激しい光に身を焦がされた。
その光に並び立ちたくて手を伸ばした。
やがて、追い付く事を諦めると、
せめて、光を曇らせたくないと。
青年は全てを抱えた。
例えその選択が彼の心を朽ちさせても。
「浅井長政よ!織田に味方するとは如何な事か!それも比叡山を焼くとは!」
「左様!」「恥知らずが!」「罰当たりめ!」「武士の風上にも置けん!」
「ソれだけカ?で、本題は何だよ。」
あーあ、爺さんにペコペコすんなんて御免だぜ。気楽で楽しいわぁ。
「貴様ァ!!『待たれよ。』義景様!!」
「長政よ、此度の蛮行、武士として許されざる行為よ。しかし、これより一層の忠誠を誓うと言うのなら全て水に流そう。共に信長と戦おうではないか、なあ?」
何だコイツ。何時まで自分が上司のつもりなんだ?
「織田信長。」
「む?」
「…俺ノ友であり、義兄の名ダ、そレを裏切れと?」
「左様、浅井は朝倉と長い付き合いだ、それこそ貴様の親の代からな。故に「で?」何だと?」
「だからドウシタ?それが友を裏切る理由になんのか?」
「武士とは義理と忠を持って「お前ら俺を部下か何かと勘違いシテない?」」
「コれでも六角を潰してまぁまぁの勢力だと思ってんダケドさ、どうなの?」
「しかし、朝倉は今だ浅井よりも大きい!浅井程度がつけ上がるなよ!」
「浅井、程度ねェ、面白い、試シテ見るか?実際にやり合ってヨ。」
「何人も死ぬぞ。」
「いや、何だ。要はここでヤロウって事ダよ。」
そう言いながら腰に帯びた打刀を振り抜く。圧切長谷部。
朝倉爺の所に殴り込むって言ったら吉法師がくれた打刀。良く切れる。
圧切…つまり圧しただけで切れる、と言われたその切れ味は抜刀しようとした男を豆腐のように両断した。
「乱心か!?長政ァ!!!!!!」
「元からだよ!クソジジイがァ!!」
爺の家臣を切り捨てながら言う。
「知ってんだからな!お前らが僧と繋がって、家の家族に手ぇ出そうとしたのはなァ!」
「ぐっ!何故それを!?」
「チョイと『お話』したんデネ!どっちが恥知らずだ!?なァ!?」
一足で懐に潜り込む。弓術の名人と言われた義景でもこの間合いなら俺の方が速い。
刀を突きつけながら言う。
「大将首!今は置いておいてヤルヨ!勝負は戦デ決めようか!!!」
そのまま塀を越え、待機させてた馬で逃げる。
絶対にユルサネェカラナ………………
「吉法師―帰ったぜー!」
「夜叉ァァァ!!!!!!」ガバッ
「落ち着けって腰があああぁ!?」メキャア!!!
「怪我は無いか!何か言われて無いか!儂を捨てないか!?」
「落ち着け、大丈夫だから。お前を裏切ると思うかよ!」
何か比叡山の後からやたら心配症になったよな。まぁ、原因は分かるんだが。
「夜叉君?」
「帰蝶さん。どうしましたか?」
「信長はね、貴方がした事を気にしてるみたい。」
「???」
「根切り、よ。あの子は自分が甘いから、貴方にあんな事をさせたと思ってるの。」
「成程ね。……後悔も反省もしてないさ。アレは俺に必要だった。俺が、文字通りの夜叉になる為に。これは吉法師にはどうしても出来ない役回り、アイツには甘さが有る。なら俺がその分、鬼にでも修羅にでもなってやるさ。それが、俺なりの覚悟だ。…吉法師には言うなよ?」
「…ふふふっ。ホント信長はいい友達を持ったわねぇ。勿論言わないわよ。」
「大丈夫!大丈夫だっての!」
天下を統一するなんで大事、綺麗事だけで出来るはずも無イ。
だから吉法師。お前は光の当たる道を行ケヨ。汚れ役は俺一人で充ブンダ。
「無理をされると困るのじゃ!もしお主が居なくなったら儂はどうしたらいいのじゃ!?」
夜叉。お主が儂の代わりに闇を抱えて居るのは知っとる。じゃが、じゃが…ッ!
