鬼夜叉と呼ばれた男   作:CATARINA

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さあ、かなり時間が進みました。

信長の代わりに荒れる夜叉君に抵抗が来るかと思ったら意外に好評だった。


決意

どうも安土城の寝台からこんにちは。

夜叉です。何で寝たままなのかって?

横に吉法師が居るじゃろ?察してくれ。

 

長篠の戦いから一年。まぁ、何だ。

 

撃たれた。

 

本願寺の奴らの殲滅を光秀に命じた吉法師だったけど。

『逆に包囲された。助けて。』(部分訳)って言われた。使えねぇなオイ。

 

最近、前世の記憶が薄れてきてる。

具体的に言うなら、天王寺砦の戦いってのに気付いたのが出陣直前。

成程。■■■■から、浅井長政になってきた、って事か。もはや名前も思い出せないが。

 

天王寺砦の戦い。信長自ら先頭に立ち、結果撃たれて負傷するって戦いだ。

尤も俺がそんなの許さんがね。

信長は先頭に立ったから撃たれた。なら、先頭に立たなきゃ良い。

簡単に言うと………ズダァン!!!

 

俺が撃たれれば良い。

 

ああ、痛ってぇなぁ…前世ぶりだな、撃たれるのは。

だがまぁ、兵士の先輩として教えてやるよ。

なまじっか発砲するのは、相手に位置を教えるだけなんだぜ?

火縄銃。景虎姉さんは飛び道具が使えないから教えてくれなかったけど。

身体が覚えてる。記憶の欠片すら無くなっても。

いいのか?ホイホイ出てきて。俺はスナイパーだって構わずに喰っちまう男だぜ?

射手をカウンタースナイプして撃ち殺す。

まあこれで奴は自分の脳ミソを探すのに手いっぱいだろ。

 

あ、ヤベェ。眠い。

 

ごめん吉法師。あとは頼んだ。

 

 

 

まぁそれで寝込んでるってワケ。

正しくは起きた瞬間に押し倒されたが正しいか。

 

 

あのさぁ、吉法師。

あれは俺の独断だから。そんな怒んなって。

光秀君だってワザとじゃないんだから。

だから光秀君のこと踏むの止めよ?

 

「ならぬ!この愚か者がヘマをしなければ夜叉が手傷を負う事もなかったのじゃ!!!」

 

確かにそうかもしれないけどさ、

 

「申し訳ありませぬ!信長さま!」

 

「誰に謝っとるんじゃあ!!!」ドゴァッ!!!

 

「グッフウッ!?!?!?」

 

ストップだ、吉法師。それ以上やったら嫌いになるぞ。

嘘だって。ゴメン。だから死んだ目で圧切向けるの止めて?危ないから。

ほら、光秀君が能面みたいな顔してる。

 

「ほれ、もう一度じゃ、言ってみい?」

 

「申…し訳あり…ませぬ…長政殿…」

 

「まぁ、気にしなくていいさ。吉法師を守れた。これでいいだろ、な?」

 

「…寛大な夜叉に感謝するんじゃな。しかし罰は受けてもらうぞ。貴様の領地は没収とする!!!」

 

「信長さま!?それは!?」「吉法師ィ!」

 

「付いてこい、夜叉!」

 

「信長様!私も「寄るでないわ!この下郎が!」信長様…」

 

「夜叉が許しても儂が許すと思うな。本来なら打ち首の所じゃ!」

 

「おい、待てよ!」

 

 

 

 

「何故だ。」

「何故なのだ。信長様…」

貴女は変わってしまった。

あの男が関わってから。

否、変えられてしまったのだ。

ならば、ならば。

 

忠臣としてお救いしなければ。

待っていてくだされ。

今、光秀が『私の』信長様を救ってみせます。

 

 

 

 

「吉法師、やりすぎじゃないか?」

 

「そんなことは無い。」

 

「あんなの反逆しろって言ってるようなもんだぞ?なぁ?」

 

「お主を守るためならどんな臣も兵も要らぬわ!」

 

「だからと言ってな…」

 

 

 

「じゃあ!お主がいなくなったら誰が儂を抱きしめる!?誰が慰めてくれる!?

誰…がわ…たしを女として愛してくれるの!?

………だから…お願い。夜叉。私の前からいなくならないで…」ボロボロ

 

ハァ…まったくコイツは…

長篠の戦いの後からこうして時々、精神的に不安定だとこうなる。

きっと。これが天下人織田信長の素顔…いや、吉法師という少女。

存在しなかった。できなかった。そんな一面なのだろう。

 

「莫迦だなぁ、お前は。」

 

「うるさい、このうつけもの。」ダキッミシミシミシ

 

抱きしめられて締め付けられる。

だが、不思議と苦痛は感じない。

 

「ホントに莫迦だ…お前は。」

 

「うるさい。うるさい。うるさい!」

 

「いーや、お前は莫迦だ。間違いなくな。」

何故かって?

「誰がお前だけ置いて逝くかよ。俺達は一蓮托生…生きるも死ぬも同じ…だろ?俺はお前の全てを肯定するし、いなくなるな。というなら死んでもお前のため生き返るさ。だから、お前の夢を見せてくれ、吉法師。」

 

獣は空に輝く星に憧れた。追い付きたいと願った。

だがもし、追いつけないなら。それでも。

輝く為の支えになりたいと願った。

 

「この馬鹿者…本当に馬鹿者じゃよ。ばかものめ…」

 

「落ち着いたか?」

 

「ああ。」

 

「無理するな、いつでも頼れ。もうこの命、お前に預けたんだからな。」

そう言って寝室を去る。

 

「まぁ待て。」

去る。

 

「思うに、最前線で倒れた者には罰が要ると思うのじゃよ。」

サル。

 

「儂を庇った果報者への褒美もの。」

さる!

 

「さて、どちらを先に賜りたい?」

 

ソレドッチモオナジナンジャナイデスカネ。

 

「まぁ、その気にさせたのはお主じゃ、諦めよ。」ズルズル

 

やめて!そんな事言って、私に乱暴する気でしょ!エロ同人みたいに!!!エロ同人みたいに!!!!!!

 

「抵抗は自由じゃが…私は離す気は無いからね!夜叉♡」

 

オデノカラダハボドボドダ!

 

 

明智光秀

 

信長に背いた理由はかつてとの信長の変化とされる。

故に信長を討ちながらも信長の救済を掲げた。

歪んだ光秀にとって、変わってしまった信長は勿論、

変えた者も憎悪の対象。

 

 

 

 

 

 




雌堕ちヒロインとかいうパワーワード。

正ヒロインはノップだった…?

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