbow spin.

 

マスターはここに独り

Withstood pain to leak sobbing,

 

ガチャの前で嗚咽を漏らす

waiting for one's master.

 

ならば我が生涯に意味は不要ず

I have no regrets.This is the only path.

 

この体は、

My whole life was

 

無限の爆死で出来ていた_____

『Unlimited blast works』…

 

 

 

(数十分後……)

 

「 」キボウノハナー

 

「先輩!?先輩!せんぱーーーい!」

 

 

立香は死んだ。

あまりにもガチャで爆死しすぎて貯金が尽きたのだ。

彼女の最期の言葉は「もっと家賃の高い所に引っ越さないと…」だった。

 

 

 

「諦めましょう…先輩……」

 

「うん……ゴメンね、マシュ…」ポン

 

「「え?」」

 

ラスト30個。

使う筈なく、完全なミスタップ。

しかし、

使わずにとって置こうとしたこの十連が奇跡を起こすのだった。

 

 

1~8

シンジクン「「「「「「「「(´・ω・`)」」」」」」」」

 

「ごふっ(吐血)」ヒンシ

「先輩!?眠っちゃ駄目ですよ!先輩!?」

 

 

9

 

「ホワーン」キンカイテン

 

「我こそは刀八毘沙門天の化身、長尾景虎!弱く強きものよ、そなたの為さんとする大業、我が身の全てを賭けるに些かの不足なし。———改めて、よろしくお願いしますね!」

 

「やったぁ!!!!!!景虎さん!またよろしくね!」

 

 

喜びも束の間、時に幸運とは連なる物だ。

 

10

 

「ホワーンッ!!!」ニジカイテン

 

「嘘!虹回転!?」

 

「我は第六天魔王波旬、織田信長。出迎え大儀である。人の身で果てなき旅路を行く者よ。」

 

「FOOOOOO■■■■■■■!!!!!」

 

興奮のあまり半ば狂戦士と化す立香。

無理もない、★4と★5が同時に出たのだ。

本来なら暫くは夜道に気を付けなければならない程に喜ばしい。

 

しかし、この二人が揃った。故に……

 

「夜叉さん………」

 

本来居るべき男の姿がない事を寂しく思った。

何より、口こそしていないが信長は明らかに落胆していた。

 

「いや…いいのじゃよマスター。あやつにも何か考えがあるのじゃろう。」

 

信長は告げる。

 

「それに、今からあやつに会った何と言おうか考える事が出来て寧ろラッキーじゃよ!是非も無いよネ!!!というかそっちのわしは何で最初から最終再臨なんじゃ!おかしいじゃろ!」

 

必死に話題を逸らした。

周りに悟られたく無くて。

しかし___

 

「む?すまぬの。この姿でなくては貴様と被る故な。あやつが見失いかねん。」

 

「?あやつ?誰の事?」

 

「マスターよ、冗談がキツイぞ?そも、我がこのような神モドキを我が伴として同伴させると思うか?今も昔も我が伴は一人、誰とは決まっておろうが。」

 

魔王信長はそう言うと召喚陣に魔力を叩き付ける。

本来のサーヴァントにはありえない程の魔力を。

その魔力は召喚陣を誤作動させ、陣は尋常じゃない速さで廻る。

 

「愚か者が。もそっと早く来ぬか。」

 

陣が焼き切れる寸前、魔王信長は呟いた。

ほんの僅かに。

自分自身で聞くのがやっとな程に。

 

「まぁ、許してくれよ。本当は真っ先に来たかったんだがね?排出率の壁ってのは本当になぁ……ハハッ!」

 

回転が急に停止すると、ソレは現れた。

 

日ノ本の英霊としてはやけに大柄な体格。

大弓、大太刀、打刀、十文字槍に隠し持った拳銃。

何よりその特徴的な口癖。

間違える筈が無い。

 

 

1()1()

 

 

「サーヴァント、バーサーカー。浅井長政。聞こうか、アンタが俺のマスターかな?……なんてな、冗談だ。何て顔してんだよ、ったく…まぁ、また宜しく頼むぜ、マスター()()()!」

 

 

 

 

 

いつかのようにケラケラと笑いながら。

 

 

 

 

 

 

 




『いつまでも一緒』

11連ガチャは良い文明。



ぐだぐだ本能寺完結!お付き合い頂き有難う御座いました!

さて、本編は序章書き終わったら投稿します(しばらくお休み)

休止はできるだけしたくないので幾つか短編を書いてあります。
お暇な方はwith玉葱の方も宜しく御願いします。(予定ではwith玉葱なのに玉葱抜き。シリアス。)

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