それではお主があまりにも救えないではないか!
なぁ、今生を賭けてのお願いじゃ、夜叉。もっと自分を大切にしてくれ。
もし、お主が居なくなれば、儂は……………
やって参りまシた!姉川!
史実だと焼き討ちより前なんだケドね。
朝倉方15000 織田徳川浅井連合軍35000。
これが数の暴力か。
サア!こレで朝倉爺の顔も見納めだろ!行くぞお前らァ!!!!!!
「突撃―!」「皆殺しだー!」「オラに続けー!」「ここは安全だ!」
お前ら、良い兵士だな。狩りに優れ、無慈悲で、血に酔っている。良い兵士だ。
存分に狩り、殺し尽くし給えよ。
「敵の潜水艦を確認!!!」
「「「「「「「駄目だッ!」」」」」」」
たまにおかしなのも居るが。それでも優秀だ。
サテ、行くかね!
俺はおレの仕事をしヨうか。
「朝倉様!もう持ちませぬ!此処は我らが!お逃げ下さい!」
「ならぬ!織田と浅井の若造なんぞに引けるか!」
「ですが!『ドウモ!若造デす!』」
「長政ァ!!!!!!」
「まぁ、そンなに怒んなよジジイ。ホラ、お届け物だぜ?」
俺はそう言って馬の背に括り付けたモノを一つづつ放る。
「えーと、誰だっケ?ア、『阿君丸』君。」ポ-イ
「な!?」
「『愛王丸』、『四葩』、『まつ』、『信景』。」ポイポイポ―イ♪
「貴様ァ!!!!!!」
「あ、後『小宰相』さンと『小少将』さん。…コレで全部かナ?」
「愛王丸様!阿君丸様!なんと言う…」
『首』を投げ終わった俺は肩を回してストレッチする。
意外と重いんだよね、アレ。
「貴様、貴様!子女を手に掛けるとは、それでも人間か!?」
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
「く、狂ってる……」
「君ィ、失礼じャナい?俺はただ、コイツにやられた事をヤリ返しタだけなンダが?」
マさか、人にやットいて自分ガされる事を覚悟してないなんテイワナイヨなぁ?ハハッ。
「コヤツを殺せ!コレは最早人間では無い!許さぬ!一族郎党皆殺しにしてくれるわ!!!!!」
「ご名答。もう俺は人じゃあねェヨ。我が名ハ毘沙門天ガ眷属、夜叉!
織田信長トの縁あって貴様らを鏖殺しトセン!サァ、死にタい者カラ前に出ナァ!!!」
鬼夜叉の狂
姉川の戦いにて、敵総大将朝倉義景の前に突如として現れた浅井長政。
妻子を狙われた意趣返し…と称して『義景の妻子を皆殺しにし、首を贈った』と言うもの。
かつては狂気に呑まれたが故の凶行とされていたが、
信長の自伝から、後世にて信長の行動を批判される事、朝倉の残党が反乱を起こす事を嫌った長政が自らの評価を顧みず、わざと残虐に振る舞ったとされる。
………夜叉の根切りと合わせ、これらの行為は着実に長政の正気を蝕んでいった。
これにより、朝倉家は信長に下った朝倉景健とその妻子を残して全滅したとされる。
シリアス多めの回。
Fateシリーズの小説に準ずるにはシリアスも書けないと駄目かなと
思って書きましたが、何となく気分が悪かったです。
次から元に戻ります。
今回の話が気に入らない方に深くお詫び申し上げます。
カタカナ多くて見にくいです。ゴメンなさい。
少しづつ夜叉君を壊して行きたかったんや(愉悦)
戦国時代編最終回どうしたい?
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BADEND
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TrueEND
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どっちも書け。
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HappyENDにしろやオオン!?